![]() |
|||
| 気(いのち)が生まれる空間 大平和正 今朝は霧だ。 午前7時。少しひんやりした空気の中を 軍手に長靴、ピンセット・手箒・デジカメ、 そして水の入ったバケツをぶら下げて家を出る。 一巡りしてくると2時間はかかる谷だが、 会期中の42日間一日も欠かさずに続けている。 もちろん谷に放置されている 作品の見回りもあるが、 時間と共に刻々と変化する大気や光を全身で受け止めながら 作品と向かい合う行為だ。 動きようもない作品が 一刻として同じ姿に止まっていないで、 様々な言葉を投げかけてくる。 それはすでに自然と一体になった作品がつくり出す 「気(いのち)が生まれる空間」なのだ。 それはそこに身をゆだねることで 自然は生きているということを、いや形のあるものないもの、 森羅万象の全てのものに「命」があることや、 そのメッセージを作品を通して素直に、そして鮮明に 全身で感じることのできる空間なのだ。 かれこれ30年はたつだろう。 野に放置されたある礎石との衝撃的な出会いが想い出される。 私はその空間に包み込まれ感動に震えながら、 いつまでもその場に立ち尽くしていた。 (風還元写真集 エピローグ より) |
|||
|