2006年度第5回高瀬賞応募作品
題「Colorless」
色のない夢から覚めて蘇生したピエロは派手な化粧厭わず
好きなだけ傷つけばいい ゲームだと思えば軽く囁ける嘘
「騙されてあげてもいいよ」不器用な我を欺く目は多数なり
絶やさない笑みはまやかし ジョーカーを持っているのを知られぬように
本心を知りたくなくて透明なメールのやりとりただ繰り返す
孤独への恐怖を払い目を閉じる 闇が近づく音が聞こえる
「未来って何色ですか」と問う君に「自分で探せ」と言う無責任
裏ばかり探ろうとする癖がつき無駄に重ねた年輪の渦
ガラス戸に映った我を割り砕きふと影を見る 直らぬ猫背
出て行った君の足音消すように雨は降る降る 重き闇の夜
号令に従わなかった我の身に課される罰は「我慢一生」
約束をせがむ輩へ送るのは時間つぶしの大魔方陣
十本の指をかざして巡る血の赤さ黒さに安堵している
我を知り必要とする人が居るという証拠の着信履歴
現実は色の氾濫 本当も嘘も虚勢も見分けがつかず