在パラグアイ日本商工会議所・月例定例会

月例定例会・総会 (田中裕一 会頭) 一年目
2006年 7月に田中裕一氏が会頭に選出された。
月例定例会 (2007年06月27日)
在パラグアイ日本商工会議所 2007年 4月定例会が開催された。
日時:2007年06月27日(12:00−14:05)
場所:内山田 別室
田中裕一会頭挨拶:
今回から品質・生産性センター強化計画プロジェクトの専門家として滞在されている土屋茂機さん、矢口宏一さん、中島修さんのご三方に新たに特別会員として参加していただく事になりました。今日は矢口さん、中島さんのお二人が出席されています、後ほどご挨拶をいただきたいと思います。さて、会議所が取り上げる大きなテーマの一つといたしまして、牛肉、鶏肉、豚肉などの肉類の日本への輸出を考えております。日本におきましては国民の間で食の安全が大きな関心事となっておりますが、主要輸入先である中国からの産品の中には残留農薬など数多くの問題が見つかっております。このような状況の中で食料基地としての南米が注目されています。既にブラジルからは鶏肉などの輸出が大幅に拡大する中で、パラグアイにも大きなチャンスがあり、肉類を日本向けに輸出出来るのではないかと考えております。今回の定例会では肉類の中でも特にパラグアイの重要な輸出産品となっている牛肉を取り上げます。まず林総務からは先週サンパウロで行われました和牛の展示会の報告、そして現在パラグアイの肉類の輸出をパラグアイの牛肉生産の現状と将来に関してコントロールウニオンのビクトル・メディナ氏にお話を伺うことになっております。講演終了後には大使館から宍戸書記官もご出席いただいている事でもあり、将来日本へ輸出を実現するには何が必要でどのようなアクションが出来るのか時間を取り自由討議を行いと考えております。
新規特別会員・矢口宏一氏、中島修氏(JICA品質・生産性センター強化計画プロジェクト) 挨拶
(1)中島 修 氏
パラグアイの中小企業コンサルタント人材の育成の為にJICAの専門家として派遣されてきました。分野は販売、マーケティングです。この3月まで関西の大手家電メーカーにて20年以上に亘り中南米向けのマーケティングを担当していました。5月に赴任し一ヶ月半程経ちようやく生活にも慣れてきたところです。会員の皆様でマーケティング等、相談事案ありありましたら出来る限りのことは協力させて頂きます。今後とも宜しくお願いします。
(2)矢口 宏一 氏
品質生産性センター強化計画プロジェクトの業務調整員の矢口です。パラグアイには通算8年間おりました。最後に滞在したのは約10年前でしたが、パラグアイも以前と比較して少しずつ変わってきている様な気がします。当該プロジェクトには隣の中嶋専門家の他に、土屋リーダーがいますが、丁度今日は講義があってこの会に出席できず、皆様にくれぐれも宜しくお伝えして欲しいと言付かって参りました。今後とも宜しくお願いします。

(写真:新たに参加された矢口宏一さん、中島修さん)
講演-1 林英二郎氏(ブラジル和牛展示会に出席して)
6月19日から23日までサンパウロで開催されたFEICORTE(サンパウロ州政府主催)という第13回畜産物品評会を見学に行った。この中でブラジル和牛生産者協会主催の「第1回和牛品評会」が行われ日本から武田正吾さんが審査員として出席された。武田氏は北海道在住で米国に和牛を紹介した本人でもある。品評会では43頭が出品され武田氏による審査の後午後には和牛生産者によるセミナーがあり大盛況であった。夜には競売がありメスの準チャンピオンが27,000ドルで落札されるなどブラジルでも和牛に対する感心が高まっている事が感じられた。和牛協会の飯崎会長はブラジルでの品評会開催が和牛普及の第一ステップと位置付け今後生産された肉の格付けをする協会を作り質の向上と品質の確保に努めて行きたいと話された。 現在ブラジルでは和牛F1(交配種)、純粋種も含め約1万頭が飼育されている。チリは23,000頭、ウルグアイ18,000頭、アメリカ10,000頭、オーストラリアでは80,000頭が飼育されており南米ではチリが断トツである。 チリは口蹄疫清浄国なのでアメリカ、ヨーロッパはもちろん日本へも直接 輸出ができるので今後輸出量を増やすのに頭数を増やす努力をしている。パラグアイでは私だけが和牛生産しており生産量では他国に太刀打ちは出来ないが品質を向上してサシの入った良質な和牛肉を生産して行きたい。

(写真:林英二郎さん)
講演-2 ビクトル メディナ氏(コントロール・ウニオン社) 「パラグアイの牛肉生産の現状と将来」
1.牛肉の通商状況
○近年、食肉分野での変化が世界規模で現れている。
○消費量が増えたのは、「一人当たりの収入の増加」「都市圏での人口の拡大」「食肉の相対的価格の変化」によるもの。
○その消費パターンが変化してきている。牛肉の消費量が1990年から2000年の間伸びが小さいのに対して、鶏・豚肉の消費が増えて来ている。(鶏55%、豚21%)
○メルコスール、中でもチリのケースでは、鶏・豚肉分野の赤身の需要に適応することや、同時に生産分野において、大量生産でコスト削減を図り、新製品の生産や改良に高技術を導入した。また鶏・豚製品の均質性の確保と供給の安定を図った。
○しかしながら消費者は健康志向による食文化の変化から低脂肪製品を好むようになり、白身は赤身よりヘルシーに見える上、安く購入できることから次第に鶏・豚に手が伸びるようになってきている。
○各国国内での政策や、貿易での煩わしい手続きのハードルが低くなったこと、運搬面でのコストが安くなったこと、新製品開発・梱包の改善によって、世界規模において牛肉の生産改良は国際貿易を活性化した。従って、輸出が1998年−2000年の間で17%伸びている。
○輸出分野において米国への輸出の増加やヨーロッパ向けの減少、日本や中国などのアジアやメキシコにおける食文化の転化が強いことから影響は多かれ少なかれ目立ってきている。
○メルコスールは全体で2億7,500万頭の食肉牛を保有する世界最大の牧畜地域であるが、未だに世界での知名度が低い国が多くある。パラグアイのような国もその一つである。
パラグアイ事情
パラグアイ面積は約40,675,200ヘクタール
その中で25,000,000ヘクタールが牧畜面積。
9,935,422頭の牛を保有
屠殺率:屠殺のことを指す。パラグアイでは14〜16%。数年前までは14%だったが今では16%になっている。
2.パラグアイ牧畜地分布
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分布 |
面積(ヘクタール) |
面積(%) |
|
自然の土地 |
12.626.004 |
50 |
|
利用地 |
4.040.321 |
16 |
|
原始林地帯 |
7.070.562 |
28 |
|
沼沢地、その他 |
1.515.121 |
6 |
|
全体 |
25.252.008 |
100 |
(原始林の78%はパラグアイ西部地域にある)
84%の牧畜地は農作業に対しては適していない。
西部地域には原始林地帯の割合が高い。この地形の割合は牧畜事業展開上で重要なポイントとなってくる。
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オペレーション |
Hacienda |
重量
Kg |
価格(グアラニ) |
トータル |
|
A |
40 NOV |
403 |
4.400 |
1.773.200 |
|
B |
40 NOV |
380 |
5.000 |
1.900.000 |
|
C |
40 NOV |
215 |
8.700 |
1.870.500 |
3.2006年の屠殺の分布
○経済・衛生面などの関係上、パラグアイでは2001年から状況が変化し始めた(国際市場、SENACSAによる国内その他重要機関の要請による変化)。
牛肉商品化の3タイプ
・ 牧場での購入
・ 競り市での購入
・枝肉(冷凍)での購入
〜売り手側からの視点〜
オペレーションA:牧場での購入
農牧の変化・狂牛病などパラグアイでの状況の変化は例のように受けられる。
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農場Hacienda |
総重量Peso
bruto |
正味重量(4%)Peso
neto (4%) |
Kg/グアラニー Peso Gs por Kg |
1頭あたりPo r Cabeza |
|
40 novillos 肥育去勢牛 |
420 |
403 |
4.400 |
1.773.200 |
長所:価格相場がわかる
牧場で牛を渡すことで、牧場から先(外)でのリスクが無い
短所:集金が長期的
市場による徹底的な分析、売り手・買い手の付き合いや信頼が必要となってくる。
計量士もしくは計量器がない場所がある。
オペレーションB:競り市での購入
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重量 Peso |
最終重量 Desbaste |
枝肉 Peso Final |
Kgあたりの金額Precio por Kg |
1頭あたりGS Por Cabeza |
|
420 |
10% |
380 kg |
5.000 GS |
1.900.000 |
|
|
コミッション |
1.5% |
|
28.500 |
|
|
付加価値税 |
10% |
|
2.850 |
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Gastos |
Flete運賃 |
400Km |
|
92.000 |
|
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COLCAT |
|
|
1.500 |
|
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Sub-total |
|
|
124.850 |
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|
|
|
1.775.150 |
colcata;牛泥棒対策の負担金
長所:公での競売により価格が明瞭
即払い、確実性、
多様な買い手
短所:セリ市場への搬入までに問題が発生する可能性がある(事故、天候による道路閉鎖)、価格の不安定さ
オペレーションC:枝肉での販売
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生体重(kg) |
Rto. % 歩留まり率 |
Peso Final 枝肉(kg) |
枝肉GS/kg |
1頭あたりGS Por Cabeza |
|
420 |
51 |
215 |
8.700 |
1.870.000 |
|
Flete(運賃) |
|
|
|
92.000 |
|
COLCAT(負担金) |
|
|
|
1.500 |
|
Sub-Total |
|
|
|
93.500 |
|
|
|
|
|
1.776.500 |
長所:最良価格
短所:売り手がリスク負担
分割払い
3つのオペレーションの結果
オペレーションA:牧場での購入 1,773,200
オペレーションB:競り市での購入 1,775,150
オペレーションC:枝肉での販売 1,776,500
4.食肉の輸出先
アルバニア、ドイツ(※)、アンゴラ、オランダ領アンティル諸島、サウジアラビア、アルゼンチン(※)、オランダ領アルバ、バーレーン、ベルギー(※)、ボリビア(※)、ブラジル、チリ、中華人民共和国(※)、コロンビア、象牙海岸、デンマーク(※)、エクアドル、エジプト、アラブ首長国連邦、スペイン(※)、フランス(※)、ガーナ、赤道ギニア、香港、インド(※)、コモロ諸島、イスラエル、イタリア(※)、ヨルダン(※)、大韓民国(※)、クウェート、レバノン、マレーシア(※)、モルダバ、メキシコ(※)、モザンビーク、パレスチナ、ペルー、ポーランド(※)、ポルトガル(※)、プエルトリコ、カタール、コンゴ民主共和国、ロシア、セネガル、南アフリカ、タヒチ、トルコ(※)、台湾、タイ(※)、ウルグアイ(※)、米国(※)、ベトナム(※)
(※): 副産物(内臓、皮など)
5.優先市場
○チリやブラジルが重要な市場ではあるが、パラグアイの戦略としては他のより価値の高い市場に注目して行くべきである。
○途上国での需要増加は取引増加の基本的な要素となるが、その国(途上国)の市場が次第に強くなったとしても、現存の強大市場が大きい国にさほど影響を与えない。
○アジア市場は価格がとても高く、衛生面で壁が大きくのしかかってくるだろうし、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカのような昔からの供給国との厳しい競争をしていかなくてはならない。
○パラグアイはヨーロッパ、アメリカ、メキシコを考慮しなくてはならない。
〜生産をどのように差別化するか〜
質と自然性のコンビネーション
質 -牧草による肥育仕上げ
自然食品 -ホルモン、抗生物質なし
-健康管理
-環境・家畜管理
〜付加価値のための道のり〜
○優先市場における需要と消費者の調査
○顧客ニーズを満たす「強み」、食肉の差別化のためのメカニズムを進展
○需要に応じての供給体制の確立
○認証プログラムの進展
○国際規格での承認
○プロモーションと銘柄の格付け(地位)
〜パラグアイの畜産業者の将来〜
今までは一度もこの地域の畜産業者にはチャンスというものが無かった。今はチャンスではあるが、激しい競争が続くと予想されるし、先進国での消費者の要望に応じて生産されるものだけが、より価値のあるものとされ、将来において成長・拡大が見られるものとなる。
6.パラグアイの食肉市場
○チリからパラグアイの輸出は2003年1月から11月の期間で、前年の同じ期間と比べ3.5%減少。
○同じ期間で、パラグアイからチリの輸入が49.6%の減少をみせた。
○39.1%の貿易が縮小し、その結果68.9%貿易収支の赤字が縮小した。
〜ワクチンと牧畜業者〜
○隣国の口蹄疫対策の枠組みの中で、SENACSAは113,647人の牧場主が保有する牛の9,832,932頭にワクチン接種や査察を行った。(第一回、第二回予防接種期間平均で)
○また同プログラムの下、口蹄疫抗体レベルを探知するため2006年に免疫学サンプリングが実施され、それは口蹄疫ワクチン研究所を通して予防接種キャンペーンを評価するためのものである。分析された270人の牧場主から得た3,355のサンプル結果が2007年1月中旬に明らかになった。
7.2006年には食肉輸出において66%の収入
前年に比べ牛肉の輸出量は24.15%増加した(情報源:SENACSA、2006年1月1日〜12月22日まで)
2006年では490d輸出された。アルゼンチンとブラジルで口蹄疫が発生した後、チリとロシアからの需要が増えた。パラグアイの食肉輸出市場は31ヶ国あり、そのうちでもロシアが主要な買い手である。またロシアに次いでチリが続き、チリは2006年の同期間で牛肉31,310dが約1億800万ドルの価格で購入した。国際市場ではチリはパラグアイ肉をトン当り3,453ドルで購入する主要市場の一国である。
8.2006年の牛肉輸出
○11月にパラグアイ政府は国内需要を満たすためにアルゼンチン肉の輸入を許可した。この措置は国外市場へ肉が輸出されたことにより国内市場でのいくつかの肉の部位が高騰した事に対応した措置である。
○この状況(肉の値段の高騰)は2006年のパラグアイ経済の高インフレになった大きな要因の一つである
○ 消費価格について、2006年上半期は徐々に反落する傾向にある。
○2006年下半期後半に再度価格が上昇に向った。
○下半期では全てのものにおいて値段が上がったわけでなく、牛肉や蔬菜の値段が集中的に上がった。
9.チリはカニンデジュ県の牧畜業者に対する衛生面での制裁を解除するかもしれない
○チリ厚生機関はカニンデジュ県に対して肉の輸出を制限している。カニンデジュ県ではチリに食肉を輸出できる牧場が22箇所登録されており、制裁前はこの区域から全体の10%が輸出されていた。この制裁は2007年7月には一部解禁(22箇所のうち8箇所の解禁。残りは再検査が必要)する見通し。解禁の背景としてカニンデジュ県が厳しく口蹄疫ワクチンを接種したことで、チリからの見直しがあった。
○最近行われた検査では、チリ検査チームが冷凍庫を監査するなど公衆衛生面での検査が厳しく行われた。この検査目的は主にチリがカニンデジュの肉を発送許可するかどうか詳細に現地調査することである。
○2005年10月、口蹄疫が報告されたブラジルのハポラ市やエルドラド市から近いということからチリでは「安全性」という理由でカニンデジュの牛肉に対して市場を閉鎖していた。
○チリ技術者は広域に渡って(パラグアイ−ブラジル間に)自然障壁が無いため、ブラジル側まで口蹄疫が蔓延していると宣言し、そこで近辺の県に潜在的な危険があると考慮した。
○パラグアイの面積は404,975平方キロあり、その中でもパラグアイは気候や土地、植物の違いのある東西に分かれており、大部分は牧畜として使い道がある。
○パラグアイは大きく分けて東西二分されているが、細分すると14箇所の自然地域に分けることができる。
○パラグアイでは1970年ごろから徐々に放牧頭数が増えている。つまり1971年ごろは450万頭、1985年ごろはおおよそ700万頭、91年は761万、2000年で950〜1000万頭と、その期間で43〜55%の増加率を見せている。
○上記増加率はこのまま維持されるとは考えられず、将来減少すると思われる。
○一方で、アルゼンチン及びウルグアイにおいては人口の伸び率が牛の放牧頭数の伸びを上回っている。パラグアイとブラジルではその人口の伸びと頭数の伸びはほとんど同じである。この増加はパラグアイ北東部(パラグアイ川を挟んで東側)とチャコ地方(川を挟んで西側)西南部においては集中的な森林伐採を通して新しい牧草地を開発してきたことが理由としてあがる。
○1981年では牧草地が100万ヘクタール近くあり、1991年には231万ヘクタールあると報告されていた。1994年に328万ヘクタールまで登りつめた面積は今もなお増加している。
○牧畜はパラグアイ東部では*セブ種が多く、チャコ地方ではセブ種とヨーロッパ種の交配種が多く見られる。セブ血統の割合が減少傾向で、ここ数年で加速化しており牛の品種は著しく良くなってきている。
10.生産の特徴
○食肉生産の大部分は中規模及び大規模なものであり、国内牛の90%以上がコントロールされている。
○この牧畜業において資本は土地が大部分であり、経営規模においては多様性があるが、その(土地の)使用法は大体粗放的である。
○先進技術を適用することはあまり見られず、粗放的・伝統的方法で生産されているというのが一般的である。
○前述したように、1960年から牧草地の種まきの為にそれまで湿地の利用や半乾燥地のような熱帯林の森林伐採の増加が見られるが、殆どのケースにおいて(開拓した所の)管理が未だに不十分である。
○1970年から生産が飼育と肥育の分野別に増加していて、それは特に、パラグアイ東部の最善の土地で行われ、またチャコ地方と東南部は飼育が盛んである。
11.技術の創造と移転
○この分野(技術創造と移転)に従事する公・私の機関が多様にあり、1990年代から農牧省は研究と普及を目的に新しい視点から牛種と交配、生産、牧草利用や除草管理などの研究が試験所などで再び行われ始めた。
○ CEAや飼育協会などのような団体以外の試験所は、昔に比べ推進する力が衰えている。
○情報の絶対量が不足しているので、生産者と国の組織が一丸となって情報を提供していく必要がある。このような情報が、隣接国の類似する生態系の地方に、(その適応する生態系の)牧畜試験所が進んだ技術の導入と有効利用の促進を生み出して行くかもしれない。これは既に*IICAによって提案されているが、散発的に生産協会やメノニータに採択されるだけである。
(*IICA…和名は米州農業協力機関。南米の国際的な組織である農業強力機関である。)
12.牧畜の生産性
○他国の類似地域の最良牧畜業者に比肩しうる優れた生産者が一部には見られるが、全国での仔牛産出平均は45〜50%といったところ。
○屠殺率は14%前後、年間での成牛死亡率は2%近く、妊娠から離乳するまでの損耗は10%程度、0.5歳〜2.5歳の間に市場に出せる。
○生態系の異なる地域ではこれらの数値には大きな変動がみられる。
屠殺牛の平均体重が360kg、枝肉の場合、メスで169kg、オスで209kg。年間消費一人当たりが32〜35kg。
○生体重量1kgあたりの生産コストはメルコスール諸国間では一番低い。現在までその状況が続いている。
13.マーケティング
○次第に、競り市や牧場(主にバイヤーが集まって競売する牧場)でのマーケティングが重要になってきている。支払いは一般的に7日程度で、屠殺用の30%はこれらの競り市場で取引きされて、残りは私的に商品化されている。
○全体の45%近くが冷凍して売られている。
○近年、年間で3万d近くの冷凍肉、冷却処理を施した食肉、骨付、骨無し、が輸出された。
○パラグアイ肉の大部分の買い手はブラジルとチリであり、ここ数年で輸出が激増している。2000年では4万2000dの肉が輸出され、そのうち21,877dがチリへ回り、約18,000dがブラジルに輸出された。
14.牧畜生産が影響される要素
要素は2つに分けられる。A)牧畜業界自身にかかわる B)社会経済全体に影響
15.牧畜企業の特有要素
○牧畜の大部分-国の(50%以上が牧場主の1%に属している)が粗放的な経営をしており、管理の基本的な基準を適用している牧場は多くない。牧場の大部分では牧場主が住んでおらず、管理の決定の殆どが現場における屠殺・精肉に熟練した管理人か作業主任の手に委ねられている。しかしながら彼らは牧場を合理的に管理する為に必要とされる知識に対する習得度は低い。
○多くの牧場では家畜の管理・選別に必要な「囲み鉄線、水飲み場、コラール(囲い場)」を改善しようとしない。また多くの牧場は収容可能量をオーバーした飼育をしており、旱魃とか冠水のような環境条件が好ましくない時、大きな損失が生じ翌年の生産に影響がある。
○多くの牧草と牧草地では雑草化や牧草の退化が進んだことで収容可能量が減少し、牧畜管理が難しくなっている。
○パラグアイの多くの牧場では品種や交配種などがうまく選抜されていないため、生産性や品質を低下させている。
○場所を問わず、口蹄疫再発生は今までの市場とこれからのマーケティングについて悩みの種となる。
16.社会経済全体の理由
○パラグアイは「税金」に対して他の国に比べると低く、生産者にとっては大きな不安要素にはなっていない。
○生産コストがメルコスールの国々と比べるとそれほど高くない。
○牧畜業者の世代が移り代わっていくことで、粗放牧畜・低コスト管理をしてきた牧畜開拓者は計画的な企業者・技術がある人へと代わっていっている。
○近年の不安定な政治は社会風紀を低下させ、組織的な家畜泥棒や不法占拠などが増えてきた為、放棄された牧場がみられる。またこの不安定性は牧場の維持・改善に必要な再投資を困難なものにしている。
○近年、生産を増加させるために、技術の創造・移転を担っている公的機関は生産や活動が不十分であり、生産者の必要性を満たしていない。
17.展望
○牛の合理的管理の知識や生産技術の発達の相違を考慮するとことで、生産力を向上させることができると期待される。
○生産性や、現在牧畜として使用されているエリアが拡大するという可能性の中で品種や交配種の利用が、現在の国内食肉生産を倍にする可能性があると考えられている。またこれは生産全体の状況の改善につながる。
18.結論
○パラグアイの食肉輸出は国際市場を利用しながら大いに成長する可能性がある事が証明されている。
○国境の拡大、農牧の活性化を通してより一層成長が見込まれる。
○牛肉の国際市場の見通しはこれ以上無いほどに素晴らしく、まだ成長するチャンスが十分にある。とはいえ、流通過程の改善を推し進め、残された問題を解決していく必要はある。
例会並びに連絡報告事項
1.7月総会について(林総務)
7月25日(水)に実施することが報告された。
2.8月定例会について(林総務)
8月定例会を8月22日(水)に実施する事が報告された。講師は当会特別会員の中川明氏に講演を依頼致し、テーマは「パラグアイにおける農業高校での畜産教育と教科書編纂に関して」
3.9月定例会を9月19日(水)に実施 (林総務)
9月19日(水)に実施する事が報告された。講師は当会特別会員で川名陽之介氏に講演を依頼致しました。「パラグアイ経済・商工業の現状(仮称)」
4・佐々木事務局員、8月に退職の件
本人より8月中の退任希望が出され、承認された。
5・新規事務局ボランティアに関して(林総務)
佐々木事務局員の後任として桑折久太郎氏(こおり・きゅうたろう:満29歳 早大卒)を佐々木事務局員と同一条件でボランティア職員として採用する事が承認された。
6・その他(佐々木事務局員):ハマナス交流センター・道産子バザーの案内
毎年恒例の道産子バザーが7月22日(日)10時よりハマナス交流センターにて今年も開催されます。自慢の道産子ラーメンをはじめ、焼きそば、巻き寿司、たこ焼きなど食べ物や各移住地特産品、また古着、古雑誌などがご用意されます。ご家族、ご友人お誘い合わせの上、ご来場頂ければ幸いです。また、前売り食券が販売されておりますので、ご希望の方がございましたら当事務局、もしくは北海道人会事務局にてお求め下さい。

(写真:和牛・すきやき-01)

(写真:和牛・すきやき-02)

(写真:昼食の様子)

(写真:ビクトル メディナさん:コントロール・ウニオン社)

(写真:宍戸さん)

(写真:定例会の様子)
月例定例会 (2007年05月23日)
在パラグアイ日本商工会議所 2007年 4月定例会が開催された。
日時:2007年05月23日(12:00−14:10)
場所:内山田 別室
田中裕一会頭挨拶:
パラグアイは、地下資源は乏しいが、空気、土地そして水という最も基本的な資源はあると言われています。パラグアイ川などの河川が多く、降水量も多くイグアス帯水層もあり水資源は豊富に見えますが、実態はどのようになっているのか、本日は2005年6月から現在まで、「アスンシオン大都市圏地下水環境管理制度調査」に従事されている関田宏一さんにお話を伺います。関田さんは大学、大学院では地質学を専攻され、現在は中央開発株式会社に勤務されており、日本国内では 地下水調査、温泉開発調査、活断層調査などの業務に携わり、またアフリカのギニアビサウ国、そしてアフガニスタン国での仕事の経験もあると伺っております。宜しくお願い申し上げます。そして、井上はなさんには新たに事務局として勤務していただく事になりました。井上さんはイグアス移住地出身で勤務時間は当面は佐々木さんと同様、午後2時半から6時半となります。また講演に先立ち全米日系人協会会長である笠松理事にこの7月にサンパウロで開催されます「第14回パンアメリカン日系人大会並びに第48回海外日系人大会・合同大会」に関して紹介していただきます。こちらも宜しくお願いいたします。
井上はな事務局員新任挨拶
5月17日より商工会事務局の職員としてお世話になります、井上はなと申します。まだまだ勉強不足で分からないことも沢山出てくると思いますが、皆様の御指導の下頑張りたいと思いますのでどうぞ宜しくお願いします。
「第14回パンアメリカン日系人大会と第48回海外日系人大会・合同大会開催」のご紹介・笠松信吾理事(全米日系人協会会長)
来年2008年で日本人移住100周年を迎えるブラジルのサンパウロを開催の地として7月18日(水)から21日(土)までの4日間にわたって海外日系人大会並びにパンアメリカン日系人大会の合同大会が開催されます。第14回目を迎えるパンアメリカン日系人大会と例年日本で開催されている海外日系人大会とが一緒になり、初の合同での開催となり非常に大変盛り上がるものと期待しております。大会2日目には海外日系協会主催で代表者会議が開かれる事になっており、一方パンアメリカン日系人大会のプログラムの方は海外日系人社会の原点に立ち、その発展と役割を求めながら、各国の現状と問題点を語り合う場としております。全米日系人協会はブラジル、アメリカ、メキシコ、アメリカ、ペルー、パラグアイなど、参加国は10カ国を超え、中米には日本人・日系人が少ない国もありますが、南北アメリカ大陸で、日本人の血が入っている、つまり「日系人」は約250万人はいると推定されています。その日系人も移住した1世から歴史が始まり、今では5世まで誕生しております。国別で見ますと、大まかな数字になりますが、米国では100万人を超え、カナダでは4万人、アルゼンチンでは3万5千人、ボリビアが1万人、そしてパラグアイではご存知のように約7000人が住んでおります、そして残り、全体の半数以上がブラジルに住んでいます。合同大会にはフィリピン、インドネシア、オーストラリア、韓国、欧州など世界各地から日系の方が集まって来ます。パラグアイからも多くの方が参加されます事をお願いいたします。パラグアイは開催国の隣国であり、参加国の中では一番近く行き易いですし、セントロ日系や連合会がメンバーとなっていますので、50人は最低参加するのではないかと期待しております。今回は、海外日系人協会とパンアメリカン合同大会が合同で行われるというのが初めてのことですので、私自身、非常に楽しみにしております。是非皆様も御参加下さい。
(田中会頭補足)
私もアスンシオン、サンティアゴ、ペルー、ニューヨークと過去4回の大会に参加をさせて頂きました。そして今回も参加を予定しております。国を越えた日系人との出会いの場でもあり、見聞を広める大変よい機会でした。また大会で知り合った方たちと今でも連絡を取り合い、親睦を深めております。プログラムの内容も充実しており大変有意義な時間を過ごしたのを覚えております。今回のサンパウロでの開催もオプショナル・プログラムとしてゴルフコンペやツアーもあり、例えば、ゴルフのコースの場合ですと2日間ゴルフをし、夜は他の方たちとの親睦を楽しむというスケジュールになっていて、会議には参加しなくても十分に楽しめる内容となっております。またセントロ日系の広報担当もしておりますので私も出来る限り多くの方に声をかけております。参加方法などで不明な点がございましたら、パンアメリカン日系人協会会長の笠松信吾さん、そして私のほうにも御連絡頂けると幸いです。また、現地ではホームステイをするという若者向けのプログラムも用意されると思いますので、若い人達への広報も併せてお願いいたします。
海外日系人大会・全米日系人大会(7月18日〜21日)(詳細情報)

(写真:笠松信吾さん)
講演 関田宏一氏(中央開発株式会社):「アスンシオン大都市圏の地下水について」
初めまして、ご紹介に預かりました関田宏一と申します。この度、米州開発銀行のプロジェクトでカウンターパートとして厚生省の「SENASA」と共にパラグアイの地下水調査で参りました。プロジェクトは、パティーノ帯水層の持続的な地下水利用を目的とする水資源管理計画策定のための法制度整備の提案や、地下水のモデル開発と、それに必要な水理地質データの収集や現地調査や、このプロジェクトを通して、パラグアイ担当部局への技術を移転することが目的です。この講演では「アスンシオン大都市圏の地下水」と題し、パティーノ帯水層(西語:Acuifero
Patino)とよばれる地下水の容器のことを中心にお話を進めさせて頂きます。
パティーノ帯水層:
パティ−ノ帯水層は、アスンシオンとパラグアリの60kmの間にあり、アレグア、アスンシオン、カピアタ、グアランバレ、イタ、イタグア、ランバレ、ルケ、リンピオ、マリアノロケアロンソ、ニェンブ、パラグアリ、サンアントニオ、フェルナンドデラモラ、サンロレンソ、ビリャエリサ、ジャグアロン、ウパカライ、イパネなど合計で20を超える市にまたがり、面積1170ku(パラグアイの面積の0,3%に上る)の範囲に、人口約2百万人、パラグアイ総人口の約33%を占める人口密度の高い地域に亘っております。
地下水について抱える様々な問題点:
・都市人口の増大=地下水利用増大、そして生活排水による地下水汚染が発生する可能性が高い。
・産業が発達するにつれ、工業、農業による地下水利用増大、及び地下水汚染が懸念される。
・無計画な地下水開発による枯渇そして塩水化。
プロジェクトの構成:
プロジェクトを構成すると大きく3つに分かれる。
@「データの収集」→A「地下水をモデル化」→B「将来の予測に基づいた地下水の管理計画」
地下水に関する情報:
(1) 地下水の特徴を把握する
・容器の大きさ・水の通りやすさ・地下水位・水質(塩分含有か否か等)
〜地下水の容器の特徴、水量を調べるための調査〜
・地質データ・水質データ・汚染源台帳
・水理地質データ(井戸台帳、電気・電磁探査、地下水観測井戸、井戸揚水試験、地下水観測)
・水文データ(表流氷モニタリング、水収支)
〜地下水を調べる上で大事なのは「地層」〜
地層について、パティーノ帯水層は、中生代(白亜紀:1億5千万年前〜6500万年前)の砂岩層であるのが分かった。
(2)地下水の容器に入る水の量
・1年間に降る雨の量・蒸発する量・川に流れている量や、人間や動植物が消費する量
〜平均降水量〜
調査地域では流域単位の河川流量測定は7地点、降雨量測定は14地点で観測をおこなった。アスンシオンでの年間平均降水量は1388mm。水量換算では、1624 Hm3/年に相当。最も雨が少なかったのは、1976年の811,1 mm、一方で最も雨が多かったのは1998年の 2330 mm(1961年から2005年までの記録)。
アスンシオンの年間蒸発散量は1078,5 mmで水量に換算すると、1264.4 Hm3/年
人間が使う水の消費量162.3Hm3/年
表流水、地下水(給水網あり、なし)
流域に降る雨のうち約70%は蒸発(蒸発散量)、約20%が流出(河川流出量 )約10%が地下へ浸透(地下水)。
(3)地下水の利用の将来予測
将来、地下水をどれだけ使うか・人口の増加をこれまでの推移から予測、産業の発
達の予測
1962年から2005年までの人口推移
2002年:1,929,621人→2035年:4,330,707人
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(4)地下水の汚染の問題
・汚れた水の排出源は? 地下水涵養域と流出域はどこか? 水の汲み上げによる塩水化の問題。
水質データ、地球物理探査データを利用。
地下水汚染の原因:
家庭排水、産業排水、(屠殺場、化学工業、金属、その他)、ゴミ埋立地と言った原因がある。
地下水シミュレーションモデル
・ 地下水帯水層の特徴、
・ 水の収支
・ 今後の地下水利用量
・ 汚染物質・塩水化のデータ
・ 将来のパティーノ帯水層の状況を予測する
○ 地形、地質情報に基づく基本モデル構築 ○シミュレーション・プログラムに入力
○モデル値と実数値を比較・補正 ○流動モデル・シミュレーション ○輸送モデル・シミュレーション ○電気探査結果
井戸データ
・岩石の性質の確認・水位の確定・流動方向の確定・河川流量・涵養量
3つの条件でシミュレーション
| - |
(地下水利用量) |
(地下水の涵養条件) |
|
1 |
2005年の実際の使用量: 107 mm |
2005年度の涵養量 |
|
2 |
2035年の予測量: 251 mm |
平均的涵養量 |
|
3 |
実際の使用量: 107 mm |
干ばつ状態 (1976) |
Escenario
1: 2005年の涵養量で、2005年の使用量
(地下水利用量) (地下水の涵養条件)
1 2005年の実際の使用量: 107 mm 2005年度の涵養量
2 2035年の予測量: 251 mm 平均的涵養量
3 実際の使用量: 107 mm 干ばつ状態 (1976)
Escenario 1: 2005年の涵養量で、2005年の使用量
揚水地域で最大10mの降下
*私的な井戸は含めず
平均的な涵養量で、2035年の予測使用量の場合
・2035年の予想量は確保できない。
・最大揚水量は150mmまで
・この状況では、40mの水位低下を引き起こす。
渇水年(1976年)の降水量で、2005年の使用量の場合
・ 渇水状態では、井戸の集水範囲が増大する。
広い範囲から地下水を集めないと水量が不足する。
井戸同士による影響が発生する恐れ。
短期予測
浅井戸の集水域が河川に及ぶ
井戸同士がお互いに水を奪い合い、水位低下が悪化
中期予測
汚染が深部帯水層へ
30年間で40mの水位低下
シミュレーションでは、 将来必要とされる250mmの許容量はない(150mmまで)
帯水層の85%が脆弱
相互作用による井戸への影響
関田さんは話の最後にパティーノ帯水層のイメージを表す一つの絵を紹介されていました。それは塩水の上に浮かぶ真水の船その上にアスンシオンが乗っているというものでした。アスンシオン大都市圏で利用しているパティーノ帯水層の水は海に浮かぶ小さな船のようなものでそれを利用してアスンシオンの人達は生活をしている、現在でも収支を取ると地下水として流入する量よりも使用している量が多いので、このまま放置していると近い将来、枯渇する恐れ、塩水化する恐れが強いと話していました。イタ、リンピオ付近ではかなり塩化が進行しているとの事です。アンデス山脈が隆起した時に大量の海水も同時に持ち上がりボリビアには世界最大のウユニ塩地がある事でも分かるように南米中央部には塩が大量に存在するという事です。また古い利用していない井戸にゴミを投げ込んでいるケース、ゴミ捨て場を見るとゴミの分別が全く為されておらず、有害物質が地下に滲み込んでいるのではないかと話をしていました。上下水道の整備、ゴミの分別などが急務であると実感しました。また、パラグアイの人達の生活習慣に関わる問題ですが、環境を大切にする自然と共生して生きて行くという基本的な知識、意識改革が必要であると感じました。



(写真:関田宏一さん)

(写真:定例会の様子)
月例定例会 (2007年04月18日)
在パラグアイ日本商工会議所 2007年 4月定例会が開催された。
場所:内山田 別室
田中裕一会頭挨拶:
本日は皆さん関心があるインターネットの現状と将来に関してコパコのエンジニアであるアルフレッド・モレイラさんに来ていただきました。またお忙しい中、櫻井国際協力機構事務所長そして中川禎人さんにご出席いただいた他、本日から新会員として梓設計の八木孝之さん、田原建設の山中恵さん、フェルナンド・サッカリンさんにも初めて出席をいただきました。
講演: アルフレード・モレイラ技師コパコ社・PARAWAY NETインターネット部門部長
PARAWAY NETはCOPACO(パラグアイ通信会社)のインターネット部門の名称である。 私は日本にもJICAからの研修として2度訪日したことがあり、NTT、KDD等で研修を受けた。今日はCOPACO並びにPARAWAY NETで手掛けている事業内容、特にインターネット事業について話をさせていただく。
大きく分けて、COPACOは短期計画として次の二つについて目下取り組んでいる。
1)新技術の導入
* 電話線の増設(アスンシオン市8地区および国内90地区における135,000回線の新設)
* 無線電話GSM方式(Celular)の配設(市外・ 地方向け)
* 市外・地方向けへのインターネット・サービス拡張
* インターネットの国内ネットワークの充実化
2)料金のコスト・ダウン
* 電話取り付け料金 ( 旧825,000 Gs 新350,000Gs )
* インターネット料金(光ファイバー使用料)
PARAWAY NETの事業内容について
ご承知のようにパラグアイ国におけるインターネット・サービスは他隣国諸国に比べかなり遅れている。よって、次の点を緊急課題としている。
1) インターネット・サービスの向上
2) 国内ネット・ワークのインフラ整備
COPACOは2005年6月にインターネットのサービスを開始し今日に至っている。開始当時は約14社のサービス業者が存在していたが、現在では約30社にまで増加しており、各社それぞれ異なった技術を用いてサービスを提供している。 しかし、いずれもCOPACOが所有する光ファイバーに繋がっている。因みに、送信速度に関して言えば衛星を通じる場合は
通信遅延(レイテンシ)800ms, 光ファイバーを 通じる場合は250msであり、約3倍以上も早いことになる。 現在、国内においてもインターネット・サービスも受けられるようになり、更に利用者の数がどんどん増加してきているが、COPACOが保有する
光ファイバー・ネットワークはこれからの需要が急激に増えてもバンド幅の容量は十分でニーズに応えられる。 光ファイバーによるインターネットは米国・マイアミに所在する
"NAP de las Americas"社とサービス業務契約の締結を行なっている。
国際ネットワーク
COPACOが所有する光ファイバーの国外とのネットワーク(敷設済み)は次の通りとなっている。
ネットワーク@:アスンシオン 〜エンカルナシオン 〜 NAP (2+3)x155Mbps
ネットワークA:アスンシオン 〜シウダ・デ・エステ 〜 NAP
ネットワークB:アスンシオン 〜ブエノスアイレス 〜NAP 3x155Mbps
国内ネットワーク
国内におけるインターネットワークについては前述のごとく、目下配設中の段階で本年中に国道2号線沿いにおける70ヶ所の増設が終了する予定となっている。 また、顧客への提供サービスの内容は次の通りである。
1) サービス業者向けインターネット・サービス
2) 一般企業向け限定インターネット・サービス
3) Click - ADSL( 電話回線を使用しADSLモデム経由のインターネット・サービス)
4) VPN=Virtual Private Net (本店と支店,又は営業所との連携ネットワーク)
5) ダイヤル・アップ 0-600 (通常の電話回線を使用したインターネット)
アクセス技術の内容
COPACOで現在導入している技術の内容を簡単に説明すると:
* 光ファイバーへの接続技術
* G.SHDSL(銅線即ち電話回線に使用されているもので、2メガまでは問題なく作動)
* ADSL 24Mbpsまで大丈夫で径3500〜4000m距離範囲が可能。
取り付けに必要なADSLモデム , Splitter (Microfilter)はお客負担。
現状のサービス価格は以下の通り:
単位:米ドル
| - | 一般家庭向け | 商業向け | Cyber向け |
| 64 kbps | 34 | - | - |
| 128 | 55 | 70 | 87 |
| 256 | 73 | 106 | 145 |
| 512 | 105 | 198 | 275 |
| 1024 | - | 375 | 509 |
* VPN (Virtual Private Network)
このサービスは本店と支店若しくは営業所間との相互のデータ送信(光ファイバーを使用)が可能であり、ビデオ・コンフェレンスも可能、しかも本店のみにインターネット・サービスシステムを取り付ければ支店からも
直接アクセスができる。本サービスの月当たりの使用料金は次の通りである。また、取り付け料金は100
US$/口となっている。 但し、インターネット・サービス料金は別払いとなる。 現況では、約20社がこのサービス契約を行なっている。銀行などの金融機関が主であるが業種は多様化しており、中にはパン屋まである。
1ヶ月当たりの料金
64 kbps 34 Us$/月
128 55
256 73
512 105
1 Mbps 297
料金の値下げについて
過去2ヵ年の間にインターネットの月間使用料金は105ドルから34ドルに下がっている。COPACOはさらにここ数ヶ月以内に約30%程度の値下げを計画している。インターネット料金だけではなく、他の料金についても値下げが実施される予定である。以上であるが、さらに詳細な情報を必要とされる場合は、以下のホームページにアクセスしてもらえばありがたい。
www.copaco.com.py
www.paraway.net.py
www.click.com.py
在パラグアイ日本大使館・渡邉栄一さんのコメント
「日本のインターネット国際回線容量、そのパラグアイとの比較」
本日のコパコの方の説明では、インターネットの国際回線容量に関し、エンカルから出る回線容量が775Mpbs(155Mbps×5回線)、アスンシオンから出る回線が34Mbpsで合計809Mbpsというお話でした
(他にアスンシオンから出る回線が465Mbps(155Mbps×3)あり)。日本の状況ですが、平成15年度(2003年)の情報通信白書によると、
Telegeography社が公表するデータの転載として、1999年に2.686Gbpsの国際回線容量があり、それが2002年(3年後)にはその10倍以上の30.286Gbpsになっています。
(http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h15/html/F1401300.html をご参照願います)
現在、著作権の関係か承知しておりませんが、Telegeography社のデータは情報通信白書に転載されておらず、その結果、最新の我が国のインターネット国際回線容量のデータも掲載されていません (最新データの入手が困難になっています(※))。他方、日本では電気通信事業者はすべて民間企業であり、各企業がインターネット国際回線を敷設しています。また、日本は島国であることから、北米、韓国、中国、南東アジア等々様々な対地に向けて国際回線を複数敷設しています。最近のニュースとして、NTTコム(国際通信とインターネットを提供するNTT子会社)が「日米間」だけの国際回線(IPバックボーン)で100Gbpsを突破したということです。 http://www.ntt.com/release/2007NEWS/0002/0205.html
パラグアイは日本の人口の1/20なので(600万人/120,000万人)で、単純に1人当たりの国際回線容量で比較した場合、上述の平成15年度の情報通信白書の2002年の時点で、日本の1人当たり250Mpbs(30Gbps/120,000万人)に対し、パは1人当たり167Mbps(1Gbps/600万人:但しパは2007年データ)となります。すなわち、5年前の日本と現在のパを比較しても、日本の容量はパの1.5倍となります。現在の2007年の日本では、NTTコム一社の日米間回線だけで100Gbpsあることから、日本の国際回線の総容量が仮に500Gbps程度あると仮定した場合(※)、日本は1人当たり4,166Mbpsとなり、パは上述と同じ167Mbpsで、その差は約25倍となります。すなわち、パは日本の1/25しか1人当たりの国際回線を持っていないこととなります。コパコの方は、パのインターネットが発展しない理由を様々に説明していましたが、ADSLなど国内でのインフラ整備はもちろんですが、本当にパのインターネットを発展させようと思うのであれば、インターネットが国際間のネットワークであることを認識した上で、国際回線を独占する「コパコ自身」が改めなければならない(国際回線を更に多く敷設して容量を大きくする必要がある)と思います。
(※)日本ではKDDI、NTTコムほか、海外の事業者など多くの事業者がインターネット国際回線を保有しており、一般にはそのデータが公表されていないため、正確な容量を把握することは困難です。

(写真:定例会の様子)
