第6章 日本最大の官僚組織・電力会社と軍需工場・三菱重工


知られざるプルトニウムの軍事利用計画


 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 97年3月11日に発生した東海村の再処理工場爆発事故と、8月26日に発覚した 東海村の廃棄物ドラム缶大量腐食放置事件は、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)と科学技術庁、 自治体の茨城県の腐敗メカニズムを浮かびあがらせたが、ドラム缶以上に技術官僚と役人を ここまで腐らせたのは、東京電力であった。
 東海村の事故では、動燃がマスメディアの批判にさらされたが、実際に、 東海村再処理工場を運転してきた黒幕は、最大の電力会社・東京電力である。97年現在、日本の すべての電力会社の連合体である「電事連(電気事業連合会)」の会長は、「東京電力」社長の 荒木浩であり、彼が、高レベル廃棄物処分懇談会のメンバーとして、組織全体を統括してきた。
 再処理工場は、高速増殖炉"もんじゅ"のためにプルトニウムを取り出すことを目的として いる。その東海村の再処理工場と、高速増殖炉の運転責任者が、やはり「東京電力」の 取締役・電事連副会長から「動燃」理事長となった近藤俊幸であった。 - - -
 さらに、3月の爆発事故の1週間後に、青森県・六ヶ所村にフランスから第2回目の 高レベル廃棄物が強行搬入されたが、六ヶ所村に日本全土の放射性廃棄物を集積し、 プルトニウムを取り出す巨大な再処理工場を建設してきた「日本原燃」の社長が、やはり 「東京電力」副社長から転じた竹内哲夫であった。この会社は、電事連が出資して 設立したものであり、電力会社の子会社である。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 すでに可能性ゼロと分っている高速増殖炉"もんじゅ"の開発に国税が大量浪費される ことまで、この委員会によって改めて承認される、という手順が踏まれた。野村證券VIP口座に 名前のあった科学技術庁長官・近岡理一郎が、それを受けて、公式にプルトニウム利用計画を ぶちあげた。しかしこの委員会には、那須翔が最も大きな声の委員として参加していた。 この時点で、経団連を動かす東京電力会長である。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


- 東京電力のプルトニウム支配体制 -

<東電の役職> <重要な履歴>
平岩外四 会長 経団連(会長)
1987年の国鉄資産処分審議会(委員長)として、旧国鉄債務28兆円をつくった責任者
プルトニウム抽出のための六ヶ所村核燃料サイクル計画推進リーダー。六ヶ所村に日本原燃を 設立したときの電気事業連合会(会長)、すなわち最高責任者
泉井事件の石油公団顧問・日中石油開発監査役・アラビア石油監査役。
東京2信用組合破綻事件で右翼・四元義隆と懇談の噂
那須 翔 会長 動燃改革検討委員会委員として、95年のプルトニウム高速増殖炉"もんじゅ"の 事故と、97年の東海村再処理工場爆発事故処理の責任者 - 何も改革しない改革案を まとめた直後、動燃のドラム缶腐食放置事件が発覚し、委員としての当事者能力ゼロを証明
経団連(副会長)
国家公安委員会委員
電気事業連合会(会長)
平岩外四のあとを継いで、プルトニウム抽出のための 六ヶ所村核燃料サイクル計画推進リーダー
荒木 浩 社長 電気事業連合会(会長)
プルトニウム抽出のための六ヶ所村核燃料サイクル計画推進責任者
福島・柏崎におけるプルトニウム利用計画推進リーダー
高レベル廃棄物処分懇談会最重要メンバー
96年12月24日に自民党本部を訪れ、東北新幹線建設のための圧力をかけ、 97年度補正予算に、税金浪費の建設費を計上させた責任者
近藤俊幸 取締役 電気事業連合会(副会長)
97年3月11日の東海村プルトニウム抽出用再処理工場爆発事故および、8月26日に ドラム缶汚染事故の動燃(理事長)として、国家予算の流用・虚偽報告をした最高責任者
竹内哲夫 副社長 プルトニウム抽出のための六ヶ所村核燃料サイクル基地を経営する 日本原燃(社長)、すなわち最高責任者



 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「日本の原子力産業は、軍事用のプルトニウムを確保するべきである」という考えが、 日本の政界と財界に根強く残っている。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

岩崎弥太郎の姪が、三菱財閥の番頭をつとめた荘田泰蔵の母である。その息子の 荘田泰哉が、現代に、われわれの見ている前で、動燃の理事となって、福井県敦賀市の 高速増殖炉"もんじゅ"の開発に旗振り役をつとめてきた。いま示した東京電力の プルトニウム支配体制の背後にいる、日本の中枢一族である。 

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

千葉県の農民の土地を強制的にとりあげて成田空港を建設し、成田闘争をひき起こした 最高責任者「新東京国際空港計画」委員長が、やはり荘田泰蔵であった。この空港建設にも、 全日空の若狭得治と、荘田の結びつきがあったのである。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

現在の青森県・六ヶ所村で、この三菱重工が主幹事会社となって建設してきた 核燃料サイクル基地(再処理工場)が、プルトニウム兵器の製造のためであることを疑わない 人間は、どこにもいないであろう。しかもそのプルトニウム「平和」利用の口実として 必要不可欠な敦賀の高速増殖炉"もんじゅ"もまた、同じ三菱重工が主幹製造会社であった。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

三菱グループが56年に生み出した「原子燃料公社」が、11年後の67年に「動燃」に 改組され、設立者として初代の理事長に井上五郎が就任した。井上ほど、この役職にふさわしい 人間はいなかった。三菱財閥創始者・岩崎弥太郎の近親者だったからである。
 そして今では、動燃・電事連・日本原燃のいずれの最高責任者も、東京電力の人間によって 占められるようになった。 - -
 動燃とは、電力会社や原子炉メーカーの隠れ蓑として存在する原子力機関であり、 実際には、それぞれの出向社員で構成されている。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 動燃が担当する廃棄物問題を考えれば、最終的に廃棄物処分をおこなわなければ ならない責任者は、実際に原子力発電所を運転し、廃棄物を生産している電力会社である。 ところがその廃棄物の処理は、科学技術長と動燃と日本原燃に押しつけられてきた。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

順調に進むかに見えたプルトニウム生産計画は、95年12月8日、"もんじゅ"の ナトリウム火災事故から破綻がはじまった。この事故のため、高速増殖炉の見通しがたたなくなり、 プルトニウムを生産する口実を失ったのである。そこで東京電力は、急いで方針を切り換え、 苦しまぎれに、自社の柏崎原発と福島原発でプルトニウムにウランをまぜて使う 通称"プルサーマル計画"があると言いだし、何とかそこに逃げこんで、これまでの計画通り 六ヶ所村のプルトニウム生産計画を進め、同時に高レベル廃棄物処分場を完成させようとした。
 これは、全世界でウランが暴落している現在、経済的に通用しない説明であった。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



目次へ

戻 る

次 へ


[PR]今日の運勢を無料で占う:花咲ミヤコ先生監修