(1999.6)
五月に守門岳に登った時、山頂から、浅草岳の姿が正面にどーんと見えた。なんて大きな山だろう。次はあちらから側から見てみたい。きっと守門岳に登ると、誰もがそう思うに違いない(と思う)。
6月に入り、梅雨とは思えない暑い晴れの日が続いた。雪はほとんどないかと思ったが、林道は最後までは行けなかった。手前のネズモチ平駐車場から歩き出した。新緑に残雪の白がきれいだ。白馬岳の斜面のよう。(なんでも白馬に見える。他は知らないから)
始めは、なだらかな登りで、調子を整えるには最適。今日は、楽勝かもしれない・・・ひそかに自信を持つ。ただ、いつもより、荷物の分担が少し多いのが気ががり。ダンナさんの膝の調子が悪いのだそうだ。
登りは、いつまでたっても似たような調子で続く。林の中で、展望は時々しかない。日差しがなくて、助かるが、楽しくはない。さらに、次第に足元がぬかるんでくる。雪解け水だろう。どろどろで、足場がとても悪い。
ついに、ロープが出現。岩場でロープは知っているが、どろどろなのは、さらに恐怖が高まる。どこに、足を置いたらいいのか、ずるっと滑る斜面で、一瞬パニックに。
ダンナさんに「足を左に置けばいいんだよ。」と言われて、
「オケと言われても置けないよー。」「ロープどうするのお!」
私の頭はパニックに。
その時、下から「どうぞ、ゆっくり。」という人の声。
冷静さを取り戻して斜面を見て、左側に足を置いたら、
なあーんだロープを放しても大丈夫、そのまま、登れた。
登山での挨拶は、かなり重要だ。
難所(私だけ)を過ぎて、予定通り2時間弱で前岳に到着。
雪の上を斜めに歩く。そして、木道。おお。尾瀬みたい。「チングルマ」も咲いている。泥道から解放され、喜び勇んで木道へ。
時々、木道がふぁっと浮き上がる。(留め具が外れている)
右手に田子倉ダム湖がよく見える。航空写真のようだ。
山頂は意外に狭く、人の中に三角点があった。
木道の所までもどって中食。足元に、田子倉駅の駐車場。
湖を見ながらのんびりしていると、次第に人がどんどん登ってきて、
木道の周りもにぎやかになった。
ところで、我慢できないのは、虫の多さである。
立ち止まると、たちまち、虫に取り囲まれる。
超越して、昼寝する人もいたが、たいしたものだ。
小さな羽虫だが、うれさい。時々刺す憎たらしいのもいた。
帰りは前岳から桜ソネで下る。駐車場まで林道を歩いても、
あのどろどろ道を下るよりはましだろう。
と、少しほっとしたわけではないと思うのだが、
前岳で雪の上からお尻で滑り降りてしまった。
正確には、雪が途切れてしまったので、
濡れている草の上を歩いたつもりが、滑ったのだ。
なぜ、濡れているのに、駆け下りたのかは自分でも不明。
駐車場に着くまで、たくさんの登ってくる人とすれ違ったが、
後ろから追い越されたのは3人ほどだった。よかった。
しかし、転んだ瞬間は5、6人のグループにしっかり目撃され、
2回目の挨拶を受けた。
山での挨拶は、とても重要である。