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旧王子製紙真岡工場 社宅
(現在 住宅街)
ホルムスク市シュコールナヤ通

 ホルムスク市街地の南部、旧真岡工場を望む高台の上に社宅街は存在する。現在残っているのは4戸1棟木造中2階建のものがほとんどである。これは昭和15(1940)年以降に日本の工場社宅によく見られる形式であり、昼夜2交代制の厳しいシフトに適応し、工員が昼間でも安眠できる環境を整えるために考案されたものだといわれている。
 社宅外の全景。傾斜地をうまく利用して、4〜5列の社宅が並立している。古い工場配置図によればこの辺りは乙社宅(職工社宅)である。こうした社宅街がこれほど整った形で残っている例は、サハリンにはなく、日本でもそれほど多くはないようだ。
 社宅には小さいながらも各戸に庭のスペースが確保されている。
 こちらが背面部分。中二階部分の処理は野田や豊原の社宅に比べて簡便な印象を受ける。2戸を左右対称に配置して、背面中間部分に便所をつける形式は各工場社宅に共通した仕様であるが、細部の処理はそれぞれ異なっている。
 窓部分詳細。社宅の中にはいわゆる半紙版のガラスを用いた当時の窓が残っているものも若干見受けられるようだ。
 庭のスペースで菜園を作っている例。ロシアでは、ダーチャと呼ばれる簡易別荘つき菜園を営み、野菜を自給する家庭が多いが、ここでは自宅前のスペースを有効に活用している。この社宅街ではこうした例は意外と少なかった。