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Oranje 徒然草
つれづれなるままに、日ぐらしPCにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 
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2005年4月4日(月)
【第55段】 さくらさくら

ついに2年越しの悲願!倉野監督が宙に舞いました。明治神宮大会準優勝校の愛知代表・愛工大名電が全国優勝。イチロー選手の母校であるこの高校がユニフォームカラーと同じ色の紫紺の大優勝旗を手にしました。倉野監督、そしてエース斎賀投手の優勝インタビューでもしきりに連呼された「去年の・・・」という言葉。去年は決勝で創部3年目の愛媛代表・済美高校に接戦の末に敗れての準優勝・・・その悔しさが今年の初優勝に見事に繋がりました。

堂々たる決勝戦の戦いぶり。「やればできる」を標榜して創部3年目の初出場校、奇しくも昨年の済美高校を思い起こされる鹿児島代表の神村学園を相手に回して・・・名電サイドとしては神村を「仮想・済美」と捉えらていたのでしょう。相撲で言う朝青龍ばりの「横綱相撲」を披露しました。決勝戦を如何に戦うかを目指したチームと、あれよあれよと決勝へ勝ち進んだチーム。9-2というスコアは決勝戦に対するモチベーションの差がスコアにそのまま表れてしまったような感じでしたが、これが愛工大名電の常連校としての意地だったのでしょう。2年連続で新鋭校のシンデレラストーリーの踏み台になる気は無く、今年は自分達が主役の座に立ったという事でしょうか。特に7回表の神村学園のクリーンナップを3者連続三振に斬って取った斎賀投手のピッチングは鬼気迫るものがありました。対する神村学園は4連投で疲れが見えたエース野上投手、そして終盤にやや力みが見えた4番天王寺谷くん・・・決勝戦で力尽きましたが、この舞台に立てた事だけでも大偉業だと思います。

初回に生まれた2年生の主砲・堂上くんの2試合連続となるホームランで倉野監督は既にこの試合での勝利、そして今大会の優勝を確信したと思います。チームとしても長打を打てる切込み隊長の山田くん、俊足の柴田主将、終盤に大当たりした佐々木くん、2年生の怪物・堂上くん、守備範囲が広い外野手の小島くん、絶対的なエースの斎賀投手、攻守の要となった井坂捕手、木のバットを持ったバント職人の花山くん、そして2年生のレギュラー石黒くん・・・背番号1ケタの不動のオーダー、優勝したナインには貫禄すら感じさせました。1回戦の大産大付属(大阪)、2回戦の宇部商(山口)との試合はともに2-0で斎賀投手の2試合連続完封勝利でしたが、看板のバントを絡めた攻撃力はいまひとつの出来でした。しかしいま思えば序盤は攻撃力をセーブして、終盤に向けて徐々に慣らし運転からフルアクセルへ・・・ペースアップしてきたのでしょう。


名電が本格的に「ギア」を上げ始めたのは準々決勝の天理(奈良)との試合です。しかも1回裏、2回裏に1点ずつを取られて0-2とリードを許した3回辺り・・・ここからでしょう。天理スタンド名物の重低音の「ワッショイ!」に押され気味だった名電スタンドでしたが、3回以降はストレート主体に投球内容を切り替えた斎賀投手に加え、徐々に追撃ムードを高めていきました。それに付随してチームを後押しするように今度は名電スタンド名物の「♪さくらさくら」が鳴り響き、天理の「ワッショイ!」の波を押し返しました。決定打となったのは4番堂上くんのバックスクリーン直撃の大ホームラン!強打・天理のお株を奪ったこの一発で準決勝進出を手中にしました!(この一戦、「ワッショイ!」と「♪さくらさくら」の”紫色対決”はぜひ柳沢慎吾氏の高校野球ネタに昇華してもらいたいものです。)

準決勝の神戸国際大付属(兵庫)との試合も、斎賀投手が試合途中で降板するものの、今大会でずっと出番を待ちわびて待望のマウンドとなった2番手・十亀投手の好リリーフで逃げ切りました。中盤に斎賀投手で四球絡みで崩れて4点を取られる苦しい展開も、その直後のイニングで相手チームの気持ちの緩みを突きすぐさま4点を返すという試合巧者ぶり・・・大会屈指の左の好投手だった神戸国際の大西投手を鮮やかに攻略しました。昨年の準決勝でも地元・兵庫勢の社高校を倒して決勝進出しましたが、今年も兵庫勢の神戸国際を破っての決勝進出。ここでようやく名電は去年の”忘れ物”を取りに来て決勝戦へ・・・やっと今大会の「スタートライン」に立てたわけです。


前の段でも言いましたが自分は近畿勢の高校の相手校についつい肩入れしてしまいます。それだけに今大会は何気に・・・斎賀投手もその例に漏れず近畿勢の相手校がボークをよく取られたり、誤解を恐れずに言えばどうも近畿勢の”ホーム寄り”の判定が多いように思えました。1回戦で近畿勢に負けた甲府工(山梨)の三森投手や柳ヶ浦(大分)の山口投手もそうだったはず。単にたまたまで、気のせいだったのかもしれませんが(苦笑)

そこを行くと昨年は明治神宮大会決勝で大阪桐蔭(大阪)を破り、選抜本大会では立命館宇治(京都)、そして前述の社(兵庫)にも勝ち・・・そして今大会でも大産大付属(大阪)、天理(奈良)、神戸国際大付属(兵庫)とここ2年の選抜大会だけでも5連勝!近畿勢に対して軒並み抜群の強みを見せる愛工大名電はまさに「近畿勢キラー」と言えるでしょう。

余談ですが愛工大名電を含み昨年も選抜に揃って出場した東邦、そしてその東邦、名電を抑えて昨年夏に出場した中京大中京・・・昨年愛知代表で甲子園に出場したこの名門3校はいずれも愛媛の新鋭校である済美高校(愛媛)の前に敗れました。昨年選抜の優勝校、そして夏準優勝校である済美高校の昨年の戦いぶりの影に愛知県勢あり、昨年の済美高校はまさに「愛知県勢キラー」でした。そしてその済美高校さえも苦手としてたのは・・・昨年の明治神宮大会で負けた鵡川高校、そして夏の甲子園決勝で敗れた駒大苫小牧高校という(南)北海道勢でした。昨年はこの(南)北海道勢こそ「済美高校キラー」だったのです。(さらに言うと済美の監督であり、前宇和島東高校の監督である上甲監督はなぜか”北海道勢に勝てない”というジンクスが続いています。) 名電が優勝出来たのも今年は済美高校が選抜大会に出ていなかった・・・これも一因でしょうか?


今大会前になりますが、各地区大会の優勝校が集う”プレ選抜大会”とも呼ばれる明治神宮大会でも名電は2年連続となる決勝進出を果たしました。しかし、この大会の決勝で柳ヶ浦(大分)の150km右腕・山口投手の前にあわやノーヒットノーラン寸前という屈辱的な大敗を喫しました。この時点で名電の株は暴落してしまい、昨年選抜大会の準優勝校でありながらも今大会の前評判はそう高くなかったものと思います。むしろ「昨年ほど強くない」、「今年はそううまくバント戦法は通用しない」との声もありました。

しかし今大会の・・・特に前述の準々決勝以後の名電は昨年以上の「強さ」を発揮しました。昨年の戦いぶりでは「賛否両論」をも巻き起こした執拗なバント攻撃・・・今年は昨年のあの戦いぶりが大いなる「フリ」となっていたのでしょうか?昨年はいかなる局面でもバント攻撃でゴリ押ししていた所を、今年は盗塁等の機動力、そして時にはホームランを含む長打で・・・硬軟織り交ぜた攻撃で見事に相手投手を揺さぶってみせました。決勝戦となった神村学園との試合はまさに今年の名電の「強さ」を象徴するもので、以前の名電のチームカラーであった「豪打」から、今大会で真の意味での「小技と力強さ」が融合した総合的なチームへ脱皮が完了したものと思います。神村との決勝戦は・・・朝青龍が白鵬を「吊り落とし」したようなもの。それだけに応援団が奏でる「♪さくらさくら」もより勇壮に・・・甲子園のスタンドに栄えました。

名古屋めし、愛知万博、名古屋経済・・・おそらく「愛知年」となるであろうこの2005年、この年に名電優勝、「♪さくらさくら」はさらなる1ページが追加したと言えるでしょう。こんなに景気が続くと名古屋辺り・・・本気で地震や天災にはくれぐれもご注意を。でも、名電のこのスキの無い戦いぶりこそ、最も「えげつない」チームと言えるのではないか・・・と微妙な思いもありました。スキの無さと魅力って反比例するものなので(爆)

そしてこんな好景気と対極にあるのがアヤックス・アムステルダム・・・どん底にはまだ下があったようです。底なし沼です・・・。いま最もこの「♪さくらさくら」を聞かせてあげたいのはブリント新監督率いるこのオランダのかつての名門だったりします。アヤックスにも春が・・・早く来ないかな(汗)

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