
香港に初上陸した。初めて自分の中に「香港」という場所を意識したのは中学の時「燃えよドラゴン」を見てだった。
テレビで香港が出たり、戦うような場面では必ず使われる「ENTER THE DRAGON(燃えよドラゴン)」のテーマ曲が流れるオープンニングでは1970年代の古き香港の街並みが映り、「こんなとこでブルースリーは育ったのか」と感じていた。
沢木耕太郎は香港を「香港は毎日がお祭りのようだ」と描写していた。
大沢たかお演じる「沢木」は静かに興奮しながら香港での生活を闊歩していた。
香港は、今まで訪れた国の中で最もイメージを膨らまし続けてきた国であった。
両替のこと
夜、空港に着くと迎えのバスがやって来ていた。バスの中で香港人ガイドさんが両替をすすめてきた。
銀行のレートとだいたい同じで、ホテルのレートよりは良いといい、10000円で706HK$をビニールに封印した形で持参してきていた。
1HK$が14円ちょっと。悪いレートではない。しかし、アジアを旅している時両替をするということは、現地の人達とのちょっとしたコミュニケーションを共有すことにつながり、その楽しみが奪われる気がしてわたしは換えなかった。
翌日、重慶マンションに向った。
1階の両替商が並んでいる所へ行き、まず最初の店で日本円のレートを見た。
10000円が720$と出ている。それ見ろ、と奥に並んでいる隣の店を見ると、なんと725$となっている。
もう数軒並んでいる店を見ていっても、725$よりもいいレートはなく、よし、と先の725$の店に行き、「ジャパニーズエン トウ ホンコンダラー」、と窓口でいうと、「728」とインド人のあんちゃんが紙に書いてよこした。
728$−706$=22$、22$×14円=308円
10000円を両替してたった308円の差と言ってしまえばそれまでだけれど、昨夜、バスの中で簡単に両替してしまっていたら、得した!、というこの弾んだ気持ちは味わえずに終わってしまっていたことになる。
「明日は10万円持ってきてね!」と帰りぎわに声をかけられ、「シュアー」と笑顔を返してあげた。
午前6時前のスターフェリー乗り場(九龍半島側)
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