
日本語・中国語(台湾華語)単語帳
「台湾華語」について
このあまり耳慣れない(であろう)「台湾華語」という言葉について、
少しばかりご説明しておこうと思います。
1.「中国語」と一口に言っても・・・
わたしたちは何気なく「中国語が話せる」とか
「中国語を勉強したい」とか言いますが、
実は「中国語」という言葉はいろいろな意味を含んでいます。
狭義には、中華人民共和国(中国大陸)の標準語、つまり<普通話>、
或いは中華民国(台湾)の標準語を意味します。
広義には、広東語・上海語・台湾語などの方言を含む華人が話す言葉を指します。
2.中国語の方言
日本語にも方言がありますが、中国語のそれとは比べ物になりません。
というのは、例えば、関西人は日本全国どこへ行っても関西弁で事足りるかもしれませんが、中国語の方言ではそうはいきません。中国語の方言と方言または標準語との差はかなり大きく、別の言語だと言ってもよいほどです。
3.<普通話>と北京語
これは、日本語の標準語と東京弁の関係に置き換えてもよいと思います。
<普通話>はマンダリンとか北京官話などとも呼ばれますが、
これは北京の官僚たちが話していた言葉(つまり、北京語)を元にして、
全国に普及させるために半ば人工的に作られたものです。
4.台湾で話されている言語
わたしはよく、「台湾では台湾語を話すんでしょ?」と聞かれるんですが、
これは半分正解ですが、半分抜け落ちています。
台湾の公用語は、普通<國語>と呼ばれる中国語で、
その他に、中国語の方言である台湾語(<ミンナン語><ホーロー語>とも言う)や客家語、
また様々な原住民の言語があるのです。
5.台湾の<國語>と中華人民共和国の<普通話>
<國語>は、蒋介石率いる国民党が台湾に移ってきて以来、
台湾の人民に普及させたもので、
これも<普通話>と同じく北京語を元に作られたものです。
したがって、<國語>と<普通話>は結局同じものだと言っても過言ではないのですが、
<國語>では繁体字を採用したのに対し、
<普通話>では簡体字が発明されたという大きな違いがあります。
また、海を隔て別々の政府の下に置かれた<國語>と<普通話>は、
年を経るごとに異なる方向に変化し、
今では発音や語彙、文法などにおいて、微妙な差があります。
6.<國語>と<華語>
上記のように、台湾で<國語>と言えばいわゆる中国語のことなんですが、
実は中国語という意味で使うことばがもう一つあります。
それは<華語>です。
主に、中華民国内で使われる中国語を<國語>と呼ぶのに対し、
<華語>はシンガポールなど海外で使われる中国語を<華語>と呼んで
区別しています。
7.なぜ「台湾華語」なのか
もうお分かりかと思いますが、「台湾華語」とは
つまり台湾で使われている<國語>のことです。
なら一般に使われている<國語>という言葉を使えばよさそうなものですが、
ちょっと待って今一度<國語>という言葉について考えてみてください。
<國語>とは「国(民)の言語」という意味ですよね。
では一体どこの国か?
日本で日本人のわたしが「国語」と言ったら、
日本国(民)の言語ということになるのでしょうが、
さて、ここ台湾では??
とりあえず「中華民国(民)の言語」というふうに理解してみても、
今わたしがいるここは中華民国か台湾かというような
イデオロギー的問題が絡んでくるのですね。
また、「中国語」ということばも然りです。
だからこのサイトでは、「台湾で使われている中国語(北京語)」を
言い表すことばとして、
ニュートラルな「台湾華語」という言い方をサイト名に入れることに決めました。
2004/01/16 管理人 ちこ
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