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今回は【第10段】、【第14段】で触れたウルトラクイズのレビューの続編です。今回は第9回ウルトラクイズの軌跡を記します。
第9回にして最初の・・・最初で最後の、ウルトラで唯一ヨーロッパに上陸した回。過去8回の「クイズの都」ニューヨークはスルーし、ロンドンを経由して決勝の地はパリに。ジンギスカン、ナポレオンも成し遂げられなかった、ニューヨーク、ロンドン、パリ・・・”世界三大都市”の制覇するべく、当時パリ市長だったジャック・シラク現フランス大統領の強い要望により実現した「パリへ行きたいか!」のこの回。個人的に印象深かったのはアトランティックシティー。西のラスベガスに比べると庶民的なギャンブルシティであるこの街。トランプの「ブラックジャック」をモチーフにしたクイズが面白く、優勝した金子さんは最多正解数ながらブラックジャックに泣き敗者決定戦に回り危機一髪であった。
【第9回】(1985年/第9代クイズ王:”ハヤシマリコ”金子孝雄さん(埼玉)/賞品:潜水艦)
| チェックポイント |
地名 |
内容 |
参加→通過 |
失格者 |
罰ゲーム |
| 第1次予選 |
後楽園球場 |
○×クイズ
(敗者復活
シートの裏に成田山お守り) |
11754→100+1 |
11653人 |
--- |
| 第2次予選 |
成田空港 |
新人日高アナの腕立て回数により
方式決定→44回:全員合格 |
101→101 |
0人 |
--- |
| 第3次予選 |
成田空港 |
ジャンケン+クイズ
(敗者復活
空席待ち早押しクイズ) |
101→50+9 |
51人
(敗者復活9人) |
--- |
| 1 |
成田→グァム |
機内400問ペーパークイズ |
59→45 |
14人 |
(強制送還) |
| 2 |
グァム |
○×泥んこクイズ
(敗者復活 泥んこ3択カルタ) |
45→24+6 |
21人
(敗者復活6人) |
(泥んこ) |
| 3 |
ハワイ |
クイズ”ワイキキ”危機一髪
(敗者復活 日系人3択クイズ) |
30→15+3 |
15人
(敗者復活3人) |
日系人敬老孝行 |
| 4 |
サンフランシスコ |
バケツリレー6連発クイズ
& 早押しクイズ |
18→16 |
山崎さん
鈴木さん |
1日消防隊・消火訓練 |
| 5 |
ヨセミテ |
ヨセミテや岩にしみいる
大声クイズ |
16→14 |
”ひろし君”佐久間さん
”また落ちる”山本さん |
SLの人間警笛 |
| 6 |
ロサンゼルス |
ハリウッド版
”あの人は今!?”早押しクイズ |
14→13 |
”ヘルパー”川井さん |
特殊メイクのままで東京直行 |
| 7 |
ラスベガス |
足上げエアロビクスクイズ |
13→12 |
”飲んだら乗るな”
吉沢さん |
浮き輪に乗って東京直行 |
| 8 |
アルバカーキ |
夕陽の決闘バラマキクイズ |
12→11 |
”敗者復活”宍戸さん |
バルーンで東京直行 |
| 9 |
ナッシュビル |
双子神経衰弱クイズ |
11→10 |
”もうお腹一杯”石亀さん |
歌う宅急便
ライオンの誕生日祝い |
| 10 |
オーランド |
絶叫!恐怖の
ジェットコースタークイズ |
10→9 |
”そば屋の若旦那”
太田さん |
1日ピエロ体験 |
| 11 |
アナポリス |
アナポリス初潜入!
早押しWチャンス |
9→8 |
”鞍馬天狗”塩尻さん |
海軍士官学校・特別入隊
(丸坊主付き) |
| 12 |
アトランティック
シティー |
21のババ抜きギャンブルクイズ
敗者決定戦 スロット・スリー7 |
8→7 |
”パンダ”石川さん |
歌う宅急便
ライオンの誕生日祝い |
| 13 |
ニューヨーク |
5番街封鎖・ニューヨークシティ
マラソンクイズ |
7→6 |
”電機大”横村さん |
摩天楼を”登山”
頂上でフルマラソン |
| 14 |
ロンドン |
迷路バラマキクイズ |
6→5 |
”実力No.1”堀さん |
難解コースの方の迷路に挑戦
(虎ドッキリ付・・・失敗) |
| 15 |
準決勝
ドーバー |
イギリスのごくふつうの人々
おかしなおかしなゲストクイズ |
5→4 |
”狭山市役所”大野さん |
人間シープドック |
| (ドーバー海峡) |
ドーバー横断○×クイズ |
4→2 |
”サラリーマン”伊澤さん
”京産大”島畑さん |
(フランス目前
イギリスへUターン) |
| 16 |
決勝
パリ |
10問先取早押しクイズ |
2→1 |
”バカ貝”長谷川さん |
--- |
知力・体力・時の運・・・今回ほど「時の運」が大きく作用する回は無かったであろう。敗者復活した宍戸さんが次のチェックポイント以降では1抜けしたり、コンピューター敗者予想の石亀さんがしぶとく勝ち抜いたり・・・コンピュータールームでコンピューター予想をことごとくハズしまくった徳光さん曰く「今回ほど運に作用される回はない。ハレー彗星が接近、プロ野球では阪神が優勝した1985年の今年・・・何が起こるかわからない!」とお手上げ状態。TFP2に出ていた阿藤快が57歳にして「尊敬するスポーツ選手はジダンです!」と吼え、R.マドリッドのジダン以外の外国籍選手4人(フィーゴ、R.カルロス、ベッカム、ロナウド)をスラスラ答えるくらいのプチ驚きがあった。(さすが、阿藤快!(笑))
象徴的だったのは決勝を前にした「ドーバー海峡○×クイズ」。準決勝・ドーバーのゲストクイズで勝ち抜けた4名が
「大西洋初横断!『翼よ!あれがパリの灯だ』のリンドバーグが最初にパリに行った時、最初に言った言葉は『ボンジュール、パリ』である。○か×か?」
という問題に○と思えば○の幕が垂らされた飛行機に、×ならば×の幕の飛行機にそれぞれ搭乗する・・・というもの。ただし○×各機とも定員2名。すなわち早抜けした方が○×の選択権を持つことができ、後に勝ち抜けた方が余りの飛行機に乗ることになる。この回の後楽園での第1問は「エッフェル塔に正面はない。○か×か?」・・・正解:○であったが、勝者と敗者の運命を分ける1問としてはドーバー海峡でのリンドバーグのこの1問こそ大きい意味を持つクイズであった。準決勝ドーバーのゲストクイズを一抜けした”サラリーマン”伊澤さんは×と思いつつ○を選択。「いつも後楽園での第1問、○と思って×だったり、いつも逆になったことが多かったので。」ということで本心とは別の○を選ぶ。2番目に勝ち抜けた”京産大”の島畑さんは○と思って○へ。ここで○機が定員2名で埋まってしまい残りの勝ち抜け2名は必然的に×機を選ぶことになる。3番目に勝ち抜けた”バカ貝”長谷川さんは○と思いつつ×に乗らざるを得ない。最後に勝ち抜けた”ハヤシマリコ”金子さんは自分で×と言い聞かせて残り物の×機へ・・・。
○機の2名は自信満々、×機の2名は半ば諦め気味に・・・○と×の2機がイギリス側、ドーバー・リド空港を飛び立ちドーバー海峡を横断してフランス側に向かう。そしてフランス側。空港の芝生に見えていた正解は・・・なんと×!「誰か英語を話せる人はいませんか」というのがリンドバーグの大西洋横断後の第一声だったそうである。ウルトラクイズで有休を使い果たし会社をクビになってしまった伊澤さん、実力の高かった島畑さんが決勝パリを目前してイギリスへUターン。まさかの敗退。逆にグァム、サイパンで敗者復活してなんとか勝ち残ってきた機内10位の長谷川さん、そしてこちらも成田で敗者復活、1抜けしたのはわずか1回でスレスレで勝ち残ってきた機内31位の金子さん・・・敗者復活で命拾いした2人が、本人も家族もビックリ、まさかまさかの決勝へ。
兵どもが夢のアト・・・このときの記憶が鮮明にあったのだろうか。のちに大陸横断特急Eurostarでパリからロンドンへ向かう際・・・ユーロトンネルでドーバー海峡の「海底」を通過し、「ドーバー海峡を見たかったなぁ」と一抹の淋しさを感じてしまう自分であった(爆)
この両者は決勝でも「初々しさ」をにじませ(+10)vs(+8)と大接戦。優勝した金子さんはパリ・トロカデロ広場での恒例・優勝者雄叫びで言った「お母様、やりましたー!!」の言葉にちなんだ優勝賞品「お母様ヤッタ号」イエローサブマリン(潜水艦)をもらった。女性ながら優勝候補筆頭だったキャリアウーマンの”実力No.1”堀さんが「方向音痴なんです・・・」と第14チェックポイント・ロンドンの迷路に消えてしまう”波乱”も金子さんに味方した。クイズマニアとは程遠い林真理子似の普通の埼玉大生が、ウルトラ史上最長の長丁場を制しクイズチャンピオンに。改めて「誰でもウルトラクイズのチャンピオンになれる!」との言葉が沁みた回となった。ちなみにスタジオにはベスト4が一同に介し、”無職”となった伊澤さんは横に居る長谷川さんがリクルート勤務だったことで、「隣にリクルーターがいるよ。ちょうど良かったなぁ。」とトメさんにからかわれていた。
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