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滝本太郎弁護士からNHKへの質問書(2002年8月〜10月)

2002.04.07. by saihikarunogo

滝本太郎弁護士は、2002年4月28日のNHKスペシャル「奇跡の詩人」放映直後、氏のサイト「『日常生活を愛する人は?』日記」に、「--2002/05/02--悲しいこと、怒ることまた一つ」という感想を書き、その後、Yahoo!や2ちゃんねるの「奇跡の詩人」関連掲示板の投稿者たちと協力して、NHKに対する問題提起活動を開始した。

*参照
滝本太郎弁護士の日記より、NHKスペシャル「奇跡の詩人」について(2002年5月2日〜5月19日)
滝本太郎弁護士から日本放送協会中央番組審議会への意見書(2002年5月〜6月)

特に番組放送後一ヶ月間の活動は、「異議あり!『奇跡の詩人』」(同時代社、2002年6月)の発行となって実りを結んでいる。同書の出版に際して、7月14日には、有志とともに、東京都渋谷区神南のNHK放送センター前で団扇配りをしている。団扇には、同書中の滝本弁護士のコメントが書かれていた。
(参照:「神南団扇祭」http://members.at.infoseek.co.jp/monya_d/uchiwa/

その後、滝本弁護士は、2002年8月27日、10月11日の2回、NHKに質問書を送った。その間には、NHKからの回答書も送られてきた。3通の文書は「『日常生活を愛する人は?』日記」に掲載された。ここにそれらの文書を再掲する。

(1)滝本太郎弁護士からNHKへの質問書(2002年8月27日)
(2)NHKから滝本太郎弁護士への回答(2002年10月8日)
(3)滝本太郎弁護士からNHKへの再質問書(2002年10月11日)


*参照 NHKスペシャル『奇跡の詩人』映像サイト

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(1)滝本太郎弁護士からNHKへの質問書(2002年8月27日)

滝本太郎弁護士の「『日常生活を愛する人は?』日記」より

--2002/08/28 (火)--NHK会長に質問書

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質 問 書

2002年(平成14年)8月27日
(住所等)−−弁 護 士  滝 本 太 郎

日 本 放 送 協 会
会長 海老沢勝二 殿
(担当部局 NHKスペシャル番組部長 天城 彦 殿)

−−−記−−−

1 拝啓、夜空には秋の気配を感じる頃ですが、貴会長におかれては、ますますご清栄のことと存じます。突然の手紙にて失礼申し上げます。
本年4月28日放映のNHKスペシャル「奇跡の詩人」に関して、別紙の通り質問書を送ります。このことに関しては、当職との間で中央放送協会番組審議会等と文書の行き来等がありますが、ここに至り、責任ある立場として会長としての見解を知りたく、本書を送る次第です。

2 さて、当職は、横浜弁護士会に所属する弁護士であり、従前、多くの市井の事件をしてきましたが、破壊的カルト集団であるオウム真理教と相対してきたことから、1995年3月以来、NHKとも様々な取材を受け、出演もし、また情報提供などしてきた者であります。カルト問題に関しては、現在では多くの議論ある集団がらみの事件の相談、交渉、訴訟等に携わってきましたが、それら業務にかかるうち、これらの背景となる客観的・科学的思考のなさが、広く社会に蔓延してると感じ、「超能力」やら「占い」を無批判に流すマスメディアについても、問題を感じることもすくなくなかったものです。もとより、NHKなど多くのテレビ放送も視聴しており、とくにNHK外のドキュメンタリー番組などには、感動と知識の広がりと感じて感謝している者であります。

3 ところが、前記の番組は大いに問題のあるものと言わざるを得ないもので、驚愕したものであります。その内容は、同封の書籍「異議あり、奇跡の詩人」に記載しましたので、御参考にしてください。
また、当職は、貴協会の関連に限って言えば、下記の通りのことをし、また反応を頂きましたので、念の為に申しておきます。また、これらの間とこの後、同審議会の事務局をされている編成局編成太田文雄氏と、何回か電話で話をしました。

・5月25日付 中央放送協会番組審議会会長あてに、本年5月25日付で、諸文献、本放送のビデオ15本を添えて、意見書を提出しました。
・5月29日付 同審議会会長(会長和田正江氏)から、お手紙を頂きました。
・6月20日付 同審議会あて、当職らが急遽作成した著書「異議あり、奇跡の詩人」を送りました。
・6月28日付 同審議会あて、FCについて、詳細にドキュメントした番組である米国のテレビ番組FRONTLINE SHOW1994年12月27日放送の「Prisoners of Silence(沈黙の囚人)」ビデオ、およびそれを起こした文書・翻訳した文書 を、お送りしました。
・6月29日付 同審議会会長(新会長尾原蓉子氏)から、お手紙を頂きました。
・7月1日付 NHKスペシャル番組部長天城 彦氏から手紙を頂きました。
・7月14日 この番組に多大の問題を感じた方々らと、別紙の裏書きのある団扇を、貴中央放送協会の近辺で配付いたしました。

4 しかるところ、7月1日の手紙等では、なんら疑問点も問題も解決しないものであり、かつ番組審議会で出されたの意見の趣旨にも添っていないことが明白であります。
そこで、この際、お忙しいところを恐縮ですが、貴会長あて質問書として、本書を送付した次第です。
これらは、多くの障害児者と家族をも含めて、多くの視聴者が疑問に思うことであり、是非ともお答えいただき、また実現していただきたいことですので、必ずや、広く誠意ある対応を望みます。

参考文献としては、既に中央放送番組審議会に送付の諸論文、当職ら編の前記書籍、その他、問題点を指摘する新聞記事、週刊誌の記事なども多数あります。また、当職のこれらのことも記載したインターネット上の日記は下記にあり、議論されている掲示板が下記その他にあるので、ここに付言します。

・当職の日記 http://www2.diary.ne.jp/user/140664/
(中略−5つのサイトの紹介)
敬 具

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質 問 事 項

※ 本年4月28日午後9時00分から9時50分まで放映したNHKスペシャル「奇跡の詩人」−11歳・脳障害児のメッセージ (以下「本放送」という)
※ 本年5月11日同テレビジョンで放映の「土曜スタジオパーク」内の、同制作統括者の説明番組(以下「釈明番組」という)
※ 本年7月1日付で当職に来た、NHKスペシャル番組部長天城 彦氏の当職への手紙 (以下「手紙」という)、
に関して、次のとおり質問申し上げます。答えやすいように項目を分けましたので、必ずや、番号ごとにお答えください。

上記番組部長からの手紙は、日本放送協会の意思に基づく、すなわちその意思決定に基づく会長からの手紙としてよいか、それとも一部長からの手紙に過ぎないのでしょうか。

貴会長は、4月28日放映の本放送につき、事前に視聴したのか。視聴していたとき問題は感じなかったのでしょうか。

2において否であるとき、事後であっても、貴会長は、何時どの段階で視聴したか。それとも未だ視聴していないのでしょうか。

2において否であるとき、事前にどの上位レベルにおいて視聴して了解した上で、放映したものですか。その際、なんらの議論もなかったのですか。

 貴会長は、5月11日の釈明番組につき、事前に視聴しましたか。

5において否であるとき、事後であっても、貴会長は、何時どの段階で釈明放送を視聴しましたか。それとも未だ視聴していないのですか。

5において否であるとき、釈明放送は、事前にどの上位レベルにおいて視聴して了解した上で、放映したのですか。その際、なんらの議論もなかったのですか。

本放送につき、NHKの紹介文自体から明らかなとおり、ドキュメンタリー・教養部門の番組として決して「物語」ではなく奇跡の記録であり、事実のことだとして放送されたものですが、その認識はありますか。
また、かかる「奇跡」はあれば素晴らしいことであるが通例はあり得ないからこそ使われる表現であって、その存在は奇跡を主張する側に立証責任があると考えますが、いかがでしょうか。
そして、これが尽されたものだと考えますか。
釈明放送では、「奇跡」を証明するに足りるものが示されたと考えますか。

7月1日付の手紙によれば「6か月にわたって流奈君及び日木家を取材してきました」というのであるが、どのように経緯で企画がなされ、どのような取材をしたのですか。

10 本放送につき、家族ら以外で本人にもっとも関心を寄せていた養護学校の関係者、児童相談所の関係者らに取材をしなかったのはなぜですか。

11 ドーマン法、FCが話題となっている本放送であったが、どの程度の背景取材、資料取材、また専門家取材などをしたですのか。
ドーマン法、FCについての文献、ビデオ、講義記録などはどの程度見られたのですか。疑問を感じるところはありませんでしたか。
ドーマン法は、日本では医学上認められていない療育方法であることは、認識していましたか。
ドーマン法やFCを批判する他の立場の専門家の取材はされたのですか。
関係者による説明につき、前記「異議あり、奇跡の詩人」に掲記の資料や、前記の番組審議会への最初の意見書に貼付の論文等の資料、および前記「沈黙の囚人」番組などは、資料としたのですか。

12 本放送につき、専門家取材をしたのであれば、それは誰なのですか、いかなる経歴・経験・学識能力を持つ方であったのですか。それぞれについて教示されたい。教示しないとき、「専門家取材」はなかったと判断せざるを得ないが、それで良いですか。

13 専門家の中に脳神経科の医師などがいれば、CT画像から判断される事態と、エッセー等を記述するという能力があるとすることの関係について、いかなる判断をされていましたか。

14 11ないし13につき、本放送は、事実としての「奇跡」だとして放送しているにかかわらず、なぜ専門家のコメントの一つも、専門家の教示さえなかったのですか。

15 釈明番組において、専門家に相談等したと説明があるが、いかなる原因で専門家の氏名、また知見が披露されなかったのですか。

16 講談社の担当者は、同社発行の「人が否定されないルール」の発行を放送終了後にするようNHKから要請されたと言うが、それは事実ですか。 貴協会の誰が、いつどのように要請したのですか。その理由は何ですか。

17 手紙によれば、文字盤の使用方法につき「2つのステップを踏んでいる」とするが、だとすれば尚更に一秒間に3から4文字を表現することはできる筈もないものであるが、疑問は感じなかったのですか。

18 手紙によれば、「流奈君は−−力を入れます−−すると補助している母親は流奈君が指したブロックが分かり、「文字盤を動かし」てそのブロックを流奈君の指に近づけます。すると流奈君は−−−文字を選択します」としているが、かかる説明はあの映像自体からして成り立ち得ないものであると思料するが、総括責任者、番組部長、また貴会長それぞれにおいて、かかる説明が真実、成り立つと思っておられるのですか。 いったい、文字盤が動く状態でのブラインドタッチなるものがあり得る、と考えているのですか。

19 手紙によれば、母親がこの作業を行なっていると仮定した場合、17の仕組みにより母親は「自分で指した文章を読み上げながら、指ではその先の文章を正確に指している」ことになるとし、それは言語処理に関する複数の専門家は、極めて困難であると一致しているとして、そのようなことはないとしているが、かかる複数の専門家とは誰なのですか。
いかなる経歴、知識、学識を持つ方なのですか。

20 映像では、本人が眠った後、また文字盤をみないままにFCがなされ、母が口述しているところが多数見られるが、このときは、いかなる機序で本人の意思が表現されていると言うのか、18との関係で説明してください。
また19の複数の専門家にはこの事実は知らせたのか、どのような意見だったのか、明確にしてください。

21 手紙によれば、スピードは遅いものの、流奈君が父親や親しいボランティアとも文字盤を使って日常の会話を行なっていることを確認しているとしているが、親しいボランティアというのは誰ですか、放映映像に固有名詞で出ている方であれば明確にされたい。
また日常の会話なるものは、いかなる状態でどのような会話がされているのか、その映像とともに明らかにしてください。

22 FC手法については、過去、オーストラリアやアメリカにおいて、多大の議論を起こし、法廷や諸実験で信頼性を否定されてばかりきたものであるが、そのことは本放送の前、また取材において、了解していたのですか。

23 22において了解していなかったのであれば、それは何が原因か。

24 22において了解していたのであれば、FCという手法を紹介することが、ありもしない希望を与えてしまうという危険性があることを知っていたはずですが、注意喚起を、なぜしなかったのですか。

25 22に記載の実験や法廷においては、かかる「奇跡」が本物かどうかについて、本人にのみ情報を与えてFCで表現ししてもらう、またファシリテーターと本人に異なった情報を与えるなどして、本人への情報が正しく表現されるかを判断するという極めて容易な方法によってされていますが、そのようなことはしたのですか。

26 25において、しなかったとすれば、それは何故か、考えもしなかったのか、またもしないにかかわらず、なぜ「奇跡」として報道したのですか。

27 手紙によれば、海外での介助を受けて行うコミュニケーション法について、一方で効果を立証する研究も行なわれ論文も発表されているというが、それはいかなるコミニケーション法に関する、誰のいかなる論文ですか、それは前記の「沈黙の囚人」で徹底して批判された学者またその関係者以外の学者ですか。

28 手紙によれば、FCについて、否定的な論文があること理解しているようであるが、それはどの段階で知ったのですか、本放送の前に分かっていたのであればなぜ紹介しなかったのですか。

29 手紙によれば、日本でも、障害のある子どもが介助によっても字や文章の書いたり、絵を描いたりすることで意思を表明するようになった例があるという。
そもそも、障害の類型、障害程度の差は著しく多様であるから、一般論としてそのようなことがあることは当然であって、なんの回答にもなっていないと思料するが、それは前記「異議あり、奇跡の詩人」の本で紹介した落合論文の外は、どんな論文か、具体的に教示してください。また、それら国内のFCの専門家に取材はしましたか。

30 手紙によれば、海外のみならず国内でも、流奈君以外にFCで意思を表明している人がいることは事実であり、否定することはできないと判断しているという。 そのような人は、どこの誰なのですか、明確にしてください。実は、そのような「事実があるとされた」からこそ、「沈黙の囚人」に表現された悲劇があり、研究の結果否定されざるを得なくなったのであり、またそれでも信じるファシリテーターと周囲の人たち(マスメ ディアを含む)の心理状態が不思議がられているものです。
「奇跡」の証明さえせずに、「同様だと思っている家庭が幾つもある」からといって、それを肯定するのは、番組を担当する自らの立場、特に科学部であるとき、危うさを感じませんか。

31 手紙等によれば、この番組はドーマン法を紹介したものではない、番組では肯定も否定もしていないと言うが、これは視聴に対して失礼千万な、牽強付会にすぎる説明だとは考えませんか。
すなわち、番組では、テロップや説明によりまた映像でも、何度となくドーマン法の説明が出ており、それによってかかる能力が開化したとしている。これが、ドーマン法を肯定的に紹介した番組でなくていったい何なのでしょうか。
再度の考察を求めます。

32 NHKでは、過去ドーマン法を肯定的に紹介した番組が何度も放映されています。今回の番組の企画・取材の中では当然振り返られましたか。過去「ドーマン法」が番組の一部たりとも出ていた番組の一覧を示してください。そして、その中で否定的な見解も紹介した番組がありますか、あれば示してください。

33 書籍「異議あり、奇跡の詩人」に記述してあるように、多くの専門家からも、また経験者からも、ドーマン法にからむ悲劇、問題点が指摘されています。
このことは、総括責任者、番組部長、また貴会長は知っていましたか。また今は知っていますか。

34 総括責任者、番組部長、また貴会長は、日木流奈君の「奇跡」が、ドーマン法を推奨する多くの書籍などで紹介され、この療育方法の有効性を宣伝するために使われてきたことを知っていますか。本放送がドーマン法の宣伝効果を生むことを考えましたか。

35 手紙では、取材の申込み時期との関係を理由に、講談社とのタイアップが一切なかったとしていますが、番組自体において、その本の執筆開始から完成までという形になっています。これからすれば、当然、講談社の書籍「ひとが否定されないルール」の発行と密接に関係した放送だということを否定できないのではないですか。

36 35に記載の放送内容であることから、講談社の書籍の宣伝になることは、事前に理解していましたか。今は理解していますか。

37 手紙では、講談社が書籍に付けている「腰巻き」や新聞表現について、宣伝に利用しないように申し入れているということですが、いつ、どのような方法で、どのような文面で、誰の名義で、誰あてに要請していますか。
それに対しては、どのような返事があったのですか。すべてを明らかにしてください。

38 NHKのホームページの中では、今でも、前記講談社の書籍が紹介されています。
すなわち、番組紹介の「ドキュメンタリー/教養部門」の「放送記録」の中の「NHKスペシャル」の(http://www.nhk.or.jp/special/top.html)、4月28日「奇跡の詩人−11 歳脳障害児のメッセージ」の欄の「問い合せメモ」をみると、8月27日現在でも、「【流 奈くんが番組内で執筆した/紹介した本は? 】〜新しく執筆していた本〜 『ひとが否定されないルール ――妹ソマにのこしたい世界』 日木流奈著 講談社−−−」と紹介されているが、かかるホームページの内容は、37で、番組を宣伝に利用しないように要請しているという手紙の内容と矛盾すると考えるが、いかがですか。これを直ちに予定はありませんか。

39 貴会長は、6月6日の記者会見において「これから流奈君がどのように成長し、どのようなメッセージを世の中に出してくるかなど、今後の創作活動や生き方をフォローした番組を作ることが視聴者の要望に応えることになる。現場には今後も取材を続けるように話した。」とおっしゃったということですが、前提としての「メッセージを出すことができているのかどうか」が問われているのですから、まったく回答になっていないと考えるが、いかがですか。

40 6月17日の中央放送番組審議会では、NHKは、「今後、主人公の少年がどのように成長し、どのようなメッセージを発信するのかなど、生き方をフォローすることが視聴者の要望に応えることになると考えている。また、世界各国で障害を持つ人たちがどのような表現手段を得ているのかなど、さらに幅広い観点から長期的に取材を続けていきたい。」と述べたということですが、前段については、前問と同じくまったく答えになっていないと考えるが、いかがでしょうか。
また、その後、いかなる取材をしており、どのような成果を得られたでしょうか。

41 貴会長、番組部長、統括責任者におかれて、FRONTLINE SHOW1994年12月27日放送の「Prisoner s of Silence(沈黙の囚人)」は、ご覧になりましたか。ご覧になったのであれば、それは何時ですか。

42 貴会長は、ドーマン法やFCについて批判的また肯定的な各種専門家にお願いして、本放送を視聴してもらってこれに対する意見をいただく予定ないし意向はありませんか。また本放送のために収録されたその他のビデオを見てもらい、同様に視聴の上で意見をもらう意向はありませんか。
本放送は、ドキュメンタリー・教養部門として放送された者であり、それに多大の疑義が出されているのですが、かかる意向がないとすれば、それはなぜですか。

43 貴会長は、この番組によって、同様の障害児を持つ保護者、特にドーマン法を採るかどうかを迷っていた家族らに対して、それを推進する効果を持つと考えませんか。

44 貴会長としては、医学上は一民間療法に止まり批判が圧倒的に強いドーマン法につき、その事実を紹介しないままであることは、放送法上、問題があるとは考えませんか。貴会長としては、今後、民間療法であるドーマン法を検証していく番組を作る予定ないし意向は、お持ちではないですか。

45 貴会長としては、信頼性にかけるという批判が圧倒的なFCについて、その事実を放映しないままであることは、放送法上、問題があるとは考えませんか。貴会長としては、今後、FC一般を検証していこうとする番組を作る予定ないし意向は、お持ちではないですか。

46 貴会長としては、44及び45と合わせて、本放送「奇跡の詩人」がなぜ放映されるに至ったか、改めて検証していく外部委員会等を作り、それをもとにかかる放送が政策・放映されたこと自体について、検証番組を作る予定ないし意向は、お持ちではないですか。

47 前記書籍「異議あり、奇跡の詩人」その他にある通り、本放送、釈明放送及び貴協会のその後の対応により、少なくない障害児者のご家族、障害児者本人、また理学療法士、医師、養護学校教諭らの専門家らが、心を痛め、つらい思いをしております。 貴会長は、これについて、何か言うことはありませんか。

  以 上

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(2)NHKから滝本太郎弁護士への回答(2002年10月8日)

滝本太郎弁護士の「『日常生活を愛する人は?』日記」より

--2002/10/08 (火)--NHKからの手紙

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平成14年10月4日(10月8日着)

滝本太郎 様

NHK
スペシャル番組部長
天城靱彦

前略

NHKスペシャル「奇跡の詩人」に関する8月27日付けの質問書について、会長からの指示により、小職からお答えします。この番組については、会長は放送後にビデオで視聴し、視聴者の方々にはきちんとお答えするようにと私どもに指示し、それに従って私どもはこれまで対応してまいりました。
今回の文書で新たにご質問頂きましたが、NHKの基本的な見解は7月1日付けの書簡で詳しくお答えしたとおりです。また取材先の氏名を明らかにするようにというお求めには、取材源秘匿の原則やプライバシー保護の観点から、お答えすることは出来ませんのでご了承ください。
コミュニケーション障害についての研究はまだまだ途上にあります。会長が記者会見で申し上げた通り、私どもは流奈君の成長を見守ると同時に、障害のある方々に対する誤解や偏見が少しでもなくなることを願って、今後もこの分野での番組作りに取り組んでまいりたいと存じます。

早々

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(3)滝本太郎弁護士からNHKへの再質問書(2002年10月11日)

滝本太郎弁護士の「『日常生活を愛する人は?』日記」より

--2002/10/15 (火)--NHKへの再質問書

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再 質 問 書

2002年(平成14年)10月11日

弁 護 士  滝 本 太 郎
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日 本 放 送 協 会
会長 海 老 沢 勝 二 殿

拝復、燈火親しむ頃ですが、貴会長におかれては、ますますご清栄のことと存じます。当職は、本年4月28日放映のNHKスペシャル「奇跡の詩人」に関して、本年8月27日付けにて質問状を出したものであり、これについては、本年10月8日、ようやくにして10月4日付の返事を頂いたものです。

しかし、その内容たるや、到底返答とはなっていないものであります。すなわち、前掲の47項目にわたる質問事項のうち、2のうちの事前に会長は当該番組を見ていなかったことを回答されたのみであります。

取材先のプライバシー云々なるとの回答に関しては、質問事項10については流奈君を担当する児童相談所及び養護学校に何らの取材もしていないことを当職において確認したからこそ作った質問事項であり、その理由を求めているのであり、回答になっていません。

質問事項21については放映された映像に出ているときには明確にされたいということを述べているものであり、プライバシー云々は理由になりようもありません。

専門家等の取材につきプライバシー云々を言うとは、まさか思いませんが、万が一その趣旨でもあるとすれば、実際はまともな専門家取材はなかった、または専門家からは批判が圧倒的なドーマン法や、FCについてこれを肯定する専門家のみに取材しただけだからだろうと理解する外ないものです。よって、回答となっていません。

ところで、上記質問条項は、一読すれば明確なように、重複するところもありますが、下記の通りに分類されます。

事実に関する質問−1.2.3.4.5.6.7.9.11.12.13.16.19.20.21.22.25.27.28.29.30.32.33.37.38.40.41
理由を単に問う質問−10.14.15.23.24.26.28
認識に関する質問−8.11.17.18.20.22.30.34.35
感想・意向に関する質問−8.31.36.38.39.40.42.43.44.45.46.47

このことから明らかな通り、前記手紙は、質問事項全般について答えていないのみならず、事実に関する質問についてさえ、なぜか会長は事前には本番組を見ていなかったと言うことが明確に答えられただけで、その余の答えがないものであります。

よって、前記8月27日付質問書記載の質問に対し、改めてここに回答を求めます。また、追加して
48.上記10月4日付の手紙は、投函前に会長によって決裁されたものですか。
を添えます。

なお、聞知する所、本件に関しては、本年9月30日付にて、脳障害児をもつ親御さんら及び言語聴覚士ら計23名の公開質問状が、回答を10月30日までにされたいとして、固有名詞・住所等を明らかにしつつ出ているということです。その質問書本文及び添付された意見書もみましたが、まさに、本件問題の深刻さ、重大性を示しています。

NHKにおかれましては、かような事態を招来したことに深く思いを致し、前記10月4日付手紙の「障害のある方々に対する誤解や偏見」を助長したのは、まさに「奇跡の詩人」番組であったことを理解されて、誠意ある対応をされるよう、切にお願い申し上げます。

 上記のとおり、後日のためもあり、改めて回答を求めます。8月28日付の質問条項を同封いたします。

会長たる権限と責任ある立場として、NHKのあるべき姿に思いを致し、諸般の状況を正確に把握しつつ、誠意ある対応をされますよう、お願いします。

敬 具

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「奇跡の詩人」関連リンク集

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