
房総石造文化財研究会![]() |
05号 昭和56年02月05日 ![]() |
| <目次> 1。 第一回総会・研究会 成功裡に終わる 研究発表 一色勝正 服部重蔵 川戸 彰 早川正司 沖本 博 2。 千葉県石造文化財調査報告書(について) ●昭和55年度補遺資料の取りまとめについて ●報告書の頒布について御協力下さい 3。 隔夜念仏塔のこと 沖本 博 参照:関連新情報 01/07/02 4。 文献紹介 (1)日本の石仏 季刊第16号、千葉県関係の記事 ●再び二手青面金剛について(横田甲一) ●銚子の庚申と築塚(宇野沢梅吉) ●千葉県酒々井町付近の道祖神(大森義朗) ●大巖院の四面石塔(蛯原徳夫) (2)“大野政治先生古希記念房総史論集”同刊行会 5。 新会員紹介 6。 事務局から 復刻注:文章を、会員苔華氏が入稿して下さいました。ありがとうございます。 カラーカットは、IBMホームページビルダーから適当に補いました。 縦書きを横書きにしておりますので、漢数字の一部を算用数字に変えます。 また、新会員の住所は省略し、○+1.2.3は、(1)、(2)に変えました。 西岡さんが、早速、隔夜念仏塔の写真を下さいましたので追加します。感謝 01/06/25 |
| 第一回総会・研究会 成功裡に終わる 昨年以来の懸案であったこの研究会の第一回の総会・研究会は、予定通り1月25日正午から、千葉中央コミニュティセンターの六階サークル室で開かれました。 寒い時期でもあり、遠方の方も多いので出席が心配されましたが、別紙のとおり、17名の会員の方が参加されて狭いサークル室は満員となりました。 総会は、会則の審議と役員の選出を行って、これで会員の方による合意が正式に得られ、一つの区切りがつきました。また、このような会の性格から、役員の任期は二年とする旨の動議が出され、承認されました。 今後、役員で協議して会の発展のための方策を実行してゆくことになりましょう。又、会費は研究会や通信のための経費として年2,000円で同意を得ました。 年一回研究紀要を発行したいのですが、これは役員で実行方法について検討し、実行する場合は、特別会費として徴収することにいたしました。 ひきつづき、研究会に移り、次の各氏から研究発表がありました。 ● 一色勝正氏 おらんだ観音について 会報第四号に発表された馬頭観音についての説明。特に変体かなの読み方についての苦労談。 ● 服部重蔵氏 東総の馬乗り馬頭について 東総の十五夜待供養塔について いずれも「日本の石仏」に発表されたテーマであるが、それ以降に調査されたものも加えて、馬乗り馬頭観音94基、十五夜塔28基の資料を配付され、熱心な報告があった。また別に東総の墓標仏6,842基を調査し、その年代分布と、地蔵・観音60%を占めているという報告もされた。墓標仏に対する調査研究は確かに未手が付けてない分野であり、大いに啓発されるところがあった。 ● 川戸彰氏 県の金石文資料の刊行を担当し、同氏と金石文との出会いから、資料の刊行の中でのさまざまな体験について発表された。 ● 早川正司氏 安房の中世石造文化財について 正安三年の板碑にはじまる107件の一覧表を発表。文和3年の地蔵、天文年間と比定される日待塔(いずれも館山市安東)など貴重な資料の新発見があり、今後の研究調査が注目される。 ● 沖本博 房総半島の丸彫三猿像について 丸彫三猿像は木更津市から安房郡に至る半島西海岸寄りに分布するが、山王社の神体となっている例が多く、庚申との関係究明が今后の課題である。 研究発表は第1回のことでもあり、事務局から気楽にやって頂くよう各氏にあらかじめお願いしておいたが、やや時間が足りず質問も打ち切らざるを得なかった。閉会も予定の午后四時を大巾に延引して、終わって外へ出た時は暗くなっていた。今后の研究会の運営について、特に時間の配分について一考を要するとおもわれた。 なお、研究会は年4回(各シーズン1回)を計画し、次回は4月〜6月の間に地方の博物館などを会場として行うようにすることを検討しております。近々に見学できる石造物でもあれば、それもプログラムに加えたいとおもいますが、集合時間と会場の設定をどうするか幹事会で研究してみますが、御意見・提案あればお寄せ下さい。 ともあれ、第一回の会合は予想以上に盛会のうちにわりました。今后より充実した研究会の開催と情報交換活動を展開できるよう、一層の御研さんと御支援を期待したいとおもいます。 千葉県石造文化財調査報告書(について) ●昭和55年度補遺資料の取りまとめについて 昨年三月に刊行した調査報告書は、調査期間が極めて制約され、また報告書の作成も短期間で行ったため、不本意な点が多く、その後にわかった貴重な資料もいくつかこの会報で紹介して来ました。今後、毎年一回、この報告書を補完すべき資料をまとめて、会員の方に配布したいとおもいます。 さしあたって、昭和55年度分として、3月末までにわかったものをまとめたいと考えておりますので、会員の方でその後調査の結果、報告書に掲載すべきとおもわれる資料がありましたら、事務局へ御連絡下さい。 判断の基準は一応年代を主とします。また、発表された文献・報告などで気がつかれ た資料などもご連絡頂ければ幸いです。何年か続けることによって、より完璧な報告 書の改訂版でも出せるようになれば、すばらしいこととおもっています。 ●報告書の頒布について御協力下さい 総会の経過報告で申し上げましたが、「千葉県石造文化財報告書」は、700部別に印刷し、300部を県内外の関心ある方に頒布し、残り400部の販売金額は、そのまま研究会の財源となります。 価格は一部1,000円で、郵送の場合は送料実費として300円別に必要です。未だ県内にも欲しい方もあろうとおもいますし、テキストとして使うことも出来るとおもいますので、石造文化財への関心を喚起する意味でも多くの方に買って頂きたいと考えます。服部重蔵氏から早速10部注文を頂きました。 何かの機会に是非おすすめ頂いて、会の財政のためにもご協力下さいますようお願い致します。連絡は事務局へよろしく。 隔夜念仏塔のこと 沖本 博 (写真追加:西岡宣夫氏提供) 我孫子市青山八幡社の境内に光背型の塔に立像の金剛界大日如来を刻んだ元禄6年の塔がある。
奉造立大日如来尊像各屋成弁所 (金剛界大日如来立像) 敬白 元禄六癸酉年五月吉日 道心賢龍 「各屋成弁所」という字句が、私には長い間理解できなかった。庚申懇話会の先輩で千葉県の東葛飾郡一帯を良く歩いている横田甲一氏と我孫子・沼南町方面を一緒に調べていたとき、この塔の話をしたら、「隔夜」の意だと教わった。従って、この大日如来の塔は「隔夜念仏塔」であることが初めてわかったのである。 私が知っている隔夜念仏塔は他にもう一基ある。松戸市馬橋・万満寺の墓地入口にある十一面観音像を刻む光背型の塔で、銘文は次の通り。 □□□観音大士像香取□ 隔夜念仏行者 (十一面観音) 圓斎造立之 延宝八庚申年八月吉日 願主加左エ門 松戸市の塔は、庚申塔を調べに行ってその脇にあったもので、5年くらい前のことで、庚申塔でないもので、銘文もシッカリ読んでいないが、「隔夜念仏行者」という字句が強く記憶に残っていたのである。 隔夜念仏塔は関西方面に古いものが見られるようで、大阪在住の奥村隆彦氏が「史跡と美術」などに発表されているが、私は奈良県三輪神社の近くで「弘冶三年銘」の五輪塔板碑をみたことがある。その最も古いものは、奈良県天理市浄国寺にある天文5年銘の板碑であるという。 ところで隔夜念仏とはどのようなものなのか。前記奥村氏の解説によると― 空也上人が大和の長谷にこもり、春日より長谷へ一千日参詣の願を立て、春日に一夜、長谷に一夜、夜を隔てて泊り、三年三月の間、念仏の弘通を祈られたことに端を発し、それ以後、一方の寺に一夜、他方の寺に一夜泊まって行をする隔夜念仏僧が出現するようになった。ー 青山八幡社の塔は、賢龍という僧(修験)が、この傍の無量院という寺ともう一ケ所の寺を往復して念仏修行を行い、果たして一千日の修行であったかどうかは不明だが、満願を記念して立てた塔であろう。 隔夜念仏の塔が、少なくとも2基あったということは、県下にも良く調べるともっとあるのかも知れない。 最初に書いたように「隔夜」ということは知っていたが、それが「各屋」とあると仲々気が付かないのである。 また、狭い地域だけで見ていると何時まで経っても解らないこともある。どうしても解らないものは、広い場所に持ち出してみる必要があるとおもう。 (復刻編集者注:千葉県内の隔夜念仏塔リスト を、石仏情報のコーナーに出しました。ご参照下さい。) <文献紹介> (1) 日本の石仏 季刊第16号木耳社刊 第16号(55年12月刊)は「特集・庚申年」となっているが、千葉県関係の記事がいくつかあるので紹介する。 ●再び二手青面金剛について(横田甲一) 二手青面金剛は特殊な形態で、沼南町、白井 町、松戸市、鎌ヶ谷市、柏市の範囲に横田氏の調査で14基あることがわかった。造 立年代は元禄10年から正徳5年までの18年間で、横田氏の推定では同一の作者の手によるのではないかという。 ●銚子の庚申と築塚(宇野沢梅吉) 銚子市内、都波岐神社にある庚申の年に築かれた5つの塚(昭和55年・大正9年の庚申年に築かれたものもある)について紹介し、その周辺地域にも同様の築塚の習慣がある旨報告されている。 ●千葉県酒々井町付近の道祖神(大森義朗) 酒々井町付近にのみ存在する双体道祖神について報告(9基)写真添付。 ●大巖院の四面石塔(蛯原徳夫) 県指定文化財となっている有名な石塔出、この紹介を行っている。 (2)『大野政治先生古希記念房総史論集』 同刊行会 もと成田資料館長で、本会々員でもある大野先生が昨年古希を迎えられたのを記念して関係者が刊行されたもの。内容は考古学から近代史、民俗学にわたる県内研究者の史論24篇が収められている。 本研究会関係者では、川戸彰氏「印旛地方の板碑について」及び小倉博氏「成田不動の明和元年の巡行開帳について」の二篇がある。 なお、この刊行会事務局は小倉博氏が担当しているので、必要な方は申し込んで下さい。頒価4500円、送料350円。 新会員紹介 森耕一 印旛郡印西町大森 白井町文化財審議会委員 事務局から ○…1月25日の総会が無事に終わってホッとしています。熱心な皆さんのお顔を見て、どうやらこの研究会も軌道に乗ったと感じました。もち論、物足りない点は沢山あるとおもいます。意見の中にも、中世石造物と近世石造物を一つの研究会で扱うことに対する戸惑いのようなものも汲み取れました。そういう部会の活動が出来る日が来るかも知れません。 ○…研究会もさることながら、互いに連絡をとりあって、交流を深めて頂きたいとおもいます。会員同志であるということのきずなを太くし、その中から会への要望もどんどん出して下さい。遠慮しないでお互いに利用し合いましょう。また、良い仲間、友人があれば、是非入会もすすめて頂きたいとおもいます。まだまだ寒そうです。ご自愛を祈ります。 |
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(求) 我孫子市青山八幡社元禄六年隔夜念仏大日塔 の写真とレポートをどなたか寄せ |