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第3章 大蔵官僚腐敗と不良債権処理


リクルート事件・バブル経済・消費税導入・国鉄解体・共和事件 - そして"謎の男"窪田邦夫




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 リクルート社の江副浩正会長が、就職情報誌の規制に便宜をはかってもらう見返りに、 労働省や文部省の官僚と、その筋の政治家に、未公開株を譲渡し、超安値の株を政界にばらまいた 事件であった。この事件では、衆議院議員の池田克也と藤波孝生官房長官の印象が強い。
 実は、97年の自民党総務会長をつとめてきた森喜朗が、これら一連のリクルート工作の なかで、ほぼ1億円の売却益を得ていたのである。

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 宮沢喜一 - は、時の大蔵大臣でありながら、本人名義でリクルート・コスモス株を 譲渡されていたことが発覚した。しかも彼は、その経過を説明するのに、「秘書が自分の名前を 利用した」という、人間として実に卑劣な釈明を、税制特別委員会でしてみせた。その委員会を 演出した委員長が、のちに不正蓄財が発覚した金丸信であった。

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87年4月の国鉄解体であった。10年後の現在、その負債が30兆円近くに達して、 われわれ国民に重くのしかかっているが、この発端をつくった国鉄清算事業団の資産処分審議会の 委員として大きな声を出してきたのが、大蔵事務次官・吉国二郎の兄、吉国一郎であった。
 宮沢喜一が大蔵大臣の時代に、
「旧国鉄用地の処分を延期する。その債務は、最終的に国が処理する」ということが 閣議決定されたのだ。つまり、「用地を売らない。その債務は国民が負担すればいい」という 内容である。何もかも消費税という国民の金によって国の赤字を処理しようとする無責任な政策が 打ち出されたことを意味するが、実は、宮沢の近親社の吉国一郎が、その実働部隊の 資産処分審議会の委員をつとめたわけである。
 何十もの肩書きを持つ吉国一郎で気がかりなのは、この人物が、日本IBMの社外重役に 招かれた時代に、前述のもうひとりの近親者である谷村裕も、日本IBMの監査役に招かれた ことである。"大蔵事務次官だった人物"と、"大蔵事務次官を弟に持つ人物"が、日本IBMに 招かれたことは、何を意味していたのか。
 それは、ちょうど窪田邦夫という人間が、日本IBMの営業支援部長のポストについて、 大蔵省とのパイプをつくる役割を果たしてから、社長室で活動した時代にあたっていた。
 窪田邦夫の名は、この2年ほど、週刊誌を大いに騒がせてきた。信用組合破綻事件で 述べたように、91年に日本IBMを退社後、「イ・アイ・イの高橋治則のブレーン」となり、 「中西啓介と山口敏夫に密着」して、「官僚接待」を仕組み、「大蔵省の中島義雄に イ・アイ・イの店頭株を購入」させ、さらに泉井事件では、「泉井純一から接待を受けていた 通産官僚の一柳良雄を接待」していた男である。
 したがって、この窪田が所持するブラックリストに書かれていた高級官僚45人の名前が、 当時共同作業をしていた日本IBM時代の吉国一郎と谷村裕の人脈から知恵をつけられて出てきた 経過は、容易に推測できる。

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 さらに宮沢喜一の派閥で、事務総長をつとめていた阿部文男が、鉄骨加工会社 「共和」から、判明する限り5億円の金を受け取り、92年1月13日に受託収賄罪で逮捕され、 宮沢派に1億2000万円が渡ったと報道された。時の総理大臣宮沢喜一はそれを否定したが、 共和事件の疑惑の政治家は、ほとんどが宮沢派であった。

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 そして、阿部文男のあと、宮沢派の事務総長となった林義郎は、翌93年から大蔵大臣となった。彼が大臣として実行した悪名高い行為といえば、93年7月の衆院選挙で、銀行業界に莫大な政治献金を要請したことであった。

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