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PORTUGOOOAAL・・・ホントに”ポルトガル”までたどり着いた。グループリーグ第3戦からクォーターファイナルにかけて欧州中を驚嘆させる”かつての”列強国の敗退。スペイン、イタリア、ドイツ、イングランド、フランス・・・メディアお好みの、欧州各国紙面を彩った面々が連鎖的に散った。それはまさに、強豪クラブが続々と散った今季CLのように・・・。
セミファイナルに残ったチームはポルトガル、ギリシャ、チェコ、そしてオランダ。この顔ぶれにオランダの名が残るとは未だにシンジラレナイところだ。安定した守備、鋭くスピーディな攻撃、絶妙な監督采配・・・他の3チームがこれらにあてはまるのに対し、オランダはどれにもあてはまってない。伝統国ながら、勝ち上がり方はここまで命からがら、他力本願、強運で生き残ったオランダ。圧倒的な攻撃で相手国をなぎ倒し勝ち上がってきた過去の大会とは明らかに違う。今大会のシンデレラは・・・内容を見るとギリシャではなくオランダであることは否めない。
[2004.06.27(Sun)]
チェコ 3-0 デンマーク
(得点)コラー(49')、バロシュ(63', 65')
共に攻撃的布陣が非常に機能している両チーム、しかしコンディション面では明暗を分ける。グループD最終戦のドイツ戦で主力を温存し、決勝Tに万全の状態で臨めるチェコに対して、デンマークはケガ人が多い。CBのN.イェンセンは欠場、ヨルゲンセン、ロンメダールの両サイドが筋肉を傷めており微妙、さらにFWサンドも太もものケガ・・・。ただ、「何が起こるのか分からない」のが今大会のカラーなだけに、優位で死角無しと見られるチェコが逆に落とし穴に陥る可能性もある。デンマークもGKソーレンセンが当たってるだけに耐久戦になれば勝機も見える。
ブリュックナーはおそらく前半0-0、デンマークに攻め込まれていたとしても慌てていなかったはずだ。この試合はチェコが猛烈に強かった、昨年の20戦無敗時代の戦い方。やはり守りベースで高い位置で相手の攻撃を受け止め、相手DFが手薄になったところを高速カウンターで攻める。人数が少なくてもコラーの高さとバロシュの速さでゴールまで持ち込む。相手側としてはどうすることも出来ない理詰めの試合運び。チェコ本来のサッカーをここでブリュックナーは披露した。厳密に言えば予選グループ3のオランダ戦で見せた中盤からの激しいプレスまでは・・・まだ見せないが。1点目はCKからコラーの2mヘディングがピタリ。2点目、3点目はバロシュが相手DFをドリブルで振り切りゴール。バロシュは通算5点目でニステル様を抜き得点王ランクのトップに立った。スタンドに偵察に来ていたギリシャの将オットー・レーハーゲルよ何思う。チェコにはますます不安が無くなる「不安」に苛まれる。
予選でオランダが当たった、強いチェコを久々に見たような気がした。こんなチェコにぜひ「恩返し」したいものだ。負けはしたが、デンマークのプレイスタイルには”ジェラシー”を感じた。なぜならデンマークは、オランダが模索していた攻撃サッカーを体現していたから。
[2004.06.26(Sat)]
オランダ 0-0(PK5-4) スウェーデン
(得点)なし
前日の「ポルトガル-イングランド」とは違った意味でのサプライズ、本命フランスのクォーターファイナルでの敗退。”かつての?”大国が次々とポルトガルを去っていく、次はオランダの番であろうか??こんな行列には並びたくないものであるが・・・。両チームの攻撃陣にはいやがおうにも注目が集まる。オランダはルチッチ、エドマンを欠くスウェーデンの右サイドバックを攻め込み、スウェーデンの組織的守備に穴を開けたい。ファン・ニステルローイにとって、個人タイトル・EURO得点王に向けては、常連国の連続敗退により「追い風」が吹いているが、己自身も敗退しかねない危機にある。攻撃のリズムを早めに作らなければ、フランスの二の舞だ。「フランス-ギリシャ」で個の限界と組織の強さをひしひしと感じさせた。・・・しかし、今大会はもはや何が起こるかわからない!そういった意味ではオランダの勝機もあるかもしれない(爆)
勝負には勝ったが、内容面で言えばこの試合の勝者はスウェーデンであった。オランダはまたしても奇妙な運でポルトガルに居残った。序盤から統率の取れたDF陣は絶好調のファン・ニステルローイに仕事をさせず、ロッベン、ファン・デル・メイデの両サイドも封じて試合の主導権を握った。攻撃に転じればズラタンとラーションの連携と絶妙のポジショニング、これに絡めるリュングベリ、ヨンソンらの飛び込みにオランダ守備陣は終始翻弄される。
そんな中、アドフォカートはダーヴィッツを切りハイティンハを投入するという、「ポルトガル-イングランド」でのフィーゴ途中交代ばりの思い切った采配を見せる。正直、この選手交代が「アドフォカート、また墓穴掘ったな・・・今度はコーチに殴られるぞ」と危機感を感じた。F.デ・ブールの早期交代やらでバタバタする守備陣を再構築すべく、コクーを中盤の組み立て役に配するためにダーヴィッツを切ったわけであるが、これが最後の最後になって功を奏す。ファン・デル・メイデは相変わらず精彩を欠いて右サイドでブレーキとなっていた。マカーイとの交代はシステムのバランス的に不安を残したものの、これも最後の最後に効いてきた。
延長戦、チームもファンもメディアも周知の事実である「オランダはPK戦まで持ち込みたくない」、しかし90分でも120分でもスウェーデン守備陣を破ることが出来なかった。逆に堅守カウンターに切れ味を見せるスウェーデンにオランダのゴールポストを叩かれる。スコアレスながら心臓が止まりそうなスリリングな展開。決着着かず。
PK戦突入はすなわち、オランダにとって「負け」を宣告されたをも同然であった。しかしPK戦に臨むべく円陣を組むオランダ、チームメイトで肩を組み一つになってキッカーを見守るオランダ・・・これまでのオランダのチーム史上、こんなに団結心溢れるシーンを見たのは初めてだ。そしてこのPK戦は、有り得ない結果に導かれる。
スウェーデン ○○×○○ ×
オランダ ○○○×○ ○
この試合もPK戦伝統の流れに漏れず、主力キッカーがPKを外す。スウェーデンの3人目はズラタン。オレンジ色のサポーターはアヤックスで「9」を背負う相手FWにブーイングを浴びせる。GKファン・デル・サールの守るゴール裏はオレンジ色に埋まったスタンド・・・。ズラタンは上にふかしてPK失敗。これで優位に立ったオランダだが、4人目となった主将コクーがゴール左ポストを叩きPK失敗で同スコアとなる。「今度もか・・・」EURO92デンマーク戦、EURO96フランス戦、EURO2000イタリア戦・・・今回もおなじみのラストシーンが用意されているかに見えた。しかし、ここで踏みとどまったのはオランダ5人目マカーイ。失敗すれば・・・という重圧がかかる場面でキッチリ決める。2人目のハイティンハとともに途中交代のキッカーは2人ともPK成功。これがダーヴィッツやファン・デル・メイデ、もしくはF.デ・ブールだとどうなっていたであろうか・・・もしや、ここに「アドフォカート・マジック」が隠れていたかもしれない。そして、スウェーデン6人目主将メルベリの時、ようやくオランダ正GKファン・デル・サールにスポットタイトが当たる瞬間が来た。PKをパンチングでセーブ。これで勝負あり。この試合も果敢なサイドアタックでフルタイム出場をこなしたオランダ6人目ロッベンが最後のPKを決めて、オランダがアンビリーバボーなPK戦勝利を収めた。
「試合に負け、勝負に勝つ」・・・オランダのサッカー哲学からしたら、この試合は「負け」に等しい・・・しかし勝ってしまった。もはや「運」という一言で片付けることは出来ないが、ラッキーである。セミファイナルの相手はポルトガル。チェコをも超えるオランダにとってヨーロッパ最大の”天敵”だ。もう頭の中はカラッポだが、万が一、オランダの歴史が変わる瞬間が再度やってくるかも・・・。PK戦で勝った今大会のオランダだから、最後の最後に何を起こすかわからない(爆)
[2004.06.25(Fri)]
ギリシャ 1-0 フランス
(得点)【ギ】ハリステアス(65')
ドイツやイタリアが今大会を去ったとはいえ、リアリズム・フットボールの”亡霊”は残っている。優勝候補の大本命フランスとはいえ、ギリシャの堅い壁を破るのに苦労するだろう。終盤に焦りだせばギリシャの術中にはまる。フランスのウィークホポイント・最終ラインへの不安が”大番狂わせ”の可能性を助長させる。ギリシャはすでにノルマを果たしている。失うものがない者に対する恐怖を、最もひしひしと感じるのは王者の苦しみか。ファウルを持さないディフェンスを強いられた方が劣勢にまわるだろう。
「ドイツ-オランダ」を見ているかのよう。あのフランスが、攻守に完全に精彩を欠き・・・ジョゼのフランスサポを落胆させた。色褪せたトリコロール。トラップミスを繰り返したジダン、これがおそらく最後の国際舞台・・・ある意味W杯以上の屈辱かもしれない。アンリ、トレセゲの2トップもギリシャのマンツーマンディフェンスにいいトコ無し。最も美しかったのがザコラキスからの時間差クロスをフリーのハリステアスが決めた豪快なヘディング。試合内容も上回った文句無しの金星に、ギリシャ名誉国民レーハーゲルが両拳を突き上げた。守備中心のサッカーがここで踏みとどまった。今日のギリシャの勝利が大会全体の流れをまた変えるのだろうか?
[2004.06.24(Thu)]
ポルトガル 2-2(PK 6-5) イングランド
(得点)【イ】オーウェン(3')、ランパード(115')、【ポ】ポスティガ(83')、ルイコスタ(110')
まずこの試合を見たジョゼ・マウリーニョの感想を聞いてみたい!クォーターファイナルも第1試合からすごい試合でした。開始3分いきなりオーウェンがゴール前で後ろ向きにボールを受けながら反転し、”旋風脚”シュートを決めて先制。1点を先行してイングランドお得意の「最終ライン引き引き」でポルトガルの猛攻を凌ぐ。ポルトガル・フェリペ監督はここで勝負に出る。主将のフィーゴを下げてFWポスティガを投入、賭けに出た。そしてこの采配がズバリと当たる。残り10分を切ったところ、CKからクロスがピタリとポスティガの頭に・・・ポスティガのヘッドがイングランドゴールを突き破る。
試合は同点で延長に。そしてこの試合は、今大会から「シルバーゴール方式」が適用されることをまざまざと認識させる試合となった。リスクを顧みず勝ち越しゴールを狙うポルトガル、延長後半にルイ・コスタが勝ち越しゴールを決める。ここでイングランドの息の根が止まった・・・かに思われた。しかしイングランドはセットプレイ、ベッカムのCKからテリーがボールを落としてランパード、これもゴール前で一回転シュート。「シルバーゴール」でイングランド食い下がる。ポルトガル30本、イングランド16本のシュートが乱れ飛んだこの試合は、PK戦にもつれこむ。
PK戦でも多くのドラマが用意されていた。いまや”オランダ選手並みのPK成功率”ベッカムが1番手で大きく上にふかす。EURO予選トルコ戦、そしてフランス戦、この試合も・・・あれだけFKの決定力がありながら、ベッカムはゴール前に壁が無いと狙えないのだろうか??優位に立ったポルトガルは1人目デコから順次決めていく。しかしポルトガルにも落とし穴が・・・3人目、こちらもFKの名手ルイ・コスタがベッカム同様ハズす。イングランド命拾いで5人終わって4-4の同点。サドンデスで、この試合乗っているポスティガが、前回EURO2000「イタリア-オランダ」PK戦のトッティを思い起こされるトリッキーなキックを魅せる。PK戦でも個人技を垣間見せるポルトガル、GKリカルドがイングランド7人目ヴァッセルのPKを。なぜかグローブを外して素手で止める。そしてその裏、自らPKを蹴ったリカルドがゴール左隅、コースを狙ってPK成功!最後の最後に現れた「素手の1番」の活躍で、ポルトガルがPK戦で粘るイングランドを振り切りセミファイナル進出を果たした。
EURO96のイングランド、EURO2000のオランダ・・・開催国はここ2大会連続「セミファイナルでPK戦負け」で大会を去っている。ポルトガルは・・・この試合を見る限り、スタンドの大観衆をプレッシャーではなく味方につけており、PK戦でも強そうだ。前回の成績を上回るファイナル進出に向けても視界良好。ベテラン勢が失敗したこのPK戦、もしフィーゴをピッチに残してたら・・・ポルトガルはもしや”英雄フィーゴのPK失敗”で今大会を去っていたのかもしれない。デコを右サイドバックに残しフィーゴを切る・・・フェリペの思い切りの良い選手起用にはただただ驚くばかり。逆に、1点を先行しながら追いつかれ、ブレイク中のルーニーをも欠き後手に回ってしまったエリクソンにとっては苦い試合となってしまった。またもルスで苦杯を舐めたイングランド。「守りに入ったら負ける」・・・前回EURO2000に続き、今大会も完全にこの流れを引き継いでいる。それに加え、今大会はニュースターの台頭も著しい。「保守的になったら命取り」・・・この流れも見える。スペイン、イタリア、イングランドが相次いで敗退・・・三大リーグのクラブがファイナルに進出できなかった今季のCLはEURO2004のこの展開を暗示していたのだろうか!?絶えず変化が激しいEURO2004、もはや先が見えないスリリングな大会になってきた。
ポルトガル・・・この国を相手に、いい思い出は無い。ポジティブな要素が無い。
・なにしろオランダは91年10月デ・カイプでの親善試合に勝って(1-0)以来、延べ13年間ポルトガルに勝っていない。
・2002年W杯予選ではホームで0-2で負けた。この試合、DFライツィハーがスタンドの観衆の「ニセホイッスル」を本物のフエと間違えてプレーを止めてしまい、これが失点に繋がってしまうというポルトガルの”狡猾さ?”にもやられてしまったもの。またアウェイでも2-2のドロー。この試合、2点を先行したものの後半30分過ぎにパウレタのゴール、そして後半ロスタイムにF.デ・ブールがファウルで相手にPKを与えてしまい、フィーゴのPKで土壇場で追いつかれた。この勝ち点1がオランダW杯予選落ちの致命傷となった。「なぜ守備に回らなかったのか!?」当時の監督ファン・ハールは、今大会チェコ戦でのアドフォカート監督とは全く逆の論理でメディアに糾弾された。なお、ホーム/アウェイともに得点を決めたのはFWパウレタだ。彼の顔は見たくない。
・今大会のポルトガルの主力は、デコ、マニシェ、リカルド・カルバーリョ、ヌーノ・ヴァレンテなど今季CLを制覇したFCポルト勢。ジョゼ・マウリーニョが手塩にかけて育てた持ち駒が、マウリーニョを巣立ち別の監督になっても有機的に機能することを今大会のパフォーマンスで証明している。それどころか、FCポルトのウィークポイントであったFW陣を、ヌーノ・ゴメス、フィーゴ、C.ロナウドら他クラブの人材できっちりと補填している。すなわち、攻守にスキがない。しかも、グループAでスペイン、クォーターファイナルでイングランドを振り切り、チームも上り調子である。
欧州の中で最も苦手意識が高い”天敵”であり、しかも開催国を敵に回すオランダに、万に一つの勝ち目も無いように思える。這いつくばってここまでたどり着いたオランダも、もはやココまで・・・という所か。しかし、前々回のEURO96、前回のEURO2000・・・ファイナル進出を信じて疑われなかった両者であったが、イングランドはドイツに1-1でPK戦負け、オランダもイタリアと0-0でPK戦負け。開催国の大声援に支えられながらも、開催国の重圧に押しつぶされてともにセミファイナルで力尽きた。EUROのセミファイナルは開催国の期待が「オーバーフロー」してしまうステージにも成り得る。
これまでのように、リスボン・ジョゼのスタンドをオレンジ色に染めることは出来ないだろう。サポーターの声援もホスト国の大声援にかき消されるだろう。今大会は歴史が変わる。「開催国がついにファイナルへ」なのか、「オランダがついにポルトガル撃破」なのか・・・オランダがここまでネガティヴな要素に包まれ、圧倒的不利で相手と対戦するのも珍しいケース。EURO88を制覇、オランダ・トライアングルが主力を司った時代からオランダは常に”優勝候補”として相手を受け止める立場にあった。今大会のポルトガル戦に対しては、滅多に見られない”ぶつかっていく”オランダが見られるかもしれない。「不安が無い」チェコとは対照的な「不安だらけ」のオランダ。けれども、この「不安」こそが今大会の”波乱”を起こす原動力になっているのではないだろうか?相手が優位に立てば優位に立つほど・・・相性が悪ければ悪いほど・・・今大会はそれが逆に作用する可能性もある。ポルトガルも内心、スウェーデンよりも相性が良いオランダが勝ち上がることを願っていたのかもしれない。ポルトガルはぜひオランダに対して限りなく「楽観視」して頂きたい。スキを突くならばココなのだが。決着はなるべく短い時間で・・・PK戦は結果が分かってても、何度リプレイしてもドキドキして胃に悪い・・・。
ポルトガルに勝つ姿は想像できない。だから、今大会は「読めない」のだ。
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