ドーマン法に2年間取り組まれた御家族の手記がある。
ドーマン法は、フィラデルフィアと、日本では神戸にある人間能力開発研究所が本部であるが、他に、安達啓氏の「K学習相談室」や、故小笠原平八郎氏の指導された方法など、グレン=ドーマン氏のもとで研修を受けた後、独自の方法をしている人々もいる。
この手記では、プログラムはほとんど人間能力開発研究所と同じであるが、神戸の本部ではなく、当時、熊本の「のぞみ母子センター」にいた指導者から、運動面と生理面のプログラムをもらっている。知性のプログラムは、後で、と言われていたが、結局、実施しないうちにドーマン法そのものをやめた。「のぞみ母子センター」にいたドーマン法の指導者は、現在は、他の施設にかわっている。
「大照」〜あなたを愛したい〜(出版社:健友館)
古閑 士津子(こが しづこ)
第1回熊日マイブック出版賞大賞受賞!
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それを聞いて、父親も調理士の仕事をやめ、それまで住んでいた熊本市を離れ、ドーマン法の指導を求めて、熊本県八代市の福祉会館の、のぞみ母子センターの近くに引っ越す。
息子の大照くんは、パターニングやそのほかの訓練を続けていくうちに、うつ伏せの姿勢を取れるようになったり、その状態で首を左右に返せるようになった。身体の部位も感覚的に理解でき、意識して動きを出せるまでになった。ところが過労から血尿を出してしまう。笑顔もなくなった。これ以上の機能を求める為に子供の命を賭けなければならないのなら、もう訓練を止めるしかない。
でも、いっぺんにはやめられない。それに、呼吸マスクや呼吸パターニングのおかげで、痰がつまって咳き込むことも少なくなった。それで、ドーマン法の訓練を以前の半分に減らすことにした。
時間の余裕ができてから、士津子さんは、大照君が木の葉のさやぎを聴いて笑ったり、小鳥に目を見張ったりするのを、知る。
大照くんは、もともと、笑顔のいいこどもだった。
ドーマン法の訓練を減らしてからのある日、大照君はおかあさんの士津子さんのほうを見て笑っていて、士津子さんも笑い返そうとする。士津子さんは、神経症がひどくなってから、大照君を見ることができなくなっていた。でも、このときは、大照君と士津子さんは目があっている。笑おうとしてなかなか笑えないおかあさん。おかあさんの表情を確かめつつ、何回か問いかけるように笑いかける大照君。ついにおかあさんが微笑むと、大照君はほっとしたように「はーっ」とためいきをついて、おかあさんの胸にもたれる。士津子さんも大照君をだきしめる。
士津子さんは、ドーマン法でも、その前の訓練でも、必死になったのは、自分のためだったのだ、と思うようになる。
親子で海に行ったときには、浅瀬で、士津子さんが大照君を抱いてすわっていると、大照君が、からだに寄せる波を感じてクスクスと笑った。
士津子さんは、大照君が海というものを理解し、好きになったのを知って、涙する。
大照君は賢いこどもだ。これは何も訓練や教育で身についたものではなくて、うまれつきの賢さに加えて、両親の愛情のおかげで自然に身についたものだと思う。
手記の前半は、読んでいる私も息苦しくなるようだったが、後半は、だんだん余裕が出てくるようで、涙とともに笑いもある。たとえば、パソコン通信を初めてつなぐときに、「夫に横にいてもらわなければこわくてできない」と書いているが、それは神経症でなくてもみんなそうである。
父親は、大照君がすわることができる椅子を工夫して作っているうちに、いろいろな縁で、障害児のための椅子を作る工房で仕事をするようになる。
大照君が、18歳でなくなったというエピローグが、重い。
古閑さん御夫妻は、大照君にとってドーマン法は効果があったので、ドーマン法そのものは肯定している。大照君のホームページを見て、古閑さんに相談のメールを送ってくる親御さんもいる。そういう人にはドーマン法を薦めるが、生活や子供の健康を犠牲にする覚悟が必要であり、そこまでしても治る保証は無く、それでも奇跡を信じたいならドーマン法しかないと思う、と書く。ほとんどの人はその説明で諦めるという。
手記には、どこの病院・施設・療育センターであっても、頼っている先生の機嫌を損ねる事は見捨てられやしないかと不安になる親の気持ちが綴られている。しかし、総合医療センターのあるところとないところでは、あるほうがよい。総合医療センターには、小児科医・理学療法士・神経科医、その他、各分野のスタッフが揃っていて、連携して、一人のこどもに当たってくれる。それに比べて、大照君が幼かった当時の熊本市には総合療育センターが無かったので、薬、訓練A、訓練B・・・と、いくつもの病院や施設に通い、それぞれの専門家の連携が見込めなかった。
ところで、現在の熊本市の状況は、だいぶ改善されたようである。
*古閑士津子さん談:
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現在、熊本には療育センターや療育園が複数あります。以前、母子入園したような総合
療育センターに及ばないまでも、色んな分野の専門家に診てもらえるようになりました。
入所・短期入所・通所などのバックアップ体制も確立しています。
歯科を備えている療育センターもありますが、訪問診療をしてくれる歯科も増えてきている
ので、1番落ちつく自宅で治療を受ける事もできて、大変助かりました。
現在の熊本はずいぶん状況が良くなっていると思います。
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NHKスペシャル「奇跡の詩人」とドーマン法
2002年4月28日放映のNHKスペシャル「奇跡の詩人」で、私は、初めて、「ドーマン法」という教育訓練法を知った。「奇跡の詩人」の内容に疑問を持った人と一緒に番組の検証会を開いてみると、ドーマン法の体験者や、障害児の療育に関わる仕事をしている人が参加された。それらの方々のお話では、障害児の親御さんのための相談態勢や、療育センターなどが、地域によって格差があり、また、いろいろな民間療法や宗教団体などの勧誘も多く、適切な相談相手が得られない場合は、いわゆる「カモにされる」場合もある。ドーマン法は、高額の費用と多大な労力を必要とし、しかも効果が挙がらず、なかには、経済的に破綻した御家庭もある、とのことである。USAでは何年も前から小児科学会など各種学会から問題視する声明が発表されており、日本でも、「奇跡の詩人」がきっかけで、小児神経学会からNHKに質問状が送られたり、小児科学会から意見が発表されたりしている。(*参照2[1])
この問題に興味を持って、インターネットの掲示板で、Yahoo!掲示板の「ドーマン法について教えてください」トピックに参加すると、そこでも、障害児の療育訓練の態勢に、地域によって格差がある、という話題が出た。(*参照2[2])
ドーマン法の体験者のサイトも調べてみた。障害児の親御さんでホームページを作っている例は多く、お互いにリンクをはっているところも多い。そして、ドーマン法、ブレインウェイブ法、ボイター法、ボバース法、音楽療法、そのほか、あらゆることをやってみた、という例も数多い。これらの例を読んでいると、結局、どの方法を選ぶかということよりも、よい治療者・相談者に出会うことのほうがだいじである、という印象を受けた。
また、日本で「ドーマン法」を実践している、と言っても、実際には、何種類かの「流派」があるようである。利用者のほうも、「人間能力開発研究所」に講習を受けてプログラムを渡してもらう人、そのなかでも集中プログラムまでおこなう人、一方、「人間能力開発研究所」とは別の一派で指導を受けている人、ドーマン法と他の療育訓練法とを組み合わせている人など、いろいろある。いくつかのドーマン法体験者のサイトでは、ボランティアと良好な人間関係を保てた、という感想が目に付いた。
グレン=ドーマン創始の「ドーマン法」は、USAのフィラデルフィアに本部「人間能力開発研究所」をおき、日本では神戸に本部を、東京に支部をおいている。これは、運動面のプログラムとしてパターニングそのほか何種類かの運動、生理面のプログラムとして反射マスクなど、知性面のプログラムとしてビッツカード・ドッツカード、FC(Facilitated Communication)などを含んでいる。また、「脳障害」児のための療育訓練法と、「健常」児のための早期教育と両方ともおこなっている。
そのほかに、ドーマン氏に指導を受けた後、「人間能力開発研究所」からは独立して、方法論の一部を継承しつつも、別の理念で実践している人々がいる。たとえば、障害児のためのリハビリテーションとして、運動面のプログラムのパターニングなどをおこなうが、FCはおこなわないとか、「健常」児のための早期教育はおこなわないところなどがある。
安達啓氏のK学習相談室
その一例として、安達啓の「K学習相談室」が挙げられる。安達氏は、元騎手の福永洋一氏のドーマン法の訓練を介助したのがきっかけで、後にフィラデルフィアの人間能力開発研究所で研修を受けたが、グレン=ドーマンの早期教育・英才教育などとは一線を画して、神奈川県で「K学習相談室」を開いた。脳障害児の療育相談にのり、「運動、言語、社会性など全ての領域で学習を効果的に促進することを計る」と主張している。ドーマン法のパタニングに、ストレッチを加え、こどもがいやがることを無理強いしない方針をとっている。訓練では、器具も使う。
*参照: 福永洋一騎手とドーマン法について
なお、安達氏の「K学習相談室」で実践している訓練法については、以前、Yahoo!掲示板の障害者カテゴリーの「ドーマン法について教えてください」トピックで紹介したが、そのとき、これをドーマン法と呼んでもいいのか、という意見が出た。「ドーマン法について教えてください」トピックは、今はなくなっているので、ここでまとめて紹介する。
神戸とフィラデルフィアの人間能力開発研究所とは別に、
安達啓氏が、神奈川県藤沢市でドーマン法を指導しています。
「K学習相談室」というところで、ホームページもあります。
http://www.lc-k.org/index.html
安達氏は、元騎手福永洋一氏のドーマン法の訓練の助手を努めたそうです。
フィラデルフィアの研究所で研修したが、グレン=ドーマン氏から、
「もし、自分のこどもが脳障害になったらドーマン法をするか」
と質問されたとき、"I don't know"と答えて、
その理由は、哲学的な問題だと説明したそうです。
哲学的な問題とは、どんな内容なのか、興味があります。
ひょっとしたら、Susumu_Tsurutaさんがドーマン法の問題点として指摘されたように、
「健常」になることに価値をおき、障害者であることを否定する、
ように見える点をさしているのだろうか、と思います。
安達氏に質問してみたいところです。
「K学習相談室」(http://www.lc-k.org/index.html)のホームページには、
「家族の希望や状況に配慮しながら無理のないようにプログラムを進めることを方針としています。」
と書いてあります。
以下のような要望にこたえるそうです。
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・共働きであるが、できる範囲でプログラムをしたい。
・幼稚園や保育園へ通わせながら療育に取り組みたい。
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これは、ouija_yoshiokaさんが挙げられたような、
人間能力開発研究所のドーマン法の問題点を改善しようとしたものだと思います。
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実行上の問題点
・子供への身体的、精神的負担が大きい。また24時間続けるため医療機関の
受診、通学、他のリハビリテーション法の導入などが困難。
・家族への経済的、時間的、身体的、精神的負担が大きく、しばしば家族の過労、
家庭不和、燃え尽き症候群などの原因となる。
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「K学習相談室」(http://www.lc-k.org/index.html)のホームページによると、
「子供への身体的、精神的負担が大きい。」という問題点については、
プログラムを始める際の注意を述べることで、解消しようとしているようです。
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プログラムを始める際には、常にお子さんの身になって考えるということを
忘れないでください。
(中略)
是非、お子さんといっしょにプログラムを経験してみることをお勧めします。
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親もこどもと同じことをやってみて、
からだに痛いところがないように工夫する、
などというやりかたは、おもしろいと思います。
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お子さんとご家族の肉体的・精神的ストレスに十分注意してください。養育者の
精神状態は直接お子さんに反映します。ボスが過労で倒れてしまえばプログラムは
できません。疲れたときには積極的に休養や気分転換を図りましょう。
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このへんは、テレビ東京「流奈の一年」で、
日木千史さんが寝込んでしまったところを思い出すと、
まさに人間能力開発研究所の指導と正反対だなあ、と思います。
安達氏は、パタニングやドッツカードには肯定的です。
てんかん薬については、いい主治医をみつけて相談しながら投薬の加減をすることをすすめています。
安達氏のプログラムを見ると、
これはもともと動くことができるこどもじゃないと、
進歩が望めないじゃないか、と思いますが、
その最初の、自分で動くことができるようにするまでの段階で、
パタニングが必要である、というよりも、
ここから始めるしかない、という考えのようです。
パタニングが効果がないと批判されていることを認めつつも、
ボイタ法やボバース法も似たようなものである、としています。
そして、パタニングが障害を「治す」ことはできないまでも、
消極的な長所として、以下の点を挙げています。
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○リスクがない
○誰にでもできる(比較的習熟が容易です)
○子どもがいやがらない(むしろ快適でしょう)
○合理的な全身運動、ストレッチになる(筋肉や関節の拘縮をある程度防ぎます)
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安達氏は、パタニングがストレッチになると書いていますが、
他のプログラムの前にも、ストレッチをすることをすすめています。
この場合のストレッチはパタニングではなくて、
一般にストレッチといわれているものと同じようです。
安達氏は、ドーマン法のビッツカードについては、
「フェイディング」というおもしろいことを書いています。
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研究所に滞在中のことです。「ベターベイビー」(研究所の英才教育のコース)を
紹介する報道番組を録画したビデオを見たことがあります。それはビッツの
デモンストレーション場面で、お座りをした1歳前後の赤ちゃんが母親の差し出す
2枚のカードのうち、正解のカードを手でさわっているのです。すごい速さで次から次へと。
(中略)
しかし、このゲームにはちょっとした「仕掛け」がありました。カメラはスローモーションで
母親が、一瞬、指で正解のカードを指すところを映し出していました。つまり、強力なヒントを
与えていたわけです。
(中略)
母親と赤ちゃんは実に楽しそうにやっていたし、目にも留まらぬ早業を見抜く赤ちゃんを
たいしたものだとほめることもできるでしょう。そして、いずれは、一切のヒントなしに、
絵や写真を見分けるようになる可能性もあります。
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このヒントを少しずつ小さくしてゆくことをフェイディングというそうです。
安達氏は、脳障害児の場合も健常児と同じようにフェイドアウトできるかどうかについては、
少しむずかしいと考えているようです。
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最後の最後で完全にフェイドアウトできるかどうかは、学習の連続から必ず帰結する
ものではなく、情報処理の戦略の転換という「ジャンプ」によるのだと思います。
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安達氏は、療育相談にのった家族からの提案として、
デジタルカメラの液晶画面をそのままビッツカードのかわりに使う、
デジタルビッツというアイディアを紹介しています。
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散歩に行ったときのスナップショットを「近所のお店」とか「お散歩コースに咲く野草」
とかのカテゴリーでまとめて帰宅後即見せる。
撮った画像をパソコンで管理すれば、1つの画像をいろいろなカテゴリーで使い回ししたり、
紙に印刷して本来のやり方でできる。
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なんかこれ、「光とともに……」で自閉症のこどものためのカードを作る話と似ているなあ、と思います。
ビッツカードは、次から次へと速く見せていくやり方をするようですが、
「光とともに……」では、そんなやりかたはせず、
言葉を覚えたり、会話の手段として使っていました。
preconditioningさんが、代替療法の一つとしてドーマン法を考えた場合に、
まずいい主治医を見つけることをすすめています。
障害の進行・改善具合を見て、親の気持ちを汲みながらアドバイスしてくれる医者、
それを許す治療法、学習・教育プログラムを探すべきであると指摘されています。
いい主治医を見つけた親御さんが、安達啓氏の療育相談を受けてみて、
preconditoningさんの挙げた条件を満たすことができると考えた場合には、
やってみてもいいのかもしれません。
「安達啓氏のドーマン法(4)」で、
>安達氏は、パタニングやドッツカードには肯定的です。
と書きましたが、ドッツカードの効果というものは、
小学校の算数や中学校以降の数学などを学んでいくと、
そのうち、失われていくという話を紹介しています。
ドッツは、こどもが数の世界を知る方法の一つで、
こどもが楽しむことができるのならば、やってもよい。
だが、それは、サヴァン症候群の人が、数を図像的にとらえるのと似ていて、
通常の教育を受けていくと意味が無くなる、と考えているようです。
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ダイジェスト判 投稿者: ouija_yoshioka 2003/ 2/24 9:56 メッセージ: 277 / 277
安達氏のサイト見ました
しかしこれをドーマン法といってしまってよいのでしょうか?
本部はこのことを知っているのでしょうか?
看板詐称の気がしますが・・・・
「脳障害は治る」と謳っているドーマン法にすがりたい親がいる
→しかしドーマン法をやるのはすごく大変
→ドーマン法を水で薄めた療法はどうでしょう
といった感じなのでしょうが・・・・
「ドーマン法は子供ではなく親の心を治療している」という言葉が思い出されます
*参照: 福永洋一騎手とドーマン法について
ドーマン法とは??
(1)「騎手・福永洋一『奇跡への挑戦』」(木本 正次著、PHP研究所、1985年)p.216
治療を受けずに放置された子供たちが、治療を続けている子供たちよりは、圧倒的によくなっていたのである。更に調べてみて、まずわかったことは、治療を『受けない』子供たちは、家族の中に置かれ、一緒に生活しているということであった。彼らは『ベッド』ではなく『床』に置かれていた。必要な時には、他人がしてくれるのではなく、自分で這ったり、膝で進んだりして、自分の用を足さなければならないのだった。(2)「騎手・福永洋一『奇跡への挑戦』」(木本 正次著、PHP研究所、1985年)p.231 四月中旬のある日、北村は布団に入っていた。洋一はその横で、毛布をかけられて腹這いのゴロ寝をしながら、何とも恨めしそうな目で、布団の中の北村を見続けていた……と北村はいう。 |
(1)は、理学療法士グレン=ドーマンが、1940年代後半に、診療所を設立して脳障害児の治療法の研究を始めてから3年後の1950年に、自分が治療した18歳未満の人々の治療結果を追跡調査した結果です。治療を継続していた100人のこどもたちは、よくなったといっても、「頭が上がるようになった」「腕が動くようになった」という程度で、「歩くようになる」のはいつのことやらおぼつかない状態でした。一方、わずか数回の治療を受けただけで、親の無関心とか「治療費が続かない」などの理由で治療をやめたこどもたちのほうが、圧倒的によくなっていました。
*参照2
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