現地取材した祭りが36祭。 電話文献調査した64祭も合わせて、関東100カ所の祭りを紹介しています。 だから日本百名祭。もうお気づきの方も多いと思いますが、 山登りのバイブル「日本百名山」を遊び心からもじってつけた書名です。 取材は至ってシンプル。たいした下調べもせず、かといって当日も祭り場に入り過ぎず。 とにかく素朴に、祭りをめぐって氏子たちと一緒に時間を楽しんできました。 たいていの場合氏子とは地酒など酌み交わしながら、少なくとも「そこの兄ちゃん。ささ、こっちへ上がって暖まっていきなさい」ぐらいの言葉をもらえるほどには、親しくなっている。後日この発音し難い本のタイトルについて出版社とはもめる原因ともなりましたが、氏子の心をうまくとらえたものだと思っています(そのことは、いずれ「本にならなかった話」のほうでバラす予定)。 幸運だったのは彼らが何も知らない取材者を迎え入れ、憐れみとも親心ともつかない手厚い歓待で応じてくれたこと。それがそのまま、土地の性格や空気までを伝えてくれることになりました。 要するに、ここにきて形骸を書こうとは思わなかった。そんな愛しい祭りの本が生まれました。