[PR]薬用プロアクティブ公式サイト:実力派にきびケア、60日間返金保証

Oranje 徒然草
つれづれなるままに、日ぐらしPCにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 
<<前のページ | 次のページ>>
フレーム
2005年3月18日(金)
【第53段】 AZ

ようやくアヤックスの新監督がダニー・ブリントに決定してまずは一安心です。しかし今後は・・・アヤックスの苦難の「航海」が続いていきそうでブリント新監督としては嫌な時期での監督就任では無いかと察します。この夏にはクラブのシンボル的存在でもあるラファエル・ファン・デル・ファールトの移籍もあるだろうし、現在のアヤックスにおける唯一の希望、18歳FWライアン・バベルもビッグクラブに”刈られる”かもしれません。その他にもマクスウェルしかりロサレスやハイティンハ、デ・ヨング辺りも引き抜かれるならば・・・これからのアヤックスは【第49段】でも書いたコ・アドーリアンセ監督就任直前のドン底状態に・・・「ふり出しにもどる」にコマが突き進んでしまう事でしょう。

このところはマドゥロなど急遽ユース上がりの選手を登用して、既存選手への依存度を下げる動きを見せていますが・・・マルティン・ヨルやラウドルップなど層々たる名前が挙がる中で、ユースの内幕を知るブリントの監督抜擢はある種描かれたシナリオだったのかもしれません。しかし彼はシーズン途中にフィテッセからヘッドハンティングされた前任のR.クーマン監督とは状況が違います。「チームを伸ばす」だけの仕事ではなく「チームを作る」という仕事が付加されるのです。そのためには同様の状況で監督就任したコ・アドーリアンセ監督の「1年間待ってくれ・・・」のように「公約」を明示して、クラブのフロントおよび関係者、そしてサポーター、世界中のファンら多数の人から事前に理解を得ておく必要があるでしょう。そのためには今シーズン残りのゲームを捨てる・・・覚悟も必要だと思います。

来シーズンに向けてこの時点からブリント監督の「ネオ・ヤングアヤックス」は始動していかなくてはなりません。そのためにはファン・デル・ファールトをはじめとするコ・アドーリアンセ監督時代の「遺産」を清算するのもオプションの一つと割り切るべきでしょうか。【第23段】に書いたように昨シーズンは残念な結果に終わりながら今シーズンのCLで躍進を続けるPSVはロッベン、ケジュマン、ロンメダールといったクラブの中核を、シーズン前に軒並み放出しながらあの好成績っぷりなのです。さらに今シーズン後にはついにファン・ボメル主将も”移籍金なし”で放出することになりますが・・・。リーガ・アンの王者・OL(オリンピック・リヨネ)にも似た傾向が見られます。周囲からの過度な期待値を避ける事でチームのプレイスタイルが好循環に転じる事もアリなんだなというのは、これらのクラブのパフォーマンスを見れば明白です。どうやっても上に手が届かないときは開き直りの精神で・・・ブリント監督にはまずは肩の力を抜いて、ファンも「温かい目」で結果を急かずに、待つ姿勢が望ましいと思っております。まずこれ以上悪化する事は無いと思うし・・・(爆)


そこを行くと、現在オランダリーグ・エールディヴィジでアヤックスの上を走る2位のAZですが、UEFAカップのベスト16でウクライナリーグの強豪、”東欧のチェルシー”シャフタール・ドネツクを1-3(1st Leg、AWAY)、2-1(2nd Leg、HOME)・・・2試合計で5-2の大差で圧勝しました。チームを取り巻く環境を見ればまさに、この両チームは好対照なものがありました。全世界の有力選手を続々と買い占める豊富な資金力にモノを言わせる東欧きっての強豪クラブ・シャフタール。かたや地元オランダの選手でメンバーを固める地方都市アルクマールのおらが町のチーム・AZ。敵地ドネツクでのアウェイ戦勝利に沸いてから1週間後、AZの将であるコ・アドーリアンセ監督はホームでの試合に備えて以下の言葉で手綱を引き締めました。

「開始15分間で得点を目指す(AZの)いつもの戦い方はしない。0-0から始める試合と3-1から始める試合とでは状況が違う。アウェイでの試合によりシャフタールはわれわれの力を以前以上に認識しているはずだ。なのでボールを持った時の味方の必要のないミスを最も恐れている。」

しかしホームで迎えた2nd Legは、この言葉とは裏腹に東欧の強豪を迎え撃つには最高の展開となりました。ホームスタジアムであるアルクマール・デルホウトでは、今シーズンでエールディヴィジ、UEFAカップともにいまだ無敗を誇り、ホームでは絶対的な自信を持つAZ。ここで地元のサポーターが見守るスタンドを大いに沸かせるのにAZは多くの時間を必要としなかったのです。開始わずか9分、遅咲きのオランダ代表でもあるファン・ハーレン、このAZの34歳の司令塔がチームメイトでもあるデンマーク代表FWケネス・ペレスとの華麗なワンツーで、背水の陣で臨んだシャフタールのゴール前に攻め込みます。そして狙いすましたようにゴール右隅に叩き込んだビューティフルゴール!このゴールの時点にてシャフタールが次のラウンドへ勝ち抜くには最低3ゴールは必要となり・・・相手に多大なダメージを与える効果的な先制攻撃となりました。

この試合直前に出場停止処分が解けたファン・ハーレンはその後も優雅にピッチを動き回り、シャフタールGKラストゥカと1対1の決定機も生み出します。しかしこれはファン・ハーレンのボールコントロールミスで・・・前半にしてシャフタールに壊滅的な打撃を与えるまでには至りませんでした。また左サイドバックに据えた元アヤックスのデ・クレルが攻守に渡る大活躍!守備面では巧みにAZのDFラインを統率し、シャフタールのスルナやラトといった攻撃の起点を潰して相手の攻撃をシャットアウト。さらに攻撃面では自らが攻撃の起点となって相手のシャフタール陣内へと切り込みます。デ・クレルが放った強烈なシュートはシャフタールGKラストゥカの好セーブに阻まれましたが、これはシャフタールに改めてAZの効率的なアタッキングフットボールを脅威付けるのに十分なものでした。

ゲームは終始AZがシャフタール陣内に押し込むまさに「横綱相撲」とも言える内容。悠然と試合を進めるAZは、後半に入った65分についに「王手」を打ちます。ネリッセとペレスのパス交換でその脇を抜け出すメールディンクにボールが渡ると・・・メールディンクがそのボールをきっちりとゴールに沈めて2点目ゲット。これでAZは事実上、1981年以来となるUEFAカップ準々決勝進出を手中にしました。その後シャフタールのFWエラーノがヘディングに1点を返すもののもはや焼け石に水・・・こうして東欧の天井知らずの金満クラブは、オランダのわずか人口10万足らずの地方都市アルクマールの「おらが町のチーム」になす術もなく白旗をあげる事になったのです。


アルクマールは10世紀に街が建設されて、1573年のオランダ独立戦争時には激しいスペイン艦隊の砲撃を受けながら防衛に成功し、オランダの勝利の起点とも位置づけされる都市です。いわばこの街こそオランダ国家の原点、そしてオランダのフットボールの原点とも言えるのかもしれません。なのでこの街のクラブ・AZの監督にコ・アドーリアンセが招聘され、かつテクニカルマネージャーのファン・ヘール氏とのもと有望なオランダの地元選手が集まったのも至極当然の事だったのでしょう。そしてこの快進撃を支える秘訣としてコ・アドーリアンセ監督は古巣アヤックスを皮肉るかのようにこう語っています。

「3人のDFを並べて、そのすぐ前に選手を1人置く。そう、”伝統的なアヤックス・スタイル”を実践しているまでだ。」

チームのゴールマウスを守る守護神、元アヤックスのGKティメル、彼もチームの目標として「リスボンの地が我々を呼んでいる。」と既にUEFAカップファイナルを射程距離内に収めた発言をしています。数シーズン前だったら絵空事とも一笑に片付けられたこの発言も、今となってはむしろかなり現実的なものとなるでしょう。2シーズン前のUEFAカップ覇者のFCポルトがその後のシーズンでCL制覇・ビッグイヤーを手にしたように、大げさに言えばそういうシンデレラストーリーへの夢も地元のファンに想像させるような魅力的なクラブに成長しています。いや、成長真っ只中です。

そんなクラブから、ただいまドン底に這いつくばるアヤックスが来季のCL出場権を奪ってもいいのでしょうか?AZは来シーズンの監督が元アヤックスのTD(テクニカルディレクター)のファン・ハールに交代するとはいえ、チーム自体のクオリティは・・・今シーズンにベニテスからラニエリへ監督交代したヴァレンシアのようにまでは代わらないと思います。アヤックスファンとしては来シーズンもアヤックスにCL出場権を獲ってほしいものの・・・しかしオランダのクラブとして来シーズン、CLへ出場するのにふさわしいのは間違いなくAZであると言い切れます。この考えは”ジレンマ”に陥いる危険性があります。

いや、”ジレンマ”を持ってはいけないのです。今シーズンはCL出場権をAZに譲り、アヤックスにはブリント監督を中心に来シーズンに渡って長期的なスパンでチーム再生に当たってもらう・・・そういう風に、見る側にとっても心の整理をしなければならないでしょう。悔しいけど・・・アヤックスもAZにもう”白旗”です。

Top Page

[PR]中古車探しは、ガリバー:在庫多数、全車保証つき!