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*この作品の登場人物はどこか壊れている可能性があります。
 特に衛宮士郎は正義の味方だ!という方は読まないほうが懸命です。
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子供の頃。
いつだったか俺は、じいさんからこんな話を聞いたことがある。

「僕はね、子供の頃、正義の味方ってやつに憧れていたんだ」

「嘘だろ、絶対」

ばっさりと切り捨てる。
いつになく真剣な表情をして語っているが、その手には幼い女の子の水着写真が握られている。
そんな写真を真剣に見つめるのはどうかと思う。

「残念ながら、正義の味方っていうのは期間限定で、大人になると名乗るのが難しくなるんだ」

「そりゃ、大人になっても小さな女の子好きのままじゃロリコンだもんな」

写真片手に真剣に語るじいさんから目を背け、月を見上げる。
ああ、今日の月はとってもキレイだ…。

「それは、しょうがない事なんだよね」

「そうだな、しょうがない事だよな」

子供の頃は、じいさんは確かに正義の味方だったんだろう。
しかし大人になることで、じいさんは正義の味方を名乗る資格を失った。
それは本当に、しょうがないことだと思う。
だけど―――

「うん、しょうがないから、君がかわりになっておくれよ。
僕はもう大人だから無理だけど、君なら大丈夫だろ。
まかせるよ。僕の夢は―――」

「ちょっと待てじいさん」

―――だけど頼むから俺を巻き込まないで欲しい。
切実に。

「ああ……」

じいさんの口から、安堵のため息が出て行く。
ああ、じいさんは本当に最低の親だよ。これが俺の義父だなんて思いたくない。
ああ、本当に…

「…安心した……」

「いやだから待…うぐっ」

じいさんはおもむろに俺を押さえつけると、妙なカプセル状のクスリを口の中に放り込む。
非力は俺はろくな抵抗もできずにそのクスリを飲み込んでしまう。

「ありがとう、士郎。今日から君は、正義の味方(ロリコン)だ―――」

そしてそのまま、じいさんは俺の上に覆いかぶさったまま、動かなくなってしまう。
その顔はとても満ち足りた表情で、まるで全てをやり遂げたような満足感が漂っていて…

「…おい、じいさん、ちょっと待て! 今何飲ませた! 起きろじいさん!」

少しずつ冷たくなっていくじいさんの体。
じいさんは死んだんだ、ということを理解した瞬間、俺の体内で何かが弾けた。
まるで全て遠き理想郷が汚されていくような嫌悪感。

(いやまて、理想郷って何だ? そもそも俺の体はどうなった?)

冷たくなったじいさんの体に、俺の体温まで奪われていくような感覚。
同時に、俺の中の大切な何かが失われていくような喪失感。
そして最後に俺を襲ったのは、気が狂うほどの激痛。
じいさん、俺に何か恨みでもあったのか?
失われていく意識の中で、助けを求めようともがく俺の手に、収まったのは一枚の写真。
そして、これこそが…
俺に唯一残された希望だったのかもしれない。

その写真の女の子の着ている白いスクール水着の胸元には、『いりや』という文字が刻まれていた…










たとえばこんな、せいぎのみかた



夢。 夢を見ている。 わけのわからない奇声をあげる化物じみたじじい。 隅で頭から血をだらだらと流しているワカメ。 辺り一面うじゃうじゃと湧き、俺の腕の中に庇う幼女を貪ろうと這い寄って来る蟲。 ふるふると震える手できゅっと俺の服の裾を掴む幼女。 そんな彼女が愛しくて。 彼女を汚そうとする存在が許せなくて。 だからその日、俺は罪を犯したんだ――― ・ ・ ・ 目が覚めると、目の前に顔があった。 「うわああああああああああぁぁぁぁぁーーーーーー」 目一杯。肺に溜まる空気のありったけを振り絞って叫ぶ。 至近距離で音波攻撃を放ったというのに目の前のソレはまるで堪えた様子はない。 布団を蹴飛ばし、距離を取ろうとするが、 ソレはがっちりと俺を両腕で抱きしめ、両足を俺の腰に絡めて動きを封じている。 「おはようございます、先輩」 「またか! またなのか! いい加減俺の布団に潜り込むのはやめろって言ってるだろ!」 「そういうわけにはいきませんっ! これは先輩の病気を治すためなんですから!」 「俺は病気なんかじゃない! ただちっちゃなおにゃのこが大好きなだけなんだーーーっ!」 「それが病気だっていうんですーーーーーっ!!!」 俺のさわやかな朝をいつもいつも台無しにしてくれるこの女の名前は間桐桜。 俺がまだ少年だった頃、どこからともなく聞こえてきた美少女の悲鳴を俺の第六感が感じ取り、 じいさんから受け継いだ(押し付けられた)力を振るい、まるでファンタジーがごとき戦いの末に勝ち取った薄倖の美少女だ。 しかし今では無駄に成長を遂げ、既に俺の興味は失われている。 「ふん、昔はあんなに可憐だったというのに、今ではこんな…はぁ……」 「何ですかそのため息はっ! 私をお嫁にいけない体にしたくせにっ!  ちゃんと責任とってください!」 「責任取って欲しかったらあの頃の可憐な美少女に戻りやがれっ!」 「横暴ですっ!」 …いや、まあ、そういうわけです。 ぶっちゃけ、罪を犯しちゃったんです。 いや、むりやりなんてしてないぞ。美少女をむりやりなんて喩え神が許しても俺が許さん。 まあ、何をどう言い繕った所でやることはやっちゃったわけなんだが。 「…ってもうこんな時間か。さっさと朝食を作らないと藤ねぇがまた吼えるぞ」 「あ、もう下拵えは済んでますから、すぐにでも用意は出来ますよ」 「おぉ、さすが桜。きっといいお嫁さんになれるな、俺以外の」 「あいにく私は先輩一筋ですから。責任取ってくれるまで逃がしませんよ」 さらりと実刑宣告を告げる桜。俺は一体どこで間違えたんだろう。 とりあえずのそのそと布団から這い出ることにする。 「今日はいい天気だからお布団干しちゃいましょうか。先輩朝食のほうお願いしてもいいですか?」 「ああ、わかった。頼むよ、桜」 「はい、先輩♪」 にこりと微笑む桜は確かにあの頃の可憐な美少女の面影を残している。 数年前までは本気で桜と結婚してもいいかと思っていたものだ。 時の流れとはなんて残酷なのだろうか。 桜に聞こえないようにこっそりとため息をつきながら台所へと向かう。 縁側に出て、ふと空を見上げて見ると、確かに桜の言うとおり、雲ひとつない晴天だ。 気分は上々。こんな日はきっといいことがあるに違いない。 たとえば、可憐なおにゃのことの出会いとか。 うん、なんだか急にやる気が出てきた。 今日も一日、頑張ろう!
○作者のひとりごと なんでこんなSSになっちゃったんだろう。 桜救済SSのつもりが、なんか間違った方向に突っ走ってる。 もうこうなったら作者にも展開が読めません。

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