
座月子って、なあに?
在台日本人妻が語りだしたら、とまらない、座月子(つおゆえず)ってなんでしょう。
これは、台湾式産褥期の過ごし方のことです。
お産をしたあと、女はしっかり栄養を取り、よく体を休めなければ、体を壊して、一生苦労する、と固く信じられています。普通は姑や実母が面倒を見てくれ、そういう人がいない人のために、座月子中心という、あかちゃんと一緒に泊まりこむ施設もあります。
座月子は、産後一ヶ月間、冷たい水に触ってはいけない、しゃがんではいけない、階段の上り下りをしてはいけない、髪を洗ってはいけない、風邪をひいてはいけない、目を疲れさせてはいけない、などの数々のタブーと、麻油鶏、魚と生姜のぶつ切りスープ、レバーとほうれん草のスープなど、高カロリー、高たんぱくのメニューを日夜食べつづけることから成り立っています。
麻油鶏は、ぶつ切りの鶏と生姜をごま油で炒め、米酒をたっぷり加えて煮たスープ。
慣れればおいしいものですが、日本にはない味で、これが毎日、十時と三時のおやつに出て来たりします。
続くとなかなかヘビーです。
ただでさえ、産後は、慣れない赤ちゃんの世話で疲れたり、ホルモンバランスの不安定さなどから、マタニティブルーになったりするもの。その時期に、カルチャーショックのてんこもり。
姑は、心からの好意で一生懸命やってくれているのですが、実は、座月子は、一種の風俗習慣であって、医学的根拠はそれほどない、座月子をやったからといって、更年期が軽くなる、という統計もないといわれています。
日本の病院で習う母乳のよく出るレシピと正反対であったりして、困ることもあります(カロリー、油を押さえ、菜食中心にしたほうが、おいしいお乳が出ると言われています)。
でも、一生の間に一度か二度くらい、人にかしずかれて過ごす、という経験も、悪くはありません。
誰にでも好き嫌いはあるので、一切拒否するというのではなく、たとえば、麻油鶏はあまり好きじゃないけど、魚のスープなら食べられます、とか、病院で、髪を洗ってもいいと言われました、少し現代風にアレンジしてもいいですか、とか、お姑さんとあらかじめコミュニケーションをよくしておくのが、座月子とうまくつきあうコツでしょう。
