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Oranje 徒然草
つれづれなるままに、日ぐらしPCにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 
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2005年2月13日(日)
【第48段】 Chinois(e)

例えばあなたはテキ屋さん。お祭りに際して屋台を1つ出すとします。みかじめとかショバ代云々は別として、ある場所には小中学生の子供が何十人たむろしているエリア、そしてその反対側にはお金持ちが1人で占領しているエリア・・・。あなたならどちらのエリアに、どんな屋台を立てますか?小中学生側にたこ焼きの屋台でがんばりますか?あるいはお金持ち側に牛串焼きの屋台でいきますか?

イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ。このクラブは世界一裕福なクラブであるマンチェスター・ユナイテッドと同じく工業都市マンチェスターをホームとするクラブですが、このクラブには孫継海という中国代表のプレーヤーがいます。またエヴァートンのメインスポンサーは科健(KEJIAN)という中国系の企業であり、このクラブには「中国のベッカム」と称される李鉄選手が所属しています。

プレミアと中国の相関関係・・・むしろ欧州サッカーと中国との関係といった方が正しいのかもしれません。人口13億人の巨大市場・中国には世界経済のみならずとも欧州サッカー界からも・・・経済の例に漏れず熱視線が注がれています。中国では「三球」といわれる三大人気スポーツがあります。たしか卓球、足球(サッカー)、もうひとつはバスケかバレーかどっちか忘れましたが・・・ことサッカーに関して中国は言わずと知れた現在、世界最大のサッカーファンを抱える国なのです。レアル・マドリードのアジアツアーもアジアへの足がかりを付けたいのは日本ではなくむしろ中国でしょう。成田空港が「アジアのハブ空港」の座を上海、香港辺りに脅かされているように、欧州各国のサッカークラブもまたクラブ関連サッカーグッズのマーケットを日本ではなく中国にシフトしていくはずです。

レアル・マドリードは中国にサッカー教室やレストランを展開し市場開拓を図るみたいだし、また元来東南アジア、そして英国の旧植民地であった香港などで爆発的人気を誇るプレミアリーグ勢も積極的に中国との足がかりを作ってるようです。例えば中国U-19代表FWであった中国の天才少年・董方卓選手が2003年にマンチェスター・ユナイテッドへ移籍しました。そして2004年にはU-19代表FW毛剣卿選手がアーセナル、またU-19代表MF蒿俊聞選手がチェルシーと軒並みプレミアの強豪と接触しています。さながらアメリカのプロバスケットボールリーグ・NBAで中国人選手の大巨人・姚明(ヤオミン)が大ブレイクを果たし莫大な経済効果をもたらしたように・・・。さらにタバコ企業スポンサー存亡のカギを握るであろうF1の中国GP開催、そして2008年夏季北京五輪と世界三大スポーツ揃い踏み。サッカーでもプレミアリーグを代表する強豪と中国の若手有望株選手が今後蜜月の関係となっていけば・・・中国の若手選手に”先行投資”して中国を徹底的に”掘り起こす”ビジネスモデルを構築出来るはずです。ゆくゆくは欧州サッカー界ではロシア富豪が金を出し、中国でのグッズ売り上げや放映権料で金儲け・・・という図式が形式化されるのかもしれません。


というのも、数年前に中国に旅行した際に・・・中国で最も元気のいい魔都・上海に行った際に実際肌身に感じた事であります。ここに「屋台」さえ開けば大儲け出来るな・・・と。もともと中国ならびに東南アジアのサッカー熱たるや、自国の代表が出ていないのにも関わらずW杯開催中に発電所がトラブルで停止したら暴動が起こるくらいに高いものがあります。確かに華僑の多いシンガポールに行った時もユナイテッドやリヴァプールのレプリカを着たシンガポール市民がやたら目についたのを覚えているし。欧州のサッカークラブは円から元へ・・・例えば日本で1万円のユニホームを10着売るよりも、中国で2000円のマフラーを50本売るほうがはるかにたやすいのではないでしょうか?ヘタすりゃ中国で100本以上はザラに売れるのでは?こうなると市場の原理に従い「屋台」は中国に開いて・・・サッカー関連グッズのメインマーケットは中国になる事でしょう。

2002年W杯では悲願の初出場を果たした中国。しかし明るいニュースばかりではなく・・・2006年W杯出場権を逃し早々と予選から姿を消したり、また中国のプロリーグは八百長疑惑が蔓延し観客数も低迷してるといったネガティブ要素もあります。かつ中国の国民性”中華思想”からして、かの孫文が「皿の上の砂」状態と評したまとまりのなさは致命的といえるものがあり、1人っ子政策で中国全土に生まれた「小皇帝」の集まりともなればチームは全く機能しないという現実もあります。世界屈指のスポーツポテンシャルを誇る中国であってもこの構造的な問題に対してはなかなか解決策を講じえないようです。確かに上海に行った時も割り込み当たり前、行列に並ばない中国人というのは嫌と言うほど垣間見て「これで北京で本当にオリンピック出来るの?」と他人事ながら心配したり。フランスに居た時も中国人の(いい意味での)ふてぶてしさはアジア系の中でも突出したものであり、フランスのみならず全世界に存在する「チャイナタウン」というコミュニティの結束力の強さも海外に行くほど身に沁みたものです。中国人はそういう国民性を持ってないと全世界中に住みつく事も無かったでしょう・・・世界の何処でも石を投げれば中国人に当たるというぐらい華僑の世界進出ぶりは凄まじいものがあります。アフリカやラテンアフリカの奥地でさえ・・・日本人が行き着いた頃にはすでに中国人が街を作っていたという話は多分にもれず。中国は自国で抱える巨大な人口のみならず、全世界中に散らばる華僑の巨大ネットワーク!これも有しているのが世界における中国の強みなのでしょう。アジアカップでは「反日」報道で日中関係がヒートアップしていたようですが、ある意味で中国を叩けばそれは全世界を「アウェイ」に戦う事になっていくようにも思えてきます。


そうなるともう無敵と言ってもいいくらいの13億人の超大国・中国でありますが、この中国もまた盛者必衰の理で、いずれ世界最大の人口を抱えるであろう国に追い抜かれていく事でしょう。その国とは天竺・・・インドです。周辺のパキスタン、バングラデシュを含めると市場人口はおよそ15億人・・・これは現在においてすでに中国を越えるものであります。実はこのインド、実質的な鎖国政策でこの巨大市場の大部分を自国内で閉ざしており、90年代に入りやっと国際経済に回帰したばかり、自由経済へ移行してわずか十数年の国なのです。しかしそのポテンシャルは見逃せないものがあり、例えばGDP的に見るとインドは現在中国の半分の経済規模になりますが成長率で見るとインドと中国は・・・インフレの影響を除いた名目成長率で12〜13%とほぼ同等の値を示します。さらに2010年の人口ピラミッドを予測するとインドは若年層になるにつれて末広がりのピラミッドとなるのですが、中国は主要先進国の後を追うように急速な高齢化社会へ移行するとされています。なので経済的に言うとあと5年も経てば・・・労働者人口において7億5000万人という強大な労働力を要するインドは、高齢化が加速する中国をはるかに凌駕する世界最大のマンパワーを発する国となるはずなのです。経済成長とともにインド国内は低所得者層の割合が減り中間層の割合が増えていくと予測されています。そうなると乗用車や家電、サービス業といった先進国型の経済市場が生まれ、欧米他の先進諸国はこのインドに大挙押し寄せることでしょう。実際、彼らに先んじてサムスン、ヒュンダイ、デーウ、LGなどといった韓国企業がすでにインドのマーケットを席巻しているそうです。

その上インドが中国に対して経済的なアドバンテージを持っているのは技術力を自国でまかなえるという事です。労働集約型の中国と労働力ならびに技術力を両輪に据えたインドの違い・・・ことインドと言えばITと言われるほど、すでにソフトウェア業界では一目置かれる存在でありますがまたバイオ、高度医療の世界でも世界から熱い注目を浴びています。また文化面においても世界最大の映画大国としてさらなる大ブレイクも見込まれています。インド最大の魅力は電力、道路、港湾、テレコム、空港・・・これらのインフラ整備を推し進めることにより生まれる莫大な経済効果・・・それはとてつもなく計り知れないものを持っているそうであり、いずれ全世界がこの甘い蜜を吸いに来ることでしょう。


結局この段で何が言いたいのかといえば・・・欧州のサッカー界がすでに日本より中国に目を向けているように、いずれはその目もインドへと移行していくだろうということです。インドもまた歴史的に旧英連邦でありサッカー文化を受け入れられる土壌にあるでしょうから・・・現状はこの国にはサッカーはなかなか根付かず、クリケットやホッケーといったスポーツの後塵を拝している状況のようですが。しかしインドは2010年W杯への出場に本格的に取り組む意気込みを見せているようです。その気になれば若年層だけでもゆうに5億人を超える驚異のマンパワー・・・フランスやイングランドの総人口6000万人、ましてや1500万人というオランダの総人口から考えると・・・欧州列強のおよそ10倍、20倍となるインドのこのマンパワーはまぎれもないスーパーパワーです。現状はインドの国全体で一体化・・・という気運に欠けている為いまはFIFAランクでも下位に甘んじてますが、今年から5年スパンで国家を挙げて強化プログラムを立てれば・・・NBAの姚明のように10億人を超す人口の中から英才教育で絞り込めば最高傑作を生み出す可能性も無いとは言えないし、間違いなく中国と並びアジアのスーパーパワーに変貌していくと思います。実際マレーシアのプロリーグ・Mリーグでは多くのインド人レフェリー・インド人選手が活躍している事実があります。インド人がサッカーに向かないという烙印は実はどこにも無いものなのです。

サッカーは確かに人口のマップに単純に比例するものではありませんが、しかし強大なマンパワーを持つ国がひとたびきっかけを掴むと怖い存在となります。顕著な例がアフリカで、80年代までは完全に見向きもされなかったブラックアフリカ勢が現在では欧州サッカー界のメインストリームをも担うほど強烈なインパクトを残しています。いまやアフリカ産選手抜きでは欧州サッカー界は語れないほど。人口1億人を突破しアフリカのなかで最大のマンパワーを有するナイジェリアも例にもれずカメルーン、セネガル、そして2010年にアフリカ初のW杯開催を控える南アフリカ・・・今後もガーナ、コートジボアールなど台頭するであろう新興勢力は後を絶ちません。また純粋にアフリカンとは言えないまでも98年、2000年におけるフランス代表の黄金期をささえたのも間違いなくアフリカ系移民の二世、三世たちであり、イングランドやドイツと言った伝統国にも自国の代表にアフリカ系の黒人選手が生まれています。中国やインドに欲しいものは、アフリカで言うところのジョージ・ウェア・・・アフリカ人初のバロンドール受賞選手である彼のようなの存在です。中国、インドにおいても欧州サッカー界に”風穴”を開けるような「スーパースター」の出現があれば自国のサッカー熱はさらに深く掘り起こされる事でしょう。


中国やインドが欧州サッカー界から”垂らされる”蜘蛛の糸をつかみ、今後サッカー強国への足がかりを掴んでいくのでしょうか?その可能性は否定できないと思います。なぜなら中国、インドが強くならないと欧州サッカー界も生き残っていけないから・・・「スーパースター」を作り出し、サッカー熱を掘り起こし、経済効果を生み出す・・・中国やインドと欧州サッカー界にはこのような構築されるべきサイクルが生まれていくでしょう。中国やインドが「屋台」を開くべき最大の魅力を有しているから・・・この両国で現在でも全世界人口の1/3を占めるという事だけでも軽視できません。ただ中国やインドに無限の猶予期間がある訳でもありません。「スーパースター」の芽がでなければ欧州サッカー界もこれらの巨大市場を諦めざるを得ないでしょう。そうなれば中国、そして天竺インドから次に欧州サッカー界が蜘蛛の糸を”垂らすのは”・・・市場開拓の面からも人口右肩上がりでかつ「スーパースター」のさらなる出現が見込まれる・・・念願のW杯も開催するし今後強大な「第3勢力」となるであろうアフリカでしょう。サッカーのみならずスポーツ全般において主役がアフリカに完全に移れば・・・身体能力で何者にも勝るアフリカに太刀打ち出来るものは無くそうなればもうサッカーにおいてアジアの出る幕は無くなりそうな気もします。アフリカの足並みが揃う前に・・・それがアジアのスーパーパワーに残された可能性、そして可能性があるうちに「スーパースター」の出現を・・・巨大市場をコントロールしたいがためにも・・・そこに欧州サッカー界も期待を向けて先行投資を続けるはずです。

こういう話になると日本・・・それどころか経済規模が小さいオランダにとっては雲の上の話でしょう。将来を考えるとオランダは生き残っていけるのか・・・アフリカやアジアのスーパーパワーへと主導権が移る前にワールドカップを獲れるのでしょうか!?ゆくゆくオランダのような小国がこれらの勢力に対抗するためには・・・EURO連邦!?EU諸国の完全統合で欧州の地図から国境線を消すしか方策が無くなるかもしれません。そうなれば欧州にドリームチームが生まれますがオランダ代表は消滅する・・・欧州サッカーの未来を思い巡らすとどうもこういうマクロ的な思い込みに入り込んでしまい、この発展的な”スパイラル”に悩まされる訳です(爆)

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