[PR]看護師の好条件な求人情報満載:年間50000人の看護師が転職に利用!



第1章 日本人がかかえた借金の額と泉井事件の黒幕


泉井事件 - 本物の黒幕


 - 総会屋事件で、主犯格の第一勧銀副頭取の金沢彰が逮捕された。その義父が徳永久次で、 通産事務次官から石油公団総裁への天下りであった。
 その徳永を動かす石油資源開発の代表社長が和田敏信で、これも通産事務次官から 石油公団総裁への天下りであった。しかも和田は、霞ヶ関の通産官僚天下りの支配者と 目されてきた。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 国家予算を握る大蔵省主計局で、主計官として大きな実権を握り、近く事務次官に なるだろうと目されていた涌井洋治官房長(現・主計局長)が、逮捕された泉井純一から 結婚祝いに絵画を受け取っていたことが発覚した。
 これまで日本で起こった無数の金融事件で、絵画などの美術品が重要な役割を 果たしてきた。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 まず、公職にある政治家や官僚が、その職権にかかわる分野の人間から現金を 受け取ることは、ワイロの収賄罪にあたるので、役得を利用したい人間は、ほかの合法的な 手段を考える。政治家は、いくらでも現金を入れることができる政治献金という大きな魔法の 壺を持っている。官僚の場合は、天下りポストである。その天下り先で約束される給与と 退職金は、たちまち数億円に達する法外なものである。
 が、「政治献金が少ない」と、グチをこぼす政治家や、天下る日まで我慢できない若手の 官僚たちは、美術品というものが、法外な価値を生み出す謎を知っているのである。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 ワイロを贈って官僚の歓心を買い、手心を期待する輩が、この値段不明の美術品を、 官僚に贈ったとする。ところが実際、それが、百万円の価値しかない美術品であっても、なぜか その贈賄業者の使途不明金から、美術商には百倍の一億円が闇のなかで支払われる。そのあと、 「なに、大したものではございません」と言って、片目をつぶって、美術品が官僚に贈られる。
 美術商が、これで百倍の利益を得るのではない。こうした取引きに登場する美術商は、 いつでも決まっており、一億円をひとまず預かる形になる。しばらくたってから、彼らはその 一億円を持って官僚のもとを訪れ、美術品を一億円で買い戻す。これで、贈賄業者から官僚に 一億円が渡ったことになる。美術商は、あらかじめそれを知って、うまく事を運び、相応の コミッションを受け取る。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 涌井洋治の場合は、泉井から贈られたのが数十万円の絵画なので、大した事件では ないと思ってはいけない。それは彼らの表面上の付け値であって、値段は、あとで どのようにでも調整できるのである。大蔵大臣の三塚博が、口頭で涌井に厳重注意した、という 程度ですまされる問題ではない。石油業界からこのような好意を受けた涌井が、今では大蔵省で 復活し、主計局長となってわれわれの税金を動かしている状況が、許されるであろうか。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

国税当局によると、泉井純一は、泉井石油商会の代表で、92年から94年にかけて、 三井鉱山から24億円を受け取り、三菱石油と三井鉱山の石油取引きの仲介手数料という名目で 30億円、さらに三菱石油と中堅商者の石油取引きの仲介手数料という名目で10億円、総額 およそ64億円が泉井純一に提供されたのである。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 問題は、これらの大金が政治家と官僚の接待に使われたことにあり、その目的は、 ベトナム油田開発の利権を誰がとるか、その帰趨を決するところにあった。97年9月に 泉井本人が記者会見をして、自民党の山崎拓が、泉井から2億円を超える"政治献金"を受け とっていた事実を明らかにしたが、山崎だけでなく、数えきれない数の政治家に汚染が 広がっていた。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 この事件が報道界を騒がせた97年初め、通産官房長として泉井事件の調査担当官に 任命された広瀬勝貞は、省内の全調査をしたそうだが、大山鳴動鼠一匹出ず、という結果を 報告し、通産大臣の佐藤信二もまた、官僚たちにお叱りをした程度で、われわれから見れば、 全員がほとんど無処分となった。通産大臣だった森喜朗が泉井と会っていた疑惑は重大である。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 政治家としては、渡辺美智雄が主導権を握ってベトナム油田に熱中したが、彼は、 泉井が活発に活動した時期の85年12月から中曽根内閣の通産大臣として石油の利権に かかわってきた。その当時、渡部と組んだ通産事務次官が、田中角栄の首相秘書官時代に 『日本列島改造論』の原案を作った小長啓一であった。そして小長は、天下りしてアラビア石油の 社長に就任し、示し合わせたように、ベトナム油田開発に参入した。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 小長の後を継いで事務次官に就任し、渡部通産大臣と組んだのが、 - -  福川伸次だったのである。そして福川が、事務次官を退任したあと、野村総研に天下りして、 野村證券会長と社長の田淵節也と田淵義久とベトナム事業を検討することになった。それを 円滑に進めるために登場したのが、総会屋の小池隆一だったのである。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 日本の検察の能力は、政治家や高級官僚を調査する段階にはいると、著しくレベルが 低くなる。そのような人選が、司法当局によってなされるからである。
 蔵相・三塚博の場合は、彼の地元・宮城県で、山口組系の暴力団との関係が噂された当時、 県警がそこにかかわる重大な捜査に踏み込んだあと、刑事部長以下すべての担当者が退職か 異動で、捜査からはずされているのである。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 泉井の接待は、80年ごろからはじまったというから、すでに20年近く、この腐敗が 進行してきたことになる。特に、70年代に四代にわたって「通産事務次官」をつとめた 両角良彦・山下英明・小松勇五郎・和田敏信の四人が、現在われわれが見ている高級官僚の人事を 決定してきた重要な責任者である。
 とりわけ、事務次官を退任したのし、82年から石油公団総裁として君臨し、この公団傘下の 石油資源開発と、日本海洋石油資源開発をはじめとする海外石油開発の関連会社で、実に十数社の 社長を勤めた前述の和田敏信こそ、泉井純一がこの事件でベトナム油田開発のため、三菱石油に 接触する事業の中心にいた人物であった。
 そのため泉井は、和田敏信のような次官らの、かつての部下にあたる日本全土の石油人脈を 招いては、東京都内のホテルで豪華な"忘年会"を毎年開催し、ホテルにスイートルームを確保して 「自由に使ってください」と、銀座のクラブの女性まで招くパーティーを主催するまでに至った。 これは、事実上の高級売春パーティーであったと考えられる。
 そうした中、ベトナム沖の油田開発に、最初に名乗りをあげたのが三菱石油であり、89年に その社長に就任したのが、泉井のパーティーの出席者で、のちにワンマン経営者として 知られるようになった山田菊男であった。しかも山田菊男社長のもとで、部下として立ち働いて いたのが、 - - たまたま同姓の山田繁常務であった。 - -
 泉井事件で大金を出費した最大の責任者である山田菊男は、かつての 日銀総裁・三島弥太郎の一族であり、弥太郎の姪と結婚したのが、戦後の名物 ワンマン宰相・吉田茂であった。
 - - 吉田茂の近親者がほかならむ、霞ヶ関の大騒動を見ながら泉井事件を無視した 通産相・佐藤信二である。
 三菱石油の山田菊男社長がこのような一族であったなら、一方、石油公団総裁となり、 石油業界を私物化した和田敏信は、長男が三井物産勤務であり、長女の娘ムコが三菱石油勤務で あった。 - - -
 三菱石油に勤務するその娘ムコの伯父が、満鉄総裁として日本の満州・蒙古侵略積極論を 展開した外務大臣・松岡洋右であった。細川護熙の祖父が組閣した第二次近衛文麿内閣で 外交問題を動かした松岡は、日独伊の三国枢軸同盟を結び、ヒットラーとムッソリーニを 訪問したことでよく知られるが、戦後A級戦犯となって、東京裁判の公判中に病没した。
 しかし松岡洋右の姪は、"首相・佐藤栄作"夫人の佐藤寛子であるから、その息子が、 通産省・佐藤信二となる。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

泉井事件で40億円の資金を闇にまいた三菱石油の社長山田菊男と、そのような 闇資金による怪しげな接待を受けた通産官僚を支配した石油公団総裁・和田敏信が、いずれも、 泉井事件をもみ消した橋本内閣の通産大臣の一族だったという事実が浮かび上がる。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



目次へ

戻 る

次 へ


[PR]この占いで運命を切り開け!:無料診断でわかる血液型のヒミツ