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5月11日 「奇跡の詩人」・日木琉奈君についての NHKspecial
なんとも寂しい、そして悲しい番組でした。内容が寂しいのではなく、あまりにも思いこみの強い一方向的な組立の番組だったからです。思いこみの強さは、母親であり、番組担当者です。でも母親が息子にいろいろな想いを持つのは否定しませんが、その親の姿を見て、寂しさだけでなく悲しさを感じたのです。子どもの人権を守る立場からみても問題がある親の姿勢と思いました。さらに「日本国営放送」が専門性を抜きにして、障害に対する「思いこみ」だけで作り、ゴールデンタイムに放映したことは、大きな問題と思います。
1) 母親が障害を持つ我が子に強い想いをもっている。母親自身が詩人では
とにかくオープニングの画面から、母親の紙を持つ右手が起用に動き回り、他の人が(琉奈君も含めて)文字を読みとれる状況ではありません。即ち母親の意志で右手が動き、左手で我が子の手をもち、左右の動きが連動しています。これは母親の大脳の指示で統一されていないとできないことです。
番組が放映された直後から、二桁近い小児神経のドクターから、かってアメリカ小児科学会がドーマン法について効果のない訓練法として正式に意見したように、直接の会話やメイルで異口同音に「この番組は専門学会として抗議すべきではないか」という意見が寄せられました。
5月19日 奇跡の詩人 その後
てるてるさんをはじめ、本当に沢山の方々から書き込みやメイルを頂き、なんとかNHKの姿勢を正そうとのお誘い。医者としていっしょに抗議をしてほしいとのことです。申し訳ありません。ボクの意見は書き込みの通りです。
6月2日 頭に蚊がとまる 昨夜(30日夜)は我が家(部屋)に大型の蚊がたくさん侵略してきました。 東山の中腹の谷合いにある我が部屋は毎夏蚊に悩まされます。このところ寝不足のぼんやりした頭のてっぺんの「薄い」ところを狙って襲ってきました。嫌な奴だなーと思いつつバシッと頭のてっぺんをたたきました。乾いた音とともに一匹の蚊がポロリと落ちてきました。 目が覚めました。3日前のことでした。 静観していました「奇跡の詩人」への原稿要請を受けよう。躊躇する理由もない現状だし・・・。たとえば教授選挙を控えていたり、そのような目的が近い内にあるときは、静かにしておかなくては、差し障ります。でも、もういつのまにか53歳になり、「上昇志向」は失せています。医療の面では本来の専門家として少しでもお役に立てればいいし、逆に53歳という年齢になったから、大きな顔して発言できることもあるのかもしれません。昔から同じ事を話していても、50歳すぎたからまわりが耳を傾けてくれるという解釈の方が正しいかもしれません。それなら学生時代に訴えいたようなことを初老期(認めがたいが)にもう一度怒鳴ってみようとも思っています。 滝本弁護士や有田さんの作られる検証本に投稿しました。あまり迫力ないかもしれませんが、正直な気持ちなどを書いてみました。5月の不定期日記と同じような内容です。
滝本太郎(弁護士)+石井謙一郎(週刊文春記者)/編著 もう一つボクの書いた「北欧・北米の・・・障害児医療」という本の中に書いています内容を紹介します。 1995年のNHKスペシアル「生と死の選択」という番組がありました。これはテキサス自然死法を意識して作られた番組でした。重い障害を持つ我が子の命を回復する見込みがないとき、餓死させても合法という筋書きでした。当時は直接抗議しました。言い訳だけが帰ってきました。その辺のことが拙著の24から27頁に書いています。 てるてるさんの書き込みにもある障害児者のコーディネーターの話しは、一応我が国でも厚労省指導でおこなわれつつありますが、専門性という点、重度の脳障害の場合などはとても対応できていません。スウェーデンでは、障害を持つ親などへのカウンセリングが専門的に行われています。さらに学校でも地域でも一番専門家の中で必要性が高い人(障害によって異なる)がコーディネートしてスタッフ会議をします。もちろん親や本人の参加もできます。このことは拙著では183頁あたりにも書いています。もう一つの編著の「医療的ケアネットワーク」のスウェーデンの作業療法士の河本さんの文には詳しく書かれています。我が国では乳幼児期は保健師さんです。学校の時期は?卒業後は? 障害が重く、複雑であればあるほど対応は必要なのですが、逆になくなります。どうしてでしょうか? それともう一つ、母親をきっちり専門的にカバーしてあげるべきという意見ですが、これは難しい。母親(父親)の生き方や認識力だけでなく、子どもの障害の種類(肢体不自由か知的が主かなど)や地域の公的機関の専門的力量、そして何よりも最初に出会う医師・病院の対応もおおいにその後の道の選択に影響を与えます。最初に医療不信が生じると親は宗教などへ走る傾向があります。これも医療の責任でしょう。 これまで何度も書いてきましたが、我が国は北欧などと比較して障害への公的サポートが貧弱です。日本は子どもの権利条約を批准していても、こどもは親のもの、いいえ親が子どもの面倒を見なければならないという考えがしみついています。これは秀吉から徳川に至る儒教思想(裏返せば身分差別)の徹底によるものです。みんなこのことを当たり前と思っていますが、北欧等へ行くとこんな考えはありません。 今回の「奇跡の詩人」を通して、障害を持つ家族の苦労の一端に理解がむけばいいのですが、ドーマンで一生懸命「努力」すれば奇跡がおこるという筋書きは本当にトキシック・毒性的な報道と思います。 もう一ついうなら、ルナ君の母親の受容度は、キュプラーロスの死を迎えた時の心の段階論にたとえると、「取引」のレベルです。訓練に集中することで、自分の(親の)不安を押し込めようとしているのでしょう。このことで子どもが犠牲になることをあまり意識していないのでしょう。いいえ障害受容をあえて避けているのです。
6月9日 新しい本 一週間毎に本屋さんへ行きます。本屋は京都駅周辺のプラッツの旭屋が主で、ときどきアバンティの本屋へいきます。 売れている本のベストテンや正面の一番よい場所に例の「奇跡の詩人」の本が並んでいます。すごい売れ行きのように思います。やっぱり家族4人の生活がかかっているから、いっぱい売れなくては食べていけないでしょう。でも障害児は琉奈君だけではない。みんなが本を書ける訳ではない。しかも琉奈君が詩をのべているとはとうてい考えられない。本を見ると複雑な想いになります。全国のたくさんの障害児と母親がみんな本を出せたらいいのにと思います。 以前からご紹介していた堺市百舌鳥養護学校分校の本ができあがりました。 ボクはこの学校がなんとか存続して欲しいという想いの一つの表現として学校の歴史を本に残し、この本を武器に存続の運動を進めようとみんなに呼びかけました。ボクとしてはこの百舌鳥分校での講演や訪問を通して、このようなちいさな地域に根ざした学校こそ21世紀の養護学校と考えました。本の最後に「百舌鳥分校の教育を世界的視野で検証する」と題して新たな文を書き下ろしています。養護学校の今後を書いたつもりです。是非お買い求めの上ご一読願うと共に、百舌鳥分校存続の支援をお願いします。 学校のみんなが、そして保護者の人たちが一生懸命書いた本です。琉奈君の本よりもずっとずっと重みのある真実を語る素晴らしい本です。 10冊以上でしたら2割引になります。ボクへ連絡頂いても、HPから直接クリエイツかもがわへ申し込んで頂いても結構です。よろしくお願いします。
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http://web.kamogawa.ne.jp/~sugimoto/bbs/index.htm
384 「奇跡の詩人」放送1周年・日本小児神経学会機関誌「脳と発達」に掲載
2002年10月29日にNHK 海老沢会長宛に提出しました日本小児神経学会の公開質問状 |
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*参照*
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