第150号 2005年3月8日 発行

   「親の会通信」挿絵
2 月 の 例 会 よ り
 
 今回、浜松市在住で「静岡いじめを考える会」の代表のHさんと長男のTさんが、参加してくださいました。 またFonte(不登校新聞)のMLつながりでG市から参加された方や、初めて参加の方など…12名でいろいろな状況が話し合われました。

▼Tさんは中3の時、クラスの仲間から受けた暴力で、傷害事件として警察に届けたら逆恨みされ、一歩も外に出れずPTSDになり、精神的にもダメージを受けた。家族が支え、裁判をして戦い、様々な偏見とたたかいながらも、仲間との出会いもあった。

 (先日、和解の方向に動きが決まったと) 4年遅れて定時制高校へ進学。今年、成人式に行ったらいじめた仲間がいたが、かえって「彼らは幼いと感じた」とTさん。

 お母さんの「推薦で高校へ進学した加害者の子どもたちは、高校でも問題児扱いされて、ちっとも成長せずお荷物扱いされ、きちんと向き合われていない。

 学校は、中学でいじめを受けた時、被害者である自分たちを、きちんとかばったり対応してくれず、かといって加害者の子どもたちの面倒を見るわけでもない。何もしてくれない。すごく学校というところに不信を感じた」という言葉も印象に残った。

 去年いじめや不登校に対する質問を静岡県内の各市長や教育委員会などに出し回答をもらっている。HPにあるのでぜひ、のぞいてみて下さい。(http://www7a.biglobe.ne.jp/~kangaeru)

▼他にも子どもがいじめられて不登校になったお母さんたちの体験話が続いた。

 中には、かつて自分自身もいじめにあってずっとトラウマになり、いじめは自尊心を失うとの母親の発言。復讐したいと思ったりしていたが、それも無力感にとらわれてやめたと。また、不登校になると地域で疎遠になり、子どもも小さいと人間関係もなくなり、話せる場を求めていたり、親も年齢的にあせったり、仕事もしたいと思ったり。

 祖父母がいると世間体も気になったり、本人もまだ罪悪感を感じている状態など…揺れる思いが語られました。

▼知り合いの子どもが点滴受けながら「学校だけは」と登校している様子を見たとき、おかしいと感じたという話も。家にいると成長しないのではと心配したけど、ちゃんと成長していることを感じたこと。学校にこだわらなくなったら、本人も勉強や目標が少し出てきた。                 

▼当事者の若者から、初め精神科などへ行った時、納得いくまでしゃべらせてもらえなかったけど,親の会ではうまくは話せなかったが、納得してしゃべれた。みんなに聞いてもらえたことが嬉しかったという言葉もあった。 

             
 「子ども」 森さんから紹介 (FonteのMLより一部抜粋)  
   
     「子ども」

 批判ばかりされた子どもは
  非難することをおぼえる
 殴られて大きくなった子どもは
  力にたよることをおぼえる
 笑いものにされた子どもは
  ものを言わずにいることをおぼえる
 皮肉にさらされた子どもは
  鈍い良心のもちぬしとなる
 しかし、激励をうけた子どもは
  自信をおぼえる
 寛容にであった子どもは
  忍耐をおぼえる
 賞賛をうけた子どもは
  評価することをおぼえる
 フェアプレーを経験した子どもは
  公正をおぼえる
 友情を知る子どもは
  親切をおぼえる
 安心を経験した子どもは
  信頼をおぼえる
 可愛がられ抱きしめられた子どもは
  世界中の愛情を感じとることをおぼえる

       (「あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書」から抜粋)
                                      川上邦夫訳 新評論

     ☆…………☆…………☆…………☆…………☆…………☆…………☆

●文部科学省や、大阪府の不登校対策の問題が、話題になっていますが、大事なことは、みんなこの詩の中に書いてあるように思います。子どもを変えようとする前に、まず大人がこの詩に恥じないような生き方や育ち方をしてきたか、考えてみる必要があるのかも知れませんね。 (森英俊さんコメント)

●皇太子さまが、子育てに対する発言の中で紹介された詩。TVで紹介されると、すぐ問い合わせが本屋に殺到し2万部増刷とか。とても本質をついてる内容と思うが、以前も愛子さまが持っていた絵本が映像で流れるやいなや、すぐ本屋さんへ注文があったとか。情報社会とはいえ、こういう日本の国民性っていったい?ウムム…と感じたのは私だけだろうか。(あ)

本 紹 介

「不登校選んだわけじゃないんだぜ!」        理論社   1260円

自己宣伝で恐縮なのですが、このたび不登校の本を書きました。貴戸理恵さんと僕の共著ですが、大部分は貴戸さんの文章です。貴戸さんも僕も不登校経験者です。貴戸さんと僕は、この本の中で、新しい不登校の肯定の言葉を模索しています。矛盾だらけで、支離滅裂で、読み終わってもスッキリしない、そんな本になっていると思います。特に不登校経験者の「その後」に興味をお持ちの方にはお勧めです。(常野雄次郎さんのメールより・・・)

「不登校は終わらない」         貴戸理恵   新曜社         2940円

貴戸理恵さんは新進気鋭の社会学者で、当事者の立場からの研究書も出版しています。学術書なのでやや難解ですが、当事者の視点に立った本としては貴重ではないかと思います(同上メール)