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Oranje 徒然草
つれづれなるままに、日ぐらしPCにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 
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2005年9月17日(土)
【第88段】 ベルカンプ・ラストステージ

先日、ふと某FMでJa Rule feat. Ashantiの「♪Always On Time」が流れました。その瞬間、背筋に得も知れぬ「ゾクゾク感」が走りました。イントロを聴いただけでヤバいし、Ashantiのキャッチーなフックはいまだに聴く人の心を捉えて離しません。そしてJa Ruleの「ダミ声Rap」も・・・(笑) 3年前かな?もうずいぶん前の曲なんですけど、色褪せない「不朽の名作」というのはやはり存在するものなんですねぇ。しみじみ・・・。おっと!いかんいかん!古いモノにすがりついていると・・・”MJ”の”教え”を思い出さねば。

「古い物は”説教”によってしか、その良さを伝えられない。その事を飲み屋でしみじみと感じたね。」

と思っていたら、”歌姫”Ashantiが早口ラッパーN.O.R.E.とコラボってる新曲をアナログ盤で”発見”!「♪Hang Hang」という曲なんですが・・・これまた素晴らしい曲でありまして。なんか久々だけどAshantiさん、「GJ」です♪”蟹江”さんもやっと・・・マライアさんを全米1位の座から引き摺り下ろしてくれた事ですし・・・それにしても、N.O.R.E.は「Roc-A-Fella」レーベルに移籍後・・・いつになったら初アルバムを”Drop”してくれるのでしょうか!?当初は昨年の12月にリリースの予定が延期につぐ延期で・・・ウワサによると来月?ということですが、これで本当に「FA」でいいのでしょうか?


05-06シーズンCLが「開幕」しちゃいました。早くも目が離せない状態で面白くて・・・毎年の事ながら困りますね(爆) 注目はやはりアヤックスが居るグループBです。アヤックスは開幕戦のスパルタ・プラハ戦(A)を終了間際のスネイデルの起死回生のミドルシュート(10本に1本入るかどうかのファインゴール!)で1-1のドローで終えました。ここ2シーズンはACミラン、ユーヴェといったセリエのチームに負けてCL開幕戦は「黒星続き」だったので、プラハでのアウェイ戦で「勝ち点1獲得」でも十分な好スタートだと思います。そして次節は9/27(火)でアーセナル戦(H)、グループBの「大本命」とのホーム戦でございます。

そのアーセナルですが、彼らのCL開幕戦はスイスの”謎のチーム”FCテューンとのゲームでした。前半にファン・ペルシーが「飛び蹴り」!?見方によっては相手DFの方がファン・ペルシーに”玉砕覚悟”で突っ込んできたようにも見えたプレーが、「足の裏を見せた」ということでファン・ペルシーは一発レッド!退場の憂き目に遭いました。前半は攻めあぐねてスコアレスドロー・・・後半にジウベルト・シウバのゴールでアーセナルは先制しますが、そのわずか2分後にFCテューンのフェレイラがほとんど後ろ向きから「やみくもに」反転したシュートがなんとゴールネットに吸い込まれて1-1の同点に追いつかれてしまいます。アーセナルは審判(この日はポーランドの審判団)の”疑惑の判定”とFCテューンの”ガムシャラ”な守備に振り回されながら勝ち越しゴールがなかなか奪えません。業を煮やしたベンゲル監督はやむを得ず73分、中盤のセスクに代えてエースのデニス・ベルカンプをピッチに投入します。残り10分を切ると、さらにベラルーシ代表FWのA・フレブ、そしてオランダユース代表FWのクインシー・オウス・アベイエのFW2枚を一気に投入します。それでも一丸となって守るFCテューンの牙城を崩せず、アーセナルに焦りの色が見られました。試合はついに90分が過ぎてしまい、後半ロスタイムに突入・・・センターライン後方から一本のロビングが上がりました。

そのボールはペナルティエリア付近センターに張っていたベルカンプの元へ飛び込みます。ベルカンプは片足を軸にクルッと回転するように動いてこのボールをトラップします。ジズーの「マルセイユ・ルーレット」とはまた一足違うプレーなのですが、マークに付いたDFをこれで翻弄します。そしてボールはマークに付いたDFの後方ではなく、ボール自身がまるで「意志」を持っているかのように真横(右側)にススーッと転がります。そのボールを、まるでボールの軌道を予測していたかのように直線的に追うベルカンプ、FCテューンもベルカンプを体ごと「潰そう」と捨て身の守備を講じます。こぼれ球は・・・両者の激突でDF真後ろにコロコロと転がっています。36歳とは思えぬ”強さ”、「剛」のプレーでいち早く立ち上がったベルカンプはそのボールをゴールネットに押し込みました!土壇場で2-1と勝ち越したアーセナル!拳を握ったベルカンプはこの劇的なゴールにも”控えめ”なガッツポーズ、むしろ窮地を救ったベテランの活躍に周りのチームメイトが狂喜乱舞!彼らはベルカンプに抱きついて、群がって喜びました。そして、ファン・ペルシーを退場に追いやったポーランド人主審のホイッスルがハイバリーに試合の終了を告げたのです。

むろんハイバリーのスタンドは総立ち。試合前は想像もしなかった「スタンディングオベーション」に迎えられた幕切れ。もしオランダ代表ファンの方がこのベルカンプのゴールをご覧になったならば、おそらく98年W杯フランス大会クォーターファイナル・アルゼンチン戦での同じベルカンプのスーパーゴールを思い出された事でしょう。そう、CBのフランク・デ・ブールが最後方から放った1本のフィードを・・・絶妙なトラッピングですぐさまゴールに沈めたあのゴールを!あのW杯でのゴールに勝るとも劣らない「超絶技巧」のトラッピング!「ワールドダウンタウン」の司会者ジル・ベッソンをして「エク、エク、エク、エク、エークセレントッ!!」と言わしめるゴールシーンをベルカンプはまたしても再現してみせたのです。


試合が終わった後は、汗を拭い激闘を称え合う両チームの選手たちがピッチ上に居ました。その中でベルカンプにピタリとくっついてユニフォームを脱ぐのを待つFCテューンの選手が。当然、ベルカンプはその選手とのユニフォーム交換に応じます。すると、交換に応じてもらったその選手はまるでサッカーキッズのように目を輝かせて・・・「至上の喜び」を表情に出していました。クラブ総予算が5億円に満たないスイスの小規模クラブ、FCテューンにとっては今シーズンのCLに出場するだけでもう「夢物語」です。そしてTVで見た憧れの選手とゲーム出来て、しかも終了後に一生の思い出にもなるであろうユニフォーム交換・・・「夢なら覚めないで・・・」彼の笑顔もまたこの試合の”ハイライト”であったかもしれません。

実を言うとアーセナルはあまり応援していません。アーセナルの試合で最も印象的なのも・・・00-01シーズン(4年前?)のCL2次GL「スパルタク・モスクワ 4-1 アーセナル」です。モスクワのルズニキ・スタジアム(雪にまみれた田んぼのようなピッチコンディション)でアーセナルの負け試合、かつ、スパルタクのフットボールに釘付けとなった試合です。ちょうど今シーズンのCL開幕戦で「オリンピック・リヨネ 3-0 レアル・マドリッド」という試合がありましたが、この試合と当時のスパルタクの試合は「衝撃度」が似ていると思います。もっとも、スパルタクの選手が今シーズンのOLの選手のように「欧州制覇」への自信に満ち溢れたものではありませんでしたが(笑)

セリエAやリーガ・エスパニョーラ辺りは最近めっきり見なくなりましたが、プレミアリーグはたまに見ます。でも気になる項目は「ファン・ニステルローイ、きょうは点を獲ったかな?」という事と、「ロッベン、きょうはケガをしなかったかな?」という2点に絞られます(爆) 今後は前述の通りようやくCLデビューを果たしたクインシーの事も気になって「クインシーはきょうの試合に出たかな?」という項目も加わって、そしていつかはハンブルガーSVで”キレッキレ”なファン・デル・ファールトも「プレミア上陸」を果たしてくれる事でしょう・・・。そもそも、自分がイングランドのクラブの中で好きなのはリーズ・ユナイテッドなもので・・・。このクラブは現在降格して1部の方に居るのですが、きっといつの日かまたプレミアリーグに昇格して戻ってくるはず。リーズもまた今シーズンでリーガ・エスパニョーラ1部に昇格したセルタのように甦ってくれる事を信じております(爆)


CL開幕戦で、相変わらず「ゾクゾク感」をファンに与えてヒーローになったデニス・ベルカンプなのですが、ついに彼も現役引退の時を迎えようとしています。いや、前からこの人は「引退」と背中合わせで選手生活を過ごしてきて、その度にクラブとの単年契約を延長してきた人ですから・・・今後クラブ側が強い”慰留”を見せれば、このベルカンプの決意もまた変わるかもしれません。でも、ベルカンプの意志を尊重するならば彼のプレーが見られるのは今シーズン限り。オランダ代表としてはEURO2000後にすでに引退して、その後は所属するアーセナルで、アーセナルのファンに最高のプレーを提供してきました。

感情を表に出さない「アイスマン」そのプレーぶりは華麗で繊細なものの、ベルカンプにはどこか「悲壮感」も感じ続けました。それが栄光を極めたアヤックス時代から一転、不遇の時を過ごしたインテルでの面影から来るものなのか、バロンドールやEURO、W杯といった国際舞台でノンタイトルだった選手としてのキャリアによるものなのか・・・あまりに有名すぎる「飛行機恐怖症」に苛まれ、遠征はNG。彼の有り余る才能からはじき出せば決して「順風満帆」とは称せない選手生活だったのかもしれません。

それだけにベルカンプを慕うファンは彼の「ラストステージ」をありったけの敬意とありったけの拍手で迎えるのでしょう。アーセナルというチームの中でも(もちろんベンゲル監督の手腕もありますが)同じくユーヴェで不遇の時を過ごしたFWアンリ、ACミランで不遇の時を過ごしたMFヴィエラといった、イタリアで「トラウマ」を持ってしまったプレイヤーたちが、後に才能を遺憾なく発揮して名だたるビッグクラブの羨望の眼差しを受けたのも・・・同じ境遇を持つベルカンプの背中を見て育った故なのかもしれません。ヘアースタイルで「田原○彦さんに似てきた」とか言っている場合じゃないです。プロのプレイヤーが敬意を表するプレイヤー、ベルカンプはそんな数少ない選手の中の一人です。


9/27(火)のCLグループB第2節「アヤックスvsアーセナル」は2週間後。アンリが戻ってこなくて、なおかつヴィエラ不在の中盤に難を残すアーセナル。グループB「大本命」のチーム整備が遅れているこの時期での対決に、アヤックスはつけ入るスキを見出すかもしれません。でも実際、アヤックスも週2試合ペースの「地獄のスケジュール」が9月いっぱい続くため・・・この試合を迎えるまでにどれほど余力が残っているか?とかなり不安です。まあそれ以上に、アレナでのこの試合がおそらく・・・ベルカンプによる母国、そして古巣アムステルダムでの「ラストステージ」となります。首位アーセナルとの試合というよりも、「ベルカンプにとっての最終章」ということでメモリアル的に、9月末の「アヤックスvsアーセナル」は”プラチナ・チケット”となるのは必至。アヤックスの応援ももちろんですが、ベルカンプのアレナでの「最後の勇姿」を記憶の中に刻み付ける・・・アムステルダマーは名選手の去り際を目に焼き付ける事になるのです。

かなり気は早いですが・・・ベルカンプに感謝。素晴らしいプレーの数々ありがとう。あなたはすでに「伝説」です。

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