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自作YAGレーザー


この実験では極めて強力なレーザー光線を扱います。ここで扱うレーザーの危険度はJIS規格及びFDA規格で定められるクラス4・ClassIVの最高危険度に該当し、光線の直視や反射光で重大な視力障害及び失明を引き起こし火傷や火災にも繋がります。
その為、取り扱い時には細心の注意を払って扱う必要があります。


YAG(ヤグ)レーザーは非常に強力な赤外線を放出するレーザーです。YAGの意味は"イットリウム・アルミニウム・ガーネット"の略でネオジウムなどを含ませることでレーザー結晶となります。固体レーザーとしては優れ実験用から加工用まで幅広く利用されています。同種の固体レーザーとしてルビーレーザーなどが知られています。連続発振にはルビーよりもYAGの方が向いているようです。連続発振の為にはアークランプを使ったりレーザーダイオードで励起するのが一般的なようであり、レーザーダイオード励起の場合は非常に効率が高いDPSSレーザーとして知られています。取り出せるレーザー光線の波長は1064nmであり目には見えません。1064nmの赤外線レーザーを非線形結晶と呼ばれる光学結晶に通すことにより緑色に変換することができます。最近流行のグリーンレーザーポインターもDPSSレーザーと言えレーザーダイオードで励起したYAG(YVO4)結晶をレーザー発振させ、半分の波長にするため非線形結晶を使い緑色のレーザー発振を得ています。緑色のレーザー光を得る方法は結晶に赤外光を通してそのまま緑に変換して出力するか、非線形結晶の両端にミラーを設けて増幅させる方法があるようです。
 ここで実験しているレーザーはフラッシュランプ励起の物であり出力は大きめです。Qスイッチを用いてピーク出力を高めてあります。レンズで集光すれば薄い物は瞬時に貫通して非常に小さな穴が開きます。さらに焦点距離の短いレンズで絞ると空気中に青白い火の玉を作り出す事も可能であります。

構造



レーザー媒質としてYAGの棒を用います。このロッドにフラッシュランプで強烈な閃光を与えて励起します。
両端はAR-ARコートが施してあり覗き込むと紫色をしている非常に綺麗な結晶です。結晶の直径は4mmでネオジウムドープ率は1.0%となっています。



光学部品です。出力ミラー・全反射ミラー・Qスイッチとなっています。
ここで使うQスイッチは受動型Qスイッチであり回転プリズムなどを用いる物とは違い、使いやすさの面では優れています。
尚、金属マウントに装着する際は徹底的に汚れを取り除きます。レーザー出力で破壊されかねないので特に気をつけます。



左はボール盤でアルミ角材を貫通している様子です。ネジ穴がずれると困るのでセンターポンチでの位置決めは重要です。
右はフラッシュランプの閃光を結晶に効率良く照射するための反射板です。
スプレー缶を切り取り、自分の顔が写る程までコンパウンドで磨き上げます。



全ての部品を装着した状態です。
それぞれの部品はボール盤で穴あけを済ませ、ネジ穴が切ってあります。共振器内部のレーザー光は出力光に比べて極めて強いため少しの塵や埃で光学部品が損傷を受ける可能性があります。ブラシで汚れを取る程度でも問題ありませんが、完璧を追求するのであれば濃硫酸や発煙硝酸で処理したほうが良いと思われます。
フラッシュランプは割れやすいため直接アルミマウントに取り付けず、緩衝と絶縁のためターミナル端子に接続されます。
写真の中の茶色っぽい物がQスイッチの結晶です。
レーザーアライメントは全反射-出力ミラーの角度を変えて調整します。簡単に調整できるように六角ボルトでミラーがアルミ板に装着されています。それ程大きなズレはないためスプリングではなくゴム製のOリングを使用しました。


発振テスト
詳しくは触れませんでしたがコンデンサーから供給されるエネルギーは50J程度です。推定出力は0.1〜1J程度だと思われます。ピーク出力を高めるためにQスイッチを用いているためW換算をすると瞬間的に数百キロワット〜数メガワットものレーザー光が取り出せる可能性があります。
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アルミホイルに集光した様子です。YAGレーザーの光線は目に見ることが出来ませんが極めて強烈な赤外線が放出されています。
猛烈に強い光の為アルミホイルは激しい音を立て瞬時に貫通してしまいます。

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カーボン紙への照射の様子です。あまりに強い光のため照射された箇所は瞬時に蒸発してしまいます。直後、爆発的に燃焼しキノコ雲状の炎を形成します。塗りつけてある黒色の塗料はレーザーの衝撃で吹き飛ばされ下地の白い紙がむき出しになります。
この様な実験を希ガス下や有機溶剤中で行うと、アブレーション反応と呼ばれる破壊的な化学反応が起きフラーレンやダイヤモンドなどの化合物が生成される可能性もあります。
レーザーは極めて短時間に強いエネルギーを与えることが可能なため、核融合などの物質の極限実験にも利用されています。

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この実験はQスイッチによりピーク出力を高めたレーザー光によるプラズマ生成実験です。
何もない空気中に青白い火の玉が生じているのが確認できます。レーザーの高密度エネルギーを焦点距離の短いレンズに通し集中すると、極狭い領域が急激に加熱されプラズマが生じます。
試験管の中にプラズマを生成するとオゾンの発生が確認できます。他にも酸素と窒素の化合物である二酸化窒素の生成の可能性もあります。




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