1.追悼 故猪野家憲氏
3月8日、悲しい報らせがありました。本会会員で東金市在住の猪野さんが、心不全により逝去されたとのことでした。会を代表して川戸彰幹事が弔問に赴き、会よりのささやかな香典を霊前にお供えしました。
猪野さんは、東金市文化財保護審議会委員をしておられ、昭和57年 に本会に入会されましたが、この会の会合には欠かさず出席しておられました。割と無口で控え目な地味な方でしたが、コッコッと東金市内の石造物を調査され、昨年5月ころ、一応まとめて私の所へ送って来られました。(この会報23号で紹介しました)
1月26日の研究懇談会にも元気な顔を見せられたのに、残念でなりません。謹しんで御冥福をお祈りします。(沖本)
2.昭和61年度定期総会 4月13日(日)松戸市で開催
今年も新年度の総会の時期となりました。本年は、松戸市を会場に左記の通り行ないます。漸く良い季節となって来ました。どうか奮って御参加下さい。
記
◇ 日時 四月十三日(日) 午前十時
◇ 場所 松戸市 勤労会館2F
◇ プログラム 10時−11時半 総会議事 11時半−12時 中食.休憩
12時−16時 市内見学
◇ 当日会費 中食代実費(500円程度)
◇ 出欠の連絡 準備の都合上、同封ハガキにて出欠の連絡をお願いし ます。尚、欠席の方は、近況、会への要望、その他御連絡下さい。
◇ その他 御出席の方は、昭和61年度会費(3,000円)を当日御納入頂けると大変助かります。
◇ 交通 松戸駅から徒歩五分。駐車場スペース余りありません。
千葉方面からの方には足の便を検討中です。
なお、今回の計画については、会員の倉田恵津子さん(松戸市文化ホール勤務)に会場の確保など、大変御協力を頂きました。
3.沼南町五条谷不動堂の懸け軸についての私考 高橋 肇
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| (写真1) |
(写真2) |
昨年(昭和60年)の4月に千葉県流山市在住の一色勝正先生より千葉県東葛飾郡沼南町五条谷の不動堂に待道尊の懸け軸が出たとの話を聞き早速現地に行ってみた、この懸け軸の事については「庚申」第89号に図柄等は報告した通りである。(写真1)
最近五条谷地区では、ひまわり会と称して待道講を復活したそうである。(講のやりかたは調査してないが近所の若い嫁さん達が集まって茶と菓子で雑談等をする会であると言う事である。)その時にもう一枚の掛け軸を掛けるそうである。
その掛け軸は利根川対岸の竜ヶ崎市の龍泉寺「天台宗」の発行した正観音菩薩の像様のものである。
後日平岩毅氏より送られた写真と私が後日龍泉寺を訪ねて受けてきたものとは像様は全く同じものであった。(写真2)
この龍泉寺であるが壇家を持たず、祈□寺であり古くより子育観音として近隣の信仰を集めている様である。
しかし(写真1)の描かれている像は その地区の区長さん等二、三の人に聞いてみたが何の像であるか判らなかった。
『沼南町史1』によると、五条谷不動堂はもと不動庵と言って「天台宗」の庵の跡であり、現在は沼南町大井に在る福浦寺「天台宗」が管理していると言う事である。又大井福満寺の門前に在る、十九夜塔(貞享二年十月 同行三十四人建立)と五条谷不動堂に在る十九夜塔(貞享二年十月 同行十一人建立)とは像様、法量、銘文等は非常に似ている事から私は以前より五条谷の不動堂と大井の福満寺は密接な関係にあったものと思う。
さて此の(写真1)天保の掛け軸の像であるが、五条谷・大井・竜ヶ崎と天台宗との関係が有る事によりこれは何か天台宗に関係のある像ではないかと私は考えるようになった。或る時佐和隆研編.「仏像図典』P172に日吉山王曼荼羅(滋賀県浄巌寺蔵)の解説の中に下七社の二宮竈殿に日光、月光とあり、(これにも諸説あり、中下各七社も一定しない)その図二宮竈殿の図は非常に五条谷の掛け軸の像に似ていた。
しかし『仏像図典』では像があまり鮮明でなかった為に「日本の美術」の中の影山春樹著『神道美術』を県敏夫先生より御借りして詳細に見たところ実に良く似ていたが二宮竈殿は日光、月光とは書いて無かったが坂詰秀一編『板碑の総合研究』「1総論編」P267−303の中の表3「山王二十一社本地仏一覧」の中で旧称下七位二宮竈殿 本地仏・胎大日 備考・日光 月光とあった。
以上の事柄から私は此の像を畫いたか、畫かせた指導者は「山王二十一社曼荼羅」の事を知っていて、日光は日待 月光は月待の主尊と考えて描かせたのではないだろうか?
追記・浅学非才の書いた文であるから妄想を非常に逞しくしている、何か御存知の方がいらしたらどうか御教示を御願します。(昭和61年2月15日)
(復刻注) 1.文中 「天台宗」とあるのは(天台宗)と思いますが、原文のままとしました。 2.原文に、「山王二十一社 荼羅」とあり、「山王二十一社曼荼羅」としました。 3.文中 「祈 寺」は、「祈□寺」としました。
4.会報への原稿募集
この会報への原塙をお送り下さい。
会報は、不定期刊行ですが、原稿がまとまれば、随時発行するつもりです。
レポートのみならず、感想でも意見でも結構です。近況報告なども歓迎します。
手紙を書くつもりで気楽にお寄せ下さい。
次号は、総会終了後に出す予定です。
5.研究懇談会報告
前号で御案内した研究懇談会は、予定通り1月26日、午后11時より、千葉市新町公会堂で実施しました。当日の出席者は次の通り。(順不同) 岡倉捷郎 高橋 肇 猪野家憲 大森義朗 吉田文夫 宮沢喜美枝 石井保満 平岩 毅 川戸 彰 対島郁夫 谷島一馬 戸向朝夫 鈴木俊夫 中井三郎 早川正司 横田甲一 中山正義 佐野正行 増田誠造 沖本 博 計20名
当日は、遠く川崎市より横田甲一氏、狭山市より岡倉捷郎氏、などが参加された外、客員として春日部市の中山正義氏(庚申懇話会)も参加され、また新入会の市原の中井三郎氏も見えました。研究発表のあと、久方振りの顔合わせで、お互いの健康と健斗を祈念して乾杯し、夕方遅くまで話が弾み、楽しい一刻を過すことができました。
6. 木更津市(富来田地区)石造文化財調査報告 木更津市教育委員会刊
昭和59年度、60年度とニ分冊で発行された。B4判各々82ページ。
富来田地区(旧富来田町)は、木更津市の東部にあたり、小櫃川の上流地域である。ここには甲斐より武田信長が入って来て、里見氏と戦った真里谷城などがある。
石造物としては、寛文十年の青面金剛を刻む庚申塔(諏訪神社)をはじめ、寛文期の庚申塔が六基もあり、これが一つの特色をなしている。なお、引きつづき地区毎に調査はつづけられるという。
報告書は、一般への頒布はなされていないので、県内の図書館などで見る以外にない。
7.御 礼
海保顧問より「房総の石仏」の財政援助として、20部分(22,000円)を買い上げて頂きました。
いつもながら、会の発展に御支援を頂き、紙上を借りて厚く御礼申し上げます。
なお、「房総の石仏」第三号の頒布状況は次の通りです。
1.会員配付 60部
2.寄贈(図書館ほか) 15部
3.会員購買 48部
4.一般頒布 67部
合計190部
一般頒布については、大森幹事が日本石仏協会の会合などで積極的に販売して下さいました。残部はありますので、会員のみなさんも知人などに御推奨下さるようお願いします。
8.事務局から
◆ ようやく寒さが遠ざかり、戸外での活動のシーズンとなりました。例年、12月から3月まで、この会の活動も冬眠の状態でしたが、今年は1月に研究懇談会を開催したところ、予想以上の方々が出席され、話に花が咲きました。「会」と名が付く以上、やはり顔を合わせて交流するのが第一義だとおもいます。4月の総会では、もっと活発にするための提案を期待したいとおもいます。
◆ この会は、従来から余り大々的に会員を募集するということはやっていません。
人数よりも活動の内容が問題だったからですが、満6年を迎えようとし、「房総の石仏」も軌道に乗って、第4号を出そうとしている今日、少しずつ会員の輪を広げることも大切ではないかと考えます。
石仏について学ぶことの意義を知って頂きたいし、より多くの仲間を得て、会の活力を向上させることも必要だとおもうのです。この点も、次の総会で話題にしたいとおもうのですが・・・。とに角、総会には、元気な顔を見せて下さい。
◆ 房総の石仏 第五号原稿募集
「房総の石仏」第4号は、4月下旬刊行を目ざして編集中ですが、第5号の原稿を募集します。今からテーマを決めて御準備に取りかかつて頂きたいと思います。
尚、発表を希望される方は、事務局へ御連絡下さい。 |