グローバリズムを考える

WTOに関する情報    カンクン閣僚会議 その後

時系列

2007.2 昨年7月から凍結されていたドーハラウンドの交渉が再開した。日本やヨーロッパの一部の食糧輸入 国は国内農業保護のための農産物の関税引き下げについて協議を進め、一方、EU諸国とアメリカは農業補助金の 削減について話し合いを進める。

2006.6 ドーハラウンドの焦点のひとつは農業分野だ。農業分野でも日本が関係しているのは上限関税・ センシティブ品目・国内支持の3点だ。上限関税の導入に関してはますます日本の立場は悪くな っている。多くの国が日本の関税の水準は異常だとの認識に収斂しつつある。一方で日本は食糧 自給率の維持などを名目に意気高く上限関税導入に反対している。

センシティブ品目については何を・どの程度という点が焦点になってきているが15%程度の品目を というのが日本の主張だ。センシティブ品目 は、他の品目と異なった取り扱いが認められる。日本は上限関税の砦がやぶられた場合に備えこの 扱いを用意している。

第三は国内支持だ。国内支持は貿易に悪影響を及ぼす国内での補助金で日本では早くクリアしており アメリカなどをけん制する手段として用いている。
2005.12.19
香港でWTOドーハラウンド成立に向けたWTO閣僚会議が12月13日に開幕、19日に閣僚宣言を出した上で閉幕した。今回の会議での中心課題は農業分野での課税問題であった。 EUが実施している多額の農業補助金の削減を求めるアメリカとEU側が対立。一方で農業輸出国側とG10といわれる農産品輸入国(日本・韓国・スイス・台湾など)が対立。農産品 輸出国と農産品輸入国の対立は、農産品輸入国が国内農業保護のために輸入農産品に課している高額の関税について上限値を設定するべきというものである。(ちなみに日本の コメについては776%の関税が課されている)。 EUとアメリカの対立に関しては農業補助金を2013年までに全廃することで合意がなされた。一方で、上限税率の設定については来年春に再度話し合いを行うこととなり、事実上問題の 先送りがなされた。WTOでは関税削減については貿易自由化の原則から合意されているが、この関税削減からどのような品目を例外とするかがひとつのテーマとなっており、日本はコメ がこの例外品目(例外品目を重要品目という)に該当する様主張していたが、今回の会議では何が重要品目に該当するかについての合意作成が先送りされた。 WTOでは2006年4月末での自由化ルールの合意を目指していたが、今回の先送りにより4月末での合意は困難となったとの見方もある。 ドーハラウンドのスケジュールとしては2006年末までに包括合意を得ることことがよていされている。EU側の妥協については EU内部にも複雑な対立関係がある。国内に農業部門を有し多額の補助金をEUから得られるフランスは農業補助金の全廃には否定的であるが 農業補助金の恩恵を受けないイギリスなどにはEU内での農業補助金への批判が高まっている。

2004.7.30
ドーハラウンドについては、7月31日のWTO一般理事会で合意が得られ、2003年の交渉決裂からレールを戻し、再び2005.12末に期限を延長した上で、妥結を目指す こととなった。農業分野では@「市場アクセス」では、農産品輸出国と国内農業の保護のため高い関税を残したい農産品 輸入国(韓国・日本・ノルウェー他)が対立していたが、高い関税率ほど大幅に引き下げる階層別引き下げ方式の採用で 双方の合意を得た。また100を超える国が主張していた上限関税の設定(日本は反対)についても、税率は今後決定と 実質先送りがなされた。A「国内支持」についての大幅な削減、B「輸出競争促進」についても、競争阻害的な輸出支援の撤廃期限設定につき合意が得られ、また 綿花について独立して扱うよう主張していたアフリカ諸国も、これを農業問題において扱うことに妥協、合意した。 前回のカンクン会議では先進国による農業補助金政策の見直しを求める途上国と、途上国の市場開放を求める先進国が対立 し、妥協できなかったが、今回の一般理事会では、先進国が農業補助金の見直しに応じる一方で、途上国も関税引き下げに応じるという 妥協が行われた。
途上国側で妥協が見られなかったシンガポールイシュー、すなわち途上国への直接投資の環境整備については、途上国側でも WTOで画一的に扱うことによる国内政策への影響の懸念、労働条件の悪化懸念から反対は強く、ドーハラウンドには もりこまわれないこととなった。

2004.2

シンガポール問題については、EU側から議題からの撤廃と見返りに農業補助金での譲歩を求める案が提示されるも可決されず。

現在は7月に向けて、農業補助金問題での妥結可能性が探られている。

 

交渉決裂

2003.9.15   
9月14日を期限としていたカンクン閣僚会議は閣僚宣言を採択することなく閉会した。これにより20051月1日を期日とする新ラウンド(ラウンド=多角的貿易交渉  多品目の貿易対象について個々の貿易条件を交渉)の期日成立は困難な情勢となった。閣僚会議で合意が得られなかったため、問題はブリュッセルの本部にて再度検討が行なわれ、来年3月をめどに上級者会議が開催される予定である。

会議における問題点は大きくふたつあり、ひとつはシンガポール問題といわれる貿易と投資(trade and investment)、貿易と競争政策(trade and competition policy)、政府調達の透明性(transparency in government procurement)、貿易促進(tarde facilitation)の分野についての討議に、グローバリゼーションの進行による国内産業破壊を懸念する途上国が強く反対したことと、農業分野で、途上国の市場開放を求めるEU,アメリカと農業補助金の削減を求める途上国側の意見対立が平行線をたどったことが挙げられる。最終日の会議ではケニアが退席する一方で、ケアンズ諸国が農業分野での閣僚宣言案に反対を表明するなど、混乱が広がり夕刻、会議議長のブラジル外相は閣僚宣言採択を断念し、閉会を宣言した。閣僚宣言が採択されなかったことに関し、アメリカ通商代表は「合意に至りたくない勢力」が「合意に努力した勢力」を上回ったのだと意見を述べた。


2003.9.13
カンクンでのWTO閣僚会議が10日より始まった。

全体会議でカンボジア・ネパールのWTO初めての後進国受け入れを承認するとともに、5つのworking groupの作業が始まった。

本会議はWTO閣僚会議としては5回目となる。新ラウンドのスケジュールとしては本会議で、閣僚宣言案に合意を得た上で、新ラウンドの交渉期限とされた2004年12月31日までに新ラウンドの立ち上げを行う予定であった。新ラウンドとは貿易に関する集中的な交渉に関する名称で、WTOで正式にラウンドという名称を使っているわけではない。ちなみに前回のラウンド(ウルグアイラウンド)は86年から94年にわたって行われた。

 

カンクン閣僚会議で設置されているのは農業、非農産品市場アクセス、シンガポール・イシュー、途上国問題、その他の各分野の各ワーキンググループ。それぞれのグループでの合意に至らないと、閣僚宣言の採択に至ることができない。

農業ワーキンググループ
   本閣僚会議最大の問題とされる。2年前のドーハ閣僚会議では、全部会に合意が得られなければ、すべての部会決議が行なわれないこととされているため、非農産品部会などへの影響が考えられる。
 この会議では、大きく分けてふたつの対立軸がある。ひとつはブラジル・中国・インドなど21カ国が結成した途上国グループ(G21)とアメリカ・EUとの対立である。
 途上国グループはアメリカ・EUの輸出補助金・農業補助金の即時撤廃を要求しているのに対し、アメリカ・EU側ではその見返りとしての途上国の農業市場開放を要求し対立している。
 一方、アメリカとEUという先進国の中でも関税引き下げをめぐって、全品目一律25%までの引き下げ(スイスフォーミュラ)を要求するアメリカとウルグアイラウンド方式による個別税率設定を求めるEUが対立しているが、作業部会ではここまで議論が進んでいない。

 日本はリヒテンシュタイン・韓国・台湾・イスラエル・ノルウェー・アイスランド・スイス・ブルガリアとともに関税上限税率撤廃と輸入割当枠増加というアメリカなどの要求の撤廃を要求しているが、部会での中心議題をはずれていることを考えると、日本の要求が受け入れられる可能性はかなり低いとみられている。
 会議に参加する川口外務大臣も、100を超える途上国が先進国の関税障壁撤廃を要求している以上、日本の主張が取り入れられるのは困難との見通しをのべている。

シンガポール問題ワーキンググループ
 シンガポール問題とは貿易と投資及び貿易と競争政策について論じる部会。日本やアメリカ・EUなどは海外
 直接投資の環境を整えるため、ルール整備を要求しているが、途上国側ではこの問題について話し合うコン
 センサスがえられていないと主張し、会議は暗礁に乗り上げている。

その他部会として
開発問題部会
その他諸問題(環境・知的所有権など)部会
コットンinitiative
       が同時開催されている。
                                                              参考 Gurdian  Unlimited
                                                                       WTO公式
                                あれだけ国際問題に関心の高いアメリカ国では
                                ほとんどWTO問題は取り上げられません。
                                取り上げられるのは一部の過激な反対運動の暴力
                                シーンくらいです。
2003.9.3 
WTOカンクン閣僚会議一般会議は8月30日、一旦はエイズ薬などの途上国向け輸出における特許制度の適用除外につき合意するかに見られたがアメリカ製薬業界などの猛反発より閣僚会議へ問題が持ち越された。日本はカンクン閣僚会議ではアメリカの主張する農産品への課税上限制の導入に反対している。アメリカはここ数年国内農家向けにたっぷりと補助金を投入してきたたため、補助金で強化された農業部門の産物を一気に日本市場へ売り込みたいと考え、日本における課税に上限を設定しようとしている。

 

*コラム

日本の農業貿易自由化妨害は食料自給のためって説明されることが多いわけですが怪しいですね。日本じゃ農地法とかがあって株式会社が農業にまともに参入できない。本当に自給率を高めたいんだったら、どんどん競争させて生産性をあげて国際水準までもっていくはず。実際には減反とかやって食料生産を調整してるし、どう見てもアメリカの顔色と農家有権者の顔色(ふところ)しか見てない。その結果被害を被るのは、食料安保も保証されず、高い農産品を買わされて、満員電車にゆられて通勤してる都市サラリーマンということになりますね。

 

外務省ホームページより 日本政府の途上国への対応   抽象的で具体的なことはまったくわかりません

 「途上国のWTO交渉への積極的な参加を促し、多角的貿易体制への統合に資するよう貿易関連技術支援等を通じた対策を講ずる。医薬品アクセスの改善については、問題解決のための信頼関係の回復・醸成を図り、早期に多国間の解決策を見出すよう努める。」

 

WTOの組織

WTOの最高意思決定機関は「閣僚会議」その下に、一般会議(General Council)がある。一般会議は年に数回の会議が行われる。通常は各国代表や外交官、場合により本国からの出席者が出席する。一般会議の下にはGoods Council, Services Council and Intellectual Property (TRIPS) Councilの3部会が置かれる。商品部会ではものの貿易に関する議題が取り扱われ、サービス部会ではもの以外のサービス・金融などについての貿易問題が取り扱われる。また知的所有権部会では知的所有権の保護に関する問題が取り扱われる。その他個々の問題については特別委員会やワーキンググループが設置される。

商品部会は11の委員会をもつ。主なものは農業委員会・アンチダンピング委員会・補助金委員会・マーケットアクセス委員会である。サービス部会の補助機構では金融・国内規制やGATSに関する問題について取り扱う。

WTOは誰の味方か?
WTOはアメリカ主導でグローバリズムを世界に押し付ける手段だと批判する人々がいます。これ自身は別に異論はないんで
すが、一方で、このシステムが有用であることも事実です。WTO反対論を見てみるとウルグアイラウンドに反対する農民がその実体だったりします。

50 yaers is enough などもWTOが特定の国に支配されてて、途上国の意見が通りにくいって批判しており、でも途上国もメリットがあるから参加してるのではというのに対しては、途上国の一部の勢力が利益を得てるんだって主張しています。

でも 途上国はその国の中で民主主義的な手続きを経て政府を選択しているはずで、それを外部から安易に否定するのはおかしいはず。となるとシアトルなんかで見られた反WTO運動ってなになのかなと疑問を感じざるをえないのが正直な感想なわけです。


むしろエイズ薬の途上国向け特許緩和問題みたいな懸案事項をこの場を利用して話し合うという方法を考えても良いんじゃないんでしょうか。アメリカなどに支配されているという議論はもちろん正しい指摘ですが、結果的にアメリカなどの反対にあうにしても、議論を行なった記録を残すことは大切ですし、他の場(国連など)とあわせてWTOをそういう場として活用していってもいいんじゃないでしょうか。


私はウルグアイラウンドによる関税障壁撤廃は方向として正しいのではないかと思っています。もっともその性格が、大国による途上国の経済的制圧に終わらないような運用方法が必要とは考えますが。日本は貿易立国なわけですから農業・繊維など特定分野だけを国際ルールから除外してほしいなどと勝手な主張をすることは認められません。これが認められないとなると次にでてくるのが食料自給率の維持という議論です。日本だけでなく、農業補助金を受けたアメリカの農家による輸出で国内農業が崩壊しつつある国は世界中にあります。まず必要なことは各国が農業補助金を撤廃することです。(食料自給確保のために、農業補助輸出対策として国内農家に農業保護を行なわなくてはならなくなる)

 

WTO反対論のもうひとつの大きい根拠が労働組合運動などから提起されています。それは投資自由化が途上国の労働条件を悪化させ、
または地場産業を崩壊させるというものです。市場原理主義への心理的反発も強いと思われます。


投資自由化と労働条件の問題は途上国では深刻です。労働組合の結成が禁止されるなど労働基本権が確保されない事例も見られます。
しかしながらこの問題は国際ルール及びNGOによる監視や各国の国内法制の整備による対応が不可能ではありません。ありうべきルール
を各国内で樹立すれば、経済発展失業対策と刺し違える必要があるとは考えにくいです。地場産業崩壊の問題もまた大きな問題ではあります。
投資自由化により安い製品が国内にあふれて地場産業を崩壊させるという事態は途上国のみならず、先進国である日本をも襲っています。貿易
立国であるわが国がこの痛みに耐えなくてはならないのはいうまでもありませんが、途上国がこのデメリットを甘受する必要はあるのでしょうか。私は途上国が政策として鎖国政策をとるのも選択のひとつだと思うし、途上国間でルール作りをするのも有用と思います。ただ外部からこの問題をとりあげてWTO反対をとなえる必要があるかというと疑問と答えざるをえません。

参考)WTOカタール(首都ドーハ)閣僚会議 2001.11

WTO カタール閣僚会議ではWTOの第九回新ラウンド(WTO開発アジェンダ)が合意された。

ドーハ WTO  閣僚会議 (通商産業省(当時)のHPより)

.閣僚宣言のポイント

1)WTOルール(パラグラフ28)
 94年GATT第6条に実施に関する協定(=AD協定)及び補助金・相殺関税に関する協定の規律の明確化及び改善を目指す交渉について合意。漁業補助金についても言及。

2)貿易と投資(パラグラフ20〜22)
 投資ルール(直接投資中心)策定に関し、第5回閣僚会合以降交渉を開始するべく準備作業を開始することに合意。このため、モダリティのあり方について第5回閣僚会合で明確なコンセンサスを得るべく準備作業を直ちに開始。具体的には、範囲、定義、透明性、無差別性、コミットメントの形態等について焦点を絞った作業を行う。途上国やLDCの懸念に配慮し、キャパシティ・ビルディングなどについての適切な対応が重要な要素として考えられている。

3)貿易と競争政策(パラグラフ23〜25)
 競争政策についてのルール策定に関し、第5回閣僚会合以降交渉を開始するべく準備作業を開始することに合意。このため、モダリティのあり方について第5回閣僚会合で明確なコンセンサスを得るべく準備作業を直ちに開始。具体的には、透明性や無差別性といった主要原則、ハードコアカルテルに関する条項、任意での協力のためのモダリティ、途上国における競争制度の漸進的強化等について焦点を絞った作業を行う。途上国やLDCの懸念に配慮し、キャパシティ・ビルディングなどについての適切な対応が重要な要素として考えられている。

4)貿易と環境(パラグラフ31)
 環境関連財・サービスの市場アクセス交渉及びWTOルールと多国間環境協定(MEAs)との関係等について交渉開始に合意。

5)農業(パラグラフ13)
 交渉の結果を予断せずに、市場アクセスの実質的改善、全ての形式の輸出補助金の段階的撤廃を視野に入れた削減、貿易歪曲的な国内助成の実質的な削減に関する包括的な交渉を行う。また、非貿易的関心事項への配慮を確認。

6)非農産品市場アクセス(パラグラフ16)
 タリフピーク、ハイタリフ、タリフ・エスカレーションの削除・撤廃を含む関税及び非関税の削除・撤廃を目的とする交渉に合意。

7)電子商取引(パラグラフ34)
 第5回閣僚会議までの関税賦課のモラトリアムにつき合意。また、電子商取引作業計画の遂行に当たって、一般理事会は、新たな組織を作り、第5回閣僚会議に検討の進捗状況につき報告を行う。

8)実施項目のドーハ後の扱い(パラグラフ12)
 実施決定案(後述)において列挙されている項目以外の実施問題(約50項目)については、a)AD等交渉マンデートが宣言案で定められている協定に係るもの(約30項目)については当該交渉において対応される一方で、b)それ以外の項目(約20項目)については関連下部機関において優先事項として検討の上、適切な対応を求めるレポートが2002年末までに交渉委員会(TNC)になされる。

2.実施に関する決定のポイント
ウルグァイ・ラウンドで合意された協定について、途上国側が協定履行について困難を来しているとして要求が示されていた約100項目のうち、ADや補助金等も含む約50項目について、解決策や今後の検討の方向性等を提示。(前述の通り、残りの項目については宣言案に定められた方法で対応。)

.TRIPS協定と公衆衛生に関する閣僚宣言のポイント
知的財産権制度がHIV/AIDS等の感染症等に対する医薬品へのアクセスに影響を与えているとの途上国の懸念を踏まえ、各国の公衆衛生施策実施に当たってのTRIPS協定の解釈の柔軟性を明確にするための政治的宣言。具体的には、HIV/AIDS等による公衆衛生の危機的な状況が、国家緊急事態に相当するものとして、特許権者と事前の協議なくして、強制実施権を発動できることを明確にした。

                                           ここまで 通産省HP

2000年のシアトル閣僚会議は投資自由化に反対する労働組合が大量動員され、一部の反対派が暴力行為で逮捕されるなど荒れた会議となった。投資ルールの策定・明確化は日本のような投資国にとってはメリットが大きいが、海外直接投資による失業を懸念する労働組合・市場原理主義の節度のない拡張やスウェットショップ問題に批判的な人々が批判運動を繰り広げている。この会議でも具体的なルールが決められたわけではなく、今後話し合うことが決められた。

この会議のひとつのテーマが反ダンピング問題である。上記(1)にあるAD(anti damping)協定がそれである。昨今のアメリカによるアンチダンピング提訴が自由貿易を阻害することを懸念した国の共同提案によるものである。

農業問題では途上国・ケアンズグループ(米・カナダ・豪ほか)より先進国(日本・スイスなど)の農産品関税が農産物輸出を妨げているとの批判が出た。農業分野については2003年末までに自由化の大枠を決定する予定であるが、両者の主張はかみ合わないままである。ちなみに関税を批判しているアメリカは国内農業保護に手厚い農業補助を行っている。

参考 U.S. FrontLine

 

二国間自由貿易協定(FTA)や地域協定はそれでも必要

日本はWTOによる多国間貿易交渉を中心に推進してきたが、WTO交渉が具体化していない分野については二国間自由貿易交渉によってこれを補うスタンスをとりつつある。今年はじめにはシンガポールとの間で新時代経済連携協定を締結したが、韓国やメキシコとの間でも二国間自由貿易協定を検討している。

 

 


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