MIESZKANIE EXTRA WIRED
Ver.Tractus_2004/2/11更新


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トップページへ>映画の感想(メモや日記からサルベージしたもの)。



2004.2.16→「ピノッキオ」を見て、コメディ映画に開眼する。

バレンタインはロベルト・ベニーニの「ピノッキオ」を母親と見ました。

素晴らしい。


なんて色にあふれた画面! なんて楽しい衣装! 
なんておっさんばっかりの実写!(待て)
それでも全力! ずっと全力! テンション下がったりしない!
問答無用に楽しい映画だったですよ、ブラァーボゥー!
映画をみて、こんなに気分が晴れたのは久しぶりです。
(未だに「ミスティック・リバー」を引きずっていたらしい)
普段から、ファンタジーな映画を嫌って馬鹿にしている母親が
「あのピノッキオは面白かった! 面白かった!」と二日連続で、
何かあるたびに俺に言いましたよ。やった! もう一回観たいな。 
弾けまくっているイタリア語がポイントなんだと思います。強力。
メランコリアなんか、どこ吹く風ですよ。ってか、かつらネタが
仕込まれた「ピノッキオ」なんて前代未聞ですよ。
個人的には
コオロギさん(渋いねぇ)とルシーニョロに惚れましたですよ。
観た後で、オレンジ味のペロペロキャンディーが欲しくなりました。
ちっとも下品じゃない笑いが良かったです。


04/1/20→「ミスティック・リバー」を見て凹んだ。

で、見てまいりましたよ「ミスティック・リバー」。配給が松竹なもんで
イノセンスの予告がかからないんですよ。何見たら見られるんだろう。
映画はドロドロしてるだろうなー、と思ったら、ドロドロどころじゃなくて、
砕いたガラス入りの冷えた泥でしたよ(号泣)。
あがけばあがくほどに、深く沈み込んで切り刻まれるんでございますよ。
善人? 悪人? そんなもん、現実に居るわけねぇだろうがよ、と
利己と思い込みの無間地獄へ送り込まれる、みたいな。
これからのお手本って感じです。達者で分かりやすい演技に浸りましょう。
そっと間髪入れずに差し挟まれる軽い偏見と悪言が後からじわじわと
嫌らしく効いて来るのと、とどめのパレードが何よりもキツかったのです。
ラストのジニーの妻の「私たちはよわくないわ」という何気ない台詞は、
忘れがたい台詞となりました。ああ、そういう風にもってくるか! そういう風に!
(実はこれが一番、心情的にきつかったのだった) 
手放しでは喜べない映画です。三人称の映画が別名、神の視点と呼ばれる
由来を噛みしめたような気がします。観た後はどうしようもなく凹むので
幸せな気分の時に行きましょう。俺はどーんと凹みましたよ。


04/1/19→「ケミカル51」見た。

二日前の23歳の誕生日に見た映画は「ケミカル51」。
二次パクリと英国に対する偏見を楽しむための映画です。
つまり「宮藤官九郎のドラマ脚本だが堤系演出に非ず」
なのでありました。や、良いと思うよ。チャクラが。
えーと、クソだのバカだのデブだの死ねだの何だのと
罵り言葉が洪水のように台詞に「欠かさず」出てくるので
正確で自然な発音を習得することが出来ます(←するな)。
(ファック・ユーじゃなくて、フォック・ユーみたい)
にしても、我らが愛しの英国低身長チンピラ俳優である
ロバート・カーライル氏は「フル・モンティ」以降
「マンチェスターUに敵対心を持ったサッカー狂の
チンピラ」というキャラがはまり役になったのだろうか。
やぁ、悪態が自然だなぁ。


04/1/12→「13ウォーリア―ズ」見た。

話に無駄がない話って大好き。スピーディーです。
ウマにのってがっつんがっつん戦ったり拳闘したり
剣引っ担いで滝でターザンやったりと素敵すぎ。




04/1/8→「歓楽通り」見た。

あー、もう、やられた。必見。


来たー、おフランス来たー!(両手を挙げて狂喜乱舞)。
なんでかっつーと、ネグリジェ姿の娼婦のおねぇさんたちに、
少年が頭をなでなでされて、あちこちでかわいがられて、
ほっぺたに赤いキスマークをつけて、おねぇさんの
なめらかな肩をもむから。そして、「将来の夢は?」と
おねぇさんに聞かれると「女の人の世話をすること」と
舌ったらずな口調で言うからです。うはー!
ネグリジェスキーには、夢のような映画でございました。

あのちやほやされっぷりと、少年の「視線」ってのは
おフランス映画ならではのうれしい特徴、みたいなね。
頬におしろいパタパタされて、髪には軽いキスを落とされる。
いやらしくない、可愛らしい色気がたっぷりなんである。
こういうのをきちんと撮ってくれるのは大好き。

で、少年はちょっと頭の足りないハゲ頭の中年男に成長した後も、
女達をお世話する。でもお世話だけ。見守る。ずっと見守る。
来たー、おフランス系切なさ。
「わたしたち、ゴミみたいにまとめてすてられるのかしら」
と聞いた男が、ぽわわんと連想するのは「キャー。」と悲鳴をあげながら
窓から路上にポイポイされる娼婦達だったりするのもツボ。
決して暗さを感じさせない。大人のメルヘンで、画面は美しい。
筋は無いようなあるような……フランスだなぁ(しみじみ)。
色彩の勝利だと思います。黒い影すらもあたたかく、すべての色が
目にやさしく、音楽は古めかしくも、ちっとも邪魔に感じない。
きれいなので見てくだされ。おフランスを愛する人へ。


04/1/7→核を制御しかねるという恐怖。

「K-19」を見ました。
潜水艦内部のせまっ苦しい感じが素晴らしい。
艦内を這い回る配管、蒸し器のような原子炉、思うようにいかない
行き来。潜水艦映画は密室と暗闇と計器反応の映画なので
「敵魚雷2基接近中!」とか「ソナーに感知! 右舷後方!」とか、
「艦長と副長が指揮権限を争って対決する」とか「最終兵器的
不思議女の子が艦に乗って未来予測で敵を察知、最後は哀しげに
歌いながら艦と共に撃沈」とか、そういうものばかり見ていたので、
おおー、と思いましたよ。良いです。軍人映画として見ましょう。
「十分が限度」交代シーンで思い出すのは、東海村の臨界事故ですな。
クルスクの事件も、10年ほどしたら映画になるのでしょうか。

それにしても、リーアム・ニーソンが唸るような声で演技してると
ドパルデューに酷似してるとか思います。だってあの鼻が
(海外の役者を鼻で識別するのはよせ)。
あごを引いてると、ベートーベンの肖像画みたいな感じがする。


04/1/4→海外ドラマ「レ・ミゼラブル」終了。

「ジャヴェール! ジャヴェール!
マリユスのあの妙にレゲェが入ったパーマ髪は
どうにかならないのかジャヴェール!!」
(ジャン・バルジャンの声でお読みください)


「生憎だが、ジャン・バルジャン。
……髪は私の管轄外だ……」
(ジャヴェール警視の声でお読みください)


というわけで(どういうわけだ)「レ・ミゼラブル」最終回見ました。
ビバ! 地下道!! ビバ! 黒い水面にひび割れた鏡台、
セーヌの川面に映った青空!
結論。
去っていくジャヴェール警視がめっぽう素敵。
(結局はそれか)
ジョン・マルコヴィッチ、演じてくれてありがとう。
黒い皮コートの魅力は計り知れないものがありますよ。
正確に言うと、警察署に戻ってくるときのコートの
あの裾のはためき具合が……!(語るな)。

マリウス爺に、かつらをかぶるシーンがあったのが
個人的にとてもうれしかった。
あれを見るだけで対場が一目でわかるわけですな。
わー、白粉はたいたかつらだー、従者は耳の上で二つ巻きだー! 
濃紺のおリボンに白いおタイツ、おフランスっぽさにあふれております。
マリウス爺の客間は金の装飾だらけで、貴族としては趣味が悪いように
見えますが、そこはそれ、客間っつーのは、本質的に
「てめぇら、くつろがずに用が済んだらとっとと帰れ!」
というような場所であり、なおかつ家柄を見せなくてはならない、
という感じの場所なので(多分)とことんキンキラキンなのです。
その対比として、バルジャンの銀の燭台が利いてます。

新年から良いものを見させてもらったなぁ。うん。
にしても、クリスチャン・クラヴィエ(デナルヴィエ役)って
何であんなにも目がぎらぎらと輝いているのだろうか。姑息な
ニヤリ笑いに不自然なところが少しも無いのがさすがですよ。


「レ・ミゼラブル」三回目ー。
時間の経過をあらわすには、色々とやり方があると思うのですが
麗しの我らがコゼット嬢が美人さんに成長するのはともかくとして、
元からハゲの気があるけど長髪で努力していたジャヴェール警視が
颯爽と波平スタイルで登場してきたのには、驚きを通り越して大爆笑。
スキンヘッドのマルコヴィッチだからこそ自然に出来る技なんでしょうが
一番、哀しくも劇的な時間の経過を感じさせる変化でしたよ、あれは。
それにしても、貧乏人はとことん貧乏人って感じの格好をさせている。
まるで「貧乏人の服の色」があるんだ、と言わんばかりの服の配色で、
クラウヴィエはキャラを立てようと、もみあげまで生やしてしまうし、
可愛かった妹が、貴様どこの宇宙人だ、と思うようなおでこになり
(ここまでやる必要があるのかってぐらいに、インパクトがありすぎ)
揃いも揃ってやつれはて表情には険がある、というメイクなのです。
で、実にいいところで「次回につづく」のであります。ダヤンってば!


「レ・ミゼラブル」二回目。またもやジョゼ・ダヤンが
演出担当なんですねぇ。ジェラール・ドパルデューとくれば
ダヤンなんだろうか。「モンテ・クリスト伯」→「バルザック」
→「レ・ミゼラブル」→「ナポレオン」の順で撮ったのかも
とか思っちゃいますな(作品間で役者が重複しているから)。
それにしても、ジョン・マルコヴィッチはつくづく良い。
黒いコートが定番のジャヴェール警視、OKじゃないですか。
吹き替えの津種山さんも渋い声なんですが、副音声で一度
原語を聞いてみると、さらに低音声なんだよコレがまた!
冒頭で囁き殺す警視素敵すぎ。ああ、駄目だ反則だよアレ。
(視点を大いに間違えています)
そして巨体をのっしのっしさせながら、ガラス窓を突き破っていく
ジェラール・ドパルデューが熊っぽくて良いです。
(それは誉めているのか)


「レ・ミゼラブル」一回目録画失敗。途中からだー。
でもいいんだ、明日からきっちりと撮るんだ、
ジョン・マルコヴィッチが警部役だから。今回は
きっちりフランス語しゃべってるぜブラボー!
日本語の声を演じる俳優さんもいい人ばかり。
ってか、綺麗だなぁ。本気を出してる感じだなァ、
ジェラール・ドパルデューの演技は変わらないが。


03/12/06→福本清三氏燃え映画「ラスト・サムライ」。

トムよりも渡辺謙、渡辺謙よりも、寡黙な侍。
というわけで、見事に福本清三氏燃え映画でした。
きゃーきゃー、老侍可愛ええー。目が釘付けになりました。
ポン、とトムの肩を叩いてスタスタ歩いていくところとか。
ああ、この歩き方って、しょっちゅう見ていたよ、
覚えがあるよ、と喝采をあげてしまいました。ビバ。
これぞ、1800円を払う価値がある映画というものです。
見に行くべし。ラストの騎馬突撃シーンはとても燃えます。
すげぇ燃えます。ギャーギャー叫びまくりの倒れまくり。
や、もうね、あざといんです。音楽はハンス・ジマーだし、
この構図って「ブレイブハート」でも見たネェ、とか、
いかにもハリウッド映画だよねぇ、とか。ええ、ありますよ。
十二分に分かっておりますよ。でもね……でもね……。、
すごく燃えるんですから、仕方ないんですよ!(開き直り)。
真田広之氏とトム・クルーズが、剣の試合で着ていた
落ち着いた藍色と臙脂色の(つまり対比した)着物の色で
「ああ……やられたよコレは……」と思い知らされたような。

通訳にティモシー・スポール一目見たら風貌が
忘れられないデブな英国俳優さん
)が出てたので
ニヤニヤニヤリ。わーい! わーい! 嬉しい!
(「ラッキー・ブレイク」では主人公と同じ房の囚人、
映画「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」では
あのピーター・ペティグリュー役をやる人なのです)
うん。というかね、海外でこれだけやられたら、

後、もうやることないじゃん、日本映画。


とか思ったりしましたよ。アクション映画での燃えは
もはや、アニメにしか残されていないのか……とか思いました。
だって「千年女優」のアクション、凄かったですよ。
(噂では沖浦監督が時代劇をやるとかやらないとか……)
来年は邦画に期待したいです。叙情的なやつをずずずいと。


03/11/24→映画「チャンス」

今や映画といえば暴力に怪奇現象に火炎放射器に中つ国に
なんだかよくわからない、すかした美術映画が主流ですが、
これらは無類の可愛い老人スキーである我々にとっては、
いささか物足りない代物であるわけです。

しかし、これは老人スキーにはたまらない映画であります。
何しろ、のっけからパジャマ姿です。
水着のおねぇさんが砂浜から走ってくるようなものです(え)。

さらには街をコート姿の主人公がトランクを片手に歩いていきます。
その後も悩殺シーンばかりが続きます。(老人スキーにとっての)

いやー、もう、最後まで徹底して平均年齢50歳以上で、
嬉しい限りです。ジジイが好きでよかったとか思いました。
傑作コメディってのはこういうものなんだなぁ、とも感じ、
さらに最後の湖のシーンではしんみりとしてしまうのです。

あれほど多くを語る後ろ姿もそうはありますまい。
おすすめでございます。ビデオ屋で見かけた際は是非。


03/08/24→映画「ハリーポッターと秘密の部屋」(鑑賞日8/3)

ご存知、子供たちと大人のための一年に一度のご褒美にして
基本的にイギリス人俳優しか出ていない生粋のイギリス映画。
つまり日本でいうところのゴジラであり釣りバカに相当する。
(日本ではゴジラに高倉健や役所広司が出たりなんかしないが)
全体的にお子様大活躍映画なので、大人たちはその手助けと
その邪魔とその障壁に決まりきったように回るのである。
原作は全体的に、皆さんの感情の起伏の表現が激しすぎとも思うが。

序盤。バーノンおじさんが落っこちたのに
「フフッ」
と笑うハリーに闇っぽい悪の片鱗を見た気がした。
つか、序盤はけっこう端折ってもよかったんじゃないか、
という気がしないでもない。
暴れ柳には口ポカーン(あまりにストレートだったので)。
ふくろうは良いな。

ちなみに怒鳴っているスネイプ先生の場面の照明の加減が
個人的にちょっと好きではない。
なんでかっつうと、アランさんの面が怖いというよりは
気持ち悪いの方向にいってしまうような照明だからですよ。
羊皮紙を使う以上、照明の基本は蝋燭の炎であってほしい。
(何をこだわっていますか)

どうでも良いが、ミセス・ノリスが石化したシーンで
何故アランスネイプだけがクレーン撮影だったのだろうか。
あれじゃ一人でナルシストっぽく語り入っている人だ(好きだが)。
イメージとしてはディズニー版「ノートルダムの鐘」で
暖炉の前でヘルファイアを歌っていた判事を思い出す。
多分、海外で見るスネイプ絵のイメージとしてはあれが一番近い。

ハリポタ名物・クィディッチ。
前作よりもスピードが増した。以上。

決闘クラブ。
あっという間だった。
「明らかに遅れて出していた……ッ」
「それでもこの威力ッッ」
というバキ台詞が脳内に浮かび上がるような出来映え。
エクスペリアームズ万歳。

ラスト(飛ぶのか)。
ハグさんが主役。ハグさんに皆で拍手。
そして何気にロンハー!? 
ロンハーなのかっ!?(叫)

基本的に長いので、見ていて、まぁ、なんともつらい。
長いのに画面の印象コロコロ変わるから「ぶつ切り」に見える。
暗すぎるぐらいの陰影が個人的には欲しかったところ。
ちなみに次回作はスリーピーホロウの監督らしいですよ。
そういうわけで画面が暗そうな映画三作目には大期待である。
つまりあの人が女装したりあの人が怒鳴ったりあの人が
吊り下げられたりあの人が跳んだりするわけだよひゃほーい!
(もう黒い服の教授しか見ていませんねこの人)


03/08/22→ビデオ「おいら女蛮」感想。

原作・永井豪。
「デビルマン」というよりは「ハレンチ天国」っぽい作風です。
全体的に画面の彩度がものすごく眩しいです。
異様なほどにくっきりはっきりとしてます。エグイな。
そして、このビデオを見る前に聞いていたことがあります。

俳優・藤木義勝氏が演じるパンス党の幹部のジャックは
「バイオレンスジャックのコスプレをしている」。

明日から即使えるトリビアがここにも(違う)。
52へぇ〜ぐらいですな。藤木ファン限定で。

俺はバイオレンスジャック自体を知らなかったので
ほほぉ、という感じだったのですが、詳細を聞くと
長いコートに、黄色いマフラー、手には大きなナイフを持っている、とのこと。
なんて素晴らしい。
どきどきしながら実物を拝見すると、期待以上に
藤木氏の風貌がカッコよかったのでありますよ。
そのコートとマフラーに巨大扇風機で風を送って
スローモーションでなびかせたいと思うほどに(待て)。

コートの袖は肩口まで短冊状で、とズボンの袖にも
短く短冊状の切り込みが入ってます。永井風ですね。
学園ものだから……ってそもそもジャックは学生なのかなぁ?

さて、そんなカッコいい格好をした長身190cmの敵幹部が
登場してきてまず最初に見せた姿とは!
主人公にやっつけられた部下の女子高生の腹に蹴りを入れてる。

さらに手をもみもみしながら、パンス党のボスの女王様にペコペコしてる。


その女王様にビンタを喰らってちょっとショックを受けてる。
カッコよさ二割減(速)。
しかし意外にもそのペコペコする姿が似合っています。
「ははーっ」とかしこまって頭を下げるときの声は
渋くてすごくカッコよいんですがね、台詞が長くなるとね、
藤木氏の声の性質上、ちょっと聞き取りにくい。
しかし、その声の浮き上がった調子などは
「これは手土産の最中にございます。ささっ、ま、御一献・・・・・・」
とでも言いそうな、俗に言う越後屋ボイスだったのですよ! 
いいですなぁー、このギャップが。
藤木氏の演技の新しい一面を見た気がいたしました。
で、まぁ、それからしばらくこのジャックは出てきません(号泣)。

色々あってラスト近くになってようやく出てきます。場面は夜です。
ジャックは主人公との格闘担当、すなわち事実上のラスボスです。
赤い炎に照らされて主人公と対峙するジャックに、
おお……と息を呑みました。暗色のコートが、
炎に照らされて輝いているのですよ。良いなぁ! これ!
カッコよさ七割増(速)。
そして、その格闘は作品全体に流れる軽さにしては
意外や意外、もの凄く真面目なのです。
主人公の女蛮子は飛ぶし、その拳を受ける藤木氏も真剣。
背後から羽交い絞めにした主人公に何回肘打ちを受けようが
「平然と受け止める」ジャックっていうのは
やっぱり、あの体格あってこそだなと思いました。

主人公の肘打ちを受けたあとで、ジャックが反撃に転じる時に、
ゆっくりと顎を上げていくのが、藤木氏の独特の動きというか
多分「溜め」の演技だと思うんですが
銃を撃つ前や拳を振り下ろす前に「溜め」をつくる藤木氏は
まず息を深く吸い込んで、肺を目一杯膨らませてから
胸を大きく張って、口を真一文字にしたまま、決まって
目を見開いて眼圧をギリギリまで上げていくんですね。
で、これ以外の「溜め」をまだ見たことがないので
俺の中でこれを「藤木溜め」と命名(←するな)。

主人公を地に転がし、ナイフを主人公の喉元に突きつけるジャックに
「ジャック、待て!」と女王様から待ったがかかります。
なんとなくしぶしぶと下がっていく感じのジャック。
主人公の顔を切りつけたあとは、わりとあっけなくやられちゃうんですが、
この時のジャックの倒れ方がちょっと特撮っぽい気がします。
というか、あれはまごうことなき、なんとか怪人が爆発する前に見せる
二、三歩程度後ずさる→足を踏ん張って一瞬だけ留まる→爆発
の「一瞬だけ留まる」が入ってたように思います。
ボスガン見てないので、よくわかりませんが、多分ね。

結論。
コートを着た藤木氏は立っているだけでカッコよかったです。
いや、もう、これに尽きる。いかんよ、コレ。どうしようもなく
想像が広がって仕方がないですよ。

コートが黒くて、マフラーは白で、さらに黒手袋でナイフ持って
どこかビルの廊下を両手広げながら闊歩してくれないかな、とか
不意に背後に忍び寄ってドスン、とやってくれないかな、とか、
いきなり画面の中央ににょっきり現れてくれないかな、とか
口元マフラーで隠して目だけで殺す演技してくれないかな、とか、
色々とやばいぐらいに考えてしまいました……駄目ですな。



03/08/16→英雄と書いてHEROと読む。

「英雄」見てきました。
すげぇ。
剣戟のみで全ての可能性をやりきりやがった。
えーと。
大軍がどかどか進軍してくるだけで
もう、凄まじく燃えるので許せます。全てが。
たなびくわけだ。布がッ!!
押し寄せるわけだよ、人海がッ!!
埋め尽くすわけだよ、矢がッ!!
風! 風! 風! 人民解放軍すげぇーー!
剣戟好きはみろー。見ないと損するぞー。
徹底して色分けされた画面の色彩設計と
人物配置がとりわけ思い切ってるね。すごく。
一点突破してくれたね。すごく。
戦いは、美しい。心もまた、美しい。
赤から白へと昇華する。美しい。実に。

基本的に登場人物がとても少ないお話です。
ぶっちゃけていうと、敵がいません。
それでいて、戦闘系の両方をやっちゃったという
とんでもない映画。
すなわち個人VS個人と個人VS国家の両方を
ほぼ同時にやっているのですこの映画は。
さらにわかりやすく言うと、美麗な映像をつかって
場面切り替えのある舞台をあからさまにやってるんですな。
ラストの「大王! ご決断を!」なんかはもろに舞台。
蜷川幸雄の「オイディプス王」とかそういう舞台で
良く見るじゃないか、あの長頭巾"その他大勢"集団は。
声が若干揃ってないのが惜しいが。
でも、こういうのはやはり「秦王の居城」という設定から
歴史に裏打ちされた無言の説得力が出るのであって、
おいそれとマネはできないものだなぁ、と思った次第。

赤の章で「超の学問の真髄を見せてやろうではないか」と
矢が飛び交う室内で老師が砂に字を書き始めたときは
胆が来たァーーッ! と思いました。そのぐらい、
徹頭徹尾、カッコいい生き様ばかりで構成されています。
逆に言うと、緩急をつける時の「抜き」が
始皇帝と無名の会話以外には無いんですコレ。

これは真剣に廻る人たちを観にいく映画です。
風雲ストームレイダーとか期待したら駄目。
あまりに真面目なんでツッコめないんです。
中国人が本気で見得切った映画つくると
こんな感じになりますって感じの映画です。
だからそれ以上のものはありません。
銀杏は絶品です。しかもね、あの色彩変化は卑怯そのものです。
誰もが一度は考えることをやってのけているわけですから。
それでいて潔い。
写真だなぁ、って感じがします。

残剣の度重なるアレは最後辺りになると笑えます。
関西では劇場内で容赦なくツッコミが入りました。
「またや。本日四回目」
言っちゃ駄目だよそこの少年!
トニーの表情後半二つほとんど同じとか言っちゃ駄目!
(個人的には赤いやつが好みなんですがね)

結論。
序盤の無名VS長空の戦いを見るために、
すなわちリー・リンチェイと
ドニー・イェンの戦いを見るために
絶対に映画館に足を運ぶべきです。
劇場のスクリーンでないと、
あの怜悧にして流麗たる洗練された動きは
十二分には味わえないものかと。
あれだけで1800円の価値はあります。


03/07/20→ビデオ「千夜一夜物語・役立たず」

とうとうあの噂の「役立たず」を見ました。
すなわち、藤木ファンには「鬼門」とされているそれ、
できれば消してしまいたい過去であるそれを。
しかし媒体(ブツ)はありがたくも俺のビデオデッキの中に。
ここはひとつ意を決して、
せっかくだから俺は右の赤い扉を選ぶぜ。
と呟きながら普段どおりに感想を一言。

……これは実に美味しい。

つまりどうしようっていうぐらいに藤木氏の顔面アップが多いです。
牛丼で言うならば特盛りつゆだくギョク。まさしく期待以上。
いいなぁこのヘタレっぷりがまた。

友人の父親の形見だというモデルガンを受け取って眺める主人公(藤木氏)。
しかし、そのモデルガンは実は本物の拳銃で、主人公の手の中で
いきなり銃が暴発、友人を射殺してしまった主人公が狂気に目覚め
くすくすと笑いはじめる場面で
銃弾で吹っ飛んだ友人の頭部が一瞬、映るんですが

とにかく、この特殊メイクがグロすぎて吐く。


夜中に見ていたので、泣きそうになりました。怖い。怖すぎ。
「どうすか? これぞ円谷の怪奇って感じにしてみましたけど
「うむ。この気持悪さこそ物語に必要なのだ。よくやってくれた」
「できれば蛆虫なんかもニ、三匹つけたいところなんですけどね」
「死んですぐだからさすがに蛆は不自然だよ君」
という会話が今にも聞こえてきそうな出来栄えですよ。
ああ、網膜に焼き付いちゃったよ(号泣)。
その後の笑い出し演技はケルベロスとかわりません。
もっと、こう、高らかにオーバーにいってほしかった。
「アーハッハッハッハッハ!!」という感じで。
(狂気笑い出しには妙なこだわりがあるようです)

そして本日のメインイベント。
噂のラブホテルシーンを拝見。
感想。
構図は(藤木ファン的に)斬新きわまりないがエロくは無い。
やはりシャワーシーンのほうが、全体がピンク色の画面のせいか、
みょうに色っぽいです。女の子の重量感のある胸やすらりとした
太ももはここでじっくりと拝見できます。思わずムフーンとなった
のは俺だけではありますまい。女の子に銃を突きつけてにじり寄る
主人公は迫力があるというよりは、どこか空回りしている感じです。
それにしても、友人にしても女の子にしても
さらりと心に突き刺さる台詞を吐くから(以下略)。
ところでシャワー室で女性を追い詰めるシーンっていうのは
やっぱりどうしても「サイコ」を思い出してしまいますね。
銃口とおねぇさんの表情のアップを交互に映し出すのを見ると特に。

で、ラストに始まるサイコ狂い咲きロシアンルーレット。
雇い主に拳銃をつきつけて一言。

「お前が本当に許された人間かどうか、俺が確かめてやる」

鳥肌が立ちました。


近年味わったことの無い低音と流し目の凄みがそこに。
うわお前何これってぐらいに気分はソウルファイヤー。
(日本語がとても間違っていますが気になさらずに)
うわぁ、燃える。燃えすぎる。悪の華だ悪の華。
結果、主人公は自分の放った弾が跳ね返ってきて、あっけなく
死んでしまうわけなんですが、その時の血しぶきの上がり方が
個人的にとても好みで、ぐっと拳を握ってしまいました。
「え……え……?」と愕然と首を横に振ったあとに座り込んで
地面に倒れて絶命する主人公の体全体から出る表情が良いのです。
あと、ラストカットの血の跡はやはり妙に凝っている気がします。
コレ見られて本当によかったです。ああ、もう一回見よう。

でも、作品としては、「どこが怪奇やねん」というツッコミが
どうしようもなく出てきます。でもまぁ、なんとなく怪しかったら
それでよいのかもしれないなぁ。
藤木ファンや、半壊した頭部などのスプラッター系が好きな人には
おすすめでございます。ラストのロシアンは本当にいいですよ。


03/07/18→ビデオ「ガンズパワー」

銃の知識ゼロな俺でも見ていてすごく楽しかったです。
映画撮影で使われていたミニガンとか
古いウィンチェスターとか、切り詰めたSMGとか
おなじみのMG42(着弾は迫力あったなぁ)とか
映画の裏方さんの仕事を見られて幸せでした。
なかでもセーフティプロップには感動。

で、メインである藤木氏の50口径ガン撃ちを堪能。
……かっこよろしい。
淡々と撃っていくのが、すげぇかっこよろしい。
銃を撃つたびに反動で髪の毛がさらさらと流れて
上げていた前髪がどんどん下がってくる。
つまり撃つたびにカッコよさ5倍増。
繰り返し見る。
50口径の薬莢ってやっぱり大きいんだなぁ、と
ぼんやりみていたら、そのごつい薬莢が
藤木氏の顔面に容赦なく跳んでいくのでびびる。
あれ、当たるとかなり痛いんじゃないだろうか。
怖ぇー。

対戦車ライフルの腰だめ撃ちも見る。
目の前で淡々とズガ―ン、ズガ―ン、ズガ―ン。
もう一度。
ズガ―ン、ズガ―ン、ズガ―ン。
微動だにしない。よろめいたりもしない。
平然と衝撃を体で受け止めて全部撃ち終わる。
さらに50口径の二丁拳銃一気打ちも見る。
片手打ちでも腕が跳ね上がりません。
すぐに射撃位置に腕がもどる。
人呼んで――人間銃座。
とかいう二つ名を送りたくなってしまうほど
体に銃の大きさが似合っている。
というか、力の無い俺なんかは
大口径の拳銃は当然のことながら撃てないので
単純にすごいなぁ、と思ってしまうのだけれど
力持ちの訓練された人にとっては、重たい銃や
大口径が撃てるのも当り前なのかもしれない。
銃に体を合わせるんじゃなくて
体に銃を合わせるんだよなァ、という
当り前のことに気付かされたりもした。

あと個人的見所。

何気に水着のおねぇさん方はいい仕事しているような。

弾帯ブラはミリタリーの衣装として正しい 。

さらに反動でゆれる乳は間接的エロの隠喩として正しい。

すなわち乳の間に銃を挟んだりする露骨さは
フロイト的診断なんぞしなくても何だか分かるだろうお前ら?
という声が今にも聞こえてきそうで、実にアメリカらしい。

というか、おねぇさんが脱いでいたり
地面に寝そべっていたりするシーンを見ていると
ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズの
(どう考えても思考のオヤジ化が進行した)
スペンサーが吐いた台詞
「俺のハンバーガーロールにキスしてくれるかい?」
をどうしようもなく思い出して落ち込む。

(思い出すなそんなもの)
口直しにジャック・ヒギンスの「鷲は舞い降りた」のデヴリンの台詞
「日曜日のせいだ。くだらない日曜日の。わかるだろう?」
を思い出してイギリス型思考への転換をはかってみたりもする。

つまり銃器ショーをランジェリーパブでやってる感じです。
好きな人は好きだが、嫌いな人は嫌いだろうなこういう映像。
(俺はわりと好きでしたが)

高橋めぐみ女史の50口径リボルバー撃ちがよかった。
レーザーサイトによる射撃もまた素晴らしい。
反動を抑えるときに垣間見える二の腕の筋肉が良いのだ。

グリズリー50AEのくまの刻印は愛らしすぎる。

フリーダムアームズ50口径リボルバーの
シリンダーに浮かび上がる青い輝きはなんとも美しい。
(ガン・ブルーってあれのことなのかなぁ)

バーレットライフルのレバーを引いたときに
見えるスプリングにちょっと感動する。
グリースガンの形は面白い。

スライドを引いて戻したときに各部が
しっかりと噛みあう音にぞくぞくする。

エンディングにモーゼルが出てきてニヤリ。
でもエンディングにしか出てこないのでしょんぼり。

結論。

やっぱり、藤木氏にはスクリーンのなかで二丁拳銃で
とことん暴れてもらうべきだろー、と思いました。
特撮技術あるんだから、SF映画つくれよSF映画ー。
街を黒コートで跳梁跋扈して
バイクでビルの屋上から飛び降りつつ
手のひらから大型拳銃を創出するとかさ。
(それお前の完全な好みだろ)。

あと、ダーティー・ハリーとリーサル・ウェポンの
主人公のやってることのすごさがわかりました。
かんがえてみたらエグイことやってるんだなぁ。
まぁ、映画の中だからいいんだけれども。



03/05/23→映画「リベリオン」再び。

親父殿とリベリオンを見に行ってきた。

ガン=カタ万歳


それ以外に何が言えようか。
サントラが欲しい。
それにしても殺陣の動きのなめらかなこと。
主人公ブレストンを演じる英国俳優ベールさんは
どことなく顔がトム・クルーズに似てますが
トム・クルーズよりもさらに背があるので
アクションをやるとじつに様になります。燃え。
大真面目に銃を構えた姿がなんとも言えず。
袖から銃が飛び出してくるのがいい。
習えるものなら習ってみたいよガンカタ。

出てくる人が皆オールバックで食器はアルミオンリー、
黒と銀と蒼がとにかく美しい、多くを語らない「映画」。
生活感が完全に排除されているのもSFチックで心地よい。
序盤にフセインが出てくるのがタイムリーだと思った
(制作は2001年)。今年のベスト1は文句なしにこれである。
ラストのガンカタバトルに親子共々狂喜の叫びを上げ、
袖から出てくる二丁拳銃と袖口弾倉交換にシビれ、
銃把でボカボカボカボカ殴るシーンを見て笑いそうになる。
まるで子供が泣きながらぐるぐる手を回して
ポカポカと大人の膝を叩くような感じ。
実は伏線張られまくりの映画でもあることに気付いた。
クラリック・パートリッジ(ショーン・ビーン)の
緑の瞳の色と、イェーツの詩の朗読は美しく、
クラリック・ジョン・ブレストンの本来の心には
静けさと激しさと純粋が同居している……というか、
自宅前まで走ってから、立ち止まって息と髪を整える
仕草はかなり可愛らしいとだけ言っておく。
これこそ、スクリーンで見るべき映画である。
音楽もまた素晴らしい。ああ、DVDが欲しいなぁ。


03/05/05→映画「ハリーポッターと賢者の石」

感想:何気にハーたんがやっぱり最強。
色々と端折ってあったので普通にみたら
ちょっとわけがわからないかもしれない。
ロンが素敵。ハリーももちろん素敵。そして
アラン・リックマンもとい
我らがスネイプ先生がー!
ハリーを見下げるところが最高でございます。
図書館での追い詰めシーンにいたっては感動。
はっ、と振り返ったときの前髪と
あの鼻が素晴らしすぎる!!(おい)
いやー、もうたまんねぇー。うへへへへへ。
ってか、黒ローブずるずるしてくれたので
もうそれだけでそれだけで、ぐはー。満足。
オヤジオバサンスキーな人大必見映画。
フィルチさんもいいー。


03/3/29→映画「リベリオン」見てきた。

参考:映画「リベリオン」公式サイト。
映画「リベリオン」上映劇場一覧。


二丁拳銃による
二丁拳銃のための
二丁拳銃万歳映画(挨拶)。



戦場に単身で乗り込む黒衣の男。
敵手円陣形成、暗中、襲い掛かる
短機関銃十連一斉掃射。
画面を埋め尽くすマズルフラッシュ。
男の両手に魔法のごとく現れる銃。
その面には表情も感情も無く
只、違反者に殲滅を与えるために。
――十字砲火、乱舞。

ケキャーーーー!!(もはや人であることを放棄した叫び)
ぜひとも、二丁拳銃好きは見てこられるが吉。
デフォルトですでに二丁拳銃。
ライフルで二丁拳銃。
ガン=カタLOVE。燃え。ひとえに燃え。
犬にも燃え(つーかアイフル)。
燃えまくりの二時間。
幸せだぁあああ。
主人公を演じるクリスチャン・ベイルが、
また素晴らしいんですよ。
とくに感情を見せるシーンでは最高。
あと、筋肉が素晴らしくよろしい。
きれいだのぅ。美しいのぉ。
DVD買う。


03/1/25→映画「修羅雪姫」感想というか一言。

これだけはいいたい。
嶋田久作(白雷)は最高だと。
そしてアクションもこれまた最強です(役柄上)。
ラストでのぶっ倒れ方も理想的。
ボソボソ喋る声もよく
眼窩に影を宿した姿などはもうたまらない。
そして黒コート黒コート黒コート日本刀!(発狂)
大満足でした。必見であります(嶋田フリークは)。
釈ちゃんもグー。
だが途中の日常描写がダルイ。


03/1/18→映画「ボーン・アイデンティティ」感想。

「ボーン・アイデンティティ」観てきました。
先行ロードショーで。
マット・テイモン演じるボーンの筋肉が
予想外に良いのに驚いていたり(痩せた?)。

原作はボーンが30代後半、ヒロインも30代なんですが
映画だとばりばりに若いのね君たち(学生か)。
そして。
あっという間の二丁拳銃だったよ。
(↑見に行った理由)
「工作員が指令を受け取るときのデジタル演出」
「パリ市内をカーチェイス」
「狙撃者VS暗殺者」あたりが
丁寧に作られていてよかったかと。

基本的に原作に忠実に、室内での戦闘(少人数)で
状況も火器も敵も一向に化け物が出てこないので、
火炎放射器でぎにゃー、だの、首ちょんぱだの、
人間が数十人単位で吹き飛んでいくだの、
つまり「皆殺しにしてやる」(声:野沢那智)とは
縁遠いです。やはり。

脚本。殺す理由と失敗した理由がかなり薄いんですが
若いボーン(23歳ぐらいに見える)だとあのぐらいの
青臭さがあってもおかしくはないかなと思えましたです。
原作ラストの「僕の名前は〜」はやって欲しかったなぁ。
あと英語出来ませんが、途中、リスニングしていたら
字幕が結構、情報不足なように感じました。諜報戦なのに。
そう思っていたら、やはり戸田たんだったよ。


02/12/23→退学覚悟で戦えい!

というわけで見てまいりました。
ステキ気功系アクション映画「火山高」。

見に行った理由は一つ。
敵の教師五人が全員黒コートだから(重要)。
始まってからすぐに

「――時は火山108年」

一体いつの時代なんですか。未来?
イントロに出てきた設定の「教師の乱」も
あやしくていいです。謎ワードが続出する
イントロダクションを乗り越えたさきには
「氷の宝石」や「最強の何々」などなど、
(ちなみにヒロインは「様」付けで呼ばれていた)
二つ名が大放出する人物紹介を乗り越えて
気功大戦の始まり始まり。
マンガの天上天下をかなり馬鹿っぽくした
展開に顔面はにやけっぱなし。

で、今回本命の黒コート軍団が
空中を蜂のように舞ったり、
さらに空中を韋駄天走りで走ってきたり
かめはめ波を出したりするんですよ奥さん。
なんともステキな学校じゃないですか。
白ハトのかわりにニワトリだけど(何かを期待していた模様)。

教師リーダーの決め台詞は
「お前の人生をここで終わらせてやる」
当初の目的はどこに。
つーか、一応アナタは公務員では。
嬉しいほどにB級で笑いっぱなしでした。
おすすめ。


02/10/28→映画「スズメバチ」感想。

とにかく、時間のほとんどが銃撃戦にあてられている映画。
『12000発、食らえ』のキャッチコピーは伊達ではなく
銃弾の飛び交い様が尋常ではない。ありえない量の
弾が飛び交い、カンカンと跳ね返る音が耳を支配する。
弾幕のように叩きこまれる銃撃で躰をつらぬかれる。
戦場に「はいりこむ」のではなくて、
戦場がこちらへと「やってくる」感覚をじかに味わう。
そして、いい加減銃撃の音にも耳が慣れてきたころ、
ふいにピタリと銃撃が止まる。

敵が攻撃してこない――

ただそれだけのことなのに、疲れる。
いつこの平穏が壊れるか、ということを
当り前のように思い、心配し、攻撃再開への
怯えを自分の中から自然に感じたことに驚いた。
そして、映画のなかに入り込んでいる自分と
相対するかのように、どんな銃撃にもどんな
展開にも冷め切った自分が別にいた感じがある。
自律相反とでもいおうか。映画館で映画を見る
ときだけに起きる不思議な感覚だが、
これは前(人狼の一回目)にも覚えがある。

コッキングレバーを引いたときの緊張感、
金属のかみ合う小気味よい音といったらない。
この「銃による戦闘準備のリズム」をきざみながら
常にこの話はすすんでいく。
壮大なテーマも、世界の危機も、この中にはちっともないけれど、
自分の身を案じ、他人の身を案じなければ
脱出できない状況下でのちょっとしたふれあいは
通常の生活では得難い協調性を高い頻度で与えてくれる。
だが、そんなふれあいさえも、無残に打ち砕かれる現実が
ここにある。
敵の複眼電子眼マスクをかぶったマフィアが喋らないのがよかった。
突如として平凡な倉庫に現れた戦争状況をあらわすのに
終始無言、個人としてではなく全体の群れとして動き、
そして情らしい情すらも見受けられぬその姿はまさしく
「スズメバチ」
と呼ぶにふさわしい。
あとからあとからわらわらわらわら沸いて際限なく
突入してくるあたりがもうそのまんまです。こわいですよ。
最後は手に汗をかいてました。
ラストは、ああ、ようやく終わった――というだけの、
なんにも残らない、終わりかた。

鉄火面のひとが、すごく強そうなのに案外拍子抜けだったのには笑った。
せめて最後は主人公とヒロインが絡んで欲しかったなぁ。
おっさんひとりだけが妙に英雄っぽくなってます。

あと、せめてクレジットロールは全部音楽付けてほしかったな。
スタッフクレジットだけがずーッと流れていくのって
見ててなんだかつらい……ちょっと寂しい気分で帰ってきました。


02/10/17→映画「ケルベロス 地獄の番犬」感想。

「……乾、ヘルメットを着けろ……。乾」
紅一の台詞が聞こえた瞬間、
正直、これはもうやられたと思った(笑)。
あ、いけるわコレ。全部見れる、と思った。
「……三日か、三日か」
「……三週間……」
「三年じゃ……なかったのか」
と呟く特機隊員達に躰が熱く震え、
実写で動くギアに見惚れた。
素晴しかった。
プロローグが。

ああ、あのまま、あのまま進行してくれていたら、どれほど
興行的にすごい映画になっていたか知れない。
さすがは犬監督。みごとに外してます。
押井守的諦め(たとえ訳わからんでも二度は見る)が
多少なりとも身についたわが身であることがすでに呪わしい。
でも、前評判を聞いていて、思っていたほど悪くはなかった。
もっと見れないものかと思っていた。
ただ、映像の流れが非常にゆったりしているのと、
川井憲次のギターをメインにした劇伴がなんともここちよく
夜中の一時から見たら、泥のように眠れた。(おい)
「台湾マッタリムービー」「環境映画」の評を身をもって体感。
あの長い犬的徘徊シーンを乗り越えて一回目を見終わった後、
二回、三回と続けて見ていると、気付かなかった部分が見える。
紅一が唐密にはたかれたあとで犬のような鳴き声をしたり
ラストで乾がヘルメットを外す時には
背後の扉にケルベロスのエンブレムが張り付いている等々。

白服の男の台詞にはこれが「犬の物語」なのだという主張が
つきまとう。彼は彼なりの忠告を言ったに違いないが、
その忠告もかいなく乾は紅一を探し当てる。

シナリオやら、プロットやらそーいうものは関係なしに、
ほんとうに好き勝手やったんだな、ということがよくわかった。
犬になぞらえていながらも、実は犬そのものを描いている。
ただ、本物の犬でそれをやると、てんで映画にはならないから、
人間でやっているとさえ思えた。
なかでも唐密、紅一、乾の三人一緒の食事シーンは、
微妙かつ見事な三角関係が現れる「場」そのもの。
例えでいうならば、ご主人様と二匹の犬。
構ってもらいたいゆえに我儘をぶちまけるおちぶれた犬に
まだあまり打ち解けてはいないものの、礼儀正しい犬。
この二匹でご主人の取り合いをしているような感じだった。
そして、犬同士の直接対決の後で、紅一のコートを羽織った
乾に唐密の呼び声が届く。さっ、と場面が切り替わり、
いままで三人で生活していた家の前にいる乾。
もどろうと思えばもどれる。
夕陽の中、乾の哀しげな眼がサングラスで隠れた時、
俺は本気で押井監督に感謝した。
一匹の犬がご主人様のもとを去り、野良犬に戻った瞬間だった。

銃撃戦は「すばらしい」の一言に尽きる。
いろんな意味で必見。
具体的に言うと、MG42のマズルフラッシュ&
弾帯・銃身交換シーンに、銃身から血が流れていく場面、
ヴォン…と光る紅い電子眼に燃えました。程よく無敵で。

……。
そして、あのラスト。

あれで泣かずにいられようか!?


あーーーー! 哀しいなぁ。乾。
エンディングロールが人狼よろしく余韻たっぷりに過ぎていった。
ただ、不意をつくように入ってくるギャグシーンが
違和感バリバリで、時には苛立ちさえ感じたこと、そして
乾が食べていた海老やチャーハンやラーメンやアンパンが
めちゃめちゃ美味しそうだったことも付け加えておく。





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