Kyoto Shimbun 2002.10.01 News
ホーム > ニュース目次


 埼玉県の保険金殺人事件
 判決理由要旨

 埼玉県の保険金殺人事件で、さいたま地裁が一日、金融業八木茂被告(52)に言い渡した判決の要旨は次の通り。

 一、事実の要旨(略)

 一、争点に対する裁判所の判断

 弁護人はトリカブト事件につき、武まゆみ受刑者の証言は検察官の脅迫や量刑取引による偽りの記憶で、森田考子、アナリエ・サトウ・カワムラ両受刑者の証言も武証言に沿う内容に作り上げられたもので信用できず、八木被告は無罪だと主張する。

 しかし三受刑者の証言は、不正確さや年月の経過に伴う記憶の低下などの問題点はあるものの全体としてみれば極めて具体的かつ詳細で迫真性に富んでいる。

 特に武受刑者の証言は、死亡した佐藤修一さんの臓器からトリカブト毒が検出された旨の鑑定結果や、採取場所として特定した長野県内の別荘地で現実にトリカブトの自生が確認されたことなど、犯行の骨格を構成する重要な部分を裏付ける客観的な証拠が存在する。三受刑者の証言が、主要な場面における一見極めてささいと思われる部分で合致していることにも照らすと、その信用性は十分で、被告がトリカブト事件を犯したことは明白だ。

 弁護人は風邪薬事件について、八木被告の指示で森田昭さんと川村富士美さんに風邪薬や解熱鎮痛剤を毎日与えていたとの武受刑者証言は信用できず、薬剤は大量に服用しないかぎり死に結び付く障害を起こすことはありえず、森田昭さん死亡などは薬剤でなく、二人が日ごろ大量に飲酒したことが原因とし、自由意思で飲む以上、酒を勧めた者が犯罪に問われないと無罪を主張する。

 しかし死因などは、多くの薬剤を長期間服用し連日高濃度のアルコールを飲み、体の抵抗力が低下して菌感染したことなどにあり、常用の数倍の薬剤を健康食品と偽り長期間のませた上、酒を連日飲ませると死の危険があり、殺害の実行行為となりうるから、八木被告が風邪薬事件を犯したことは明白である。

 一、量刑の理由

 本件は、被告が武まゆみ、森田考子、アナリエ・サトウ・カワムラの三受刑者と共謀の上、佐藤さんをトリカブトを用いて殺害し、三億円余の生命保険金などを詐取した事案。

 次いで、森田昭さん、川村さんの二人を高濃度のアルコールを摂取させるとともに風邪薬を大量に摂取させるなどして森田昭さんを殺害したが、川村さんについては未遂に終わった事案。および、被告が事件の容疑者としてマスコミに取り上げられていた当時、新聞記者の態度に腹を立てて顔面を殴り、傷害を負わせた事案から成る。

 まず、トリカブト事件についてみると、被告は約二年間にわたって、武受刑者らに指示して、連日明け方まで飲酒させたりしたが、佐藤さんが一向に健康を害する気配を見せないことに業を煮やした。長野県の山中に出かけて猛毒のトリカブトを採取。

 事前に共犯者との間で謀議を尽くした上、トリカブト入りあんパンを食べさせて殺害し、死体を利根川に遺棄。自殺と見せ掛ける仮装工作をして保険会社のみならず、捜査機関をも欺いて三億円余の生命保険金などを手にした。

 犯行は多額の保険金を入手することを動機としており、殺害の態様も、長期にわたり衰弱させた被害者に致死量以上のトリカブトを仕込んだあんパンを食べさせた上、布団をかぶせて押さえつけ、苦しみ抜かせて絶命させるなど、極めて冷酷かつ残忍極まりない。

 被告の店で飲酒することが数少ない楽しみの一つであるという孤独な境遇にあったために、保険金殺人計画の標的とされた被害者には何らの落ち度もない。元来、人のよい性格から被告らの術中に陥り、命を奪われた上、自殺に見せ掛けるよう利根川に投棄され、無残な姿で発見された被害者の味わった苦痛と無念さは筆舌に尽くしがたい。

 被告は被害者の死後、遺族に偽の遺書を示し、借金と末期の胃がんから自殺したなどと信じ込ませ、平然と葬儀に参加するなどしており、最愛の息子の命を奪われた上、欺かれた遺族の怒りは極めて強く、被告に極刑を望んでいる。

 風邪薬事件は、トリカブト事件で味を占めた被告が、独身で近くに身寄りのいない森田昭さん、川村さんの二人を新たな標的と定め、それぞれ森田考子、アナリエ両受刑者と偽装結婚させた。

 受取人をこの二人とする多額の生命保険契約に加入する一方、病死に見せ掛けて殺害するため、一年近くにわたって連日高濃度のアルコールを摂取させるとともに、健康食品と偽って市販の風邪薬などを大量に服用させた結果、森田昭さんについては殺害に成功したが、川村さんについては同人が病院に駆け込み失敗に終わった。

 誠に人を人とも思わぬ鬼畜の所業というべきだ。薬品関係の書籍を読みあさり、風邪薬やアルコールを凶器として使用し、じわじわと殺害しようと計画するなど、犯罪史上に例を見ない巧妙で悪らつな犯行。森田昭さんは被告らから勧められるまま連日これらを摂取し続け、徐々に衰退して低栄養状態に陥り、肺炎を起こして死亡した。

 命を取り留めた川村さんも、連日嘔吐(おうと)を繰り返すなど苦痛を味わった揚げ句、コーヒーに覚せい剤を混ぜた物を飲まされるなどしたため、幻覚、幻聴の症状で警察に保護され、入院を余儀なくされたのであり、保護されなければ佐藤さん、森田昭さんと同様に命を落とす危険は高かった。

 被告は犯行の手法を自ら発案。対象とする相手をも選定する一方、三人の女性共犯者には多額の分け前を餌に巧みに犯行に誘い込み、自らはほとんど手を汚すことなく、殺害行為の大部分を共犯者に行わせたもので本件の首謀者。被告の存在なくして本件が敢行され得なかったことは明らか。

 被告はトリカブト事件で入手した約三億円もの生命保険金について、根拠不明の貸金と相殺するなどと欺き、共犯者らに百万−三百万円程度の分け前を与えたにとどまり、共犯者にすらこうかつな態度を取っており、反社会的性格や犯罪性向は著しく、刑事責任は共犯者らと比較して格段に重い。

 被告は犯行がマスコミに取りざたされるようになるや、厚顔にもマスコミ関係者を、経営する飲食店に集め、連日、有料で記者会見して無実を訴えるなどし、さらに共犯者が公判廷で犯行状況を子細に証言し、犯行が明らかになった今日においても被害者、遺族に対する被害弁償はおろかひと言の謝罪の言葉すら口にしていない。

 トリカブト事件では、被害者は利根川に飛び込んで自殺したなどと弁解。虚言を呈しあくまで刑事責任を回避しようと画策しており反省、悔悟の情はみじんもうかがうことはできない。

 刑事責任はあまりにも重大で罪刑の均衡、一般予防の見地からも被告を極刑に処することはやむを得ない。(共同通信)


ニュース目次ジャンル別バックナンバーお悔やみ(京都・滋賀関係分)ホーム


------------------------------------------------------------
これは、以下のWEBページのコピーです(H19.1.2検索)。

http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/saitamakenhonjousi-hanketu.htm
[PR]当たる!無料占いで運命鑑定:プロの占い師による本格運命鑑定が無料で