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小春日和のモラップ、外国人に占領される

チャチャッと4日仕事をすれば2週続けての連休だというのに、秋分の日は午前中に外せない用事があるので遠出ができない。たまには家でのんびりという手もあるが、この陽気に黙っているのも酷な話だ。遊びにかまけてボーボーだった庭の手入れを、日の出とともに始めて心置きなく出かける。隣近所からも働き者のイイ旦那さんと映ることだろう。
自宅から小一時間で行くことができ、浮世の垢を落とすとなると支笏湖の他にない。今年からは目障りだったジェットが姿を消し、以前の静寂が還ってきた。もちろん夏の最盛期には恐ろしくて立ち寄れないが、朝夕にグッと冷え込み始める今時季だけは話が別だ。


パパッと雑事を済ませて支笏湖・モラップに向かう。抜けるような秋空はどこまでも青く、これからの雲行きに一抹の不安もない。昼過ぎに到着すると、日帰りを含めた10組程度が広いサイトに等間隔に並ぶ。受付では若い外国人女性を相手に、管理人さんが四苦八苦している。管理人さんがたどたどしい日本語で説明すると、流暢な日本語で外国人が返事を返す。ナントも心暖まる微笑ましい光景だ。

真正面に恵庭岳を見据えてタープを張る。湖越しに浮かぶ姿はいつ見ても美しい。もしこの景観が望めなかったら、モラップの魅力は半減されるだろう。陽に照らされてポリの2人艇が湖岸に滑りこむ。パドルを漕ぐのは還暦を過ぎたと思われる夫婦だ。艇底の形に合わせた自作の台車に、カヤックを乗せて駐車場まで運んでいった。二人が交わす会話はないが、淡々とした作業の息はピッタリだ。イイなぁ、素敵な年の重ねかただ。

続いて、犬を乗せたファルトの2人艇が湖に漕ぎだす。こちらも年配の男性だ。さすが絵になる。改めてシルバーと呼ばれる年代の活躍を目の当たりにする。しばらくして犬連れパドラーが戻ってくると、艇を降りた犬が真直ぐこちらの方へ歩いてくる。タープの木陰に腰を下ろし、火照った体を休ませる。まるでわが家の飼い犬のように、物おじしない堂々とした振る舞いだ。恐縮しきりのご主人としばし話し込む。犬は闘病中で薬が手放せないこと。以前はポリ艇だったが、軽くてリフトアップしやすいのでファルトに変えたこと。奥さんはアウトドアーが好きじゃないこと等々。日帰りなのでビールが飲めないことを残念がる。痛いほど気持ちがよく分る(笑)



フト気づくと今日はやたらと外国人を目にする。若者たちもいれば子連れのファミリーもいて、どんなグループの集まりなのか見当がつかない。何故か16ロール入のトイレットペーパーを持ちブラブラと歩いている。時として彼等の行動は不可解だ。

一人の青年が素早くTシャツを脱いで湖に飛び込んだ。こちらの方がヒャッ!と声に出る。水浴び程度かと思っていたら、グングン沖まで泳いでいく。ナカナカの泳力だと感心する。彼等を見ていて常々思うが、日本人よりも体温が高いんじゃないかと。こちらはフリースを着込んでいるというのに、短パン&タンクトップ姿だったりする。北海道程度の寒さは気にならない面々。この集まりは札幌カナダ県人会の、オータムキャンプと勝手に決めつける。そうじゃなきゃこの寒空に、次々と湖に飛び込まないでしょう。肩をすぼめて苦笑いで見つめあう日本人。


ナスのミートパスタと生野菜サラダで中途半端な時間に昼食を取る。キャベツとレタスを百切りしたサラダに、今日は奮発して生ハムを加える。飲み替えた赤ワインが快調に進む。秋の夕暮れは早い。気がつくと目の前の空が染まり始めた。どっかりとイスに腰掛け、一部始終を鑑賞する。心穏やかに夕日が眺められるのも、そうそうあるもんじゃない。太陽は毎日沈むというのに。時を刻むように空も山も湖も色を変える。意味もなく涙がこぼれそうになる。

昼間のうちに拾い集めた流木に火を入れる。テーブルの上には空缶で作った、即席のキャンドルランタンを灯す。風もなく寒さもさほど気にならない静かな夜だ。となりのテントからは子供達の嬌声が響く。修学旅行の枕投げ状態だ。こんな夜は子供も高ぶって当たり前、溢れる感性は止められない。空には満天の星が瞬き始める。

長く刻んだ早起きの習慣はここでも変わることなく、いつものように5時にはシッカリ目覚める。もちろんバハは身動きひとつしない。落陽とは逆に朝の訪れはゆっくりとやって来る。樽前山の輪郭がクッキリしはじめ、東の空から少しずつ明けてくる。野鳥のさえずりが少しづつ聞こえてくる。アーリーバード=早起き者。最近はこちらの連戦連勝だ。アーリーマックと改名しようかしら。あっ!違う意味にも取れるので撤回。朝から下ネタじゃしょうがない(笑)



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