発狂している宇宙
プロローグ
「発狂している宇宙」は、“トラベラー”用のアドベンチャー・シナリオです。(メガトラベラー用のルールでも結構です。ここでもメガトラベラー用に書き換えた所があります。)
帝国政府占領省からの秘密調査依頼された、プレイヤー・キャラクター達(以下PCと表記)は、ソロマニ・リム宙域のテラ(20世紀の我々は地球と呼んでいる)内の秘密組織の陰謀にまきこまれます。そこでPC達が遭遇した出来事とは…。
時と場所
「発狂している宇宙」の基準となる時と場所は以下のとおりです。
時:日時は帝国暦で示されます。ゲームは008-1110(1/8−1106)に開始されます。いつでもレフリーは日時を変更できます。ストレフォン皇帝が暗殺されてからのシナリオでも問題ありません。但しテラがソロマニ連合に占領されてからのシナリオでは、のぞましいシナリオ展開にならないことでしょう。
場所:
ゲームはディンジール星域のディンジール(1222-AA89A98-FNS)のカジノバーから始まります。ディンジールは第一帝国時代からの歴史ある文明世界ですが、生活費の高さも超一流です。ソロマニ派の独立運動もさかんなこの地域で、臨戦体制が整いつつあるこのあたりの物価はさらに上昇しつづけています。ここでPC達はある依頼をうけた後、人類の母星テラ(1827-A867A69-FNS)に向かいます。
キャラクター
このシナリオの成否は<コンピューター>と<接触>をはじめとした対人技能です。科学者キャラクターが一番のおすすめですが、偵察局でも問題ありません。<パイロット>と<大型救命艇>も役立つと思います。商人はあまり活躍するときはありません。軍人キャラクターは行動次第では、比較的活躍できます。
レフリーとプレイヤーの事前準備
このシナリオはトラベラーの単独シナリオで行うよりはキャンペーンシナリオの最後として使用するべきです。このシナリオの後を考える事は極めて困難です。理由は最後にわかります。そしてこのゲームではレフリーならびにプレイヤー自体が57世紀のこのシナリオ世界に登場します。決してプレイヤーに事前にこの事実を告げては面白みが減ります。しかし別のシナリオ時でもいいので、レフリーならびにプレイヤーのキャラクターを設定してください。できるだけPCには遊びとして作らせるべきでしょう。シナリオでは高校卒業時の私とプレイヤーが出現しました。そのデータです。プレイ時は22歳の時です。適度に自惚れて自己キャラクターの設定をしておいてください。あまりシビアに設定するとシナリオでそれこそ全く役に立ちません。技能はキャラクターによって重複しないようにした方がうまくいきます。
以下の全文章は私が22歳の時、1992年に作成されたものです。公式な資料からも引用している個所もありますが、私のオリジナルの設定がほとんどです。使用される際は、その旨ご了承下さい。
HATONO,K 857AA6
(万能−2)(交渉−1)(コンピューター−1)18歳 銀河公用語:若干話せる
HAYASHI,M 489876
(エレクトロニクス−2)(通信−1)18歳 銀河公用語:話せない。また話す努力もしない。
シナリオ作成者の独り言…30歳の私としては万能にそんな自信がありませんが、この時はなんでもやれると思っていたのでしょう。交渉は野宿旅行の際、宿泊する駅や公園の周りに住んでいる人達にお願いしていた経験によるものです。陸上部だったにもかかわらず、敏捷力が低いのは、球技が全くダメだったことによるものでしょう。今ならもう少し設定を変えるだろうな…。
銀河公用語とは、英語の能力です。英語検定やTOEICの点数などで鑑定してください。これも厳密に査定しなくてもいいです。ただしいくら英語検定1級の持ち主でも、PC達と意志疎通が全くトラブルなくすすむことはありえません。なにせ設定から3000年以上過ぎた言語がそのまま残っているとは考えにくいからです。
概況
このアドベンチャーではテラ(1827-A867A69-FNS)で渦巻く、各社会組織や秘密テロ集団の抗争と陰謀にPC達がまきこまれます。最初はソロマニ・リム宙域ディンジール(1222-AA89A98-FNS)の宙域総督直轄部の役人から2つの秘密任務を依頼されます。
「ヴランド宙域で、古いCD−ROMが発見された。ヴィラニ人が築いた第1帝国の経済的な実験によって、ソロマニ人が住むテラの科学技術が20世紀の前半に急激に進展したという内容が書込まれたものでした。このことでヴィラニ過激派がソロマニ人の劣等性を主張しようとしている行動を帝国当局が察知した。その真偽を確かめて欲しい」
さらに「CD−ROMはSPTが人工的に偽造したという話もあるので、テラに潜伏しているSPTのエージェントの数とその活動内容を調べたい。しかし帝国自身が着手するわけにもいかない。ソロマニとヴィラニ双方の文化の融合体である帝国自体が、この微妙な問題にとりかかるわけにはいかないからだ。一般人に協力をしてもらいたい」という依頼です。
レフリー註…このシナリオは「トラベラー・ダイジェスト・ツアー」のヴランドシナリオをやっていれば、すぐにリンクできるのですが、そうでない時は、導入部でレフリーはしっかりしたとっかかりを考えてください。
ソロマニ人団体vsヴィラニ人団体 争いの構図
1.ソロマニ連合
ソロマニ人(地球人)第一主義者による星間国家です。他の知的生命体を軽蔑する傾向だけでなく、人類の中でもヴィラニ人はじめとする人種を下とみなしてます。しかし構成している星系内では大幅な自治が認められているので、中には差別が緩やかな星系もあります。よって内部対立が激しく、議会制をとっているソロマニ連合はなかなかまとまった行動を恒星間政府としてとることができません。
彼らの第一目標は人類の母星であるテラを帝国から奪還することです。あわせて帝国領のソロマニ主義者と団結して、ソロマニ主義の実践に熱心です。ソロマニ中心党がこの政府の中心組織です。しかしテラを奪還した後の基本方針はソロマニ中心党内部でも対立してます。
2.テラの支配
ソロマニ人のテロリスト集団です。しかしあまりにも過激なためにソロマニ中心党からも疎まれてますが、最近は活動が活発で、ソロマニ・リム宙域で発生する暗殺や破壊活動はほとんど彼らとされてます。
3.ソルセック
ソロマニ秘密警察です。ソロマニ連合内だけでなく、国外にも機密維持、情報収集、反政府活動の取り締まりなどを行ってます。テラの支配の行きすぎた活動に対し、困惑しているむきもありますが、帝国内における彼らの活動は黙認している節もあります。
4. 地球保護教団(SPT)
地球は帝国の支配下のままでよいと考える団体です。地球は人類すべての起源なのだから、ソロマニ人だけで支配するべきではなく、人類共通の場所にしようというポリシーです。デビット・メイソン提督によって1050年代に創設されました。元々は穏やかな団体です。しかしソロマニ主義者の差別的活動と破壊活動にソロマニ・リム宙域の人々はいらだちを感じはじめているために、彼らの暴力活動に対抗しようとするこのグループの過激派の勢いが増してます。
5. レイチェル教団 ヴィラニ優越論の狂信主義者で、ジッド・レイチェルによって992年に結成されました。他民族の皆殺しを推奨する教義により、組織を拡大しました。1010年にプレトリアでクーデターを起こそうとしましたが、失敗、ジッド・レイチェル自身も逮捕されました。しかし監獄から脱出したものの、その後死亡が確認されました。しかし彼の脳組織の神経データは電子データとして転送されたため、ジッド・レイチェルのコピーが各地にばらまかれてます。現在テラに彼の神経データが転送され、ロボットの頭脳とリンクされているという噂がたってます。
6. 真人類教団
ヴィラニ優越論を唱える過激派です。太古種族は優れた人類を選別して宇宙各地に移住させたはずなので、地球に残ったソロマニ人は人類の下等人種「カス」「屑」だと主張してます。したがって、優れた人類であるヴィラニやゾダーンが協力してソロマニ人を動物園であるテラ(地球)に封じ込めようと彼らは行動してます。スナアム・パーシシュとカデュ・シャアによって1076年に創設されました。いったん消滅しかかってましたが、ソロマニ・リム宙域の破壊活動や暗殺事件が絶えないことから、一般市民にも支持されつつあり、復活してます。
7. イシマガ純血教団(IGS)
ヴィラニ人の血が濃い事を誇る集団です。メンバーは生物学的、遺伝学的に純粋なヴィラニ人だと証明されたものばかりです。この集団はテラにも事務所があります。比較的温和な集団で、テラでは考古学の分野で功績をあげているヴィラニ人の多くが、この団体に加入しています。
8. 帝国 おなじみ第3帝国です。ソロマニ文化とヴィラニ文化融合の象徴であると謳われる事が多いこの国家でも、上層部を構成する人達のバックボーンはソロマニ人の血が濃く反映されてます。この為ヴィラニ人系の貴族や官僚は少しでも自らの種族の地位向上のために動く事がままあります。とはいえヴィラニ人をえこひいきするわけでもなく、逆に公明正大にふるまおうとします。
9.
カアリビラニディン(ヴランド・クラブ)
帝国内でヴィラニ愛国者組織としてかなり穏健なグループです。歴史的にヴランドの政治的権力がより高まるべきだと主張してます。帝国内の上層部にいるヴィラニ人が多く加入してます。
10.各種宗教団体
テラには文明発生以降、数多の宗教団体があります。3大宗教はもちろん、自然崇拝、ロボット崇拝、コンピューター崇拝、クローン崇拝などなど、宗教団体の本部がテラに置いてます。テラだと「箔」がつくというのが、現状です。おおむねどこの団体も「有史1万年以来伝統の宗教をあなたも信じてみないか」というキャッチフレーズとなってます。ヴィラニ人の宗教が主に第一帝国と宇宙空間そのものだったのに対し、ソロマニ人の宗教は宇宙の進出とともに様々な様式に変化していきました。第2帝国期にこれらの宗教はヴィラニの宇宙観と融合し、テラ独自の宗教が消滅するかに見えました。しかし暗黒時代を体験したテラでは、鉄器文明時代からの宗教が復活し、そして存続しつづけてきたのです。宗教によってソロマニ派、ヴィラニ派、帝国派と分かれてます。団体の思想や宗教的一貫性は、政治勢力のポリシーとは一致していないことも珍しくありません。とはいってもある程度の歴史と民族の背景があります。
キリスト教は帝国派が多いです。ソロマニ人が最初に宇宙に進出した時、地球を飛び出した民族の多くがキリスト教信者だった為、その名残が続いてます。仏教は色即是空の観念、儒教・道教は知行合一や無為自然の哲学に親和性のあるヴィラニ派シンパ団体が多く、イスラム教はソロマニ派となります。彼らは一番最後に宇宙に飛びだした人達です。ソロマニ連合にも数多くのムスリム達がいます。そしてテラのメッカ(温室効果により一回水没しましたが)は今もなお、巡礼の地です。
57世紀のテラの立場は20世紀後半地球のエルサレムの現状に酷似してます。
レフリー註…ライブラリ・データの内容は本来の「トラベラー」のデータからアレンジしてます。使用される場合は気をつけてください。最近のGurps Travellerの資料が気になりますが、この資料はあくまでも1992年の状態のままです。これらのデータと違っていれば、レフリーで各自訂正してください。
対立と協力関係
1・2・3vs4・5・6 あたりまえながら明らかに対立してます。ソロマニ戦争後から約100年が過ぎ、ソロマニ・リム宙域でも移住は確実に進んでいるため、ヴィラニ側が不利ということはありません。特に狂信的な2と5が活動を活発にするほど、互いの対立の根は深くなる傾向があります。
7・8・9 1-6までの団体をすべて毛嫌いしてます。双方をうまく対立させて、互いに殴り合って体力を失うように操作しようとしてます。しかしどちらかの勢力が完全に敗北して、消滅しないように取り計らっている説があります。
レフリー註…実際帝国はサイコヒストリー(歴史心理学)の技術を超能力弾圧以来、再びここで実際にリアルタイム実験として使いはじめてます。テーマは「過激な勢力を弱小のまま存続させておく実験」です。帝国社会の安定化継続の因子としていくつかの弱小過激思想団体が不可欠だという仮説のもと、社会操作実験を実践してます。つまり過激派を根絶やしにするのではなく、存続させておくことで、人々のガスぬきとしての存在として機能させておき、帝国社会が現在のまま安定させておけるという仮説の立証を帝国研究員達はめざしてます。この本部はあえてテラに設置してあります。テラにはあくまでもダミー団体を設置してます。
ヴィラニ系の団体7はメガコーポレーション・シャルーシッドと団体9はマキドカランと協力して、同様の試みをしてます。
シナリオの目的
PCが貴族でない場合は帝国人としてヴィラニ人とソロマニ人の混血です。どの立場で活動してもいいのですが、熱心なソロマニ派であることは避けてください。最初の依頼がきません。
テラまでの道程
下の星域図をご覧下さい。Gurps
Travellerの資料から抜き出しました。この地図データは帝国暦1115年のバージョンですが、このシナリオではこのまま使えます。地図の見方は各マニュアルを参考にして下さい。私が恣意的に追加したのは、ディンジール(赤●)とテラ(青●)です。

この地図ではすべての星系が帝国領下にあります。さらにソロマニ連合との境界線ぞいにあるこの地帯は帝国が直接占領下においている星系が少なくありません。「インペリウム」プレイヤーにはたまらない星系ばかりだと思いますが、注意が必要です。恒星名がすでにこの時代では惑星名で呼ばれていることです。また「インペリウム」のゲーム盤とどことなく星の位置が違うのは、恒星の運動というよりは、盤面をひっくりかえして、地図として描かれているためです。
ディンジール(Dingir) 第一帝国時代からの歴史ある巨大海洋惑星です。温和な気候で、高級リゾートビーチも数多くあります。第一帝国時代から娯楽惑星と海洋食料資源惑星としての役割を果たしてきました。海岸海中都市と人工砂浜と人工反重力都市がバランスよく設置されています。そして最高級リゾート地の自然砂浜海岸は帝国中の人間のあこがれの地でもあります。また全体的に浅い海底には無尽蔵の石油、金属資源が存在し、現在も採掘されています。
「人類の支配」(-2204〜 -1776)(第二帝国とも言う)時代の首星だった時代もあります。連合艦隊総司令官ヒロシ・エイスティガリビャ、後のヒロシ1世が当時地球連合艦隊総司令部が置かれていたディンジールを首星に定めました。後にヒロシ2世がハブ・エルシャーに首星をうつすまで、約30年のわずかな間ですが、第2帝国の首都だったのです。
レフリー注釈…「メガトラベラー」のライブラリデータでは、"Dingir"の読みについて「ディンガー」となってますが、私の表記では、「インペリウム」に敬意を表して、「ディンジール」とします。「海洋惑星の遊牧民」やその中の「ソロマニ・リム宙域図」では「ディンジール」となってます。翻訳の引継ぎがうまくいってないのかな・・・。
わずかばかりの陸地には考古学的にも貴重な都市遺跡が残されてます。ディンジールの狭い陸地に建設されていた都市や生活用地は、何千年とかけて反重力都市や海中都市に注意深く移転され、第一帝国末期から第二帝国初期の遺跡が陸地に残されるようになったのです。ディンジールの人達は歴史と伝統を大切にしています。そして地球連合軍との戦闘においても、ここは激戦地にならずにすみました。新たな支配者としてやってきたソロマニ人もこの惑星の美しさにほれ込み、大切に保存してきました。ヴィラニ文化とソロマニ文化の融合はこの星系から始まったと言ってもいいくらいです。それが地球連合海軍の総司令部に定められた背景です。ソロマニ戦争(990〜1002)では、戦況に大きく影響する大海戦がここで行われましたが、幸い宇宙空間だけの戦闘で帝国側の大勝利となり、地上戦は行われなかったことから、歴史遺産の破壊を免れました。
海洋の離れ小島と衛星には研究基地があります。研究内容は極秘にされてますが、しっかり調べれば、研究課題は時間航法(タイムワープ)であることが判明するでしょう。ディンジールには人類の古い歴史データに事欠かないことから、この地が実験地として選ばれました。ヴランドも候補地でしたが、都会化が進みすぎていました。秘密性をおびる実験のため、ディンジールの方が適地だったのです。
PCが将来出会う3500年以上前からやってきた正真正銘のソロマニ人達と共にここに訪れたら、研究基地中が大騒ぎとなります。つまり(トラベラー世界における)プレイヤーならびにレフリーは実験対象にされるはずです。
ガッシッダ(Gashidd) アンバーゾーンです。ソロマニ運動の反乱中です。テラ同様帝国海軍が直轄領にしてます。もともとは星域首都でした。しかし反乱のため、ソロマニ戦争以降はキンニールに首都が移転されています。
キンニール(Kinunir) ディンジール星域首都です。ディンジールはわずかな期間の首星時代がありましたが、この星域ではガッシッダとイシュクールが主に政治的惑星として役目を果たしてました。しかし現在はここです。第1帝国と地球連合の戦争における有数の古戦場でもあります。ここで地球連合軍が大勝利をおさめました。しかし現在は記念碑と博物館があるだけです。
ミーシャン (Meshan) 恒星名はタウ・ケティです。
マーカシー (Markhas) 第一帝国と地球連合軍との激戦地です。考古学的には「マーカシーマン」という巨大知的生物の生活跡が見学できます。巨大知的生物はヒューマノイド型で、格闘にたけています。しかしテラ上ではなぜか3分間しかいることができないとされてます。
フェンリス (Fenris) 恒星名プロキオンです。第一帝国vs地球連合、ソロマニ自治区vs帝国と有史以来、激戦地であり続けた星系です。テラにつながる重要星系の一つです。帝国の直轄領であるだけでなく、ソロマニ連合に対する監視の目として巨大アステロイド要塞「ソロモン」が惑星の軌道上にたたずんでいます。「ソロモン」は一般人立入禁止です。数多くのモニター艦を見ることでしょう。
シリウス (Sirius) 現在もなおアステロイドしかありません。しかしここの星系の資源は無尽蔵にあり、現在もあらくれ者達が集まってます。ソロマニ派の運動家やテロリスト達も数多く潜伏してます。
プロメテウス (Prometheus) 恒星名アルファ・ケンタウリはじめとする連星群です。ガッシッダとならんで、帝国政府によるソロマニ派弾圧が続けられてます。
ヌスク (Nusku)ヌスク・デュシャームの連星の星系です。帝国直轄領が多いこの星域において、ディンジールとならび、惑星政府がしっかりと星系を把握しています。暗黒時代にも科学技術を退行させずにいられたのは、ディンジールとヌスクだけです。暗黒時代の退行状態の中で小国分裂状態にあったテラへ救援に向かって行ったのは、このヌスクの住民達です。失われた科学技術や歴史データ、遺品などをヌスクの人々はテラに再び伝えました。現在恒星間国家の間で有数の観光地として脚光をあびているテラの遺産の多くは、暗黒時代以前にヌスクの移民達がテラから持ち出した物品のオリジナルやレプリカです。またヌスク人が保存しておいたテラ起源のデータによって、テラに存在した遺産情報の裏付けがとれたことも少なくありません。この「ヌスク・ルネッサンス」により、テラの多くの文物が本格的に復活し、テラ自体も恒星間貿易に復活しました。第3帝国によるテラの併合(588)の際も、ヌスク人の仲介と活躍がありました。
ちなみにテラ星域首都はラガシュです。ここの地図では見えてません。ヌスクから右上斜め3ヘックスに位置してます。テラが首都ではありません。
ヌスクの住民は独立心旺盛で、ソロマニ戦争時でも、帝国に惑星海軍の徴用を要請されたにもかかわらず、断りました。しかしソロマニ主義運動にも関心がありません。ヌスク人は他星系からやってきた異邦人達に対し寛大です。べガ人・人類・ドルフィンが共生している惑星の一つでもあります。
ヌスクもディンジール同様、温和な気候で、リゾート星系として有名です。芸能人や文化人が保養地や別荘としてよく利用してます。
シナリオ作成者の独り言…マーカシーはまさに「正義の超人」が「インペリウム」プレイで現れてしまったところです。あれは中学生の頃だっただろうか・・・。懐かしい。いまだに焼きついた記憶になっているのは、やはりインペウリムをやりこんだせいだろう。またやりたいものだ。あそこまでハマったウォーゲームはたぶん今後もないと思います。レフリーがもし「インペリウム」を持っていて、実際にプレイされていたなら、適当に星系の説明は変更してみてください。
プロキオンは常に帝国軍または地球軍の宇宙船ないし地上軍がとびかい、走り回ってました。外では冬の時期の美しい黄色の一等星なのに。冬の大三角形の一つを示す星でもあります。ま、ゲームだけでなく、実際に夜空を仰いで、宇宙空間の星々に思いをはせるのもいいものです。
テラ星系(地図はこちら)
「偵察局」に掲載されていたデータに基づいています。ただし無人の惑星は掲載してません。
| テラ 年間平均気温 17.5度。回転軸角度23度。赤道気温37度 人口179億人 気圧1.0気圧 テラ星域 ソロマニ・リム宙域 1 水星 G30046A-E 2 金星 G8B0168-E 3 地球 A867A69-F 海軍基地 中継ステーション 4 火星 F43056A-F 軍事基地 植民地 5 アステロイドベルト F00066B-E 植民地 6 木星 大型ガスジャイアント 7 土星 大型ガスジャイアント 8 天王星 小型ガスジャイアント 8.5 海王星 小型ガスジャイアント 9 冥王星 F10046C-F 海軍基地 研究所 |
テラの社会と歴史
−人類の母星−地球。しかしそこは必ずしも宇宙の主役、首都ではない。100年前に起こった帝国とソロマニ連合の遺恨の地、さまざまな民族と知的生命体−−イルカを先祖とするドルフィンとヴァルグルの遠い先祖である犬の母星。
母なる星としての伝統、
精神における宗教の混沌(カオス)
帝国が足かせする治安の秩序
ジャンプ-3とロボットとクローンを人類で最初になしえた人々のフロンティアスピリッツ
のすべてを混合する世界です。20世紀にたとえるなら、中東、エルサレムか日本の富士山山麓、いやアメリカのシリコンバレーか−−
帝国の占領下にありながらも、22世紀時代の地球連合の地域共同体的な政府が星系を支配してます。懐古趣味的なところもありますが、テラに訪れる観光客が一番期待することでもあります。地図上の各地方行政府の境界では、帝国ID(T4だと「ユニバーサル」と呼ばれる財産管理カードと身分証明証)のチェックが要求されます。古式ゆかしきと思わせておいて、実は帝国による治安管理の手段としてこの星系内におけるチェックが機能してます。
太陽系の説明
冥王星・・・帝国海軍が完全に掌握してます。PCの秘密任務については知りません。行かないほうがいいでしょう。心理歴史学の話の主催は帝国研究基地と帝国官僚です。偵察局も積極的に絡んでます。
天王星 ウンブリエル・・・テラ地方政府(帝国の傀儡政権です。しかし22世紀の地球連合の形態を一応とってます。)の軍事基地です。軍隊は帝国シンパで固められてます。
土星の衛星・・・すべて帝国が管理してます。研究基地は「心理歴史学」のデータ集積地のダミーです。ごていねいに心理歴史学関連の博物館まであります。タイタンが地球連合の開拓の歴史そのものの遺跡が数多くあるためといいかげんな理由がかかれているでしょう。
木星の衛星・・・帝国が完全に掌握してます。最大のガスジャイアントですが、軍事基地はテラ地方政府管轄です。過激派のガス抜きという政治的背景のため、帝国がテラ地方政府に管轄を委任しています。
火星・・・21世紀から地球連合が掌握している歴史有る植民地です。暗黒時代に地球からの補給がとだえ、見捨てられた時期もありましたが、一番ソロマニ中心主義の香りがする場所です。ソルセックやテラの支配のエージェントが隠れ家にしている可能性が高いです。
月・・・メガコーポレーション各社が研究基地を設置してます。最大の都市フォン・ブラウン市には観光センターがあります。PCも立ち寄ることでしょう。
テラ観光案内
1.地球連合創始者記念像
連合首都、Cape(ロシア、バイカル湖畔イルクーツクに位置する)のバイカル湖畔にたっている像。アメリカ・ロシア・EU・中国・日本(レフリーの好きな(好きだった)女性の苗字にでもしておきましょう。後でなぜかわかります)の首脳達が立ってます。
2.連合議会場
月にもあります。現在はこちらが運用されてます。現在は形式的な議題が帝国官僚と帝国海軍軍人が立会いのもと、提出されつづけてます。地球では旧東京に跡地があります。現在は水没している遺跡を水中翼船で見ることができます。
3.核爆弾祈念ホール
広島の原爆ドームです。ソロマニ人が核戦争をした名残の建物です。これは水没を免れ、現在も残ってます。当時の人達の温室効果による水没に対抗して、ドームで遺跡を覆い、永久保存化しました。
4.テラ温暖化モニュメント
暗黒時代を招いた一因となったとされる地球温暖化により、両極の氷がとけ、旧都市群と住んでいた人達は壊滅的なダメージをうけました。現在はこれらの都市群は復旧され、かつてのテックレベル5から10の建物を陸地や海中から眺めることが可能です。この都市群はヨーロッパ各都市、インド平原部・中東の川沿いの都市、東南アジアの平地部、北米メガロポリスの大半、東京・大阪、上海などです。観光案内のガイドや宿泊施設以外の人達はあまり住んでません。
5.水輸送モニュメント
アメリカ・フロリダのケネディ宇宙基地(現代も使われている)と日本の種子島の宇宙センター跡にあります。暗黒時代の寸前に、両極からあふれた水を月や火星にひたすら輸送した事を記念してひっそりとたたずんでいる記念碑です。当時の人達が懸命に生きようとしていた証でもあります。ソルの人達はこの時代を「ピストン時代」と呼んでます。来る暗黒時代の前時代にもかかわらず、ソルの人達はこの時代を懐かしむ傾向があります。ソロマニ中心主義者にとってはこの耐えるソロマニ人の精神を尊ぶ傾向があります。この時代を扱った映画や文学作品も多い。
6.南極点
ただ寒い(-40度)だけだが、現在、地球の各地に張り巡らされているリニアモーターカーの駅の一つです。南極大陸は地球連合にとって、払底しかけた資源の宝庫でした。
7.海洋都市群
人類の中で最も海や水に対し愛着を持ち、その中で生きようとする哲学をもっているのはソロマニ人です。地中海、ペルシャ湾、韓国南部群島、瀬戸内海、フィリピン諸島は海中都市群が集中してます。多くのドルフィン(イルカを知性化した知的生物)や人工エラをつけたソロマニ人が住んでます。旧都市群の横にもこれらの海洋都市が存在します。そこからは旧都市群への観光反重力バスが潜行したり、飛んだりしてます。人工エラ手術を積極的にする種族はソロマニ人です。またテラの食料は遺伝子治療をされた知性のないクジラが主要な産物となってます。
8.環境を考える博物館
現在は再び人口緑地としてよみがえったアマゾンの熱帯雨林だが、「ピストン時代」にとうとうすべての木々が伐採され、砂漠化しました。そして帝国占領後(588)、帝国とヴィラニ系のメガコーポレーションの協力により、人工緑地化されました。このとき、ヴィラニ文化の人達が多数、テラに移住しました。このときの最高責任者アーカル・ダダグルジャールの像も都市マナウスの中心部に建てられてます。
しかし彼女の像やこの博物館はソロマニ過激派の破壊対象とされやすいのが、最近の時勢です。
9.前星間国際連合本部
オールド・ニューヨークにあります。水没しましたが、現在は陸地の上に立ってます。昔の地球の政治形態の資料が多く残されてます。
「発狂している宇宙」Vol.2(工事中)
Written by HATONO Kotaro
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