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Oranje 徒然草
つれづれなるままに、日ぐらしPCにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 
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2004年7月11日(日)
【第41段】 はっぴぃえんど

「HPがオレンジ色だからって、Gファンと間違われてしまいます。・・・ヒロシです。」

「私がやるべき事はわかっている」と、EURO2004閉幕直後にオランダ代表監督アドフォカートは辞任した。「自身の采配の落ち度も認めるが、それにしても行き過ぎた批判だ。」と捨てゼリフを残した言葉の裏に、「こっちだって、やりたくてやってんじゃねぇよ!」という心の叫びが聞こえたようにに感じた。思えば前任者ファン・ハールの突然の辞任で”お鉢”が回ってきた代表監督の座。「とりあえずEURO2004予選終了後まで」、「本大会も任せる」というその場つなぎの契約。オランダ代表にあってアドフォカートも・・・”被害者”のように見える。

もし彼の就任時にKNVB(協会)が最初から「本大会まで君に一任するよ」と任せておけば、彼も予選の段階から積極的にファン・デル・ファールトやロッベンなど若手を登用出来てたかもしれない。彼が最後まで若手起用を躊躇し続けたのは、元凶をたどれば協会にあるのでは・・・?と思う。そもそも、もともとEURO2004本大会まではファン・ハールに一任していた協会も、また”被害者”と言えるのだろうけど・・・。アドフォカート采配という目に見える部分ばかりが批判の矢面に立たされているわけであるが、”被害者”が”被害者”を生み出し、その”被害者”を糾弾したところで何が生まれるのかなぁ・・・とも思う今回の監督解任劇であった。


EURO88後に監督に就任したリブレフツに始まりアドフォカート→ヒディング→ライカールト→ファン・ハール→アドフォカート・・・セミファイナルの壁をとうとう破ることが出来なかった「90年代」のオランダ。当時の主力と言えたF.デ・ブール、スタム、オーフェルマルスが引退、さらにコクー、ファン・デル・サールもおそらく・・・。オランダは4年遅れて「21世紀」に向けての”衣替え”に着手する。次期監督探しはその第1歩と位置づけられる。この監督選びによって「21世紀」のオランダが左右されるといっても過言ではない。

しかしながら・・・代表監督という非常にリスクの高い仕事に、すすんで名乗りを挙げる人はいない。これではアドフォカート就任時のように「とりあえずお願いします。」と”お鉢”を回す前回の二の舞になりそうだ。欧州を見ても、EURO2004を制覇したギリシャのレーハーゲル監督をして、古臭い戦術に難癖がつきまとい、W杯&EUROのダブル制覇にあと一歩、開催国をEUROファイナルまで導いたフェリペ・スコラーリ監督でさえ幸せな結末に辿りつくことがなく、EURO2004のベストチームを作り上げたチェコのブリュックナー監督であっても残酷な結末を余儀なくされた・・・代表監督のお仕事。この仕事に「HAPPY END」を迎えられるような魅力はあるのだろうか!?

写真は昨年のGW、親善試合ポルトガル戦の後で”2ショット写真”に応じてくれたアドフォカート監督。試合終了から1時間余り、彼と肩を組ませてもらったのだが彼の肩が小刻みに震えていたのを覚えている。さらに彼は目の焦点が定まっていないようにも見えた。EURO2004本大会中でも、スペイン前監督カマーチョに勝るとも劣らないワキ汗ぶり。厳格さが売り物であった彼が、インタビューではいつも泣き顔に映った。彼の一挙手一投足に代表監督の過酷さが伝わってきた。

オランダに限らず、どこの代表監督も次の成り手が見つからないのもうなずける。とくに列強国であればなおさら。胃を痛めてやっとつかんだ勝利にも「勝って当たり前」、ノックアウトのトーナメントで負ければ「なぜ負けたんだ」の戦犯探し。ここで真っ先に十字架にはりつけにされるのが代表監督・・・ハタから見ればロクなことがない。「代表監督の仕事に就けるのは名誉なことである」という神話もどこへやら。CLで名を上げたマウリーニョやデシャン、イルレタやベンゲルといった誉れ高い名将は、代表監督などには見向きもせず割りも良く富や名声を得られるクラブの指揮官に落ち着くはずだ。「お国のために・・・」 よっぽどのナショナリズムを掲げるような人材を別とすれば、これからの代表監督の座は誰も寄り付かない「空き家状態」が続きそうである。


厳しい環境下での監督選び・・・アヤックスのクーマン監督やNECのニースケンス監督など、実際、KNVBも候補に挙げた監督からオファーを断られまくっていると聞く。「代表監督は誰が適任か」というよりも、「誰が代表監督になってくれるのか」というのが現状か。その中でサポーターは思い思いの希望の監督候補に思いを馳せる。自分も恥ずかしながらその一人である。なってほしい人はたくさん居るが、なってくれるかどうかというのは全くの別問題である。ヨハン・クライフ御大やオランダトリオのお三方はあまりにベタなので彼ら以外ならば・・・。

・モアテン・オルセン(デンマーク代表監督)
EURO2004でデンマーク代表を率いた老将。現役時代には「世界最高のリベロ」の称号をひっさげ、80年代の”ダニッシュ・ダイナマイト”デンマーク代表の中心選手として君臨。ユーゴスラヴィアの代替出場でまさかの優勝となったEURO92当時の代表を「カウンター主体の戦術」と評し、栄光を得たこのチームを”アンチテーゼ”にして、強力なサイドアタッカーを擁する攻撃性の高いチームを作り上げた。クラブとしても、ボスマン判決後に斜陽にさしかかかっていたアヤックスを率いた経験があり、外国人頼みの当時のアヤックスをCL出場に結びつけた実績も。今大会のデンマークのパフォーマンスを見れば、外国人ながら次期オランダ代表監督の名が挙がるのも無理はない。層の薄いデンマークをあそこまで引き上げただけに、層の厚いオランダならば・・・と期待せずにはいられないのだが・・・実際、すでに断られているというウワサも(爆)

・ヴィクトル・フェルナンデス(前ベティス監督)
今年6月いっぱいで契約が切れたベティス(スペイン)を退いた監督。自他共に認めるヨハン・クライフ信奉者であり、リーガのクラブであるセルタやベティスを攻撃性あふれるチームに作り上げた実績あり。ベティスではホアキン、デニウソン、セルタでもカルピンといった優れたウィンガーをワイドに操る戦術は、まさにオランダのフットボールに通ずるものがあった。祖国スペインでは常時レアル・マドリッドやバルセロナの次期監督候補に名が挙げられる名将の1人。彼をオランダ代表監督に捕まえることができれば夢のようなのだが・・・、もしも実現したとしても言葉の問題やらオランダ特有の”代表問題”などに苦しみそうな気も・・・。もし彼を代表監督に据えるならばヘッドコーチとしてオランダ国内のコーチ人材もセットで組み合わせて考えるべきか。スター選手を操縦するなら同じスペインでもデル・ボスケのほうが適していたりして。

・ヴァレリー・ロバノフスキー(故・ディナモ・キエフ&ウクライナ代表兼任監督)
”Sheva”シェフチェンコとレブロフの強力2トップを育て上げ、かつての「トータル・フットボール」を感させた・・・当時のディナモ・キエフ監督でありウクライナ代表監督。ゲーム中は雪ダルマのように表情を変えず微動だにしなかった、旧ソ連時代の影のカリスマ。ウクライナを率いて再三プレーオフに進出するももう一歩で国際舞台の道を閉ざされた悲運の名将。ただ・・・現在はこの世にいない。旧ソ連でいえば今大会、旋風を起こしたラトビアのスタルコフス監督。オランダの次期監督には挙げられないにしても、新興国ラトビアをEURO2004本大会まで導いたその手腕は見事であった。

・フォッベ・デ・ハーン(ヘーレンフェーン監督)
「オランダの”ギ・ルー”」オランダリーグ・2部の弱小クラブに過ぎなかったヘーレンフェーンで長期政権を築き、クラブをCL出場まで育て上げた「ヘーレンフェーン一筋」のベテラン監督。トマソンをはじめとする北欧の名選手、ならびにオランダのエースストライカー、ファン・ニステルローイを発掘した監督。熱烈なサポーターの支持を基盤として、決して豊富とはいえない持ち駒を巧みに生かす采配ぶりに定評がある。さらに自らを「ヘーレンフェーンの一番のサポーター」と称し、チームへの愛着度も人一倍。これからは個人のタレント性への依存度が低くなるであろうオランダ代表にとって、豊富な駒を使える三大クラブの監督よりは・・・代表に適した監督と言えるかもしれない。ただ、すでに高齢であるのがネックか。

・ダニー・ブリント(アヤックスユース監督)
トップレベルでの監督は未知数。ただ、代表監督のプライオリティを「若手発掘」に置くならば彼やアーロン・ヴィンターなど、代表で申し分のない成績を残し現にユース育成に携わる彼らの名を挙げてもおかしくない。目前に迫る2006年W杯予選の相手となるチェコにはグリゲラ、ガラセク、ルーマニアにはキヴ、ロボント、ミテア、フィンランドにはパサネン、リトマネン(?)・・・など、アヤックス在籍経験のある主力選手が多数存在する。監督としてクラブレベルで相手の主力選手を知り尽くしていることはアドバンテージになる。最も適任はクーマンであるが、彼が次期オランダ代表監督と次期バルサ監督・・・天秤にかけてどちらを取るか、答えは明白(爆) 意表をついて次期PSV監督候補でもある”クーマン兄”エルビン・クーマン(現PSV助監督)を代表監督に据えて、絶えず弟を「影の参謀」に即ける作戦もアリか!?

・デニス・ベルカンプ(アーセナル)
いまだに代表復帰の声が絶えない歴代オランダ代表屈指のファンタジスタ。彼を選手ではなく「代表監督」として代表に復帰させてみては・・・。いざとなればスーツの下にユニを着て選手でピッチに登場・・・なんてことも(笑) クラブならば”プレイング・マネージャー”もアリだけど、代表監督ばかりは専任でなければ・・・というタブーを打破する新案。ベルカンプが国内のクラブに戻ってこない限り実現は難しい・・・いや、実現は不可能だろう。だいいち、東欧方面など遠方でのアウェイ戦とか南米やアメリカ、アジアでの試合のとき、飛行機遠征のたびに”監督不在”になりがちだし。(爆) いっそのこと「サポーター代表」でオレンジ・インディアンを代表監督にしてみるというのも・・・ファンサービスで親善試合1試合でも彼に任せてみては。4月のクィーンズ・デーとかだったら国民も酔っ払ってるからジョークでやってみてもいいかも。ベンチがうるさくてしょうがないかもしれないけど。

理想は監督+コーチの二頭体制、監督が名将の外国人監督でコーチが国内の若手監督・・・外国人監督が”傀儡政権”になる恐れもあるが、他国のフットボールの長所も吸収して国内の若手監督が伸びていく・・・マウリーニョのような監督を代表レベルで”作る”ことも可能かもしれない。ダバディのような人が出来ちゃうかもしれないけど(爆) ヴィクトル・フェルナンデス+R.クーマンの組み合わせ・・・とか、一度でいいから見てみたいものだ。

ともかく、誰が監督になるにしろ・・・「2008年まではアナタに任せます。」 KNVBに言って欲しいのはこれだけ。”長嶋さん”や”星野さん”よりも・・・”落合さん”や”伊東さん”を探して欲しい。「W杯よりEURO」というのが自分の個人的主観であるから、次のEURO2008スイス・オーストリア出場権に向けて4年間、走り始めてもらいたいものだ。

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