第5章 行財政改革とビッグバンの怪


政治家と官僚がなすべきこと


 日本人の問題を、省庁ごとにいくつか実例を挙げてから、行政改革会議で何を議論するべきかを 明かにしたい。ただし、これは筆者の私見であって、これを読者に押し付けるつもりは毛頭ない。

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大蔵省 - 浪費に浪費を重ねながら、赤字財政について誰ひとり責任を とらず、税金の徴収絶対額そのものが多すぎる。公金の不正使用が発覚した場合には、即時、 納税者に返還しなければならない。
 また、一般庶民の遺産相続時に、ごくわずかの宅地に莫大な税金が課せられるため、 遺産相続人が土地を売却したり無用の駐車場やアパート建設に走って、次々と緑が失われている。

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通産省・資源エネルギー庁 - 産業廃棄物の処分場が満杯になりつつあり、 日本の産業全体がゆきずまりながら、リサイクル法では、廃棄物を発生する企業が費用を 負担しなければならないという責任原則が、法律で確立されていない。
 電力の消費量を削減するための効率的な方法が全世界で普及しながら、日本では 電力会社の独占体制にまかせて、電力浪費を構造的に推進し、日本全土で原発・ダム ・火力発電所の建設公害が続発している。電力会社の発電・送電・売電機能を分割し、 官僚体制を消滅させなければならない。

法務省・自治省 - 警察力の強化をねらって、盗聴を認めるとんでもない 悪法が制定されようとしている。破防法の団体規制の適用など、市民活動の弾圧に悪用される 可能性が高いこうした一連の法律は、現行の法律で可能な警察権力を無用に拡大するきわめて 危険な動きである。

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 その一方で、山口組、稲川会などの暴力団がますます資金を増やし、凶悪の度を 増しているのはなぜなのか。警察の無能を証明しているだけではなく、財界政界ぐるみ、裏で つながっていると思わざるを得ない。国民を守る警察官になれ。
 また47都道府県の自治体では、地方税がべらぼうに高く、それがゼネコン事業のための 箱物の建設に浪費され、住民の生活にはほとんど寄与していない。このような金のことしか 頭にない自治体幹部の腐敗を監査する市民保護制度がまったくなく、行政資料が闇に隠されている。 その結果として、日本全土が小東京ばかりとなり、魅力的な固有の地方文化が続々と破壊されて いる。

厚生省 - 薬害エイズとまったく同じ利権「学者集団」からなる厚生省の 審議会が、昨年、遺伝子組み替え食品の輸入、横行を認める結論を出したために、国民が壮大な 生態実験にかけられる事態に突入してしまった。 - - -
 一方、過酷な看護婦労働に対して、充分に報いる政策を急いでとらなければならない。

外務省・防衛庁 - アジア諸国が、日本は軍国主義化しているとみなす源と して、カンボジア派兵以来の自衛隊の海外行動の慣習化があり、これが、アジア全土の 兵器輸入量を増加させている。日本の平和を維持するためには、沖縄の米軍基地を撤去し、 軍事力ではなく、外交政策によって友好関係を築くという理念を、アジア全土に徹底させる 指導力が外務省に求められている。

文部省 - 教室のなかで機械的に人間をいじくりまわす学校教育が、 子供たちを無感情な動物にし、悲惨な事件を続発させつつある。学校と教育者は、学校を 教科書論争の場とするのではなく、書物から離れた、肉体労働と職人作業、農漁業の 実践的体験学習、絵画・音楽芸術などに重点を置く開放的な場所にしなければならない。

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郵政省 - 郵便貯金が投資される先を、前述のような国民生活に 直結させるよう改善すれば、現状では何も問題はない。ところがわれわれの知らないところで、 実際には国民の郵便貯金が、国債の購入にあてられ、それが国民の借金のもとになるという、 タコが自分の足を食うメカニズムに陥っている。これは、大蔵省の問題である。

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科学技術庁 - 原子力だけに大部分の予算を浪費し、電力会社の 下請け官吏として走り回るという恥ずかしくもみじめな方針を捨て、すでに未来が なくなったことが明かとなった原子力産業から即刻離れなければならない。現状では、 存在意義がないので、科学技術庁を解体・廃止するほかない。
 高レベル放射性廃棄物の管理だけは、環境庁に人員を異動し、責任をもって最後まで 作業を遂行する。

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農林水産省・環境庁・林野庁 - 農漁業の後継者が激減している今、食料を 輸入に頼ってきた政策を全面的に切替え、きたるべき世界的な食料不足時代に備えて、 少なくとも三分の二以上の食料を自給できる国に復活させるよう、省庁として自信を持って 活動してほしい。日本ほど、環境哲学のない環境庁は、世界中どこにもない。

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総理府・総務庁 - 何をしている官庁か、まったく不明である。 意味もない政府のプロパガンダはやめるべきである。
 日本全土で発生している地域問題を解決するため、一刻も早く、アメリカ・ヨーロッパで 採用されている自治体の住民投票制度を導入し、民主的な自治を育てるよう指導しなければ ならない。


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政治家と国会、大企業、自治体首長の腐敗に、官僚が手を貸すのでは話にならない。 電力会社や動燃が原発事故を起こしたときに科学技術庁官僚が弁護すること自体、国民の生命に 対する背信行為で、信じがたい精神状態である。

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 何の仕事もない職場に天下りする日を夢見て、高額の退職金に欲望をぎらぎらさせて いるようでは、軽蔑を買うのが当然である。

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97年9月、改造された橋本内閣に、驚くべきことに、"ロッキード事件で200万円の 収賄罪で有罪が確定した"佐藤孝行が総務庁長官として初入閣した。収賄罪の前科者が、 国民最大の課題である"政財官界を浄化すべき行政改革"の主導者として選ばれたのである。

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防衛庁に軍事機器を納入していた4社が、88年から94年度にわたって、莫大な金額の 偽りの請求書をつきつけてきた事実が、会計検査院の調査で明かになったのである。そのトップに 挙げられた会社が、東京証券取引所1部に上場されている東洋通信機であり、実に 8億7000万円の過大請求をしてきたという。この「泥棒企業」東洋通信機の親会社こそ、 関本忠弘を会長とするNECである。これが、われわれ国民の税金を、平然と盗もうとしてきた 企業人の悪質きわまる実態である。

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