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読書記録2007

2007年に読んだ本の記録をWEB上でやっていこう!という企画です。
目指せ100冊!

38瀬尾まいこ『図書館の神様』
高校の講師をしている主人公・清の話。やはり、瀬尾作品になくてはならないのは、主人公をさりげなく変えていく男性の存在。この作品では、唯一の文芸部部員、垣内くんだろう。清も垣内くんも、実は似たような経験(運動部のキャプテンだったことがあり、部員を追い込んでしまった)がある。それっきり運動とはかけ離れた生活をしている二人のやりとりが、なんとなくほのぼのしている。今回のナンバーワン台詞は、清の弟、拓実くん。「正しいことがすべてじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね」これは名言。(2007/6/17)
37野中柊『小春日和』
小春と日和。冗談みたいな名前の二人の女の子は、見た目もそっくりなふたご。ふたりの幼少期が、日和の視点で書かれています。ミーハーなお母さんにのせられて始めたタップダンス、発表会で披露したのをきっかけでCM出演、だんだんふたりは「テレビの箱」の中の人間として見られるようになり、変わっていく周囲の環境・・・そして極めつけは父のインドへの転勤。家族のあり方、いろいろな人々との関係のあり方に悩む日和。穏やかな日和ちゃんの視点だから、あたたかく読めるけど、これが気まぐれ小春ちゃん視点だったら、どうだったのかな・・・。(2007/6/10)
36水内喜久雄選『吉野弘詩集 素直な疑問符』
有名な吉野弘さんの詩だから、と、あまり読んでいなかったのですが、改めて読み直すと、いいなぁと思います。表現がわかりやすく、それでいて美しい比喩。現象とことばをうまくつなげてくれます。今回読んだ中には、初めて見るものもいくつかありましたが、その中で一番はっとしたのが「雪の日に」。汚れぬ雪などはなく、汚れを隠すために、雪は降り積もる。うーん。ものすごい説得力です。(2007/6/10)
35三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』
友人にすすめられたこともあり、読みたくて読みたくて図書館でずっと待った本です。主人公は便利屋の多田という男。そこへ転がり込んでくるのは厄介な同級生、行天。この2人の男たちが繰り出す物語は、アツイ! 淡々と進んでいくから尚更、アツク感じます。読後の感想は、第一に「わたしもできるだけ優しくなろう・・・」でした。だって、多田も行天も、過去を背負ってるくせにさらりと生きて、誰にでも優しくて自分に正直なんだもの。まだ読んでいない方は読むべし!強くすすめます!(2007/5/20)
34瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』
完全に瀬尾ワールドにはまってしまいました。山奥の民宿で、仕事にも人間関係にも疲れて自殺を図った23歳の主人公が、ゆっくりと自分を取り戻していくお話です。この主人公のような人は、実は世の中に多いのではないのかなぁ? 何事も完璧にできる「誰か(そんな人は実際にはいないのに)」になれないために、自分をどんどん追い込んでしまう人・・・。ん?ちょっと前の、自分もそうだったなぁ。だから共感できてしまったのかもしれないです。民宿のご主人の田村さんが、またいい味を出しています。瀬尾さんの小説って、もしかしたら、主人公を側面から変えていく男の人がよく登場するのかな?(2007/5/13)
33中山庸子『家にいるのが楽しくなる本』
そうでなくても家が好きなのに、またこういう本を読んでしまうのは、中山さんの文体のファンだからかもしれません。こうすればいいよ、というHow to本というよりも、中山さんの生活が、おしゃれだけど浮世離れしてないところがいいのです。生活感もほどほどにあって、すぐにでも真似できそうなところがよくて、ついつい読んでしまうのです。(2007/5/13)
32瀬尾まいこ『強運の持ち主』
直感で運勢を占っている主人公の女占い師と、彼女を取り巻く人々とのあたたかい物語。どうしてこれまでこの作者の本を読まなかったんだろう・・・と不思議に思うくらい、好きな世界。登場人物も個性的で楽しいです。物事の終わりが見えてしまう武田くんがお客にやってきて、主人公が困ってしまうところのやりとりがほほえましくて好きです。(2007/5/6)
31都築学・文 奥原しんこ・絵『あたたかな気持ちのあるところ いま、希望について』
ベルギーで生活する「おじさん」と、中学生の健太くんの、心温まる往復書簡。中学生向けなのかな? おじさんが哲学的で、中学生らしく悩み多き健太くんに的確なアドバイスを出してくれます。自分にもアドバイスをもらったみたいな気がしました。「人が劣等感をもつのは、自分には何かが足りないと感じるからなんだ。それを求めて生きていく、それが人間の生き方じゃないのかな」・・・その通りですね、おじさん。なんだかほっとします。(2007/5/5)
30奥村晃作『歌集 スキーは板に乗ってるだけで』
2001年から2005年までの奥村さんの作品が掲載されています。1冊の本の中で、これほどまでに作風が動いていくっていうのが新鮮。最初の方(2001年あたり)は、日常の場面の流れを教えてくれるような歌なんですが、2003年あたりから、同じ日常の場面なのに、写真みたいに、ばさっと切り取って、情景を描写しているのです。だから勉強になりましたね。あぁこう書けばいいんだなって。わたしが一番好きなのは、あめんぼを歌った「針ほどの身」の一連です。(2007/5/5)
29大島真寿美『香港の甘い豆腐』
わたしがこれまで読んだ数冊の大島さんの作品はどれも、色で言うなら薄紫、ほんわりとあたたかく流れていくストーリーだったんですが、これは違う! 勢いで読めて、最後、じわっと泣かせます。学校をさぼりがちな高校生の女の子が、出生の秘密を突然聞かされ、強引に母に香港へ連れて行かれてしまいます。しかし、そこで出会った人たちや、香港の雰囲気の中で、彼女はどんどん変わっていきます。ブログにも書きましたが、一番印象に残っているせりふは、主人公の母親が言った「自分の人生なのだから、思ったように生きられるかって言ったらそうでもないのよね」です。この言葉を導くためのストーリーと言ってもいいんだろうなあ。(2007/4/21)
28吉本隆明『ひきこもれ 自分の時間をもつということ』
やっぱり吉本さんは思想家だな、と思った。流されない自分をしっかり持っていて、それを表現できるだけで、すごいな、と。吉本さんは自分のことを「ひきこもり気味」とはっきり言ってくれて、そうか、そういう気質の人がいてもいいんだと思ったし、世間は「ひきこもり」とか言って、要は自分と違う人との間に線を引きたいだけなのかな、と感じた。すごく説得された感じ(笑)。(2007/4/19)
27藤野千夜『彼女の部屋』
森絵都さんの本の最後についていた新刊案内を見て借りた本(笑・・・どういう理由だ)。短編集で読みやすいのですが、全ての話が、始まるのに終わらないというか・・・なんだか消化不良気味です。でも、ほのぼのしているので、休日の午後、陽だまりの中で読むのにはいいのではないでしょうか。(2007/4/15)
26岡島弘子『つゆ玉になる前のことについて』
先日読んだ『風の詩集』の中で心に留まった岡島さんの詩集を早速借りてみた。やっぱり、いい。すごくずきずきするし、ドキドキもする。こんなこと最初に言っちゃって、どうするんだ?って思っていると、ちゃんと最後はまとまっている。「水たまり咲いた」という詩の一部「水たまりほどに/すなおに咲けたらいいのだけれど」これでもう完全にノックアウトされてしまいました。しかもこの部分が、途中の連の中に、何事も無かったかのように出てきて、消えていく。こういう詩が書きたいんです、わたしも(笑)。(2007/4/15)
25吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
吉田作品をほとんど読んでいるわたしが思うに、この本の雰囲気は「つむじ風食堂の夜」に近い。この中に出てくる、主人公が悩みに悩んで作り上げた完成品のスープは、人を饒舌にし、懐かしい人を思い出させてくれる、あたたかいもの。昔の人(いなくなった人)と今の人をつなぐもの。スープひとつなのに・・・。物語の最後の1ページに、なんとも言えぬ感動があります(細かく言えば最後から3ページ目なのだけど)。(2007/4/8)
24三木卓・川口晴美編『風の詩集』
何がいい、って、三木卓さんの序文がいい。「風はそれ自体では存在を現さない」、全く、その通り。木々や水面を揺らしたり、子どもの帽子を飛ばしたり、そしてもちろん、誰かに詩を作らせたり。「風」をテーマにした詩が96編、季節ごと、生活の中の場面ごとに分けられたこの詩集。一番気に入ったのは、岡島弘子さんの「本当の名前」でした。(2007/4/8)
23『セレクション歌人22 中川佐和子集』
この方は、河野愛子さん・近藤芳美さん、岡井隆さんの影響をかなり受けているようです。比喩が強引でなくて、すーっと歌の中になじんでいて、すごく、深まりがあります。ひとつの物事を言うために比喩を効果的に使っているように思いました。短歌も上手ですが、評論の方が説得力があります。(2007/4/2)
22平野恵理子『ふつつか台所自慢』
食べることと料理が大好きなイラストレーター・エッセイストの平野恵理子さんの本。料理が大好き、といっても、凝ったものを作るのではなく、日常の食事なんかをさらりと紹介してくれています。とてもカジュアルに上手にいろいろな器を使いこなしているのがまたすごい。これを読んでいたらお味噌汁が作りたくなりました(笑)。(2007/3/26)
21伊坂幸太郎『終末のフール』
ずっと読みたかった本。一日で一気に読みました。この作家さんの本はつい一日で読んでしまう・・・結末が気になってしまって。地球ががあと3年で破壊されてしまう。そう知ったときの人々の行動とは・・・?わたしだったらどうするだろう・・・とか思いながら読んでいました。8つの短編から成りますが、登場人物が絡み合っていて「あら、あのときの」と思えて楽しいです。一番共感したのは、最後の「深海のポール」かなぁ(ネタバレになっちゃうから内容は書きませんが)。あと3年でも前向きに生きていたいですね。(2007/3/21)
20渡邉賀子『10パーセント脱力生活 カラダ編』
「忙しい、もっと頑張らなきゃ」「仕事がうまくできないのは自分のせい、もっと力をつけなきゃ」と、つい思ってしまう癖がある人にこの本を薦めます。脱力生活シリーズは全3巻あって、これはカラダ編。難しいことではなく、疲れた体がリラックスできる方法がたくさん書いてあります。仕事が忙しい時はこういう軽く読める本がいいです。体も気持ちも癒されます。(2007/3/18)
19阿部和重『グランド・フィナーレ』
芥川賞・・・うん、芥川賞ね・・・(笑)。この作品から入ってしまったのが間違いだったのかもしれない。『シンセミア』を読んでからのほうがよかったみたい(ネット上の数々の書評によると)。まぁ単独の作品と考えて表題作の「グランド・フィナーレ」を読もう。登場人物は何かを間違えて人生を踏み外してしまった時点で、もうその後はアンダーグラウンドな世界に生きていればよかったのに、まともになろうとするから滑稽でどこか嘘っぽくなっている感じ。なんか、どう読んでも素直に受け入れられない自分がいて、たぶんこの作者とわたしの相性が単純に悪いだけなんだろうな。好きな人がいたら、ぜひわたしに阿部作品の読み方を教えてください。(2007/3/11)
18長田弘『一日の終わりの詩集』
長田さんの詩は、まわりくどい比喩も少なく、ストレートに心に響いてきます。そして、これが感動するのですが、そんな直球の詩を書く長田さんが、詩の中で「言葉で全ては伝えられない」という事実に気づいているのです。確かにそうなんですよね。だって人はみんな違うし、本人と面と向かっているわけでもないのに、一冊の本から、その人の言いたいことを全てわかるはずがないのです。だからこそ、直球で投げ込まれた長田さんの言葉に感動するのです。何度も読み返したいと思う本です。きっと、長田さんの球を受ける人によって、その人の気持ちによって、長田さんの詩は、意味合いが変わってくるでしょうから。何度でも楽しめるんじゃないかと思います。(2007/3/4)
17岩貞るみこ『もういちど宙へ 沖縄美ら海水族館人工尾びれをつけたイルカ フジの物語』
テレビで話題になっていたし、何よりF1ドライバーの佐藤琢磨さんが、この本を読んで沖縄まで行っちゃった、というから、これは読まねば!ということで読みました。尾びれを病気で失ったイルカのフジに、もう一度泳いでもらいたい、そのために集まってきた人たちの「金がからまない仕事」を通して、それぞれの分野のプロとしてのプライドの話、と言っていいかなと思います。ただの感動話じゃない。プロジェクトXでもない。これは、職業観が変わりますよ。(2007/3/4)
16『セレクション歌人12 尾崎まゆみ集』
塚本邦雄さんに師事した尾崎まゆみさんの歌は、まさに「自由きまま」。句またがりも多いし、破調もたくさん。でも、ちっとも嫌にならないのは、比喩の美しさ、楽しさと、歌の根底に流れる「人間としての深み、重み」のためではないかと思います。この歌集を読んでいる間、わたしはいろいろなイメージをたくさん持って、メモをたくさんとったんですが、そのメモからできた詩が4つ、短歌が11首。これはまさに、尾崎さんの歌のもつ、力なのではないかなあ。(2007/2/24)
15佐藤琢磨『Go For It!2006F1ダイアリー』
これはもう、趣味の本(すみません)。F1好き、琢磨好きなら、読みなさい。以上!・・・っていうわけにもいかないですよね。スーパーアグリに来て奮闘する琢磨の姿が書かれているわけですけど、この数年のダイアリーに比べて、文体がずいぶんやわらかくなった感じ。やっぱりお子さんが生まれてちょっと丸くなったのかな。それにしてもスーパーアグリって欲が無いというか、なんか必死な感じがして、あんまりビジネスのにおいがしなくていいわ(笑)。(2007/2/17)
14川端裕人『今ここにいるぼくらは』
静かな語り口だけど、熱い!ハカセ君の少年時代は熱すぎます。こんなに冒険ばっかりしてたら楽しかっただろうな・・・でも、最初はおとなしかったハカセ君が、だんだん凛々しく成長していく様子、自分の居場所を小6にして見つけていく姿がすごく頼もしいです。屈さず、流されず、自分を崩さずに居るアイデンティティの強さが、大人になってしまったわたしには羨ましくさえ思えました。(2007/2/17)
13大島真寿美『かなしみの場所』
いないと思っていた人や物が、突然現れたとき、あなたは、どんな感情を持つだろうか?喜びか、かなしみか・・・。この物語の中では、「かなしみ」の方で描かれている。知らなければよかった、気づかなければ歯車は狂わなかったのに・・・いや、決して、狂ってしまったわけじゃない。きしみながらも、まわり続けているのだから。物語全体が、薄暗いわけではなくて、きちんと光はやわらかく差し込んでいるからご安心を。人とのつながりに疲れちゃった方、無条件に癒されると思います。(2007/2/17)
12伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
久しぶりに一気読みしました。大学入学のために引っ越してきた青年は、隣に住む黒ずくめの青年に、一緒に本屋を襲わないか?と誘われます。たった1冊の広辞苑を、隣人の外国人にプレゼントするために・・・。話は、「現在」と「2年前」の2つをカットバックしながら進んでいきます。ミステリーですから、ネタバレになっちゃうのであまり詳しくは書きません。ところどころの描写がとても美しく、わたしが一番気に入ったのは、それぞれの章の最後の一文。ここだけ拾って読んでください。(2007/2/12)
11神野薫『森茉莉 贅沢貧乏暮らし』
森茉莉さんは、作家の森鴎外のお嬢さんです。『贅沢貧乏』は彼女の代表作でしょう。今回わたしが読んだ本は、そんな茉莉さんの愛用していた品々のビジュアルブック。解説つきで、何より雰囲気がいいのは、クラフト・エヴィング商会のファンの方なら誰でも知っている坂本真典さんの写真。茉莉さんの暮らしぶりがよくわかる本です。どんなにお金がなくても、心まで貧しくなってはいけない。精神の豊かさとは何なのか、考えさせられました。(2007/2/12)
10吉田篤弘『百鼠』
「一角獣」「百鼠」「到来」の3つの短編から成ります。短編集とはいえ、この3つは言葉の上できちんとつながっています。これまでわたしが読んできた吉田作品とは一味違って、「百鼠」以外は、すごく現実的で、その主人公の弱いところや戸惑いにすごく共感できました。「百鼠」は、天空に住む鼠の話で、完全にファンタジーですが、この「鼠」、実は、わたしたちの心の中にもいるのではないか、と思いました。時々、三人称で自分自身を戒めたり、褒めたりすることってないですか?あれをやっているのが、吉田作品に出てくる「鼠」じゃないかと思うんです。そうやって、空から自分を客観的に見ていてくれる存在を自覚することが、自分を大切にすることなのかな、とか思います。(2007/2/3)
木島始・編『四行連詩集 近づく湧泉』
実は四行連詩は初めて見ましたが、これは面白い! ルールはシンプルだし、四行詩の可能性が広がる気がしました。木島さんとの連詩のやりとりの中で、お気に入りの詩人さんを見つけてしまいました。佐川亜紀さんと、塔野夏子さんです。このお二人の詩をじっくり読んでみたい!(2007/1/28)
山田悠介『スイッチを押すとき』
山田悠介さんは、ホラー作家だと思っていたので、完全に敬遠していました(血みどろの怖いのは苦手・・・)。友人から「読み応えがあるから読んで」と言われ、しぶしぶ読んだら、1時間半で一気に読破! 結末は、「もしかしたらそうかな」と途中でわかってしまったりもしましたが、命を全うしきれない若者が多く出ているこの時代、命の意味を問う作品だと思えば、大いに感動できると思います。欲を言えば、ラスト3分の1の部分で、人々の心の動きをもうちょっと丁寧に書いてほしかったかな・・・。(2007/1/27)
椎名誠『本などいらない草原ぐらし』
実は椎名さんの本を最後まで読んだのは初めてです。「本などいらない」なんて言っておきながら、中身は椎名さんの好みでとても偏っている(笑)読書記録。やっぱり本が好きなんでしょうね。読みたい本もたくさんありました。それでもやっぱり、遊牧民と共に暮らしていたりすると、本なんかいらないなぁって思うみたいです。その気持ちもわかるような気がしますね。(2007/1/25)
松野大介『ゼロ・ジェネレーション』
松野さんといえば、中山秀征さんと組んで芸能人していた頃を思い出しますが、今では小説書いているんですね。その松野さんのエッセイです。松野さんって、誰にも流されない、強烈な個性みたいなものを押し出していける方なんだなぁ、って思いました。文章も上手で面白いし、何よりも、わたし自身がマイペースで人に合わせないので、あぁこれでいいんだな、と自信が持てました。(2007/1/21)
クラフト・エヴィング商会『じつは、わたくしこういうものです』
まるでそんな職業が、本当にあるかのような、クラフト・エヴィング商会ならではの職業紹介本。言うなれば、「ファンタジー界のハローワーク」ってところでしょうか? それぞれの人物が、誇りと哲学を持って、自分の仕事について熱く語ってくれています。ポートレートや小物もいい雰囲気です。中でも、わたしは「シチュー当番」さんに会ってみたい!(お仕事、代わらせていただきます♪)(2007/1/13)
吉田篤弘『78』
タイトルは「ななはち」と読みます。吉田さんの著書のキーワードのひとつに「音楽」があると思います。この78という数字も、昔のレコードの回転数。今は、CDとか、MDとか、音がいいメディアが簡単に手に入るけど、昔は必死でレコードに音を記録していたんですよね。この本では、一枚のレコードを巡って、時代も、人物もたくさん出てきて、それぞれの短編の中で、つながっていきます。中に出てきたのですが、「SPレコードは、空気を聞くためのもの」って。このフレーズに、すっかり痺れてしまいました。とにかくお勧め。特に音楽の好きな人はぜひ読んでみてくださいね。(2007/1/8)
小池光『滴滴集』
結社「短歌人」でお世話になっている、小池さんの歌集。ひとつひとつの歌が、本当に滴のようで、それが集まって水溜りになって、きらきらしていた。あとがきが勉強になった。(2007/1/5)
原子禅 文・亀畑清隆 写真『旭山動物園のつくり方』
今では大人気の旭山動物園が、どうやって再生したか、のお話。動物が好きな人もそうでない人も、きっと「命」に対する考え方が変わると思います。立松和平さんと、園長さんの対談には、学ぶところがたくさんあります。(2007/1/3)
梨木香歩『家守綺譚』
「私」=綿貫征四郎が、死んだ友人の家を守っているときに起こる、数々の不思議な事件(そんな大げさじゃないけど)。ふわーっと暖かく、ちょっと昔の日本の風景かなって思った。(2007/1/2)