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世界銀行は2001年12月6日,グローバリズムが後発国経済に与えた恩恵に関するレポート Globalization, Growth and Poverty: Building an Inclusive World Economyを発表した。
レポートはデイビッドケリー(David Kraay)世界銀行開発調査チーム長をチーフとするグループが取りまとめたもので、ここでは従来の世界銀行の立場が強調される。すなわち,グローバリズムは途上国経済の発展に寄与するというものである。特に、1980年以降の第三次世界貿易自由化において、世界経済への統合に成功した国における輸出にしめるサービス部門(労働集約的)の比率が上昇した(従来は農産品の比率が高かった)ことがこれらの国々の経済成長に大きな役割を果たした(P33)とする。レポートは世界経済への統合で、一日の収入が1ドル以下の人々の数は93年から98年で1億2千万人減少したとする。一方ではこの恩恵が全ての国に及んだのではないと認めざるをえなかった。恩恵が及ばなかったのは世界経済への統合が原因ではなく、国内の政策に問題がある場合が多い。世界経済への統合(integrate)から取り残され、貿易のGDP比率が下がった国々(約20億の人々が住む)は一層貧しくなったと指摘する一方、インドや東欧諸国のようなグローバリズムを受け入れた国ではGDPに占める貿易の比率が上昇し,GDP成長が加速したとする。
GDPに占める貿易比率が低下し、世界経済への統合が遅れた地域(特にアフリカ)で、グローバリズムへの反発が強まっていることへの考察としては、グローバリズムそのものではなく、それへの適応が遅れたことが原因であるとし、その見方として3つの見方を提示する。
第一の見方はJoin the club viewで、インフラの未整備・非効率な政策・賄賂の横行のため、せっかくの安価な労働力を生かすことができず、これらの地域の貿易競争力が低下するとする。
第二の見方はgeographic disadvantage (地域劣位)から貿易競争力を説明する。アフリカは人口密度や消費地である欧米との距離が離れており、立地的に不利なため貿易競争に負けてしまうと主張する。
第三の見方はmissed the boat viewで、工業化が進んだ世界経済では、既に安価な労働力を利用する工場が配置されており、新たに立地が行われる余地はないとはいえないものの限定されてくると主張する。
グローバリゼーションの進行は、FDIの流れを大幅に増加させるとともに、自由化された価格単価が大幅に異なる労働力の流動化圧力を増加させた。
グローバリゼーションにより、国内の不公平が拡大したとされる。その現象は特に中国で顕著であるとされる。しかしながら中国内陸部は世界的にも有数の貧しい地域であり、一方沿岸部は先進国並みの経済である。不平等の拡大といっても
等しく貧しいよりは、貧困削減の中で不平等が拡大することはやむをえないことといえるのではないかと考えられている。
結論としてレポートは汚職などの投資に不利な環境を一掃し,民主化を進めることにより後進国の投資環境が整うと主張する。
一方で,先進国側には農業保護を中心とする貿易障壁の除去や途上国援助の増額・債務免除への取り組みを要求している。
このような世界銀行の主張に対しては当然ながら強い反論がある。
アフリカの開発について Geography,Demography,and
Economic Growth in Africa
David E Bloom and Jeffrey D Sachs