
任国外旅行でタイの同期隊員の街(ナコンパトム)を歩いていた時の事である。
屋台が集まっている一角で、ここのアイスは大丈夫だから、とアイスクリームを食べ、そぞろ歩いていると高校に出くわした。
タイの高校生はどんなんだろう、と興味深くなり、開けっぴろげな校庭の中に入っていった。
男の子達は基本的にGIカット(短髪刈上げ)で、一見いかついけれど、目はやさしい子が多かった。
ある方向から、若者が興奮している時に周りに放つ怒号と歓声、それに一種のエネルギーのほとばしりに似たなつかしい興奮状態があふれていた。
「なんだ、なんだ!」
と急ぎ足でそっちの方角へ行くと、なんとクラス対抗セパタクロー大会である。
3人1チームでバドミントンコートの中で行う手を使わないバレーボール、という表現ではその強烈さは伝わりにくい。
キックボクシングでボールを使った勝負をしている、と表現したほうが、その迫力は伝わる気がする。
とにかく、「男の真剣勝負。負けたら家に帰れない。」といった悲壮感漂う戦いであった。 コートの周りを隙間なく埋め尽くしている取り巻き連中も、テレビなどで時々目にする、金をかけながらキックボクシング、あるいは闘鶏を見る、といった顔つきの生徒ばかりで、こぶしを振り上げながら目をギラギラさせ自分のクラスメートの戦う姿に怒声を浴びせていた。
「アジア大会にこの種目が入ったとして、日本のサッカーくずれのあんちゃんチームが挑戦しても、はなから到底かなうわけはない。」 と即座に断定できる迫力である。
オーバーヘッドキックはつねに飛び出す、高速必殺シュート。 それを振り上げた足、もしくは頭なんかでこれまた、バシッとダイレクトに返すのである。これは、すごい。
間近で見るセパタクローは、スポーツの原点を感じさせられるものであった。
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