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八海山(1653.8m)

詳しいコースガイドは
こちら
芝原(2合目駐車場)−清滝−屏風岩-千本桧小屋-日の池-ゴンドラ駅-芝原往復
腕が頼りの岩盤登り
  
1999.10
「八海山」といえば、まず思うのは辛口。新潟の酒のなかでもきりっとした味。次は、強烈なダウンヒル。近づいてはいけない険しいスキー場。そして、最後に、まさか私が登るはずない山。

ところが、登ることになってしまった。
ダンナさんが、「自分は昔登ったから、大丈夫」
さらに、「夏もゴンドラが動いているから」というので、渋々付いて行った。

当日。「ゴンドラ、ゴンドラ・・・♪」と思っていたら、ゴンドラは帰りだという。スタートは、なんだか暗いさえない場所。休日なのに、車も少ない。標識もよくわからないし、間違っているのではないかと、心配になる。(間違ったら、登らなくて済むかも・・・・・と内心ほくそえむ私)

登山道は合っていたけれど、相変わらずさえない道だ。橋も朽ち果てている。ゴンドラがあるのに、こんな道を登る人なんて、いるのかな、と思いながら進む。

勝手なことを考えていると、ついに岩稜の急登が始まる。
楽ちんハイキングがモットーの私は、岩を登ることなどほとんど皆無。
(今まで、よくぞ登ったと思うのは、白馬岳から唐松岳はの不帰の嶮)
経験が浅いので、こわさがわからないのが、かえってよいのかも?(まさか)

とりあえず、見えるところまでの岩盤を登ればいいんだ、と考えて進むと、また先に岩盤が・・・。普通は、乗り越えたら、なだらかな道がある?のに、どんどん岩盤が続く。普段、腕を使うといったら、箸を持つぐらいなんだから(?)、こんなに続いたら、もう登れなくなるかも・・・という不安がよぎる。
もし、途中で力尽きたら、どうすればいいの?!

かといって、こんな岩盤を下ることは、登るよりはるかに大変。
もう、もどる道はない。いじけているわけにもいかない。
それにしても、登っているのではなく「這っている」ばかりだ。
手と足の長さが、もうちょっとバランスよければ、楽なのに。
ダンナさんが後ろから撮った写真では、お尻から上が映っていない。
這いつくばっている証拠。
(鎖場は、よく整備されているので、慌てずゆっくり登れば怖くありません。)

そんな「屏風岩コース」で気持ちよいのは、見晴らしがよいこと。
岩の上に出ると、樹木にさえぎられない。屏風岩に着くと、八つ峰がすぐ近くに見える。このアングルから見えるのは、這いつくばった人だけ!そう思うとうれしい。

千本桧小屋までの道は、苦労したご褒美のように、最後は颯爽と歩ける。小屋は大勢の人であふれていた。「この人、どこから登ってきたのかしら?」「まさか、屏風岩コース?」
「すごいわ〜」と言っているに違いない、と思いながら、肩で風を切って千本桧小屋のトイレへ。足がガクガク、トイレがつらい。山小屋らしい風を感じるトイレだった。

千本桧小屋からは、人にもまれながら先へ進んだ。だいぶ体力を使い果たしたし、なにより八つ峰めぐりは、怖かったので「私はいかない」とダンナさんに宣言した。そこで、ダンナさんは、時間がかからないように大日岳のみを登り、私はうかい路で日の池へ行った。途中、初心者は行かないようにという警告を何度も見て、さらに恐怖心は高まった。
本当は、私にも登れたんじゃないか、という気持ちは残っていたが、屏風岩コースを登ったことで、満足していた。

1人で日の池でカップラーメンのお湯をわかす。実はこの時、初めてお湯をわかした。ダンナさんが降りてくるのを待つつもりだったが、お腹がすいて我慢できなくなった。(大日岳は渋滞して時間がかかったのだそうだ)山用のコンロになかなか火がつかなかった。八つ峰から次々に人が降りてくる。声を聞いていると、グループのなかには、私のように下で待っている人もいるようだ。登った人は、お化け屋敷に行ったみたいな反応している。
「やっぱり、行けばよかったかなあ・・・」ラーメンも食べ終わり、お菓子に手をつけたころ、ようやくダンナさんが降りてきた。様子を聞いて、半分後悔し、半分ホッとした。

天候もあやしくなり、ゴンドラ駅に向かう。あとは、ゴンドラだけと、安易に思っていたら、意外と距離があるし、登りもある。やっぱり私は、八つ峰は行かなくてよかった。

ゴンドラは、あっという間に下界へ。それからが、つらかった。車を置いてある芝原まで歩く。登山者用の道などなく、車道は無情にだった。ゴンドラ駅から登り道。ぐるりと大回りをしている気がする。だいたい、この道を歩いている登山者がほとんどいない。ゴンドラで往復する人か、バスでさよなら〜というパターンなのだ。

夕焼けの迫る村を、とぼとぼ歩く登山者2人。後ろの1人は、完全にむくれていた。バイクや車が通りすぎる。「車、とってきてよー」と、ついに言ってしまった。パークホテルを過ぎて、細い道に入って少し行くと、何かの管理施設がある。そこで、私は待つことに。時時、登山者の車が下りて行く。こんな場所で腰をおろしているのは、恥ずかしいけれど、もう、お構いなし。車を取りに歩いて行くダンナさんに、罪悪感を感じながらも、当然のように車に乗り込んで、一言「八海山ビール園に行かないの?」。