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第4章 ゼネコンの悪の系譜が生んだ自治体と厚生省の腐敗


日本の産業労働者の一割を占める最大産業


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あらゆる自治体汚職の泉となって、贈収賄事件を次から次へと生み出してきた 総合建設業界 - 一般にゼネコンと呼ばれている談合集団である。

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 建設事業には国家予算より大きな額が投資されると書いたが、実際には、 このゼネコン業界がおこなう建設事業のうち、ほぼ4割が政府資金、つまりわれわれ国民からの 税金によってまかなわれている。

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土木のほうは、大部分が政府の発注する公共事業であるから、無用の新幹線や港湾、 道路建設など、不良債権というより、建設国債という形で、国民の借金を増大してきた。  - 国債残高のうち、建設国債がどれほどの割合を占めているかを示してあるが、7割が ゼネコンのつくった借金である。

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 全国のダム建設や長良川河口堰、ゴルフ場、産業廃棄物処分場などに見られるような 自然破壊と、日本全土で発生している47都道府県の自治体汚職・政治家腐敗である。いまや ゼネコンは、金融と自然と政治家を崩壊させる"三悪産業"の代名詞となっている。

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 建設大臣だった中村喜四郎が逮捕され、茨城県知事の竹内藤男と、宮城県知事の 本間俊太郎が逮捕された一連の事件から分かるように、建設業者は、これらの建設大臣か 都道府県知事の"許可"を受けて初めて仕事をすることができる。また、個々の公共事業では、 "入札"によって業者が仕事を請負うことができる。
 入札制度には、いろいろな方法があるが、基本的には、行政者(国の官僚や自治体)が まずその工事を事業計画に組んで、入札を主催してくれなければ、ゼネコンは生きてゆけない。 すなわち"予算の成立"である。また予算が組まれても、建設業者は、行政者が予定している金額に 対して、できるだけ安い価格で入札し、その工事を落札しなければ一銭にもならない。
 そのためゼネコンは、
 第一に、できるだけ大きな予算を組ませ
 第二に、入札情報をつかむために
 行政者に裏金を渡して、料亭での接待を続ける。この"できるだけ大きな予算"が、 われわれの税金を無駄に食ってゆき、ワイロに化けるのである。そのため、業者同士で入札価格を 高く設定し、利益を折半できるように、業界ぐるみで談合をおこなう。
 しかしこの時、彼らが料亭で「食わせ、飲ませ、握らせ、抱かせ」と、緻密に段階を 追ってゆく古典的四大手法を踏みながら、うまく取りこんだはずの自治体の行政者や官僚は、 ゼネコンにとって完全に信頼できる存在ではない。"国民の代弁者"の衣をまとって選挙に出馬する、 政治家という厄介なものが存在するからである。
 その政治家がまともな人間たちであれば、日本の土木事業などは、大半が 発注されないのである。

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彼らがその胸三寸に秘めているのは、財政危機でも地域振興でもなく、不正蓄財への 欲望である。そこで、選挙のたびに、官僚とゼネコンを恫喝することができる。
「工事に金は出せない」と、政治家に言われれば、建設事業の計画は終りだからである。
 そこでゼネコンは、とてつもない金額の政治献金を、これらの政治家にとどける。こうして 政治家・官僚・業者という三者の依存関係が成立して、事業が発注されてきた。その三者の 依存関係を調整しながら、自分の財産を増やす特別の能力を持っていたのが、田中角栄と、 金丸信である。

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飛島建設(旧・飛島組)から出発したのが、「前田建設工業」の創業者である 前田又兵衛と「熊谷組」の二代目社長である熊谷太三郎であった。この二人とも、飛島組の 取締役をつとめた履歴を持っている。
 しかも、二代目の前田又兵衛の娘と結婚したのが、熊谷太三郎の息子だったのである。 熊谷組の会長・熊谷太三郎は、福井県を地盤として国会議員になると、科学技術庁長官と 原子力委員会の委員長をつとめた。かつて北陸の中小ゼネコンだった熊谷組は、福井県の若狭湾を 原発銀座と呼ばれる危険地帯に一変させながら、原発建設で一躍準大手ゼネコンとなった会社である。
 熊谷太三郎は、その原子力委員会委員長のポストを利用しながら、1兆円事業の コンクリートのかたまりである高速増殖炉"もんじゅ"の建設を猛烈に推進し、北陸で群を抜く 長者番付第一位の座を占めてきた。 しかも前田建設工業と熊谷組が、創業者一族同士で直接に結婚していれば、この家族にとって、 わざわざ料亭の奥座敷を借り切っての談合など、まったく必要のない話になる。自宅の裏庭で、 ふたりで盆栽でもいじりながら話がついてしまうのである。

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青木建設と熊谷組が、一体何をしただろうか。東京・日の出町では、廃棄物処分場の 建設が強行され、汚染による重大な環境不安が広がっている。

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 青木建設は、89年に暴力団・稲川会系のゴルフ場開発会社に莫大な資金を 提供していたことが判明した。

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 稲川会の企業には、間組(現・ハザマ)から150億円、青木建設から50億円という 桁違いの資金が流れ込んだのである。

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 公共土木事業は、ほぼ1000億円単位から1兆円単位の巨大な資金を動かす。その事業費の3パーセントが、いわゆるリベートと呼ばれる裏金の相場となるので、少なくとも30億円以上、多いときは数百億円が政治家や自治体の首長に分配される計算になる。

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