-ポンコツクルマと送る市井の生活-
2000年のJoyride7/8月 9/10月 11/12月
2001年のJoyride1/2月 3/4月 5/6月 7/8月 9/10月 11/12月
2002年のJoyride1/2月 3/4月 5/6月 7/8月 9/10月 11/12月
2003年のJoyride1/2月 3/4月 5/6月 7/8月 9/10月 11/12月
2004年のJoyride1/2月 3/4月 5/6月 7/8月 9/10月 11/12月
2005年のJoyride1/2月 3/4月 5/6月 7/8月 9/10月 11/12月
2006年のJoyride1/2月 3/4月
2004年8月15日 ボクの20年来の友達で、BMW製のオートバイに乗っている男がいる。彼が今年、愛車を某BMWスペシャルショップに「チューニングに」出した。チューニング、といっても、それは、例えば大きなボアキットを入れたり、ハイカムを入れたりする所謂スープアップではなく、ストックの部品を組み付け精度を上げて組み付け、そのエンジンが持つ本来の性能を100%に近く発揮させるという、本来の意味でのチューニングだという。その話が面白かったので、彼に依頼し、体験談を書いてもらった。中々興味深い話なので、少し長いけど読んでみて下さい。
私のオートバイは、BMW R100トラッド。1999年6月に16000km走行のモノを65万円にて購入し、2004年3月の時点で45000kmを指すに至っている。主な使い方は、週末に200km前後を一人で走ること。峠を攻める、というような走りはせずに、ただ漫然と2000rpm付近の低回転でブラブラ走っていた。この回転域を使って走ることには理由がある。
理由1. エンジンに急かされない。
理由2. 3000rpm以上は振動・騒音が激しく、使う気になれない。2004年4月、これからもR100で走り続けるであろうと考え、ある店に入院させることに決めた。目的は大きく二つある。
1. 今後も快適に使い続けるためのエンジンOH。
2. 全回転域で発生する振動の解決のためのチューニング。依頼する店に自分の意図を伝え、作業内容を決定した。
1. エンジン全体のOH。
2. 左右ピストン+コンロッドの重量合わせ。
3. クランクシャフトのバランス取り。数日後、店にR100を持ち込む。すぐに腰上をバラし、この時点で判る範囲の診断結果を聞いた。
1. ロッカーアームのニードルベアリングが欠けている。
2. シリンダーヘッド、ピストンへのカーボンの付着は標準的である。
3. バルブステムのがたつきがある。これも標準的な範囲。
4. クランクメタル、コンロッドメタルに筋状の傷がある。
5. バルブリフターの、カムシャフトとの接触部に少し傷がある。さらに数日後、エンジンは腰下までバラされ、全体的な診断結果を知らせてくれた。
6. クランクメタルに傷がある。
7. ミッションベアリングに異常があり、アウトプットシャフトが円滑に回らない。R100を持ち込んでから2週間後、作業完了の連絡を受け、引き取りに行く。最終診断結果を聞く。
8. ピストンの左右の重量差は11gあった。通常は一桁台の差異に収まっている。
9. クランクシャフトの軸受け部が通常より細く、その分メタルに厚いものを使用していた。
10. ビング製キャブレターは精度の良い製品とは言えず、振動の原因のひとつとなる。私のR100に付いていたキャブは更によろしくない製品だったようで、低回転域の振動は解消されなかった。作業内容に追加が発生し、以下が最終的な作業内容となる。
1. エンジン全体のOH。
2. 左右ピストン+コンロッドの重量合わせ。
3. クランクシャフトのバランス取り。
4. ミッションOH。
5. キャブ交換。慣らし走行は高速道路で600km、一般道で300km行う。その後、同店にてタペット調整・オイル交換を行った。慣らし後のインプレッションを以下に書く。
1. 発進時のトルクがやや太くなった。
2. 2500rpmまでの印象は以前と変わらない。
3. 2500rpm〜3000rpmで振動が増える。
4. 3000rpm以上回すと振動は激減し、エンジンは本領発揮。
5. 4500rpm・トップギアで120km/hオーバー。もっと伸びる気配が感じられる。今回の作業の総額は約65万円。この中には前後サスペンションOH・交換、タイヤ交換、ブレーキOHも含んでいる。
全回転域での振動の解決には至らなかったものの、3000rpm以上での振動の激減は嬉しかった。しかもこれはスペシャルなパーツを使った結果ではなく、ノーマルパーツをチューニング(調律・調整)した結果であることに店の技術を感じられて、更に嬉しい。エンジンに関して、特別なパーツは何も使わず、重量合わせ・バランス取りなど本来の意味のチューニングを施したことにより、私のR100は新車以上というよりも設計通りのオートバイに仕上がった。実はこの点が今回一番嬉しく感じるところであり、一番の収穫である、と考えている。
。。。今回BMW R100トラッドのチューニングを施すにあたって、選択肢がいくつかあった。まずは大きく二つ。
1. 自分の手で施す。
2. 店に依頼する。これまでの自分の経緯から、技術もなければ根気もない自分の手でチューニングを施すとなると、完成するのに何年掛かるか分らないし、更には途中で飽きてオートバイ自体に嫌気が刺すことにもなりかねない。それに、オートバイはやはり乗ってナンボのモノだ、という思いも最近強くなってきている。金額的には少々高くなっても、信頼できるショップに依頼することが確実で安心という結論になった。そうなれば、次の選択は、どこの店に依頼するか?である。私は高校生の時から16年間にわたってオートバイ雑誌を購入し続けてきた。その中には幾多のBMW専門店が登場し、それぞれに持論を展開している。私的に目を引く専門店は二つあった。そのうちのひとつが今回依頼したショップである。ここではかつてフラットツインをアメリカに持ち込んだり、筑波で行われるBOTTにもよく参戦したりと、積極的にフラットツインチューニングを行っている。また、フラットツイン又はBMWに限定せずにさまざまなオートバイのチューニングを手掛けていることにも好感を持っていた。
上記のとおり、私は低回転で走ることが好きである。より具体的に書けば、トップギアで1800〜2300rpm・50〜70km/h付近で走る。交通量の多い街中や、巡航速度の速い一桁台の国道では、こんな走り方が出来ない。自然と三桁国道や県道を選んで走るようになる。そんなロケーションでノッキングしないようにゆっくり走っていると、脳ミソがとろけそうな気持ちよさに浸れるのだ。しかし、低速であるが故に車体の安定性は低下するので、ハンドルさばきには少し緊張感が伴う。この辺りが、リラックスしながらも飽きずに走り続けられる要因になっていると考えている。ノッキングしないギリギリの低回転で走ることは、おそらく内燃機にとってはあまり好ましくない状況だと考えられる。しかし、アクセルの微妙なさじ加減を求められる繊細な感じが“俺がコントロールしているのだ”という気分を高めてくれる。また、こんな低回転の世界ではクランクのグルグル感がよく伝わってきて、いかにも前に進んでいるという感覚が気持ちいい。
チューニングの当初の目的はここにあった。つまり、
1. より低い回転で走りたい。
2. クランクのグルグル感をもっと強く感じたい。
エンジンOHと全域での振動低減は、上記のおまけ、のように考えていた。この目的を達成するために必要なことは何か?16年間雑誌で得た机上のウンチクから、フライホイールを重くすれば良い、という結論になった。フライホイールはクランクと共に回転しているモノであるので、クランクの重量が増すことと同義である。クランクが重くなれば安定した回転が得られるし、グルグル感も増すに違いない。では、実際どうするか?再び雑誌からウンチクを引っ張ってくると、BMW R100系はリアショックが二本の旧型・一本の新型の大きく二系統ある。私のR100は新型に属する。そして旧型のフライホイールは新型のモノよりも重く、旧型の中でも初期型に近付くほど重いモノが付いているらしい。エンジン自体は新旧で大きな変更がないはずだから、フライホイールのみ旧型に付け替えれば良いのではないか?目的と方法が決まった。しかし付け替えは可能なのか?可能だとしても目的は上手く達成できるのか?相談のための手紙をショップに書き、返事を待つ。
二週間が経過したが、未だ返事は来ない。さては宛て先でも間違ったのかと、電話をしてみると、手紙は届いていた。丁度旧型R100RSが入庫しているので、各部品を調べていたところらしい。さて、返事は?
1. 確かに旧型のフライホイールは新型に比較して重い。
2. そして旧型と新型ではクラッチ構造にも違いがある。
3. 旧型フライホイールを新型に付けるならば、クラッチ機構も旧型に替えなければならない。
4. その費用はおおよそ20万円。更に旧型の部品が現在日本国内に在庫しているか不明である。在庫がない場合、ドイツ本社から取り寄せる。期間は2〜3ヶ月。
5. フライホイールを付け替えれば目的は達成されるものと思う。しかし新型に旧型フライホイールを付けた場合、エンジン各部の負担は大きくなるはずで、この辺りの耐久性については不明である。
6. 低回転域の強化を求めるならば、他にも手段がある。キャブレターをFCRに付け替えることである。ビング製キャブは精度のよい製品ではない。これを精度の良いFCRに替えることで低速のみならず全域でトルクを増すことが出来る。ここで、私の考えが変わった。金額と時間を掛けて不安要素を含んだチューニングをするよりも、まずはR100本来の性能を発揮させるべきではないか?軽いフライホイールにはそれなりの理由があるはずだ。その性能をきちんと経験し、理解したうえで次のステップを踏むべきではないだろうか?
フライホイールの件は見送ることにした。FCRも予算の都合で見送った。今回は初めの一歩として、R100本来の性能を発揮させるべく、エンジン全体のOHと重量合わせ・バランス取りといったファインチューニングを施すことに決めた。
いよいよR100をショップに持ち込んだ。本来は試乗車があるのだが、今は丁度売れてしまって無い。そのかわり同じチューニングメニューを施したR80が同日納車だったので、そのお客さんに頼んで試乗させてもらった。目からウロコとは、このことか!と感激した。アイドル時の、タペットを打っているノイズが全くない。アクセルをひねると軽やかに回転が上昇する。それでいて、スムース過ぎない。爆発のツブがはっきり感じられる。バルブがきちんと閉まって圧縮がどこからも漏れない感じ。エンジンはもっと回りたがっている。もっとアクセルを開けろと要求してくるようだ。これがファインチューニングの効果。スペシャルなパーツは全く使わずに、OHとバランス取りのみの効果。これまで低回転ばかりで走っていた私には、新しい世界だった。R80のお客さんも同じ感想を持ったようだった。特にスムースなのに明確な爆発感があると言ったら、大きく頷いていた。
試乗を終えて、改めてメカニック氏と話しをする。チューニングの方向は決まっているものの、これまで何度も雑誌を通してその勇姿を見てきたメカニック氏を目の前にして“お願いします”の一言で帰るわけにはいかない。サシで話しをする機会なんてそうないのだから。
1. R100系だけで10台近く乗り継いできた。
2. 気に入ったのは新型の一本リアショックのR100。
3. 今はまた乗りたくなってR80を持っているけれど、本当はR100トラッドが欲しかった。
4. 旧型R100はドロドロとした回り方をする。新型のキビキビした回り方のほうが好みである。旧型の中でも古くなるほどドロドロ感は強かった。
5. 旧型は未完成なオートバイだった。オイルを1000kmにつき1リッター消費したし、ブレーキは効かないし。
6. 同じBMWでもKシリーズは好きじゃない。今の4バルブフラットツインも低速がないので好みじゃない。
7. 雑誌にある記事は、そのまま信用してはダメだ。スポンサーの絡みがあるので、悪いモノを悪いと書けない事情がある。お金を出して買おうという気になれる雑誌はなかなかない。理想は 暮らしの手帳 のスタンス。これに一番近いのは個人のウェブサイトだ。
気が付けば店に着いてから半日が過ぎていた。実は我が家からここまで、車にR100を積んで一般道のみ350kmを走ってきたのだ。そろそろ帰らないと我が家に着く頃には日付が変わってしまう。それではお願いしますと告げて、再び車に乗り込んで7時間、眠気と闘いながらようやく我が家に帰り着いたのは深夜0時を回った頃だった。
二週間後、作業完了の連絡を受けて、三たび車で350kmを走る。ショップに到着し、早速試乗する。最高回転数は2500rpmまでとした。
1. エンジンノイズは減少している。
2. 低速域の振動に変化はみられない?
3. スムースなのに明確な爆発感 という感じが希薄である?おかしい。あの時のR80とは全然違う。このことを告げると回答が返ってきた。
1. キャブが悪い。ビング製キャブは精度が良いとはいえず、製品のバラツキも大きい。このR100に付いているビングは更に良くないようだ。
2. R100とR80は印象が違って当然である。まずピストン重量で200g違う。これだけ違えば慣性力に影響する。そして最終減速比が違う。R80は細いトルクでキビキビ走るようになっているのだから。
3. 走り方にも問題がある。このエンジンは3500rpmからパワーバンドが始まる。だからシフトアップは4000rpmを目安に行うのが良い。低速で走らせることはエンジンにダメージを与えることにもなる。キャブを中古のビングに交換して再び試乗。
1. 発進トルクがやや太くなった。
2. 2500rpm辺りまでの振動は変わらない。
3. 3000rpm以上では振動が収束し、スムースに回り始める。R80の衝撃には遠かったけれど、3000rpm以上では見違えるようになった。ここで慣らし走行について説明を受ける。
1. 慣らし走行は非常に大事なこと。4000rpmを上限として、高速道路で一気に1000km走ることが一番効果的である。それが無理ならば、なるべく少ない回数で1000kmを走らせて欲しい。例えば200km×5回よりも500km×2回もほうが良い。理由は、オイルは熱冷を繰り返すほどに劣化していくものだから。
2. 一般道で、エンジン回転の上昇・下降を繰り返しながら1000km走るよりも、高速道路で、一定回転で1000km走るほうが効果的なようである。
3. エンジンのあたりは段階的についていく。初めにクランクメタル・次にピストンとシリンダーの内壁・最後がバルブ周り。
4. 現時点では振動が発生しているけれども、慣らしによってエンジンの調子は上がるものなので、このままひとまず慣らしをして欲しい。
5. 1000km慣らし走行の後、オイル+エレメント交換・タペット調整を行って完成となる。他に、作業中に気づいた点を話してもらった。
1. ピストンの左右の重量差が11gあった。これまでの経験から、この値は大きい。通常は一桁台の差異である。これを今回、コンロッドと合わせて±0gになるよう重量合わせを行った。
2. クランクシャフトの軸受け部が通常より細く、辻褄を合わせるために厚いメタルを使用していた。これまで同じようなエンジンを3台見てきた。初めはその理由が分らなかったが、今は推測できる。おそらくBMW工場で、軸受け部の精度の悪いクランクシャフトができた時、軸受け部を一回り削ることにより精度を出しているのではないか?
3. ピストンヘッドのカーボンが下半分に集中して溜まることは普通である。混合気の中の成分が、重力によって下に溜まるのがその理由。
4. クラッチプレートの減り方は、走行距離から見て少ない方である。田舎道を好んで走るということがよく分る。またしても半日過ぎていた。R100を積み込んで我が家へ帰る。到着はぎりぎり深夜0時前だった。
ゴールデンウィークは通常、田舎道を低回転で走り回るツーリングをしていたが、今年は違った。慣らし走行という重要な仕事をこなさなければならないため、1000kmには達しないが600kmを高速道路で一気に走ることにした。こんな長距離を高速走行することは初めてである。これまでも何度か高速道路で走ったことはあるものの、振動と風圧に嫌気が刺して、目的地に着く前に一般道へ下りてしまっていたのである。
今回慣らし走行をするにあたっての条件は、
1. 4000rpmを上限として巡航する。
2. 追い越しなどの瞬間的には4500rpmを上限とする。気温は20℃を超えている。オイルレベルとタイヤ空気圧をチェックしてスタートする。
1. 2500rpmで最大に達した振動は、3000rpmで体感的に80%が消える。
2. 以前は振動で像を結ばなかったミラーが、今回は後続車をきっちり映している。
3. 3000rpmからエンジンは “艶やかに” 回り始める。
4. 3.と同時に私の気分も非常にノッてくる。
5. 4000rpm・120km/h弱の巡航が苦ではない。それどころか気分が良い。以前は苦しくてしょうがなかった風圧があまり気にならないのはナゼだ?
6. 4500rpmで更に速度を伸ばす。もっとアクセルを開けたくなる気分だ。総じて高速道路での印象は、素晴らしく向上した。辛く苦しいだけだった高速走行が、こんなに気分の良いものに変わったことに驚いた。
高速道路を600km走り、翌日一般道を200km走ってショップに到着した。タペット調整のため、エンジンが完全に冷えるまで待ってから作業開始。
1. エンジンオイル+エレメント交換
2. タペット調整。これはシリンダーを貫くスタッドボルトを一旦緩めてシリンダーをフリーにして、再度閉めこむ。その後タペット調整。この作業の理由は、シリンダーがなんらかの原因により、位置がずれてしまっていることが多々あるため。バルブ周りの基盤となるシリンダーの位置をきちんと出してから調整しないと意味がない。作業を終えて試乗する。
1. アイドル時のノイズがより減少している。
2. 発進トルクが再度太った。
3. 低回転域での振動の減少。
4. 全回転域で雑味が減った・マイルドになった。基本整備的な作業でも、これだけの差異が出ることに驚き、感心した。慣らし走行は上手くいったようだった。バルブ周りのあたりもキッチリできているという言葉を貰った。
今回、初めて本格的なチューニングというものに触れ、これまで憧れの目で見てきたメカニック氏と話をし、構造が同じで排気量の違うオートバイの差異というものを知ることも出来た。雑誌でしか知り得なかった世界を自ら体験する。机上のウンチクでしかなかったモノを現実のモノにする。憧れ・理想というものを、空想の世界で終わらせてはもったいない。机上では本当の姿を知ることはできない。大げさに聞こえるだろうが、これが今現在の私の考えである。
。。。クルマ業界で言う所の「チューニング」というのは、そもそも音楽用語の「調律」から来ているという話を聞いた事がある。ギターは弾く前に必ずチューニングをしなければ綺麗なコードを奏でてはくれないし、オーケストラも演奏する前には各楽器のピッチを微調整する作業をする。そういう意味での「調律」。スープアップの為の部品が安価で手に入るワーゲン業界ではこういう手法は取られる事は少ないが、いくらいいギターをいいアンプ通して弾いても、「調律」がしっかりしていなくては、スピーカーから出てくるのは耳障りな雑音にしかならない。そんな事を、書いてもらった文章を読みながら思った。近々自分で組むつもりのエンジンも、そういう事に力を注いで組めたらなあ、と思っている。
2004年7月4日 我がポンコツワーゲンの車検を受けに行く。今回はいつになく真面目に整備したし、気合は十分。ダメ出しもくり返し行ったし、前回の車検の時から気になっていた中央付近で音の出るステアリングギアボックスも交換した。準備は万端。しかし先日交換したディスクブレーキの事もあるし、なんと言ったって前回の車検から少なく見ても4万kmは走っている30年前のクルマである。何があるかは分からない。ブレーキも、マトモに申告したら間違いなく構造変更が必要、継続車検ではなく公認車検、という事になる。公に書いてはまずいかな?とも思うが、いわばラインの検査官が「恐らく」改造に気付かないだろう、という事をあてにした上での今回の車検取得なのだ。まあ、CSP製のブレーキはあたかも純正のように自然に納まっているし、取り付けも完璧な筈。心に一抹の不安は残るが、まあ行っとけ、成せば成る、成さねばならぬ何事も、って感じで盛岡に向かったのでした。
。。。いつもお世話になっている予備検査場でダメ出しを受けたのは、意外な項目だった。まず車高。低すぎて全然ダメ。このセットアップで2回車検を通しているのに何故?サスがへたったか?タイヤが減った分か?なんにせよボクのワーゲンはフロントビームにアジャスターが付いていないのでかなりヤバい。はっきり言って超ピンチである。しかし世の中うまく出来ているもので、なんと予備検査場にVWピッチの5穴Wheelがあったのだ。しかもハイトの高いホワイトウォールタイヤ付きの。それを借りる事にして車高の問題は奇跡的にクリア。これもひとえに普段の行いの良さが故か(実はこの予備検査場、オーバル乗りが働いていて、その人の私物だったのです。この人が実は凄い人で、自分で組んだターボカルマンでクオーターマイルを10秒1のタイムで走る人なんです。そのうちここでも紹介しますね)。次がライトの光量。ユニットを新品に換えたのに何故?と思ったが、原因は最近流行りのHIDっぽい青い色のバルブらしい。明るく感じるけど、数値(カンデラ)で見るとダメなケースが多いとの事。これはしょうがないから普通の白いバルブに交換して対策。後はオイル漏れをブレーキクリーナーで流してもらって取りあえず受けてみな、って事でラインに向かう。
ラインでは、グラスパックマフラーの出口が車体から飛び出している事、ウィンドウウォッシャーが出ない事を指摘されただけで難なくパス。件のブレーキも気付かれませんでした(良かった〜)。マフラーエンドは、こんな事もあろうかと持参したサンダーで切り落とし、ウォッシャーは外れていた配線を繋ぎ直して今回も無事に新しい車検証を手に入れる事が出来たのでした。めでたしめでたし。