2000ミステリ年度MY Best

●ミステリ年度っていうのは、1999年11月から2000年10月まで。この期間に発売された本がいろいろなベスト選の対象になる。というわけで、この期間内の私のベストを選んでみました。いちおう作風で分けたのは、なんかの参考になるかと思って。

●クライム・エンターテインメント
 っていうジャンルがあるわけじゃないが、ほら、いかにも映画化されそうなタイプの娯楽小説です。
2000/01 ゴードン・スティーブンス『カーラのゲーム』
 イギリス風なロマンな作風がはまれば○。
2000/04 トマス・ハリス/高見浩『ハンニバル』新潮文庫
 賛否両論あるだろうが、腐ってもハリス。
2000/04 マイクル・コナリー/古沢嘉通『わが心臓の痛み』扶桑社
 後半がちょっとしらけたが、面白い。
2000/06 デイビット・マレル/山本光伸『ダブルイメージ 上・下』二見文庫
 ジャンルを知りつくした玄人のくせ玉。
2000/09 アンドリュー・クラヴァン/羽田詩津子『アマンダ』角川文庫
 リリカルな好編。甘さがはまれば○。
2000/09 スティーブン・ハンター/玉木亨『魔弾』新潮文庫
 アンチヒーローの成長小説として面白い。
2000/10 ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子『コフィン・ダンサー』文藝春秋
 良くも悪くも娯楽小説。
2000/08 スピア・モーガン/菊地よしみ『フレッシュアワー氏の蝋菅』ハヤカワ文庫NV
 ひねったウェスタンである。『小さな巨人』とか、そういうのが好きな人向け。
 
 というわけで、このジャンルでのベストは、『ハンニバル』『魔弾』かなあ。
 
●ミステリ
2000/03 ハーラン・コーベン/中津悠『スーパー・エージェント』ハヤカワ文庫HM
 主人公の優柔不断ぶりが楽しいと思える人には○。このシリーズではベストかも。
2000/03 ロバート・クレイス/高橋恭美子『サンセット大通の疑惑』扶桑社ミステリー
 どんどん人間臭くなっていく主人公のありさまが○。前作とセットで読むべし。
2000/04 デニス・レへイン/鎌田三平『闇よわが手をとりたまえ』角川文庫
 三部作であるような気がしていて、判断保留。でも好感触。
2000/05 ジョナサン・ストーン/奥村章子『三つの遺留品』ハヤカワ文庫MP
 くせ玉。ちょっと舞台劇のような人工的な感触が最近では珍しい。
2000/05 ジェニー・サイラー/安藤由紀子『イージー・マネー』ハヤカワ文庫HM
 主人公の野良猫的なキャラクターの今後に期待して○。
2000/08 コリン・ホルト・ソーヤー/中村有希『老人たちの生活と推理』創元推理文庫
 いわゆるコージーな一編。良くできている。
2000/09 ジョー・R・ランズデール/鎌田三平『バッド・チリ』角川文庫
 バッドテイストな語り口が面白い。ただ、シリーズの中ではベストではない。
 というわけで、このくくりのなかでは、『サンセット大通の疑惑』『イージーマネー』か。


●冒険小説
2000/04 ギャビン・ライアル/中村保夫/遠藤宏昭『誇りへの決別』早川書房
 冒険小説の大御所の歴史冒険小説。イギリス情報部の草創期を扱っている。シリーズの2作目。
2000/05 A・J・クィネル/大熊栄『トレイル・オブ・ティアーズ』集英社
 クィネルの顔写真が公開されたという点が特筆される。
 この中では両方好き。シリーズでないからすすめやすいという点でクィネルかなあ。
 
●その他、私の裏ベスト
2000/03 リチャード・T・コンロイ/浅倉久志『一寸の虫にも死者の魂』創元推理文庫
 三冊のシリーズの掉尾を飾る、もっとも無茶苦茶な一編。こういうジョークを笑える人には◎。
2000/03 ジェイムズ・ロング/坂口玲子『ファーニー』新潮文庫
 こんなの読んだことがない。『時を駆ける少女』の老人版。ミステリではないな。
2000/07 ニコラス・ブリンコウ/玉木亨『マンチェスター・フラッシュバック』文春文庫
 マンチェスターのゲイの生態がうっとうしいが鮮烈。贖罪と再生の物語として◎
2000/08 D・モンタギュー/赤井照久『めぐり逢いは永遠に』上・下 小学館文庫
 大ロマン。母、娘、孫娘三代に渡る恋愛小説。今どき珍しいです。
2000/09 ブライアン・フリーマントル/『屍体配達人』新潮文庫
 本来なら、いちばん最初のエンターテインメントに入るのだろうが、読み所は官僚の官僚的行動のいやらしい描写にあると思うのでこっちに入れた。面白い。
 この中のベストは、『マンチェスター・フラッシュバック』『屍体配達人』ですね。
 

 ただし、『子供の眼』『氷の闇を越えて』はまだ読んでいない。この二つはけっこう面白そうなのであるが。