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IMF データ

IMF エコノミーアウトルック 最新号以外はこちらのBLOGに混ざっています
2004年9月号(日本関連)
日本の第一四半期は雇用情勢の改善や企業の設備投資の伸びにより、民間需要が改善し、予想を超える経済成長であった。第二四半期は公的需要の落ち込みから経済成長はやや停滞したが、IMFとしては引き続き、民間の需要が底固いことから、2004年は4月予想を上回る4.4%程度の経済成長になるのではないかとみている。2005年は2.3%程度に下落すると予想。 ここのころの景気の伸び悩みは石油価格上昇や輸出伸び悩みという日本経済の弱点を浮き彫りにしたものであり、中国の経済の動向や米ドルとの為替の先行きなどにより景気の先行きは大きく変化する可能性がある。 低金利・労働力のリストラなどにより企業収益は回復基調で、負債資本(負債/資本)比率は1960年代はじめの水準まで低下している。 新規の不良債権の発生も減少し、金融機関の不良債権比率は改善しているが、まだこの部門には弱点も見られる。企業の売り上げは伸びているが、売り上げ負債比率(売り上げ/負債)は高く、資本収益率は(収益/資本)はまだ歴史的水準から見ると低い。製造業では売り上げ負債比率を80年代前半並みまで低下させたが、非製造業では債務の圧縮が遅れている。債務の圧縮は、非生産的な資産の処分に金融機関が耐えられる情勢にならなければ進みにくいと考えられる。 金融機関では大手については不良債権処理が進んでいるがリージョナルバンクについては必ずしも処理が進んでいないものがある。 消費者物価指数(ラスパイレス指数)については、アウトプットギャップの減少や、石油価格の高騰から、7月には年間下落率が0.2%まで縮小した。一方でGDPデフレーター(パーチェ指数)は大きく低下している。(GDPでは電気製品等のウェイトが高く、電気製品価格の下落は続いている) 2005年中には年間消費者物価指数も低下が止まると予想される。 物価の下げ止まりに際しては、日銀も注意を払う必要があり、市場が日銀が緩和スタンスを変えるのではないかと疑心暗鬼になった際は量的緩和の水準を引き上げたり、またアナウンス効果を通じてそのいスタンスが変更しないことを知らせる必要がある。 経済が一段落すると、政治家は債務がGDPの166%を超える財政の建て直しに取り掛かる必要がある。政府は2010年までに社会保障費を除いた財政収支黒字をめざしている。そのために2004年と2005年の歳出抑制を狙っているが具体策は定まっていない。2004年は景気が好調であれば、比較的健全な財政運営が予想されるが、財政支出削減・所得税課税限度の見直し・中期的には消費税率アップの検討が必要である。 将来に対応するため、年金制度改訂は不可避であるが、掛け金の増加は消費の減少という形で、経済に悪影響を及ぼすし、そもそも上の世代の負担をすべて若い人たちに負わせるという世代間不公平の問題も生じる。将来的には定年延長などの検討が必要である。構造改革もまた財政再建には必要で、特に特殊法人の改革、競争強化、労働市場の流動化及び年金のポータビリティ確保などが必要である。

2003年9月
IMFよりエコノミーアウトルックが発表された。
今回のアウトルックでは、日本について、第二四半期(4月〜6月)は外部環境の好転(イラク戦争終結など=筆者注)や株式市況の好転・輸出増加・国内生産
の増加などの材料より、日本の2003年経済成長予想を年初の1.4%から2%へ引き上げた。2004年についても1%から1.4%に引き上げた。
しかしながらアウトルックでは、日本経済は銀行部門の過少資本、民間企業特に建設・流通部門でのリストラの遅れなどが目立ち。今後経済が安定軌道に乗るには大胆な(bold)施策が必要と指摘した。
大胆な施策としては、銀行部門の不良債権の処理の加速・そのための国費投入、民間企業のリストラ推進・民間企業の再建のための産業再生機構の活用、さらに中央銀行である日本銀行に対しては、国債の引き受けやインフレターゲットの採用などを促している。


コラム

銀行の再建のため不良債権の処理を加速するべきであり、銀行を強化した後にその力でもって民間部門のリストラを強制するべきというのはすでに教条的市場原理主義者の間では常識となっているが、何もこれだけが唯一の経済再生手段というわけではない。過激な手法をもって経済再建に成功した国として韓国
があげられる。韓国では確かに銀行部門の不良債権を切り離し、銀行を統合再建し、また民間企業についても過酷なリストラを断行して経済再生を行なった。しかしながら銀行部門が抱えた不良債権はオフバラされたまま国内に残っている。
そもそもアジア経済危機の仕掛け人であるアメリカでも不良債権問題は何度か起こる兆候があったが、その度に国費の投入によって危機を回避してきた。
中国でも不良債権問題は発生したが、銀行部門の抱える不良債権をオフバラし、経済繁栄を謳歌している。

 


2002年9月

2001年終盤より、世界経済は貿易と生産の伸長より成長軌道にある。2002年の第一四半期は順調な成長であったが、第2四半期は黄信号がともっている。アメリカの金融市場は3月末の株式市場下落によるドル安・新興市場特に南アメリカとトルコの金融条件の悪化・アメリカ及びユーロ圏での企業収益の予想下回りにより、大幅な低迷を続けている。2002年及び2003年も成長は底堅いが、当初予想は下回る見込みである。

インフレが抑制されるとともに、もし、企業収益が低迷するようであれば、マクロ経済政策は従来より、より長期的な視野から判断されることが必要となり、追加金融緩和も必要となる。成長力のエンジンとしてのアメリカへの依存の緩和や、世界経済の脅威となっているアンバランスの是正も必要となる。

アメリカ経済の2001年終盤の落ちこみは予想ほどではなかった。これは90年代の経済ファンダメンタルズの改善が9月11日以降の積極的な財政政策を可能にしたからである。石油価格の安定も寄与した。

2002年の第一四半期の経済成長も世界の多くの地域で好調であった。アジア新興市場以外ではこの成長は鈍り、収益予想も低下している。先行指標の低下も顕著である。主要工業国をサイクル的に先導した北アメリカとイギリス以外での国内需要は弱く、これら地域は外需依存型となっている。投資の上昇傾向が確認できないことが、年前半の経済の計画通りの上向きが維持できない理由である。実体経済の上昇にもかかわらず、金融市場はかなり悪化している。工業国の株式市場は3月末以降大きく下落した。これは楽観的過ぎた収益予想;回復の持続性への関心;特にアメリカにおける会計監査実務への関心のい高まり などが要因である。これらのロスの一部は7月までに賄われたが、市場は変動的なままである。

リスクと不確定性の増加に直面して、政府債や上位会社債券への需要が高まり、また金融緩和への期待が高まったため、長期金利は大きく低下した。危険債権の金利スプレッドは高くなり、リスクの嫌悪はいうまでもなく、リスク許容度は低下した。

為替市場では、ドルが対円・ユーロで下落した。

貧困削減ファシリティ

 

IMF  poverty reduction and growth facility

 

IMFは従来、その対象国に修正プログラムの実施を迫ってきた。修正プログラムはひと言で言うと、「とにかく経常赤字」を減らせということである。経常赤字を減らすために財政支出は社会保障費をはじめ徹底的に削減される。政策的に金利が引き上げられる一方で、企業・金融の強制的な整理が推進される。セーフティネットの撤廃と失業者の放出・産業破壊が進められるわけである。

IMFのこのような政策を批判することはたやすい。が、ではほかに選択肢があるのかというとこれもまた難しい問題である。個々の問題については検討の余地があるのは当然である。社会保障費に手をつけるのは据え置いて他の手段を先行した方がいい国もあるだろうし、これら手段が方向性としてやむをえないとしても、選択・実行順位に国それぞれの事情があるのもまた事実である。

 

IMF・世界銀行は批判に耳を貸さず、教条主義的な態度をとり続けてきたが、まずその態度を改めたのは世界銀行である。世界銀行は開発融資を担う国連下部組織である民間金融機関であるが、90年代に入り、その融資スタイルはマクロ経済学を教条的に適用したもので、実際の地域開発に役立たないどころか、住民に害悪を与えていると強く批判されるようになった。その主張を裏付けるデータも実地研究から提示され始めた。

そこで世界銀行では包括開発フレームワークという枠組みの採用を始めた。

これは世界銀行の融資決定に当たって、十分にその対象の政府・地域の人々の意見を取り入れ、その希望そった融資を協調の下に行っていこうとするスタンスである。

 

世界銀行の変化のあともIMFはひとり孤高の立場をとり続けていた。それはこの組織の意思決定過程にも理由がある。すなわちこの組織の最終意思決定は最高運営委員会においてなされるが、この委員会の議決が公開されることはなく、まったくの秘密主義なのである。

 

唯我独尊の立場をとり続けたIMFも東アジア危機への対応の失敗が市井の人々の目にも明らかになるに及び、その延命策として新しいフレームワークを登場させる。それがpoverty reduction and growth facility PRGF 貧困削減成長制度 である。

PRGFはIMFの融資が途上国の開発に役立っていないとの批判に答えるものである。これは世界の貧困国へ低利融資を行うことで貧困削減と成長を同時達成しようとする試みである。PRGFは対象国によって作られた貧困削減戦略ペーパーpoverty reductionに従って実行される。 PRGF

IMF関連図書


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