「イーグル、イーグル、じれったイーグル!」
疲れました・・・あんな長いPK戦は初めて見たような気がします。オランダはそんなPKが得意じゃないんだから、もっと早く決着つけてもいいのに・・・ナイジェリアもよく長い時間”お付き合い”してくれました(爆)
”ドリームカード”が実現したワールドユース「ナイジェリア-オランダ」は前半1分に”スーパーイーグルス”ナイジェリア・ユース代表の怒涛の波状攻撃でオヴォエリの先制ゴール!開始わずか19秒、電光石火の先制パンチでした。今大会で初めて先制された”オラニェレーウン(オレンジライオン)”オランダ・ユース代表。この先制攻撃に今大会初めてリードを許す展開に序盤は浮き足立つも、その後はナイジェリアの攻撃をラインを下げて修正し、なんとか食い止めて対応。徐々に巻き返して惜しいシーンを何度か作りながらも同点ゴールには至りませんでした。
何の因果かオランダが追いついたのも後半キックオフから1分以内で・・・右サイド・フィンケンの突破から得たセットプレイ、このCKがエリア内に上がってきたDFフラールの頭にピタリと合って追いつきました。これが「ナイジェリア-オランダ」の長い1日の序章、”イーグル&ライオン”はベスト4進出に向け互いにしのぎを削り合います・・・。
とは言ってみたものの、実際は決め手を欠いた展開と言ったほうが正しかったのかもしれません。オランダはフラールの同点ゴールを境に・・・連日の試合消化による疲れからかパフォーマンスが低下してしまいます。特にその傾向が顕著だったのがアヤックスから選出されたマドゥロ主将とFWバベル。エマニュエルソンやクインシーももはや「電池切れ」状態で70分過ぎに途中交代。グループリーグから決勝トーナメント、クォーターファイナルへ至るまでの消耗度の激しさをまざまざと見せ付けられた状態でした。そんなグロッキーなライオン・オランダに対して、イーグル・ナイジェリアも致命傷を与えるには至らず・・・寸でのところで最後の砦、オランダのGKフェルメールが好セーブを披露します!前日に行われた「モロッコ-イタリア」、「ブラジル-ドイツ」と同じく、この試合も”何か”に導かれるように延長戦に突入していきました。前日の試合でイタリア、そしてドイツと欧州勢が続々とクォーターファイナル敗退となっていたので、ホスト国オランダもそういう流れにのるのでは?とも・・・確かにこの時点で思いましたけど(爆)
延長に入るとライオンはさらに「お昼寝」状態?FWにC.ヨンを投入したものの彼にボールが納まらずフォッペ・デ・ハーン監督もなかなか思い描く攻撃が出来ません。それよりもDFから中盤にかけるエリアでのパスミスが非常に多く目立ち、その度に高い位置でボールをカットする鷲の格好の”餌食”となりました。今までユースで目立った成績を残せなかったオランダのユース代表、いつもはこんな感じで負けパターンに陥るんだろうなぁと頭をよぎることもしばしば。しかしナイジェリアも有り余る身体能力を過信したのか無理な体勢でのプレーでボールが繋がらず、「お昼寝」状態のライオンにイーグルも羽根を休めてこの時間帯も”お付き合い”してしまったようです。ゴールが割れそうで割れない、ナイジェリアの将・シアシア監督もさぞ苦虫を噛み潰す展開だった事でしょう(爆)
長丁場に入ったクォーターファイナルは当たり前のように同点、PK戦へ・・・。EURO2004のクォーターファイナル・スウェーデン戦で兄貴分のA代表はようやくPK戦の「呪縛」を取り払ったものの、やはりオランダとPK戦との相性はよろしくなかったようです。まあ、PK戦で”ライオン”は力尽きたというより、腹を空かせた”イーグル”を相手によくここまで持ち込めたな・・・という感じ。PK戦は「アンタは負けだ」と烙印を押されるのを待つような気分でした。やっぱりオランダのPK戦を見ていると「勝てる気がしない」(笑)
先攻のオランダが再度に渡りPKを止められながら、なぜか後攻のナイジェリアも同じくPKを失敗してしまうという・・・このPK戦も両軍合わせて延べ24人、PKキッカーがGKを含むフィールドの11人が一巡してしまうほどの長期戦となりました。共に2人のPK失敗、PK9-9の同点で迎えた2巡目、オランダ12人目のキッカーは1番目のPKキッカーだったC.ヨン。彼が2回目のPKを強めに放った時・・・ナイジェリアGKヴァンゼキンにセーブされて万事休す!3時間を超える炎天下の熱闘は・・・ナイジェリアの2巡目、DFタイウォのPK成功でようやく幕を閉じました。「電池切れ」の目立つ選手の仲で奮闘したクライスはPK失敗に男泣き!これで彼の所属クラブのホームであるファイナルの地・ユトレヒトに凱旋することは出来ませんでした。ライオンは今大会で慣れ親しんだケルクラーデでイーグルに屈し、この地に骨を埋める事となりました。
ホスト国という事で優勝も至上命令・・・と言われる方もおられたようですが、【第69段】で書いたように、これまでユース年代でさして目立った成績を残せなかったオランダがここまで勝ち残ったのは立派な事だと思います。A代表でなくユース代表の試合でもスタジアムをオレンジ色に染めた事だけでも、これまで「ユースの試合なんて面白いの?」と関心が薄かったオランダ国内において・・・今大会のユース代表はオレンジサポーターをスタジアムに足を運ばせただけでも、大会の運営面で十分ホスト国の重責は果たしたのではないかと思います。
大会開催前はこの粗削りなチームがグループリーグで「空中分解」するのではないかとどうも疑心暗鬼だったのですが、いざ蓋を開けてみると左サイド・クインシーの活躍をはじめとした驚きの連続。恐れずに言えばファン・バステン監督率いる現在のA代表よりも、このユース代表の方がよほどスペクタクルな印象を受けました。ベスト8進出はオランダ歴代の最高成績ですし、今大会のチームもぜひ胸を張って欲しいと思います。個々の選手も小さくまとまることなく各方面に十分「アピール」は出来たのではないかと思います。未完成のチームが未完成のまま道を突き進む・・・ライオンは成獣に成長することもなく、やんちゃであどけなさも少し残る子供のままでまだまだ暴れてくれる事でしょう。それがたとえEURO2008になっても、「富士サファリパーク」ではなくスイスかオーストリアで成長したライオンを楽しみたいものです。
ユース代表のみなさまお疲れさまでした。ライオンはおやすみなさい、そしてイーグルは次のステージにまた飛び立ってください。しかし「モロッコ-ナイジェリア」もまだまだ面白そうだなぁ・・・モロッコが主力をカード累積で欠いてしまうのも、ナイジェリアがこの長期戦でかなり消耗してしまったのもどちらも「痛しかゆし」ですけど。前の段で勝手にベスト8以降をシナリオ化して、せっかくモロッコが勝ちあがったのに・・・シナリオの主役は抜けてしまいました。アフェレイとモロッコを引き合わせて欲しかったなぁ・・・と思うと、包み隠そうとする「悔しさ」もついついこぼれ落ちてしまうものですが(爆)
「ライオン、ライオン、チャンドンゴオ〜ン」・・・「おーし!暖まってきた・・・オレが!」
ワールドユースの「イーグル&ライオン」も良かったけど、「タイガー&ドラゴン」最終回も良かったなぁ(笑) |