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今夜の番組チェック
【昨年の八月にアトピー性皮膚炎、十一月と十二月にはリウマチの患者さん達が甲田醫院で合宿を行ひ、その體驗發表會の記事が「マイドクター」誌に掲載されました。その記事を二回に分けて引用、掲載させて頂きます。― 編輯部】
パート1
子供から成人までを對象の「アトピー健康教室」で驚くほどに症状が改善された
すべての參加者が玄米粉と豆腐半丁メニュー2食で空腹の苦痛もなくニコニコと退院式を迎へた!
參加者全員のアトピーが改善した食事療法
「アトピー性皮膚炎は治らない」と諦めてゐる人は多い。何軒もの醫療機關を轉々として、いろいろな治療法をためし、改善しないまま治療そのものを諦めてしまった例は枚擧にいとまがない。そこで現代醫學はもちろん、東洋醫學、食事療法、民間療法、はては健康食品業者までが「我こそは」と名乘りを上げ、大きな書店に行くとアトピー療法關係だけで三〇册はつねに竝んでゐる。それだけアトピー性皮膚炎の患者さんが多いといふ證でもある。
本誌(「マイドクター」誌)でも何度か取材した甲田醫院(大阪府八尾市)の甲田光雄院長は食事療法を通して多くの難病治療を實踐してゐるが、今夏、アトピー性皮膚炎の患者さんのために「夏期健康教室」が夏休みを利用して行はれた。
小學生から成人までの十七名が參加。一人ひとりが參加した感想と經驗を話したが、驚いたのは約一月前の入院時には皮膚がアト ピーでジュクジュクしてゐたといふ患者さん達の皮膚が、まったくそれを想像させないほど回復してゐたことだ。
一般的にアトピーの食事療法といふとアレルゲンの除去食が基本だが、甲田醫院では個人の特性を見ながら行ふことに變はりはないが、概ね、基本的には玄米を粉にしたもの八〇〜一〇〇グラムと豆腐半丁といふ少食二回である。そして、入浴後よく汗を拭き取り超酸性水(PH2前後)を皮膚に塗布するといふ方法だ。今回の健康教室の實績は後日一册の本にまとめられるといふ。アトピーで困ってゐる人達に衝撃的な印象を與へることになるのではないだらうか。
原因のメカニズムは分かったが、
治療は模索中のアトピー性皮膚炎
參考までに現代醫學でアトピーのメカニズムが隨分判ってきてゐるので、考へ方を確認しておきたい。
アレルギー體質の人にアレルゲンが侵入する經路は、呼吸器系、消化器系、皮膚、粘膜、藥劑とに大きく別れてゐる。ダニに代表されるハウスダストからペニシリンやホルモン劑にいたる藥劑まで、すべてこのどれかの侵入經路を傳って體内に入ってアレルギー反應を起こさせる。
醫師によって治療法もそれぞれで、藥だけを處方する醫師や除去を中心とした食事療法を組み立てながら藥劑を併用する醫師。また健康食品と藥を併用する醫師も中にはゐる。發症のメカニズムはほぼ判明してゐるが治療法のはっきりしない病氣は多く、難病指定とは關係なく一般的に難病と呼ばれてゐるが、アトピー性皮膚炎も難病と言っても差し支へない。それだけにそれぞれの醫師によって、いろいろな治療法がためされてゐるのが現状だ。
ここで補足しておきますが、通常私たちが醫療と呼んでゐるのは、健康保險法(適用範圍)で指定されてゐる治療法のことで、もし、醫師がそれ以外の處置處方をしようと思へば、當然自費診療(患者が負擔)部分が發生する。そのため、患者自身が保險以上の出費を嫌がるため治療行爲の限度がおのづと制限される。保險適用以外の良い方法を知ってゐても、煩はしいといふ理由から行はない醫師もおられる。
大阪府下でも獨自な治療方針を立てて患者指導してゐる醫師は多い。共通してゐるのは、當たり前のことだが、患者自身が治療に積極的に參加してゐるといふことである。小誌編輯部へも大勢のアトピーの患者さんや家族の方から超酸性水の依頼や、治療方法を教へて欲しいなどの相談が寄せられてます。殘念ながら醫師や療法の相談が多く、自分が治療のためにどんな努力をすればいいかといふ參加型が少ない。積極的な醫師の療法ほど患者の積極參加型を取り入れてゐることも忘れないで欲しい。
東西醫學と自身の經驗をドッキングした獨特な療法
甲田療法も患者の積極參加型で、少食や斷食など患者の強い意志が要求されると言っていい。同氏は大阪大學醫學生であった當時、現代醫學で治らなかった自らの病氣を食事療法で治療し、さらに研究に研究を重ね、西式健康法(故・西勝造氏提唱)などを併用し、現在の少食療法や青汁療法、甲田式斷食療法などと呼ばれてゐる甲田療法を確立した。
甲田醫師は健康の基本を腸の正常化からと言ひ切る。またすべての疾病の治療の第一歩を斷食による整腸から始まるといふのが、甲田療法の理念といっても過言ではない。
腸は吸収と排泄のほとんどを引き受けてゐる。これに異常があれば、どこかで何かの異常が起こるのは當たり前といふことは、醫學知識のない我々であっても容易に想像することができる。不定愁訴の多くは腸の不活性による便秘が原因してゐることはよく知られてゐるし、また大腸ガンの一因であることも、いまや常識とさへいはれてゐるほどだ。
次回から各症例の詳細と甲田醫師のコメントをレポートします。
(「マイドクター」NO97、一九九七年九月號より)
パート2
40日餘の食事療法でアトピー性皮膚炎が輕快したこどもたち
治療に暗中模索の中、專門醫らが熱い眼差しを向けだした
アトピー性皮膚炎治療の甲田療法による獻立内容
朝 食 生野菜汁(繊維も含む)
一 日 二 回 玄米一〇〇g(おかゆでも可)
塩(少々)
豆腐半丁(絹こし二〇〇g)
ごま(一〇g)
いろいろな治療法があるが決め手を缺いてゐる現状で、
減食療法の語るものは何か
前號でレポートした「アトピー性皮膚炎」と甲田療法についての第二騨。今夏、アトピー性皮膚炎の患者さんたちが、夏休みを利用しての「第二回健康合宿」を、八尾市にある甲田醫院(甲田光雄院長)で行った。
甲田療法といへば、一切のクスリを排除し絶食療法で行ふものといふ誤解をしてゐる方も少なくない。決してさうではなく、今回のアトピー性皮膚炎の治療も、ステロイド製劑を使ってゐる人はそれを使ひながら治療を進めていくといふ手法を用ゐてゐる。ただし、最終的にはステロイド劑からの離脱を念頭においてゐることは確かである。
アトピー性皮膚炎は現代醫學でも治療の決め手を缺く疾患で、大勢の方々が苦しんでおられる。アレルゲン除去療法や藥劑を使った治療法もあるにはあるが、反應が特例の食材にあるのではなく成分に對するものであるため、除去療法にも限界がある。また、藥劑の開發も進められてはゐるが、對症療法であるために、すべてのアトピーに一律に效果があるといふクスリの開發には至ってゐない。藥劑も副作用の問題等で、今では種類によっては患者側から使用拒否を申し出る患者さんも少なくない。
絶食療法でなく誰もが實行できるメニューであることに注目
まづ今回のアトピー性皮膚炎患者さんへの食事療法のメニューを紹介しておこう。(上メニュー表參照[前頁])
一日の食事については以下の通り。
【朝食】朝九時に生野菜汁一三〇gを飲用する。
【昼食】玄米のおかゆ一〇〇g、塩少々、
絹こし豆腐半丁約二〇〇g、ごま一〇g。
【夕食】昼食に同じ。
カロリー計算では一二〇〇〜一三〇〇キロカロリーで、成人の約半分程度。おそらく讀者の方々はこのメニューを見て、空腹感で持たないと思ふだらう。ところが實際にこの療法を行った患者さんたちに聞くと、二〜三日の空腹感は否定しないが、その後はまったく感じないといふ。むしろ體が輕くなった感じで快適だといってゐる。もちろんクスリは一切使はない。ただしステロイド劑を使用してゐる人はリバウンドを起こさないために使用するが、辛さを感じない限界を探りながら徐々に減らせるといふ方法を採ってゐる。
お任せ療法ではなく患者自身の積極參加を求める
食事以外の時間にはもちろん患者が積極的にしなければならないことがある。故・西勝造氏が考案した西式健康法の實踐を、患者自身が積極的に行ふことも採用してゐる。
1. 朝食を拔くこと。
2. 生水と柿茶を合計一日七合飲む(一回少量づつにして回數多 く)。
3. スイマグを朝晩容器の蓋二杯を一合の水で飲む。
4. 板の上に寝て、木枕をする。
5. 金魚運動一日三回(一回二分)。
6. 毛管運動一日三回(一回二分)。
7. 合掌合蹠。
8. 背筋運動一日三回(一回一〇分)。
9. 温冷浴(水・湯・水・湯の順)水五回、湯四回各一分(水か ら入り水で上がる)。
10 裸療法(アトピーの人は絶對に乾布摩擦はいけない)。
11 エビオス一日三〇錠、スピルリナ一日三〇錠、絹こしゴマ一 日小匙二杯、昆布の粉末一日小匙二杯。
12 脚絆療法一日一回。
(詳しくは西式健康法參照のこと)
13 温冷浴で身體を清潔にしたのち、強酸性水を噴霧する(掻痒 感が減少し睡眠が樂になる)。
西式療法は一つ一つの運動に目的があるが、運動療法以外に患者が「治るんだ」といふ意志を喚起する效果も見逃せない。
二〇歳代のある女性患者は、副作用で頭髪がすべて拔けてしまひ、すでに效果もなく、關節部分の内側の皮膚および柔らかい皮膚部分はジュクジュクになり、滲出液や掻痒感からかきむしったため、外出もしたことがなかったといふ。アトピー健康教室終了後も入院を續け、十月四日再度甲田醫院を訪れたときは入院一〇〇日目だったが、髪の毛も五センチほどに伸び、皮膚には若干のかさぶたがついてゐる程度に回復してゐた。
同じ年代の女性はやはり健康教室に參加し、教室解散後も入院を續け六五日目。この女性に關しても、やはりジュクジュクした皮膚だったが、かさぶたが少し殘ってゐる程度までに回復してゐる。
二人の患者さんに辛さについて聞くと、少食にして三日間は空腹を感じたが、その後は慣れ、お粥だった玄米を粉状にしたものに切り替えたといふ。ただし、ひとりの患者さんは入院一カ月目に立ちくらみを經驗した。しかし、その一回きりで、いまではスタミナも以前よりあると實感してゐます、と述べてゐる。また二人に共通してゐることは、入院まではいくらでも寝てゐたが、入院後の少食療法を實行してからといふものは、睡眠時間が四〜五時間程度で一日が元氣に暮せるやうになった、と口を揃へていってゐる。
多くのアトピー患者さんに見られる多食傾向
甲田光雄醫師は彼女たちの治療プロセスを次のやうに説明してゐる。
「まづ決定的な治療方法が見つからない現實において、ステロイドを使はざるを得ないといふことがあります。ところが長期にわたるとご存じのやうに種々の副作用のあることも事實です。だから使ひ方と離脱の仕方だと思ひます。私どもではクスリを使ってゐない人はそのままですが、ステロイド劑を使用してゐる人には續いて使用して貰ひながら、リバウンドを起こさないやう經過觀察し減らしていきます」。
食事を減らすことによって症状が輕快するといふ點については、多くの方が不思議に思はれるに違ひない。その點については、
「ほとんどのアトピー患者さんがよく食べるといふ傾向にあります。そのため、腸の機能がオーバーワークのためかなり低下してゐるといへるでせう。まづ少食にして腸を休ませるのが一番の目的です。すると正しい排便行爲ができるやうになってきますね。つまり腸が腸としての働きをするやうになるわけです。少食といってもアトピー性皮膚炎の方々の食事は一二〇〇〜一三〇〇キロカロリーあるわけですから、私の考へてゐる少食とは少し意味が違ひます。むしろ一般の方々も含めて正しい食事の量ではないでせうか。この 方々にとって少食でない理由として、入院時期には若干の体重減少がありましたが、すぐに元の体重に戻ってゐます。つまりこれまではいくら食べてゐても身についておらず、むしろ身體への負擔をかけ、臟器の機能低下だけでなく免疫系や恒常性にまで異常をきたしてゐたといふ他はありません」。と減食の理由を述べてゐる。
信じ難いことだが、現在では生野菜汁コップ一杯(二〇キロカロリー)で毎日患者さんに鍼灸治療をしてゐる森さんといふ方がゐる。彼女のケースは特別といってしまへばそれまでだが、甲田醫師の提唱する減食療法、少食療法、超少食療法に別れると考へられるが、一般の食事と比較してもアトピーの患者さん達の食事は決して少食とは言ひ切れない。例へば、朝食にトーストとコーヒーで濟ませた人が忙しさの余り昼食を拔いて、夕食だけで過ごした日のカロリー數と大差はないのである。
退院したらまた出るのではといふ聲があるが
さて問題は入院中に輕快した症状も、退院し自宅に歸った後再發するのではといふ危惧である。事實少食療法や斷食療法をした人の中には、食欲といふ誘惑に負けて再入院してくる人もゐる。しかしアトピーの療法に關して甲田醫師は、「このメニューは患者さんにとって苦痛になるものではなく、一年間も續けると、根本から體調は正常になるため、その後何を食べても再發はないですね」と、これまでの臨床例とそのフォローから確信を持ってゐる。
今回のメニューは現在アトピー性皮膚炎で困ってゐる患者さんも、特別に醫師の管理を必要とするほどの少食ではないので、在宅でも是非實行していただきたいと述べてゐる。ただしステロイド劑を現在使ってゐる患者さんは、醫師と相談しながらの實行を勸めてゐる。
甲田醫師は「症状即療法」であるといふ。ことアトピーに關しては、皮膚症状は過反應の結果ではある。しかし皮膚に症状が出てくれたために、大切な臟器や生體機能への惡影響を免れてゐるといふ考へ方ができると、締めくくった。
(「マイドクター」NO98、一九九七年十月號より)
(以下、次號へつづく)