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今シーズンの欧州各国リーグ開幕以前から、この4月は「地獄の一ヶ月」になるのでは?と言われてきました。各国リーグ戦、カップ戦が優勝争いで佳境に入るうえ、来シーズンのCLやUEFAカップの出場権争いも白熱してくる季節です。それゆえに上位に食い込むチームは日程が過密になる事が避けられず、現在CLやUEFAカップのセミファイナルに勝ち残っているチームの中では週2での試合日程はザラ、ひどい時には週3も!?太く短く、この1ヶ月でチーム内の選手寿命に影響が出るのではないかと危惧するくらいの強行っぷりなのです。さすがにこの4月にW杯予選までは組み込まれ無かったようですが、もし今夏にW杯やEUROが行われたとしても・・・有力チームが続々敗退という事態は避けられなかったでしょう。こんなんじゃ代表戦が交替選手のオンパレードというのも仕方が無いですよ。
この時期の有名選手の顔は、年々やつれて精彩が無くなっているのが目に見えて分かります。これから10年後・・・この強行日程はますますエスカレートしてしまうのでしょうか?これは各国協会ならびにFIFA、UEFAといった主催者側、そして試合中継を行うメディア側、そして試合を見る”需要者”としてのサポーター側・・・色んな側面でより考えるべき問題であると思います。各コンペティションの縮小による日程改善・・・各方面の思惑が絡んで一朝一夕で改善される問題では無いと思うのですが・・・この4月は本当に選手にとっては「酷」な季節だと思います。いまのCLバブルがはじけた時が末恐ろしいですね。せめてバカンスにまではアジアやアメリカに選手を引っ張り回さずに・・・もっと選手を商品として”いたわって”あげて下さい(爆)
それゆえこの4月を見るだけでも「ダービーマッチ」は各国で花盛りでした。列挙するだけでも
・”フランスダービー” 「オリンピック・マルセイユ1-1パリSG」@フランス・マルセイユ/ヴェロドローム
厳密に言うとダービーマッチとは言えないが、ファンの熱狂度は十分ダービーマッチレベルでしょう。中田選手のOGが印象的でした。
・”クラシコ” 「R.マドリッド4-2バルセロナ」@スペイン・マドリード/サンチャゴ・ベルナベウ
銀河系軍団が相手チームの弱点であるベレッチ、ジオが攻めあがった両SBの裏のスペースを突いて首位バルサを攻略しました!
・”ミラノダービー” 「インテル0-3ACミラン」@イタリア・ミラノ/ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ)
発炎筒投げ込みというサポーターの「暴挙」で大騒ぎ、クォーターファイナルの舞台でCLの歴史に汚点を残しました。
・”クラシケル” 「フェイエノールト2-3ヤックス」@ロッテルダム・オランダ/デカイプ
前の段でも書きましたが、アヤックスがフェイエに対して敵地で「うっちゃり」を決めました!
さらに今週末にはプレミアリーグ優勝争いを占う、スタンフォード・ブリッジでの「チェルシーvsアーセナル」の”イングランドダービー(ロンドンダービー)”が控えています。そして来月になりますが、もはやこちらを”イングランドダービー”と称してもいい位の因縁の対決「アーセナルvsマンチェスター・U」がウェールズ・カーディフでFAカップファイナルの舞台で実現する事となりました。このファイナルは負けた方が今シーズン無冠という屈辱に終わる可能性も高いだけに・・・両クラブ、両サポーターともダービー並みに白熱する事は必至でしょう。
すでに今シーズン開催された分でも、元は共通のチームながらアンフィールドを”追い出された”側とアンフィールドに”残った”側に別れてしまったという歴史的因縁を持つ「エバートンvsリヴァプール」の”マージーサイド・ダービー”、また他国のダービーマッチとは一線を画するグラスゴーの、カトリックvsプロテスタントという「宗教戦争」の顔さえ持ち合わせるスコットランドリーグの伝統の一戦、「セルティックvsレンジャース」の”オールド・ファーム”など・・・各国リーグそれぞれに、同じスタジアムまたは同じホームタウンを共有するチーム同士の激突には枚挙にいとまがありません。欧州フットボールはこういったダービーマッチが彩りを加え、これから今シーズン終了までほぼ毎週がごとくキラーコンテンツが立ち並んでいます。そのため、ますます欧州フットボールシーンからは目を離す事が出来なくなるのです。見るほうも疲れる季節・・・さて、困った困った(汗)
またダービーマッチは過熱ぶりがゆえに生み出されたドラマティックな試合内容に魅了される事も多いのですが、またそのスタジアムが醸しだすダービー独特の雰囲気にも極上のものがあります。よってダービーのカードは試合前から軒並み「プラチナカード」となり、その雰囲気はチケットを買ってスタジアム内に入場した人にしかLIVEで味わう事は出来ません。自分は欧州フットボールを見始めた頃はベタに「ACミランvsインテル」の”ミラノダービー”の映像を見て見たい夢を持っていましたが・・・今となってはそれは風化して、それよりもぜひ見て見たいダービーマッチは上述の「セルティックvsレンジャーズ」の”オールド・ファーム”になりました。試合のレベルは他のダービーマッチに及ばないものかもしれませんが、「ダービーマッチの中のダービーマッチ」と言っても過言ではないその厳かなる雰囲気を・・・ビールっが多いセルティックサポーターに囲まれて出来れば一度”巡礼”し味わってみたいものです。ちなみに”クラシケル”は第12段にも書きましたがすでにアレナで、ラファエルのスコーピオン・シュートが生まれたあの試合を「観戦済み」であります。
さらに欧州で現在話題になっているの「Derby」は上述のダービーマッチ以外にもありまして・・・それは自分にとっても憧れの街の一つであり、また今シーズンCLファイナルの地でもあるトルコ・イスタンブールで行われたダービーマッチです。イスタンブールのアジア側にあるフェネルバチェを舞台に、”クラシケル”と同日の4/17(日)に開催された「フェネルバチェvsべジクタシュ」の”イスタンブールダービー”です。イスタンブールはロンドンやモスクワのように一つの街に多くの強豪クラブを抱える・・・いまや欧州を代表する「フットボール・シティ」の一都市となりました。オランダリーグと似通っているのはトルコリーグも”3強”クラブがこれまでリーグ全体をリードしてきた歴史があり、ガラタサライ、フェネルバチェ、べジクタシュというトルコリーグの名門で構成される”3強”はすべて、このアジア・ヨーロッパの架け橋となってきた文化の交差点・イスタンブールをホームタウンとしています。
先に試合結果を言えば「フェネルバチェ3-4べジクタシュ」、この試合まではホームで無傷の14連勝中であった首位のフェネルバチェが目下4位に沈むべジクタシュに負け、土をつけられた格好となりました。まあ「3-4」というスコアだけでも、この試合もいかにダービーマッチ独特の白熱した内容であったかを物語るものでありますが・・・この試合がなぜ欧州フットボールシーンのスターダムに駆け登ったのかといえば、その理由は残り12分余り、78分(後半33分)に提示された「イエローカード」にあったのです。この日アウェイで背水の陣で乗り込んできたべジクタシュ、既に優勝はおろかCL出場権すらほぼ絶望的な彼らにダメ押しするかのような、地獄に叩き落すかに見えたこの「イエローカード」が・・・試合が終わってみれば一夜にして後世に語り継がれるであろう、おそらくイスタンブールっ子は忘れる事の出来ない「イエローカード」になったのです。この「イエローカード」がドラマを演出し、思わぬスタープレーヤーが脚光を受ける事となったその試合とは・・・?↓
試合全体を通じてボールを支配していたホームのフェネルバチェと、少ないチャンスを好機に繋げるアウェイのべジクタシュ・・・3-2でべジクタシュが1点リードする所までの内容は割愛しますが、まずこの時点でべジクタシュのルザ監督(途中解任された元R.マドリッド監督・デルボスケの後任)は選手交代枠の3人をすでに使い切ってしまっておりました。これが後のドラマを生み出す一つの伏線となるのですが・・・。
ドラマの始まりは上述の78分、べジクタシュのGKコルドバが自陣のペナルティエリア内でフェネルバチェFWトゥンジャイを倒してしまったためホイッスルを受て、相手フェネルバチェにPKを与えてしまいます。これでこの試合2枚目のイエローカードを食らったGKコルドバはこの「イエローカード」が「レッドカード」に化けて退場になってしまいました。さて困ったのはべジクタシュ・・・選手交代枠3人をすでに使い切ってしまったため残り10分余りをホームのフェネルバチェに対し1人少ない10人で戦わざるを得なくなり、しかもGKにはその10人の中から誰かフィールドプレーヤーを回して”応急処置”を施さなければなりません。そこでルザ監督はピッチに残った10人の中で母国ルーマニアでGK経験があるらしい、途中交代で出場していたMFパンクゥをGKに指名する苦渋の決断を下しました。これで1点をリードしながら絶対的不利な状況に立つ事を余儀無くされたべジクタシュに対し、逆に絶好の同点機を得たフェネルバチェはこのPKをMFアレックスが確実に決めて・・・試合はこの時点で3-3の同点になりました。
そしてフェネルバチェのダウム監督はここを「勝負どころ」と見極めてオランダ代表でもあるFWファン・ホーイドンクを投入し、ホームの大声援にも後押しされ総攻撃を仕掛けていきます!対する10人のべジクタシュは即席GKパンクゥを中心に自陣エリアでなんとかこの猛攻を耐え凌ぎます。人で溢れかえり密集したべジクタシュエリア内の守備をなかなか割ることが出来ないフェネルバチェは、エリア外からのミドルシュートも試みるもののこれもGKパンクゥが即席GKとは思えない好セーブで防ぎます。まさに死力を尽くした総力戦は、8分という異様に長いロスタイムがフェネルバチェにとって仇となる意外な決着を迎えるのです。総攻撃で前がかりになったフェネルバチェ攻撃陣を掻い潜り、一瞬のスキを突いてカウンターに出たべジクタシュ!「窮鼠、猫を噛む」の言葉が当てはまるが如くこのボールを受けたMFコライがミドルシュートを放ち・・・そのシュートがなんとフェネルバチェゴールを揺らしてしまってスコアは4-3になってしまったものだからもう大変!奇しくも”クラシケル”「フェイエノールト2-3アヤックス」と同じくアウェイ側チームがロスタイムに勝ち越しゴール、この試合も「フェネルバチェ3-4べジクタシュ」という劇的なダービーマッチとなりました。
試合後にホームのフェネルバチェのサポーターは声援を送った自分のチームのまさかの敗戦に呆然とする事なく、むしろ大ピンチに陥りながら驚異の粘り腰を見せた・・・ライバルチームである相手のべジクタシュの健闘を称えて大拍手を送りました。フットボールに対する熱狂度では欧州の中でも屈指で、隣国ギリシャと並び応援するチームに対する崇拝ぶりは「狂信レベル」と言ってもいいトルコにおいて、黄色×青の「国見カラー」で埋まったフェネルバチェのサポーターがまさか・・・かつてあのイルハンも袖を通した白×黒の「ビアンコネロ」ユニを着たべジクタシュの選手に対して大拍手を送るなんて・・・このような光景は異例かつ目を疑う奇跡的なものでしょう。おそらくこの試合には勝敗という成績を超えた、フットボールを”ゲーム”としてではなく、エキサイティングかつアンビリーバブルな”ショー”として・・・サポーターの心をも捉えて離さなかったのでしょう。上述の”ミランダービー”や、試合前にアヤックスサポーターが電車を壊しただけでなく、試合後にはチームの不甲斐なさを嘆き今度はフェイエサポーターの方が街で暴徒化してしまったらしい”クラシケル”・・・こういった後味の悪いダービーマッチと比較すると、まさに対照的なエンディングシーンを迎えていたのではないでしょうか!?
この試合の活躍により、一躍この日のヒーローとなった”GKパンクゥ”は・・・DF、MF、FWを全てこなす上になんとGKまでもやってのける「超万能選手」としてトルコ地元メディアの称賛の嵐を受けたようです。確かにこれにオランダを代表するユーティリティプレーヤーであるPSVのコクーも真っ青なのでは?これはもしかすると6月のオランダホームでのW杯予選「オランダvsルーマニア」で、ルーマニアのゴールマウスを守るのは・・・この”イスタンブールダービー”で本職GK顔負けのゴールセービングを披露したパンクゥだったりするのかもしれません(笑) これはアヤックスで現在戦線離脱しているルーマニア代表の「本職」GKロボントもウカウカしてられなくなった事でしょう!その上、確かこのパンクゥはMFながら現在W杯予選でルーマニア代表チーム内のトップスコアラーじゃなかったかな?守備に使うか攻撃に使うか・・・彼の起用法はピトゥルカ代表監督にとっても「嬉しい悩み」なのではないでしょうか?
こうなりゃオランダも負けてられない!コクーもパンクゥのようにいつか、リーグ戦でもいいからGKやってみてくれないかな・・・エールディヴィジ優勝が決まってでもいいし、思い切ってCLセミファイナルのミラン戦でやってもいいし!そうすればもし代表戦でファン・デル・サールが退場しちゃうアクシデントなんかの時も対応出来るでしょう(爆) ともかくパンクゥはえらい!この日の”イスタンブールダービー”で間違いなくトルコリーグの歴史の1ページを刻んだ事でしょう。そんな彼には文句無く「天晴」です!
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