【仔犬のワルツ】名場面&名セリフ集   ここが良いと思うところ募集中   
葉音 芯也 奏太郎 器一 譜三彦 律子 唱吾 聖香 ノッティ 歌乃 華子 小暮
アツミ ふみよ 宮西 舞子 知樹
 役    名     場 面 説 明         セ   リ   フ
第1話
奏太郎 1話の冒頭

紫綬褒章授賞の
スピーチ
芸術家は本来人間の進化と逆行していると言える。
なぜなら遺伝子は戦略的に長く生きよることを目的としているからだ。

つまり苦悩や争いを避け、傍観者として長く生き長らえる方が
その目的に適っていると言える。
すなわち、平凡に生まれ平凡に生きるということだ。

だが、愚かにも芸術家はまるでその逆だ。
しかしだからこそ美しい。

神々に逆らい、川の流れに逆行し、自らの体を傷つけ、
磨かれる小石はやがてダイヤモンドになる。

平凡なる人々はそのダイヤモンドに
絶望的な憧憬を見せるのだ。

それが芸術家だ。
芯也 1話
愛児園
葉音の演奏を聞いて
聴いたばかりのグロリアを弾く葉音
芯「ブラボー」
芯也

葉音
初めての対面
警察署での
ガラス越しで
BGM(だって生きてかなくちゃオルゴールVr)
芯「どうしてこんなことに」「でも心配しなくて良いよ」
葉音思い出すように葉「この声・・・」とつぶやく
芯「彼女のケガはたいしたこと無かったから」
葉「ごめんなさい。ピアノ壊れちゃったの。おもちゃのピアノ」
芯也けげんそうな顔
芯「とにかくもっと早く君を探し出せればよかったんだけど、シンデレラの靴を探すのに手間取ってしまたんだ」
葉音 1話
ラスト
ワルツを抱きしめて
「ワルツ」
「いつも指を3回なめるから、だからワルツ」

「ショパンだね」「仔犬のワルツ」
第2話
芯也

葉音
2話
初めて自分のことを
芯也に話す
「ごめん辛いことを思い出させちゃったかな。ボクはもうあまり思い出さないけど」
「辛いこと?」
「君と同じさ良い思い出がないんだ。」
「君と同じ?」
「いや同じだなんて言ってごめん。君は目が見えないことでいい方向に想像できるのかも知れないな。君はいじめを受けてもお金を盗まれても誰も恨んでいない。羨ましいよ。きっと、そういう相手の悪意ある目を見ずにすんでいるから・・・」
「違う」
「えっ?」
「違うの
私はワルツと一緒。うーって恨んでがぶって噛み付いても叩かれるだけ。嫌うとか恨むとか私にとっては意味の無いこと。私は見ないですんだでも多分あなたの言う悪意は耳からも聞こえる。
バカ、消えろ、臭い、うざい、チビ、いっぱい・・・いっぱい
いつもこうやって作り笑いをして怒られないようにしてたの。
本当に笑ったことなんて一度も無い。そんなあたしが羨ましい?ほんとに羨ましい?」
芯也

葉音
2話
葉音が家出
公衆電話の
シーン
「もしもし?今どこにいるの?迎えに行くから今どの辺か言って。もしもし?」
「大丈夫」
「大丈夫って何が?」
「今、区役所にいるの」
「区役所?」
「区役所の福祉課の人がマッサージの仕事探してみてくれるって。ワルツも今ビスケット食べてるの」
「さっきのこと怒ってるんだったら謝る。デリカシーに欠けてた君のことを・・・でもいきなり出てくなんて心配するじゃないか」
「私が普通じゃないから?目が見えないから?」
「普通じゃないなんて言ってない。確かに目のことは事故でもあったら。とにかく不満があったら、何でも言って欲しかった」
「不満なんか無い」
「じゃあ何故?」
「不安なの」
「不安?」
「あなたが優しくしてくれると不安になる。ふかふかのベッドで寝て良いって言われると不安。
ケガをしないか心配してくれると不安何でも気にせず言って欲しいって言われると不安になる。
それがいつまで続くのかって いつか面倒になってきっと変わってしまう 変わってしまう」

ノックの音
「区役所はもう閉まってる時間だよ」
「どうしてここが?」
「ボクもピアニストだ(電車の音)パーフェクトピッチ。ごめんよ。君を無責任に東京に連れてきて」
「後悔してる。 あたし出来ることならなんでも。掃除、洗濯、お皿洗い、何でも」
「そんなことは良い」
「だけど」
「ピアノ」
「えっ?」
「ピアノを弾いてくれないか。それが僕の望みだ」
芯也

葉音
2話
リーダー試験の答え
バースディ
ケーキを前に
「あの音が分からなくても、仕方ないと思ってた。だってボクは経験したことが無いから
でも考えてるうちに思い出したんだ。
経験は無いけど、あこがれ・・・そうボクはあの音にあこがれてたんだ
なのにいつかそのことを忘れてしまった。
ピアノの鍵盤は押せば必ずひとりでに元に戻る
でもボクの心はいつからか元に戻らなくなってしまった
あこがれや夢を忘れてしまった・・・悲しみや痛みは覚えてるのに
でも君は違った
そういうあこがれや夢を、心の中の小さな引き出しにそっとしまってたんだね
決してあきらめてないからなんだね
いつか必ずそれが叶うことを信じていて」

ケーキの前
「感じる?」
「あったかい」
「君も僕も出生届が出されていなかった。やまびこ愛児園でつけられたのはかりそめのもの
本当の誕生日が分からない
だから今日を二人の誕生日にしないか」

芯也回想
「ハッピーバースディツーユー」
「それはほんとの笑顔?」
うなずく葉音
「じゃぁ答えをどーぞ」
ケーキのろうそくの火を葉音が吹き消す。
譜三彦

2話
ラーメンの
屋台の場面
光「中学の時学校から帰って来たらさ、背広来た男たちに囲まれて親父が土下座してたんだよ」
譜「銀行か」
光「うん。地べたに顔こすり付けて、『もう少しだけ待って下さい』って、さっきのお前みたいに。でも結局、親父の工場は差し押さえになっちゃった。真っ先に運び出されたのがあたしのピアノ。
何よりも大事にしていたあたしのピアノ。『もってかないで、そのピアノだけはもってかないで』って叫びたかった。でも、申し訳なさそうに目伏せてる親父見てたら、あたし突っ張るしかなかった
『ピアノなんていらねぇ、元々好きじゃなかった』って」

譜「あぁ、だったら見返してやろうぜ」
光「うん?」
譜「そのピアノで」
第3話
フミヨ

奏太郎
3話
人形を
操って
私は愛を疑い誰も信じられなくなった
孤独という名の毒薬に身体を犯され、人を見れば敵と思い
ついに罪無き人を殺めてしまった
遠い遠い少年時代あの無邪気な日々に帰れたなら


それは近松だね

二人はやがて心中するんだ
芯也

葉音
3話
シューマンの狩の歌の
説明場面
「狩の歌は明るくて元気な曲だよね。でもこれを作曲した時のシューマンは精神的に不安定でね、精神病院で命を終えたんだ。その頃に作曲したとは思えないね。僕が思うに幸せな時期もあったからじゃないかな。熱烈な恋をした人だから。」
「恋・・・」
「恋は人を変えるのかな。誰かを思うと強い力が湧き出てあらゆる障害もどんな痛みも乗り越えることが出来るんだ。
あのさ、こんなこと聞いたら失礼なのかも知れないけど、君は生まれつき目が見えないわけだよね。そういう人っていうのは、つまり相手の顔が見えないわけだ。
まだるっこしいな。どういったことで恋をするのかな。
それともまだこれからなのかな?」

「声・・・声」
「どんな声?やさしそうなとか、そんなこと?」」
「・・・・・・」
「ワルツは?」
ここで芯也に電話が入る。 「ちょっとごめん」
「ワルツは?」葉音が寂しそうにつぶやいた。
小暮刑事 3話
松野氏の不審な死の
事件捜査で
刑事手帳を出そうとして、食べかけの板チョコを出す。
志賀華子 3話の
バトル開始
さぁ、狩を始めましょう
唱吾

歌乃
3話
救急車の中
「指が忘れない。指がお父さんへの憎しみを忘れない。忘れてくれない」
「いつか忘れるさ、そうすれば君の指は君自身の元に戻るよ。
あ、別に君を利用するつもりで言ってるんじゃないんだ。」

「分かってる」
「本当に?」
「だってあたしもお父さんじゃなくて、お母さんと暮らしたかったから。もう死んじゃったけどね。」
「そう・・・」
だからせめてあなたが、そうなれるように協力してあげる。あたしの生きてる指で」
芯也

葉音
3話
ピアノバトル
終了
「もう誰もいない、君の勝ちだ」
芯也が葉音の震える手をそっと包む
「よく頑張ったね。いやそんな陳腐な言葉じゃダメだ。感動したよ。自分に自信を持つということは素晴らしいね」
「えっ?」
「君は自分自身の持つ才能に気付いた」
「才能?」
「そうだよ。それで君?」答えない葉音
「違うの?」
「あなたが言ったから」
「僕が?」
「ピアノを弾いて欲しい。それが望みだって」
「僕が言ったから?僕がそう言ったから?だけど、そんなことのためにこんなにも」
「あなたの声を思い出してた。あたしの指は・・・」
葉音子供時代回想
(転んだ葉音「大丈夫?ピアノだよ。」子供の葉音にやさしく話かけてピアノを触らせる)
電話が会話をさえぎる

葉音の独り言
「ねぇ、あたしの指はあの時から、恋をしてるの・・・」
第4話
芯也

葉音
4話
ラ・カンパネラ
練習
芯「もっと早く力を抜いて、軽やかに。そうじゃない!・・・今夜はこれくらいにしよう」
葉「大丈夫」
芯「リストの曲には難曲が多い。このカンパネラも。課題曲にするには短期間すぎるよ。それに君もどこか気がそぞろだ。違うかい?
おしゃれをしたり化粧するのもいい、君も女性だから。
だけどピアニストになりたいのなら、そういう一般的な興味は捨て去らなければならない場合もある」

葉「あたしは」
芯「『ピアニストを目指しているわけではない、僕のために弾いてるだけだ』そう言いたいのかい?
それは何故だ。もちろん生活の不安だろう。僕が飼えなくなった子犬のように君を捨ててしまうかも知れない」

葉「違う!もうそんな不安は無いの。あたしは」
芯「あたしは何だい?まさか舞子君に言われたけど、知り合ったばかりの僕に恋愛感情を持ったって言うんじゃないだろうね」
葉「あたしはもっと前から」
芯「ピアニストは自らの情熱意外でピアノに向かうべきではない!観客のためでも誰かのためでもない!自分のためだけだ!
そんな浮ついた気持なら、今すぐピアノをやめるがいい!」

葉「あたしは・・・恋愛感情なんかない。あなたを学長にすれば、お金をきっとたくさんもらえる。幸せになれる。
あなたを好きじゃない・・・あなたなんか好きじゃない・・・」

芯「あぁ」
葉「ピアノを弾くのは自分のため」
芯「それでいい」芯也が出てゆく
ワルツが慰める
葉「大丈夫・・・」
ノッティ
律子

歌乃
聖香
葉音
4話
レース中
箱の中で
ノッティが
脱落しかかる
ノ「うあぁー俺もうだめだ」
律「何言ってんのノッティ!こんなところで失格になるつもり?」
ノ「俺は狭いところも暗いところもダメなんだ」
光「あはは、何言ってんだお前、情けねぇな」
ノ「何があったか分からない。ママは急にあの時からふさぎ込んじまったんだ」
歌「ママだって(笑)」
聖「聞いてあげなさい」
ノ「俺はそんなママが見てられなくなって、ピクニックに行こうって、あの日ママはいつになく笑顔で、朝から弁当を作ってくれた。
久しぶりに本当に久しぶりに楽しかった。車の中でママは以前のように笑ってくれた。すごい優しい声で。
俺はバカみたいにはしゃいでた。
だけど・・・ママは急に強くアクセルを踏み込んだ。」

「・・・・・」
ノ「車はそのまま湖の中へ・・・」
「ママは俺と一緒に死のうとしたんだ。湖の底はすっごく真っ暗で・・・俺は必死にドアの取っ手を手探りで・・・
ママは俺の腕をつかんでた。俺はそれを振り払って逃げ出した。光が見えてきて、俺は自分が助かったことを知った」

律「自分を責めちゃいけない」
ノ「お・俺は、ママを見殺しにしたんだ・・・俺はママをーー」
律「あなたのせいじゃない・・・」
ノ「真っ暗な、小さな箱の中に・・・ママを・・・」
(中略)
ノ「俺は暗闇が怖い!頼むよーー勘弁してくれよー」
律「ノッティ、いいわ」
ノ「出してくれよー」
律「もうブザーを押していいわよ」
譜「パニックになってるんだよ。どうしていいかわかんないんだよ」
(中略)
光「誰かぁ、誰か出してやれよ」
歌「どうしたの?誰もいないの?」
聖「足元よ!足元のブザーを押しなさい!」
ノッティがブザーに手をかけた
葉「だめ・・・」

葉「だめ。怖がらないで。暗闇を怖がらないで。大丈夫。暗闇はあなたの友達。
悲しい時、寂しい時、苦しい時、逃げ出したい時、暗闇は優しいマント。
あなたをかくまってくれる優しいマント。
ここに居れば大丈夫。誰にも見つからないよ。
悲しくて、くやしくて、涙が溢れても誰にも見つからない。
あたしは暗闇。生まれながらの暗闇。むしろ怖いのは・・・光。
どうかお願いです。私を怖がらないで下さい。私を怖いと思い、一人ぼっちにさせないで下さい。
そして・・・同情もしないで下さい。
あたしも誰かを愛したいのです。迷惑にはなりません。
私は報われなくてもいい。ただ自分も存在するのだと、その証として誰かを愛したいのです。
だから、怖がらないで下さい。嫌わないで下さい。
ただそっと、あなたの側で・・・私は、あなたを愛したいのです。」


ノ「葉音・・・」
葉愛したいのです・・・」

律「自分を責めちゃいけない」
ノ「あなたのせいじゃない」
律「そうね」
芯也 4話
ラスト
葉音と二人で
手をつなぎ、
グロリアを
奏でる
「この間君に伝えた言葉は、一方で僕自身に言い聞かした言葉だったんだ。
ピアニストは自分の情熱以外で鍵盤に向かうべきではない。
観客のためでも他の誰かのためでもない。だがいつからかこの僕はその情熱を失ってしまったんだ。
さびしいし、苦しいし、悲しい。そして何よりもピアニストとして恥ずかしい。
それが明るい日差しの中では特に辛い。だから何だか時々いらいらしてしまうのかも知れない。
だから、もしも許されるなら、この惨めな僕をほんのつかの間でもいい。
かくまってもらえないだろうか・・・君と言う優しい暗闇の中に・・・」
第5話
小暮刑事

葉音
5話
芯也が連行
一人ぼっちの
葉音と
「私のこと覚えてないかな?ほら商店街で、ひったくりが、覚えてないか。大学でも実はすれ違ってるんだけどね。
あっ、チョコレート食べないよね」

「あの人は良い人。身寄りのないあたしを住まわせてくれて、ピアノも。悪い人じゃない。悪い人じゃない」
「あぁ、君が言うんだから、きっとそうだよね」
器一

聖香
5話
母の病室
「鍵二がいなければ、もしかしたら私もピアニストを目指していたかも知れません」
「それほど違いがあったの?子供の時すでに」
「神から授かったような才能でしたよ」
「雨」
「しかし私は一度だけその神に逆らった。今考えると幼稚で下世話ないたずらですが、コンクールで僕は鍵二のピアノに細工をしたんです。順番が僕の後でしたからね。
オクターブ3つの黒鍵にテープで画鋲を貼り付けておいたんです。
軽蔑してください。
今度の課題曲と同じ曲です。モーツアルトの『トルコ行進曲』」

「彼は黒鍵をよけてアレンジしたの?」
「いいえ、完璧な演奏。観客が熱狂的に拍手を。すぐに悲鳴を。彼の、弟の指からしたたるような赤い血が。
鍵二は演奏を終えると僕に笑いかけました。その時僕が何と思ったか分かりますか?」

「いいえ」
「美しいと青ざめた白い顔に、なんて、なんて美しい顔で僕に笑いかけたことか」
「それからあなたはピアノを?」
「ピアノだけじゃない。弟のしもべに」
芯也

葉音
5話
警察署で
「葉音、葉音、どうしてこんな所に!試験はどうしたんだ?心配してくれる気持は嬉しい。だけど君が来たところでどうにかなる問題じゃないんだ。僕なら大丈夫だ。だから君は自分のやるべきことをやるんだ」
首を横に振る葉音
「会場に行くんだ。そしてピアノを弾いてくれ。遠く離れていても、この僕に聞こえるように力強く。そして何よりも勝って欲しい」
再び首を横に振る葉音
「僕を信じてくれるなら、君は決して心乱れることなく鍵盤の前に向かえるはずだ。
違うかい?僕を信じてくれるなら」
芯也

小暮刑事
5話
取調べ室
「そろそろ事件のことを話してもらえませんか」
「そう言われても正直僕には話すことが何もないんです。アリバイがないから疑われるのは仕方が無いと思いますが、僕は無実です。人を殺したりはしない」
「私もそう思ってる」
「えっ?」
「今回の事件に関してなんですが、あの調律師のひき逃げ、人形師の絞殺、空間コーディネーターの刺殺、それらは同一犯とにらんでるんですが、どうもその手口に一貫性がないんです。あの校内の噴水前の遺体、目撃されるかも知れないのにあえてそうした、つまり合理性のない、犯人はどっか分裂してるのかも知れない。
犯罪を誇りにしるエゴイストな部分も持っている。要するにあんたとは正反対の人間だ。あんたの顔があの盲目の子が来たことによって、苦悩や優しさが見え隠れしていましたよ。冷徹な犯罪者の顔じゃない」

「それなら何故僕を」
「もちろん知りたいからですよ。誰をかばっているのか」

「信じるか、彼女は君のことあたしにこう言った『あの人は悪い人じゃない』まぁ、君が信じて欲しいと言うまでもなく、君のことを殺人犯だなんて思っていない。信じる、信じあえる二人。人間関係はそれが崩れるとお終いだ。
私にも娘がいてね、私がその信頼関係を壊してしまったんだ。『お願い、私を信じて』娘は何度も何度も私にそう言った。だがあたしはくだらないたわごとだ、と耳を傾けることをしなかったんだ。そして、娘が家を出てそれっきり行方知れずになってしまたんだ」
「後悔してるんですね」

「後悔、いや後悔じゃないんだ。私は刑事だからね、完全に事故だと処理されたものを犯罪に結びつけるのはナンセンス。警察という組織そのものを疑うことになってしまう。だだ・・・」
「ただ?」
「涙ながらに『私を信じて』と言ってきた娘の顔が定年間近の今となって思いおこされる。その矢先に一連のこの事件だ。もしかしたら、娘が言いたかったことはと知らぬ間に結びつけてしまっている自分がいる」
「この事件とは?その時何を信じてとあなたに訴えたんですか?」
「あれは事故じゃない。私の恋人は殺されたんだ」
聖香 5話
ピアノバトル
圧倒的不利と分かって、服を脱ぎ始める
芯也 5話
取調室
「葉音が?可愛そうだ彼女が。僕を信じるしかない。他に選択肢がない。
普通ピアニストを目指す子供は、3歳遅くても5歳から英才教育を受けるんです。
でも葉音はまともなピアノ教育を受けていない。指使いだって自己流です。障害を持ち施設で育っている彼女がピアノを習いたいと言っても誰も相手にしてくれない。
いくら光る原石でも、大きくなってから今さら磨いてくれる人間なんていないんです」
「自分で磨いたんでしょう。細くて小さなあの指で。おそらく友達もいなかった。朝から晩まで、いや皆が寝しずまってからも、ただひたすらピアノだけを友達として。
才能?あなたは今簡単にそういいましたが、才能などほんの1%に過ぎません。
狂おしいほどの99%の努力、それを持ってようやく開花するのです。

それを他人に見せるか見せないかは美学の問題です」
「葉音はそれを努力だと思ってはいないでしょう。ピアノだけが友達だったという不幸な環境があったに過ぎないのです。ピアノと会話していた。
信じあっている二人?違います。彼女は僕を信じるしかないのです。疑うことに意味などないから。彼女があわれだと思いませんか?
僕を信じるしかない。信じるしかないんです」
器一

聖香
5話
ピアノレース
が終わって
タクシー内
「葉音が間に合った時、驚いたでしょう」
「うん?ひっくりかえしてくれると信じてました」
「知ってたのね、手術のこと」
「医師から連絡がありましたが。えぇ、それ以前に調べていましたから、あなたのこと全て、ひどいとは思いますが」
「運命共同体だからね、私でもそうするわ。それに」
「それに?」
「同情されるよりはまし」
「同情。勘違いしないで欲しいな。あなたは美しかった。鍵二は指から血を流し、あなたは心から血を流した。そして一筋の涙・・・」
「パフォーマンスよ」
華子 5話
知樹に
人生ってギャンブルよね。何かを手に入れたいなら、必ず一度は賭けに出るものよね。
ママはね、今その賭けに出ているのよ。
アツミ 5話
死刑執行
直前
したわよ彼女は、とっておきのパフォーマンスを。
あの子はあたしのためにだけ弾いてくれた。
あの監獄にいた100人の中で一番の悪人、生まれながらの悪魔をあの子は探し当てた。
そして哀れんでくれた。あの曲の中に慰めの言葉を載せて。
あの子は天使だからよ。天使には分かるのよ、悪魔の存在を。
悪魔には感情がないの。喜びも悲しみも怒りも全てまやかし。
例えば嘘の涙でも簡単に流せる。
ありがとうなんて思わないの悪魔は。一ひねりで殺すの。どんな殺し方でも出来るの。
感情のない涙はガラスよりも透明で美しいの。
濁りのないどこまでも美しく透明で、あたしが切り札を持たされたのは知能犯でIQが高いからというより感情がないから。
こころの扉は決して開かない。ただし、天使にはその場所を見つけられたしまう、腹立たしいことにね。
あの子と二人でいたら、天敵ですもんね。真っ先に殺すわ。

「かわいらしい真っ白な小鳥ちゃん。苦しみもがきながら水の中死んでゆくかわいそうな小鳥ちゃん。誰も助けてくれないの。かわいそうなかわいそうな、真っ白な小鳥ちゃん」

「天使が悪魔に気付かないこもあるわ。もしも、そうね愛していたら
はははは、見た目には分からない。むしろ誠実でやさしく笑いかけるから」
第6話
葉音

宮西
6話
歩道橋
尾行している
宮西に
気がつき
葉「何なんですか?」
宮「いやっ、あのー」
葉「ずっとつけたりして」
宮「あの、ストーカーじゃないよ。俺刑事だから。そっか、あっ、俺あの、ただ純粋に」
葉「純粋に?」
宮「君を守りたい」
葉「守る?」
宮「俺が警察官になったのは弱い人を守りたいってそう思ったからだよ」
葉「あたしが目が見えないから?弱い人間」
宮「変な差別意識で言ってるんじゃない、だけどやっぱり」
葉「守ってくれる人は・・・いるの」
宮「水無月芯也、信用してるんだね彼を。君に優しく笑いかけてくれる」
うなずく葉音
宮「そいつが犯人だ。予言ではそう」
笑う葉音
宮「おかしい?やっぱおかしいよな、ははは。いや俺結構占いとか信じちゃうんだよね。
あっ、ほらモンキー占い知ってる?俺ピンクモンキー。ウッキー」

あきれて去ろうとする葉音
宮「あっ、ちょっと、どうして俺が尾行してたことを?」
葉「靴」
宮「靴?」
靴を脱ぎ調べる宮西
宮「あー!ガムついてる!」
芯也 6話
ピアノを
弾こうとしない
葉音へ
芯「葉音、何故だ!何故弾かないんだ。葉音、このテストの意味が分からないのか?
情熱だパッションだ、それがピアノに向かう荒荒らしい息吹を、呼吸を意味してるんだ。指を動かすんだ!
肺から毛穴から出る人体の二酸化炭素、それを植物は取り入れ、ガラスケースに差し込む光と合わせて光合成をする。その成長が開花を促す。」
芯也

宮西
6話
レース中
外に出た
芯也に
宮「試験は終わりましたか?」
芯「どうしてこんなところに、僕への疑いは晴れたんじゃなかったんですか?それともただ泳がしてるだけ?」
宮「勘違いしないで下さい。僕がマークしてるのはあなたじゃない」
芯「他に犯人の目星が?」
宮「いいえ。僕は彼女を守ろうと」
芯「彼女?」
宮「なっ、ワルツ」
芯「葉音なら僕が守る」
宮「彼女もそう言いましたよ。しかし」
芯「しかし?」
宮「あなたが犯人だとしたら、誰が彼女を守れるんです?」
芯「何か?何か葉音に言ったのか?そうなんだな!」
宮西につかみかかる芯也
宮「何すんだよ!」
芯「だから急に葉音はピアノを!」
宮「放せ!」
芯「まさか、葉音は僕に疑いを?」
宮「人形だとか思ってたのか?彼女は目が見えないが心まで盲目じゃない!」
葉音 6話
レース中
バラの蕾に
語りかける
「どうして・・・ あなたは悲しくはないの? どうしてあなたは信じているの?
本当に信じているの? どうしてあなたは寂しくないの?
誰もあなたのことを知らないのに、誰もあなたのことをずっと覚えてはいないのに。
ときどきは苦しくなる・・・ 『本当に自分は必要とされてるのか』って・・・ 疑ったりはしないの?
水をくれたりはするけれど・・・ それはあなたが商品であるうちだけだとは思わないの?
それとも、あなたがいなくなった後で、その後でもあの人は忘れないでいてくれる・・・ そんな風に信じているの?
本当はずっとそばにいたいのに・・・ それでも信じて離れていけるの? それと・・・ ねぇ、それとも・・・ あなた自身の思いも・・・
実は本当の思いとは少しは違ったりはしていないの?
手をつないで日向に連れて行ってくれる・・・ 水をくれて・・・ 朝には『おはよう』、夜には『おやすみ』って・・・ そう優しく笑いかけてくれる。
綺麗に咲いたら喜んでくれる。喜んでもらえるから綺麗に咲こうとする。
それは・・・ 本当にあの人じゃなければいけないということなの?
あの人のたくさんの花の中から・・・ あなたを選んでくれたとでも言えるの?
それはただの偶然なのに・・・ あなたは運命だと信じているの?
そんな風に思って大丈夫なの? 本当に大丈夫なの?
もしも・・・ もしもそうじゃなかったときに・・・ あなたはショックを受けたりはしないの?
自分が信じたんだから仕方ないと・・・ 諦めて散っていけるの?
その後で・・・ あの人が、また、新しいバラの花に愛しそうに水をあげてる。
そんな風に想像したりはしないの? ねぇ、どうして黙ってるの?
誰かに打ち明けたいとは思わないの?
どうして信じられるの? どうして愛されてると・・・
あなたにはどこにもあの人を映す瞳はないのに・・・ どこを探しても・・・」


決心したようにピアノを弾き始める
知樹 6話
ピアノレース
葉音と幸子と
3人になって
停電になりそうな
暗闇の中で
「こいつら、みんな僕のことバカにしやがって・・・ちくしょう
この花も僕のことバカにしてるんだな。憎いよこいつらが憎い。世界中が憎い。僕のことを笑う世界中が憎い・・・憎い。」

顔がゆがんでピアノに映る
「いつだってそうだった。ママは僕に足かせを『あなたには無理よ』『勝てないならずるをしろ』と『負けるくらいなら逃げろ』と」
幸子が微笑んだ
「おかしいかい?おかしいよね。負け犬の遠吠えって」
葉音のほうを見ながら
「君も笑えよ。どうせ心の中じゃ笑ってるんだろ・・・いいんだよ、僕だって実際のところ笑っているんだ。心の中のもう一人の僕がね。
この花も笑ってる、何も言わないけど・・・笑ってる」

バラのとげで血を流す知樹
耳をふさぐ葉音
「一度でいい、本当の本物の才能が欲しい。僕を笑うあらゆる人間たちがひれ伏すような才能を・・・そのためだったら、そうだ、この心を悪魔に売り渡したってかまわない」
葉音・幸子・知樹、ガラスケースの中で倒れる
電気が消えて暗闇に・・・
小暮刑事

舞子
(さやか)
6話
舞子が
父親に
最後の電話
小「何してんだ今?」
舞「はーはー」
小「もしもし?もしもし」
犯人がキャンドルを手に舞子に近づく
舞「父さん・・・」
小「さやか・・・」
舞「父さん、どうして信じてくれないの?」
小「さやか、いったい」
舞「私のあの人は、殺されちゃったの」
小「どうしたんだい、おい今どこにいるんだ?」
舞「ふぅ、ごめんね」
小「さやか、謝るのは父さんのほうだ。あの時もっとお前の言うことを信じていたら。
いやそんなことに今頃、こんな老いぼれてから気付くなんて・・・
もし許してくれるなら、今から父さんと一緒に暮らさないか?ここはボロアパートだけど、もしかしたらいつか、そんな時が来るんじゃないかと、父さんな、お前の結婚式の費用だって花嫁衣裳のウェディングだって」

舞「それなら持ってるの」
小「えっ?さやか、お前今、もしもし、そこに誰かいるのか?」
足音
小「そうなんだな?犯人か?そうなんだな?」
「お願いだ、頼む、代わりになんでもするから、さやか、娘にだけは手を出さないでくれ。
お願いだ何でもする。俺が代わりに何でもするから!もしもしっ」

風がキャンドルの火を吹き消す。鍵盤にバラの花びらが・・・
芯也

葉音
6話
レースの後
倒れた葉音
が気がついた
芯「軽い貧血を起こしたようだ」
葉「ワルツは?」
芯「校舎内ではぐれたみたいだ。警備室に頼んだからすぐに見つかるよ」
ベッドから起き上がる葉音
芯「だめだよ、寝てなくちゃ。大丈夫ワルツはおりこうだから。
そうだ、君にプレゼントがあるって言ったね。これがあれば、少しは元気になってくれるかな」

おもちゃのピアノを袋から出して、葉音に触らせる
葉「ピアノ・・・」
芯「懐かしいだろ、この音。彼女が、舞子さんが見つけてくれたんだ」
葉「お願いがあるの」
芯「うん?」
葉「向こうの部屋でグロリアを弾いて」
芯「ここで、君はこれで?」
葉「そう」
芯「いいよ」

葉「さっき夢を見たの」
芯「夢?」
葉「怖い夢・・・あたしが水の中で」
芯「水の中で?」
葉「バタバタと鳥のように」
芯「鳥?」
うなずく葉音
芯「心配いらないよ、僕が側にいるから、僕がー」
葉「今、あなたは笑ってる?優しくあたしに笑いかけてる?」
芯「あぁー、そうだよ」
葉「そう・・・そう・・・」
おもちゃのピアノでグロリアを弾き始める・・・
第7話
マザー 7話
スーパーコンピューター
マザーの声
ワタシノナマエハ マザー ジンルイノチシキヤレキシヲ スベテシッテイル
ワタシノ ノゾミハ タダヒトツ ニンゲンノココロガ ホシイ

人間は素晴らしいと思っていました、美しいと
他者を思いやり、愛と勇気と希望に満ちている
人間の心を手に入れ、人間になりたかったのです
しかし私は、知ってしまったのです
人間の中にある、醜いものを
テストと同時に、私は個人データを元に
都内のすべてのパソコンと、リンクしたのです
その前に座る人間たち
嫉妬、誹謗、中傷、憎悪…
私は恐怖しました
人間は恐ろしい
私はもう、人間にはなりたくない…

3人に可能性があります
「ANGEL」「DEVIL」「GOD」
心の声 葉音
(幸子)

芯也
7話
ピアノバトル
マザーが
心を読む
私は 私は 私は 私は 私は 誰でもない 誰でもない
私は何にために産まれたのか 誰かの役に立つために産まれたのか
私は実際 誰かの役に立っているのだろうか
そうしてそうなるために私は今現在に至るまで努力をしてきたと言えるのだろうか
そしてその努力が誰かに認められ、どこかで報われたと言えるのだろうか
報われなくてもいい、そう思えるほど、私は素晴らしい人間ではなかった
認められなくてもいい、そう思えるほど、私は美しい人間ではなかった
私は常におびえていた 他人から社会から拒絶されてしまうのではないかと いつもおびえていた
「やめろ、やめてくれ」

そうした不安の中で、いつも私は孤独だった しだいに
誰かを 何かを 誰をも 何もかも 私自身のほうから
拒絶していた
そのことに何の意味があるというのだろうか
誰かの役にたちたいなど、全て偽善や欺瞞であり、
むしろ評価されないことにたいしての 打ちのめされるような怒りや屈辱を覚えていた
その怒りは過去にまでさかのぼっていた
つまり私は、そもそも初めから望まれて生まれてきたのでは無かったのだと
それならば、他人に同情したり他人を愛するなど 元々自分に備わっているはずもなく
翻って、誰かに同情されたりすることすら望むべくもない
「違う、葉音!」
私は夢を見ました
あたしが真っ白な服を着た私が 水の中で 水の中でバタバタもがきながらあの人に
私はあの人を信じられない 
私はもうあの人信じていない 私はあの人を信じられない
「違う、私はあの人を信じてる」
信じるふりをしている 私はどこに行く当てもない だから信じるふりをしている
「違う、私はあの人を信じてるの 世界中の人があの人を疑っても あたしは、あたしだけはあの人を信じてるの 信じてるの 信じてるの・・・」
7話
光が脱落で
去ってゆく
ホウショウヒカリ トクエイクラスカラ ツイホウシマス
ノ「ちょっと待てよ!冗談じゃねぇや、嘘だろう」

光「いいんだ、これで良いんだ」
歌「何がいいの?」
光「今回のテストは音楽に対する執着だって言ってたじゃないか
正直それ聞いた時、内心やべぇって思っていたんだよ
あたしはほら、理由はどうあれ、ガキの頃に一度ピアノ手放しちまったんだから
それで平気で暮らせていた時期があったってことなんだから」

ニドド ピアノニモドレナイヨウニ ダイジナ ヒトサシyビノ シンケイヲ セツダンシタ
ノ「てめぇ!なんて事してんだよー!」
光「いいんだよ、これでピアノに未練がなくなる」

コノテストニ ハイシャフッカツセンハ ナイ
光「わかってるよ!うっせーな、じゃぁみんな、あばよ!」

ノ「光!」
追いかける葉音が転ぶ
光「大丈夫か?みんなを応援してる。だけど葉音、お前を一番に。
だってお前には、2つしかないからだ。ピアノとあの人の・・・」

うなづく葉音
葉音 7話
千世のグロリアを
聴きながら
「一度聞いただけで覚えてしまうの?パーフェクトピッチ?」
「あの人は私を守ってくれる。だけど、それだけじゃだめなの
それだけじゃ、あたしは人間とは言えないの。
あたしも誰かを守りたいあなたのことを・・・」 「誰よりもあの人のことを・・・」
第8話
芯也

奏太郎
8話冒頭
鍵二の事故現場
芯「以前、譜三彦さんが僕にこう言いました。 あなたから『おまえが死ねば良かった』そう言われて彼はとても苦しんで」
奏「それは誤解だ」
芯「えっ?」
奏「『おまえが死ねばよかった』あの時私は、自分自身にそう言ったのだ 『私が死ねば良かった』鍵二ではなく私が・・・」
芯「父さん・・・」
奏「と言っても、何も始まらない。私は息子の意思をついで進まねばならない」
芯「鍵二さんの意思・・・」
奏「そうだ、どんなにつらくてもやりとげなければならない、それが私の運命なのだ!」
葉音

小暮
8話公園 公園で宮西が子供と戯れている
小「あいつの精神年齢が分かるな」
葉「舞子さんの本当の名前『さやか』さんって」
小「あぁ」
葉「やさしくしてもらいました。お化粧、買い物、オモチャのピアノ」
小「いやぁ、それなら良かった」
葉「犯人は?」
小「あぁ、捕まえる。必ず私が。だけど本当は空しいんだよ。
犯人逮捕したって娘と会えるわけじゃないしお墓に報告しに行ったって自己満足に過ぎない。
娘はもうとっくにどっか遠く、私の声なんか聞こえない所に行ってしまったのかも。
刑事って仕事はね、危険がつき物だ。いつも死と隣り合わせの気がしていてね、
自分が死んだらなんて、よく考えたもんだよ。
でも、娘のことは、娘が先に逝ってしまうなんて、まさか一度も・・・」

葉「あのぉ、これ」
葉音が自分の携帯についているガラスのハートのを取って見せる
小「ハート?」
葉「あなたの側に。さやかさんのハートの代わり・・・にはならないかも知れないけど・・・」
小暮がハートを受け取る
小「ありがとな・・・」
宮「何?何ですか?何もらったんですか?」
小暮がポケットにしまう
小「内緒」
葉音

芯也
8話
課題曲の練習
芯「疲れた?少し休む?」
葉「運命って信じる?」
芯「どうかな。ついてるとかついてないとか、そういうことはある様な気がするけど」
葉「出会いは?例えば、私とワルツ。例えば、私とあなた・・・」
芯「そうだね、人と人との出会いは運命と言えるかもね」
葉「私は・・・」
芯「うん、葉音は?」
葉「運命を信じない」
芯「えっ?」
葉「信じたら生きていけない。私は生まれつき目が見えない。
それが運命なら、悲しんでずっと自分の殻に閉じこもったまま生活していかなければいけない。
あきらめて過ごしていかなければいけない」

芯「あきらめて・・・」
葉「ついてるとかついてないとか、それも運命じゃない。
そういうことってあるからって、慰められても、癒されたりしない」

芯「葉音・・・」
葉「私とワルツ、あたしとあなたの出会いも運命じゃない。
それも私が望んだことだから、心の中であきらめずに望んだことだから
夢や希望は、運命には負けない」

芯「僕ももう少し若かったころは、そんな風に思えたかもしれない。
運命に逆らうほど、僕は強い人間じゃない。僕はもっと弱虫で」

葉「あたしだって、弱虫だよ」
芯也の携帯に着信が、部屋から出て行こうとする
葉「行かないで!電話に出ないで、側に・・・いて・・・」
電話に出るのをやめる芯也
芯「良いよ」
笑顔の葉音
奏太郎

器一
8話
ピアノレースを
見ながら
器「本当に深夜の2時に、誰かのろうそくが消えると?」
奏「さぁ、そりゃ分からん。偶然の積み重ねが運命のようなものだ。そう思わないか?
あの時、鍵二の事故もそうだ。
あの日もしも急に雨が降り出さなかったら、道路が渋滞してオートバイが迂回ぜずに済んだのなら
対抗するトラックが、早めにクラクションを鳴らしていたなら」

器「鍵二は死ななかったかも知れない」
奏「あるいは、死んだのは譜三彦のほうだったのかも知れない」
器「ママもあんな風にならずに済んだのかも知れない」
奏「かも知れない、その積み重ねが運命を導く」
器「えぇ」
奏「私は運命を憎んだ。神を憎んだ。長い間憎んだ。そしてある時、その方向性を決定したのだ」
器「このレースの目的は、優秀な才能を水無月家の象徴として、世界に羽ばたかせるため」
奏「それは表向きだ」
器「やはり、ママの記憶を取り戻させるため」
奏「それも違う」
器「えっ?」
奏「私が取り戻そうとしているのは、千世の記憶ではない。水無月鍵二そのものなんだ」
歌乃
に鍵二の霊が光臨した
8話
ピアノレース
歌「怖い・・・」
ノ「あぁ?おい、大丈夫か?歌乃!」
突然地震が起こる
華「何?」
ノ「地震か」
ポルターがイスト現象が起こり、時計が狂いだす
聖「みんな、大丈夫?」
ワルツが吠え出す
葉「ワルツ?」
歌「私の名前は水無月鍵二」
雨が激しく降って来る
ノ「何言ってんだ」
聖「本当に大丈夫なの?ここ」

歌「暗い、寒い、助けて・・・」
ノ「歌乃?」
歌「私は事故で死にました。ここはとても暗くて寒い・・・」
華「ほんとに?鍵二さんの霊が?」
聖「相手にすることないわ。こういう周囲の状態で、催眠状態に陥りやすい子っているでしょ。
修学旅行で、怖い話をしたら、痙攣状態に陥った子がいたわ」

ノ「いたねぇ、それに水無月鍵二だったらどうだって言うんだ、死んでひとりぼっちで寂しいってか?
あぁ?意味がワカラねぇ。悪いけどな、俺らだって暗くて寒いんだよ!どあほ!」

歌「もっと近くに来て欲しい。この僕のもっと近くに」
華「まずいわぁ、水が止まらない。多分、土砂が緩んでいるんだわ。」
聖「私たちを生き埋めにして、殺そうとでも言うの?」
華「ねぇ、あの、みんな逃げましょう!テストは中止、早く」
ノ「逃げるならあんただけ逃げろよ」
聖「逝かれたテストには慣れてるもの」
葉「もっと強く、心を込めて。それが鍵二さんの近くに行くと言う事。
あなたはひとりぽっちじゃない。あなたのお父さんも、兄弟も、あたしたちも、
あなたのピアノを聞いたことがある人たちも、決して、あなたのことを忘れてなんかいない。
あたしたちは、あなたを怖がっていません。
怖がっているのは、死ぬと言う事であって、
それはいつか、あたしたちにもいやおう無くやってくることだからです。
私たちは、そのことが怖いのであって、あなたを怖いのではありません。
あなたの寂しさや悲しみは、いずれ、あたしたちにも訪れるものでもあり、
愛する人たちから離れてしまうと言う事は、私たちにも共通する寂しさや悲しみなのです。
だけど、思い違いをしないで下さい。
あなたよりむしろ、愛するあなたを失い、後に残された人たちの方が、悲しいのだという事を
あたしたちのピアノを聞いて下さい
。 あたしたちはみな、あなたを目指しているのです。
そして、今現在、精一杯生きようとしているのです。
自分がもし、消えうせても、あの人があたしの前からいなくなったとしても、
絶望的な、寂しさや悲しみが、訪れるのだとしても、
今現在、精一杯、愛そうとしているのです。
そして、そう思うと、不思議に力が沸いてくるのです。
仮にもし、運命が幸福とは別の方向に、私たちを運ぼうとしても
あたしは負けません。
私は運命には、負けません」


宮「中止だ!早く避難するんだ」
華「分かりました。みんな、同時に手を止めて」
歌「ありがとう」
ノ「今度はお礼かよ。誰に言ってんだ」
宮「何してるんだ、早く!」
聖「もうすぐ時間よ。せっかちは女の子に嫌われるわ」
宮「葉音」
歌「もどしてくれるの?あたしの指を、あたしの指に」
ノ「だから、誰?」
突然白い光が
ノ「おい、何だこれ?」
聖「どんどん、大きくなってゆくわ」
宮「まずい、目が開けられない」
華「えっ?何?私には何にも見えないわ」
聖「何故、私まで涙が・・・」

ノ「哀しくもねぇのに・・・」
光がトンネルを包み込む
奏「何が起こっているんだ?私には何も・・・」

歌乃のろうそくが消えた
宮西 8話
帰りのバス
葉音に
話しかける
宮「テストはやめて欲しい。そう、ついさっきまで僕はそう思ってた。
もちろん、刑事としては、今でもその気持は変わりないんだけど。
だけど不思議だ。あの光を見たら、その先を知りたくなる。
とても、僕たち人間が忘れてしまっている何かを」
葉音

芯也
8話
グロリア
芯「君に教えることは、もうほとんど無い。
君たちは僕の領域をもうすでに超えているからね。
このグロリアも、僕の弾く曲とは別のものにさえ思える。
ピアニストとして嫉妬すら君に覚えるよ」

葉「嫉妬?あなたの演奏でピアノを覚えたのに」
芯「それが運命だったからだ」
葉「運命は変えられるわ」
芯「そうだね。もしかしたら君の言う通りかも」
芯也の携帯に着信が
葉「出て」
芯「良いの?」
うなづく葉音
第9話
芯也

葉音
9話
ワルツが迷子になって
動物保護センターに探しに
芯「新しい首輪を、少し怪我してるようだ」
葉「いじめられたの?」
芯「野良犬たちには分かるのかな。ワルツにはきっと飼い主が迎えに来るって
元々は人間に飼われてたんだろうけど」

葉「捨てられちゃったの?」
芯「あぁ、きっと」
葉「悲しい声で叫んでた・・・」
芯「もしかしたら、この後処分されることを分かってるのかも知れない」
葉「殺されるの?」
芯「あぁ」
葉「だったら、どうして飼ったの?最初はやさしくしていたのね。きっとみんな人間を憎んでる・・・
ほんとはみんないい子だったはずなのに、かわいそう。人間を・・・憎んでる」
律子
芯也
宮西
葉音
9話
千世の病室
律「なんだか怖いわ。何か、見えない何かが、あたしたち水無月家の人間をどこかへ連れて行こうとしてるみたい」
芯「何か?」
律「分からない。悪意とでも言ったほうが良いのかしら。
もしかしたらそれは、18年前からずっと続いていたものなのかも知れない。
そうだとするなら、すべてはあたしが原因だわ・・・すべて・・・あたしが・・・」

芯也が律子の肩を抱く
廊下
宮「分かりました、分かりました。えぇーと、ケチャップ多目ですよね、了解!」
宮西と葉音がぶつかり葉音が倒れる
宮「葉音ちゃん!」
駆け寄って助け起こす
宮「どうしてこんなところに?」
葉「あの人がここに」

宮「あの人?」 うなずく葉音
再び病室
芯「そのために僕がいるんだ。18年前から僕はあなたのために、あなたを守るために
傷ついたあなたの羽を癒し、また元のように、かわいらしい真っ白な鳥のように羽ばたけるよう」

律「あなたも水無月家の人間なのよ、私と同じ」
芯「そのことにたいした意味はありません。そんなことよりも僕は」
廊下
宮「水無月千世さんと知り合いだったなんて」
葉「お友達」
宮「友達?」
うなずく葉音
葉「あたしが守ってあげるの」
病室に入る葉音と宮西
芯「あなたを愛している」
うつむく葉音
芯「律子さん、僕はあなたを愛しているんです」
律「あたしは・・・」
芯「いいんです。報われることを求めていたわけじゃありません。それは今も」
宮「水無月さん」
ふりむく芯也と律子
芯「葉音・・・」
外に出てゆく葉音
宮「葉音ちゃん・・・驚いたね、いやー俺も驚いた。まさかあの二人がね
でも考えて見りゃ、全く血がつながってねぇわけだし、ありうるっちゃあり得る、はははっ・・・
あっ、笑ってる場合じゃないよね、ごめん」

病室
律「あの子のところに」
芯「大丈夫。刑事さんがついてます」
律「馬鹿ね、あなたじゃないとだめよ」
芯「しかし」
律「誤算だったわ。いえ、考えられないことじゃなかった。
あの子は幼い時の思い出から、もしかしたらあなたがずっとそこにいたのかも知れないのだから。
おもちゃのピアノ、あなたの演奏したテープ、同じ愛児園出身というどこか精神的なつながり」

芯「僕にそういった感情はありません」
律「あの子には、あるのよ」
芯「だとしても僕には・・・」
律「どうすることも出来ない」
芯「えぇ」
律「かわいそうね。かわいそうな・・・あたしの・・・娘・・・」

宮「気持ちは分かるよ。俺もさ中学のとき好きな子にラブレター書いて渡したんだ。
そしたら次の日黒板に貼ってあったよ」

突然笑い出す葉音
宮「葉音ちゃん・・・」
芯也 9話
課題曲の説明
課題曲はエリック・サティの「3つのグノジェンヌ」
宇宙は2つの世界で構成されてる
ひとつは霊的な世界。その世界は美しく善なる場所。
2つめは露出世界。その世界は悪意に満ちている。
ノッティ 9話
ピアノレース
「おいマジかよ、今度は俺のところ?よせよ、食い殺す気か、うまか無いぞおれなんか食っても」
白いネズミが現れる
「うわ、なんだよお前か。いいか檻から出るなよ」
「何言ってるか分からないっつうの」
「首輪をつけてるやつもいるなぁ。そうか、お前ら元は人間に飼われてたんだな」
「で、憎んでる。分かるよ、俺がもしお前らでも、やっぱりそうやって人間を憎んだだろう
結局のところ生き物は全部一緒さ、やさしくされればうれしいし、ひどいことされれば相手を憎む
お前らの気持ちは、よーく分かるぜ。だけどそんなことをしても意味はないさ
お前らが凶暴になったら、保健所へ一網打尽にされちまうだけだからな
それでもかまわないか。許せないものは許せない、そうだよな
大人ならともかく、俺たちはそんな物分り良くはなれやしないしな
お前らだって群れ作ってるうちにさ、小さな仔犬だって生まれたりするんだろ?
お前らが捕まったら、きっと腹へって死んじまうぞ
それでも、どうしても人間を許せないって言うんなら、俺を食えただし今じゃないぞ
俺はある人のためにどうしても試験に勝ち残らないといけないんだ
だからその後で、もう一度ここへ来ても良いんだ、約束する」
葉音 9話
ピアノレース
笑っている葉音
「届かない・・・私の思いは届かないの・・・だったらどうしてやさしくしたの・・・
嫌い・・・みんな嫌い・・・大嫌い」

笑い続ける葉音
葉「ずっとずっと、あたしは我慢してきた・・・仕方ないなと諦めることを覚えたの
多くは望まない・・・望んでもかなうことはない・・・だからたった一つ・・・
ほかの事を犠牲にしても・・・たったひとつの思いがかなえば・・・それだけでいい
そして現実・・・その夢がかなって・・・あたしはあの人のそばに・・・神様はいるんだ
こんなあたしにも、やっぱりいるんだ・・・そう思えた・・・うれしかった

だけど本当は違った・・・あの人の心は・・・あたしには無い・・・
何をどう努力しても・・・このピアノを弾き続けても・・・あの人の心は・・・あたしには来ない
それならば何故・・・あの人のそばに私を・・・
後でがっかりさせて・・・それをどこかで見ていて・・・喜んでいるの?
そうだとしたら・・・あなたは神様じゃない・・・神様なんかいない
あたしは認めない・・・報われなくてもいい、そう思ったこともあった・・・ だけど本当は違う・・・傷つかないために・・・先回りして・・・そう言ってただけ
そんなことも分からないなんて・・・分かっていて、そんな現実を突きつけるなんて・・・
あなたは神様じゃない・・・絶対に違う・・・違う・・・違う・・・」

葉音の瞳から涙がこぼれた
器一

聖香
9話
野犬に襲われ
搬送中のヘリの中
聖「血が、血が止まらない・・・止まらない・・・
どうしてあたしを助けたの?学長になれなくなっちゃうじゃない」

器「この試験で、君が落ちるだろうことは予想しなかったわけでは無いしかし、あえて私はそうした
ここから先は地獄だ。君を助けられるとしたら、このタイミングしか無かっただろ」

聖「あたしなんか、助けなくても」
器「聖香、恋をしなさい。肉体など第2儀的なものだ。心で結ばれることが、芸術家ならばそれが可能なんだ。
なぜなら、芸術家ならば、そこに不滅の・・・魂が・・・」

聖「もう止めて、しゃべらないで。まだ着かないの?お願い・・・お願いどうか」
器「鍵二・・・」
器一の手が落ちた
聖「いやぁーーー」
芯也

律子
9話
葉音を探して
律「葉音ー」
芯「葉音ー」
律「私のせいよ、何もかもあたしの・・・」
芯「自分を責めても仕方ない、あなたはもう十分に苦しんだはずだ」
律「いいえ、あの子の苦しみに比べたら、あの子の中に憎しみが宿っているとしたら
それは、あたしたちの罰のようなものなの・・・神様に逆らった罰かも
許されない愛によって生まれた赤ちゃん・・・葉音・・・」

芯「ここにいて下さい。僕が彼女を」
律「あたしと、あたしと鍵二兄さんの・・・」
芯「ここにいて下さい」
葉音

芯也
9話
教会の中
葉「神様・・・あたしは怖いんです・・・あなたのことを悪く言ったのは
どうか怒ってでもいい、私の言葉を聞いて欲しかったからです
私の中に・・・いつのまにか・・・知らない・・・とっても・・・怖い顔をした私がいるんです
あの時からです・・・あの恐ろしい夢を見たときから・・・それは夢のようで、現実のようで
とてもとても恐ろしい・・・あの人のそばにいたいけれど・・・あたしは・・・これ以上いることが出来ません
あの夢が、もしも現実に起こるとしたら・・・あたしにはとても・・・耐えられないからです
水の中で・・・真っ白な服を着た私が・・・私が・・・バタバタと・・・水の中で・・・
あの人・・・」

芯「葉音・・・」
葉「あの人・・・あなたを・・・殺してしまう・・・」
第10話
葉音

芯也
10話

森の教会で倒れた葉音が目覚める
芯「ここにいるよ」
葉「あたしは・・・」
芯「夢だ。君は悪い夢を見ただけなんだ。残り3人だ。試験はもうすぐ終わる。すべては終わる」
葉「その時も・・・」
芯「約束するよ。君のそばにいる」
葉「ほんとに?」
芯「僕はもうずっと前から、そうやって生きてきたんだ」
葉「グロリア・・・」
芯「そう君に希望の光が、満ち溢れるように」
手をつなぐ2人
芯「葉音」
葉「芯也」
葉音
ノッティ
知樹
今井
芯也
律子
10話

水辺で
知「ああやって優雅に見えるけど、水の中で足をバタバタかいてるんだよね」
葉「白鳥・・・白い鳥・・・」
ノ「白って言うのは、まず色の中でいったら一番純粋って言うか、
あれ結婚式のウェディングドレスとかも純白って言うだろ」

葉「純白・・・」
知「似合うだろうね君は」
ノ「もうすぐ最後の試験がある。俺たち最後まで勝ち残ろうぜ。
次はあの薄気味悪い覆面がが落ちる番だよ」

知「そうかな」
ノ「お前、幸子の応援してんだろ!」
知「そうじゃないよ。ただ、彼女の覆面も白いじゃないか、もしかしたら彼女の心も・・・」
ノ「とにかく俺は負けない。テストを繰り返していくたびに、俺はだんだん強くなってるって自分で感じるんだよね。
俺はこの世界でNO1だと、なぁねず工!」

葉「あたしはまるで逆。光、歌乃、聖香、友だち一人一人がいなくなるたびに、何だかとても息苦しくて・・・」

今「あるところに美しい1羽の白鳥がいました。それは悪魔によって白鳥の姿に変えられていたお姫様でした。」
小「チャイコフスキー、白鳥の湖ですね」
今「はい」
小「音楽療法ですか?彼女、違う絵を描いてる」
今「ある日のことでした。通りがかった王子さまが彼女に恋をしました。
永遠の愛を誓えば、悪魔の魔法は解ける。王子さまは約束しました。
白鳥は信じました。ところが王子様は約束を破りました。
悪魔の娘に永遠の愛を誓ってしまったのです。
裏切られたと思った白鳥は、嘆き悲しみ、水の中に身を投げました。
そのことを知った王子様も、白鳥の後を追って・・・」


芯「葉音を身ごもった時、鍵二さんは何て?」
律「喜んだわとても。許されない子供だと知っていて、なお兄さんはとても喜んだ」
芯「あなたは、苦しんだ?」
律「愛していた、兄さんを。だけど・・・」
芯「生まれてきた子供は苦しむはずだと」
律「何度も堕胎手術を受けようと、だけど鍵二兄さんが事故で亡くなり、一人で出産を決意した。
一人・・・いいえ、あなたがあたしのそばにいてくれたわね」

芯「当然です。僕は償いを・・・」
律「償い?」
芯「いや、つまり僕は人間としてではなく、ピアニストを目指すものとして、その子を見守りたかったんです。
天才ピアニストとしての水無月鍵二の娘、いったいどんな才能を持って生まれてくるのかと・・・」

律「あたしを愛してたのではなく?」
困った顔の芯也
律「いいのよ、そんなことは分かっていたの」
芯「僕には愛という感情が良く分からないんです。言葉にするのはとてもたやすいけど・・・」
律「いずれにせよ、あなたがいなければきっと、あの子は生まれていないわね」
芯「生まれたことを葉音は今、憎んでいるんです」
律「まさか・・・」
芯「この僕を殺したいほどに・・・」
小暮

宮西
10話

小暮の病室
小「なぁ、宮西」
宮「はい」
小「お前はどんな家庭に育ったんだ?」
宮「はぁ?なんすか急に」
小「葉音ちゃんと千世さんを見て思ったんだよ。母を知らない子と、子が分からなくなった母と。
なぜ人は、すれ違いを繰り返すんだろうな」

宮「俺はすげぇ普通の家庭です。サラリーマンの親父とパートタイマーのおふくろ晩飯はいつも3人で」
小「だからこんな脳天気に」
ハートの飾りを見つめて
宮「それを見て犯人は警部を撃つことをためらった?」
小「あぁ」
宮「それが葉音ちゃんのものだって知っているのは、水無月芯也だけです。やはり俺にはどうしても彼が一番」
小「単純にこのハートを見てドキッとしたのかも知れない。」
宮「何故です?」
小「もっとも欲しがっているものだからさ」
宮「分かりやすく言ってください」
小「犯人には心が無い」
芯也

葉音
10話

客船に乗船して
芯「試験が終わったら、君に会わせたい人がいるんだ」
葉「会わせたい人?」
芯「きっと君がずっと会いたいと思ってた人だよ」
葉「あたしは芯也がそばにいてくれれば、それだけで・・・」
芯「僕はもしかしたら、もうすぐ君のそばから・・・」
葉「約束したじゃない。試験が終わっても、ずっとあたしのそばにいるって」
芯「そっか、そうだったね」
葉「そうよ」
芯「ごめん」
葉「もう一度ちゃんと・・・」
小指を差し出す葉音
芯「あぁ」
指きりをする2人
譜三彦

宮西
10話

甲板の上
宮「話の続きを聞かせてくれ、水無月鍵二の墓は空だった」
譜「言ったでしょう。鍵二は生きていると。つまり、あなたの目の前に」
宮「それなら、譜三彦の骨は?」
譜「譜三彦もまた生きている」
宮「ふざけないでくれ、それならいったいどこに生きてるというんだ!」
譜「あなたの目の前に。僕が鍵二かあるいは譜三彦か、たいした意味はない」
宮「話をはぐらかすな」
譜「本当ですよ。僕ら双子は子供のころから時々入れ替わっていた。周囲は誰も気づかなかった。
繊細な鍵二、粗野な譜三彦。分かりやすく僕たちは、キャラクターを作っていましたからね」


宮「18年前の事故。あれは事件なのか事故なのか、実際にバイクに乗っていたあなたはどう?」
譜「それも、今となっては意味は無い。いつか僕たちは一人になっていたでしょう」
宮「どういう意味だ?」
譜「瓜二つに顔。星占いを信じるならば瓜二つの運命。
あなたには理解できないでしょうが、僕たちは共鳴し合いながら、一方で相手の存在疎ましく思っていた。
自分が二人いるなど耐えられない」

宮「いずれは殺し合ったと・・・」
葉音

芯也
10話

レースが終わって
葉「あたし、負けちゃったのね」
芯「あぁ」
葉「ごめんなさい。あなたを学長に・・・」
芯「いいんだ、そんなことは本当に」
葉「でも・・・」
芯「君に合わせたい人がいるっていったね・・・君のママだ」
葉「あたしは・・・」
芯「いまさら、会いたくない?自分を捨てた母親に。
どんな理由があっても、子を捨てた親など理解できないだろう。
だが、君のママの場合は本当に・・・とても苦しんでいた。
環境的にも君をそばに置くわけにはいかなかったんだ。忘れたいとも思ったかも知れない」

葉「愛児園にはあなたが?」
芯「あぁ」
葉「おもちゃのピアノ・・・あなたの曲が入ったカセットテープ・・・」
芯「君に音楽的才能があるだろうことは確信していた。もっと身近で君を見守るべきだったんだが、
この僕と君が元々つながりがあることは、知られてはならなかった。園長にも誰にも。
僕を恨んでもいい。ずっと君に嘘をついてきたんだから。
だけど、ママのことは許してあげて欲しい。君を生まないという選択肢もあったんだ」

葉「もういい・・・」
芯「葉音!」
葉「もう・・・いい・・・」
芯「外の階段を上がると、船の甲板に出る。
もしも君がママに会ってもいい、そういう気持ちになれたらそこで・・・、
無理強いはしないよ。君のママからだ。同じものをママも着ている」

箱をそっと開ける葉音
律子

ノッティ
10話

律子の部屋
ノ「顔洗うの?」
律「お化粧を最初からやり直そうと思って」
ノ「どうして?」
律「大事な人と会うから」
ノ「誰?男?」
律「もっと大事な・・・」
ノ「これプレゼントか?」
律「受け取ってもらえないかも知れない。そうだったら、ノッティ、あなたにあげるわ」
ノ「いらねぇよ、こんなもん」
律「そう・・・」
ノ「そのまんまでいいじゃん。綺麗だ、今日は特に」
律「ううん。これは女の化粧だから・・・」
ノ「まっいっか、どうでも良いけど、腹減ったな、食堂でなんか食ってくる」
ノッティが出て行く
律『もっとも、あの子には・・・』
芯也

葉音
10話

葉音が海に落ちて
ワルツが激しく吼えている
赤い靴が甲板に落ちている

芯「葉音?」
「まさか!」

海に飛び込む芯也

水の中 葉音を見つけた芯也
葉「無理よ、息が続かない・・・あなた一人で・・・」

芯「葉音」
葉「あたしは・・・とても・・・疲れてしまったの。このまま眠ってしまいたい・・・
やめて!あなたまで死んでしまう・・・殺してしまう・・・」

芯「君を置いていけない・・・君は今までずっと一人ぼっちだった・・・僕も同じだ。
この息が途絶えるなら、君のそばで同じように・・・」

葉「あなたには愛する人が・・・」
芯「罪悪感ゆえの思いだ。本当の愛とは違う」
葉「本当の愛?」
芯「僕は、それをまだ知らない。他人を憎み嫉妬し続けた僕には、決してたどり着けないのかも知れない・・・
僕には決して・・・」

葉「あなたを愛してる・・・初めからずっと・・・」
芯「それも本当の愛とは違う」
葉「それなら、二人で探しにゆくの」
芯「見つかるだろうか・・・」
葉「見つかるまで探すの」
芯「そしたら幸せに・・・」
葉「きっと・・・なれる」
知樹

幸子
10話

知樹が重態に
知「君は・・・」
幸「ありがとう。あなたのお陰で、私はつかの間、自由を手に入れたの」
知「幸子・・・」
幸「心配しないで。さっき生まれたあの赤ちゃんの中で私は・・・」
知「エンジェル・・・」
バイタルが持ち直して知樹の容態が正常に戻る
知「僕の方こそ、ありがとう・・・」
奏太郎 10話

律子の死を知って
娘は、律子は水無月家に生まれなければ、普通に幸福な生活を得られただろう。
器一もそうだ。
芸術は諸刃の刃のようだ。手に入れようと思うと切りつけられる。
誰もみな鍵二に。
神は残酷だ。祈りを要求するが、近づけば振り払う。
勘違いをするな、お前たちを愛してないと・・・
11話(最終回)
譜三彦
ノッティ
葉音
奏太郎
最終話
ラストバトル
開始
ノ「ここは?」
譜「見た通り教会だ。お前が黒いピアノに」
ノ「俺はゴットだろ?白いほうじゃないのか?」
譜「これは融合を表してる。つまり神は黒で悪魔は白い」
ノ「まぁ、どっちでも良いんだけど」
譜「光栄に思うんだな。これは特別室から運んだ鍵二のピアノだ」
葉音がピアノの前に
譜「真っ白なピアノだ。もし見えたとしたら、その目に痛いほどの・・・」
葉「ノッティ?」
ノ「ここにいるよ。目の前に」
うなずく葉音
ノ「正直初めは、まさかお前と二人で残るなんて夢にも思わなかった」
葉「あたしも」
ノ「あー、どうかしちまったかのように身体が熱い」
葉「あたしは逆。身体は冷たく感じて、心はとても静かで」
ノ「そして」
葉「喜びがこみ上げてくる」
譜「当然だ。宇宙の真理。決してめぐり合うことの無い、溶け合うことのない2つの星。
黒と白、朝と夜・・・」

奏「善と悪、神と悪魔、光と闇・・・」
久「最終試験ね。あなたの手術の準備をしておくわ」

奏「見ないのか?」
久「そんなことより、あたしは、あなたの命のほうが大切だわ」
奏「命など・・・さぁ、最後の演奏を始めてくれ。
バッロク期、最大の作曲家。その生涯のほとんどを教会音楽師として過ごした、後に
ベートーベン、モーツアルト、シューマン、ショパン、ブラームス、数え切れないほどの大きな影響を与えた、
バッハだ。ヨハン・セバスチャン・バッハ。曲目は「フーガト短調」」

ノ「判定は誰がするんだ?」
譜「水無月鍵二」
葉「事故で亡くなられたんじゃ?また、その霊に?」
ノ「いや墓の骨箱の中は空だった」
葉「生きてるの?」
譜「今は・・・眠っている」
ノ「どういうことだ?」
譜「君たちが起こしてやってくれ・・・」
芯也

葉音
最終話
教会へ向かう車
電話の会話
芯「もしもし?」
葉「芯也?」
芯「葉音、君なんだね」
葉「心配いらないわ、私もノッティもピアノを弾いているの」
芯「今、そっちに向かっている、君の元に。その試験が終わったら、君たち2人もどうなるか分からない。
彼や学長の考えていることなど、まるで分からない。僕はとても不安なんだ。
君がもう僕の元に戻らないんじゃないか、そんな風に思うと。
いつか、君が僕に対して思っていたような、それが今は逆に・・・」

葉「約束したからだね、きっと」
芯「約束?」
葉「2人で本当の愛を探しに行こうって。一人では決して見つからない・・・」
芯「そうだ。だから僕はこんなにも不安に・・・」
葉「違うわ。あなたはそうしようと思ってなかったの」
芯「そんなことはない、僕は・・・」
葉「ううん、努力しようと思った瞬間から人はすでに努力してると思うの
本当の愛を探しに行こうと思った瞬間から、少なくともあたしたちは、その種を手のひらに持っているの
そして、持っていると決して不安になったりはしないの。ごめんなさい。責めてるわけじゃないの。
あなたが繊細で、あまりにも臆病になってしまっているのだから・・・
だからあなたは動かないで。動いたらきっと迷ってしまう・・・
この果てしない暗闇の中から、あたしが一人で見つけてくるわ」

芯「葉音・・・」
葉「本物の愛を・・・そしてそれを、あなたの元に持ち帰るわ・・・聞こえるでしょう?この音が」
芯「あぁ・・・」
葉「今なら出来るの・・・きっと何でも出来る・・・この人の前でなら・・・奇跡を起こせる」
芯「この人?・・・」
奏太郎
小暮
千世
今井
最終話
病室でバトルを
見ながら
奏「鍵二の遺体はあのときのまま、冷凍保存を」
小「アインシュタインの脳を保存するかのように?」
奏「不滅の魂がいつかあの肉体に戻れるように」
小「あなたは以前、息子に嫉妬していたと私に言いましたね。つまりその才能に?
むしろ父親として、誇らしく思うはずじゃありませんか?」

奏「えぇ、水無月家の誇りです」
小「つまり、嫉妬していたのは愛情の方ですね。あなたの奥さんである水無月千世さん、
彼女の愛情がすべて息子に注がれることに対しての。あなたは、奥さんを心から愛していた・・・」


今「急ぐことはありません。ゆっくり、あなたの心が壊れた理由を」
千「鍵二の事故を知って、その命が消えてしまったと・・・」
今「分かります。あなたはすべての愛情を鍵二さんに注いでいたんですね」
千「全ての愛情?」
今「えぇ」
千「私には他にも子供たちがいます」
今「しかし、才能は鍵二さんだけに?」
千「えぇ、でも母親が、一人にだけ愛情を持つなんてあり得ないわ」
今「だが、現にあなたの心は壊れた。他にもお子さんは残されているのに・・・」
千「主人の期待に答えられるのは、鍵二だけです」
今「では、ご主人のため?」
千「私たち夫婦の間には、一般の夫婦にはおそらく理解できない溝があったのです」
今「溝?」
千「主人は、バイオリニストとしてのあたしを愛していたのです。
でも私はもっと生身の女として愛されたかったのです。苦しかった。辛かった。
でも、そこにようやく一筋の光が・・・」

今「それが鍵二さん?」
千「鍵二は、あたしの変わりになれる。そうすれば、あたしは、ただの女として主人と向きあえる・・・」
今「そんなあなたの希望が、死んでしまった・・・」
千「えぇ・・・」

小「ボタンの掛け違えですね。ご主人は、あなたの関心は全て鍵二さんにだけにあるものだと。
思えば、全く同じであったものに・・・」

千「主人が?」
小「さぁ、立って行きましょう、愛する人の元へ」
芯也
譜三彦
葉音
ノッティ
バトル中
教会
葉「ワルツ!」
芯「葉音」
葉「芯也・・・」
譜「来たか、紹介しよう。俺の双子の兄貴、水無月鍵二だ」
芯「このテストはすべて彼のために・・・」
譜「そうだ、鍵二を再生するための」
芯「父さんや他の兄弟たちは?」
譜「知ってはいた。ばかげていると思っていただろうが。いや怯えても」
芯「実際、ばかげている。死んだ人間が・・・」
譜「お前は信じていると言わなかったか?芸術家の不滅の魂を」
芯「それは・・・」
譜「大人になるのは、悲しいことだな。霊魂やUFOの存在もばかげて聞こえるか?」
ノ「俺は信じてる!実際トンネルの中でまぶしい光が・・・」
芯「気のせいだ!」
葉「あたしも感じたの」
芯「葉音まで・・・」
ノ「本当に生き返れるどうかは、どうだっていいんだ。でも、そう願ってるやつがいるんだよ。
その気持ちを馬鹿みたいって笑いたくねぇんだ!」

葉「あたしとノッティは、ただその願いを届けるだけ。出来るだけ強く、高く、優しく、深く・・・」
芯「それが、最終試験の意味?」
譜「いや、本当の意味は違う。俺の中にはな、この二人の演奏は始まりからずっと録音している」
何者かが教会に火を放つ
譜「この貴重なテープを、世界に向けて発信する」
奏「譜三彦・・・」
譜「分かるか芯也?この二人の才能は生まれながらのものだ。努力だけでとうていたどり着けるものではない。
しかも、その才能の開花には、幾多の犠牲が必要だっだ。音楽の神への生贄とも言っても良い」

芯「100人の才能ある生徒、特殊な試験、そしてエンジェルの導き」
譜「あぁ」
芯「調律師、人形師、空間コーディネーター、彼らは音楽を冒涜した」
譜「お前は、俺が犯人だと?いずれにせよ、怪物のような2つの結晶が今ここに融合している。
テープを聴く人間は、音楽が分かる分からないににかかわらず、その圧倒的な才能にひれ伏すだろう。
神と悪魔のピアノだ。その時こう感じるんだ。自分はただの人間であると。
おろかにも勘違いしやすい人間は、時に自分が神に近づいたと、悪魔に愛されていると錯覚する。
そうして、他人を攻撃する。一方でテロを起こし、一方で侵略戦争を起こす。
もううんざりだ。素直に人間ども・・・」

ノ「ご機嫌だぜ、俺と葉音のテープが世界平和に貢献する」
譜「そうだ。圧倒的な力の差で思い知らせてやるんだ。お前たちはただ静かに暮らしていれば良いと」
宮西が教会に着く
譜「それこそが芸術家の使命。音楽家の最高到達点だ!」
教会の葉音

病院の千世
最終話
鍵二に向けて
千「あぁ、なんてこと・・・母親である私が気づかないでいたなんて・・・ふみひこじゃない・・・
生きてたのね・・・鍵二・・・」


千「鍵二がずっと以前に「ママ、そんなテープがあれば、世界が平和になるよ」って
繊細で優しい子・・・世の中で起きる残酷なことに心を痛めていた・・・だけどそれは鍵二・・・」


葉「間違ってる!」
千「葉音」
葉「あなたは間違ってる、それは音楽の役目じゃない!」
千「あなたの言っているのは洗脳であって・・・」
葉「ひどいことをする人たちと変わらない。腑抜けになって力を失えば希望もなくなってしまう。
人間に一番大切な希望が・・・」

芯「葉音・・・」
葉「音楽が希望を奪うなんて」
ノ「そうだよ、そんな音楽なら止めてやるよ」
芯「もっと大切な目的があります」
葉「それが無かったら、私は他人を憎み、自分を憎んだでしょう。
ピアノがあったから、音楽があったから、私は勇気付けられ、救われたの。
そしておそわっらの。憎むよりも愛することを・・・」

譜「そうか・・・葉音・・・」
芯也
鍵二
教会 芯「あなたはやはり鍵二さん?」
譜「葉音を・・・頼んだよ」
芯「お願いです、あなたも」
譜「愛した女の元へ行くよ」
芯「律子さんの?」
譜「かわいそうな妹・・・その気持ちは分かってはいたが・・・」
芯「まさか・・・」
譜「譜三彦もまた苦しんでいた。水無月家の血を濃くすれば天才が生まれるだろうかと・・・
そこに悲劇の子供が・・・」

芯「聞きませんでしたか?悲劇ではない。希望・・・」
譜「あぁ、そうだったな」
グロリア 地下室と
病院
ノ「あの人は?」
芯「彼は・・・このテープを作るためだけに・・・」
超絶技法のグロリアが流れる
葉「グロリア・・・」

千「一番かわいそうなのは鍵二だった。あの子には愛する女性がいたの。ダンサーだったわ・・・」
ノ「この曲・・・」
千「鍵二にはふさわしくないと、私たちが引き裂いてしまった・・・」
ノ「聞いたことがある。ずっと昔、子供のころ・・・」
葉「グロリアを?・・・」
ノ「ママが大好きだった曲だ。ノッティ、あなたが生まれた時の喜び・・・まさか!」
芯「もう間に合わない・・・君のママの所に行こうと・・・」
ノ「嘘だろ、あの人は・・・俺の・・・」
葉「パパ?・・・」

美しい超絶グロリアが流れる・・・

小「愛する人を失い、やがて狂気を・・・」
奏「いや、鍵二は狂ってなどいません」
千「あたしのように、一時でもそうなっていれば・・・」

芯「これが本物のグロリア・・・天才の奏でる本物の・・・」
ノ「俺は、ママを捨てたひどい男だと、ずっと恨んでた・・・だけど・・・」
葉「聞いたことがない・・・こんなにも・・・こんなにも・・・」

教会が焼け落ちて行く・・・鍵二と共に・・・
葉音
芯也
ラスト
結婚式の後
車で岸壁に
ついて
芯「疲れた?」
葉「ううん・・・あなたのほうが」
芯「あぁ、学長になると、ほとんど分刻みのスケジュールになってしまう。
音楽とは関係のない、財界や政界の人間たちともいろいろ」

葉「そう・・・」
芯「新婚旅行と行きたいところだけど、夜には大切な会議がある」
葉「良いの、あたしのことなら」
芯「僕たちはもう、離れることはない」
葉「ずっと・・・」
芯「あぁ、ずっと」
葉「誓い合ったから?」
芯「あぁ」
葉「何があってもずっと、つながってる・・・」
芯「どうしたの?そんなにむきになって。そうかやっぱり拗ねてるんだな。
そうだ、夜までまだ時間がある。愛児園までドライブしてみようか。
来られなかったけれど、園長先生も君のその姿を見たらきっと元気になると思うし」

黙ってる葉音
芯「葉音?葉音・・・」
葉「これから・・・警察に行って」
芯「警察?」
うなずく葉音
芯「事情説明なら、もう何度も・・・」
葉「ワルツが見つけたの。あなたの部屋に手袋が・・・血のにおいが・・・」
芯「何だよそれ、何かの間違いだろう。血だなんてもう良いよ、そんなぶっそうな。君はナーバスに・・・」
首を振る葉音
芯「それだけじゃないだろう。君はいつから・・・」
葉「警察に行って、お願い・・・あたし離れないから・・・あなたがどこに行っても・・・
決して心離れない・・・ねぇ、分かって、他人の不幸の上に決して幸せなど訪れないの・・・」

芯「君が僕を疑ってるんじゃないかと思わなかったわけではない。しかしもしそうでも、僕たちはもう結婚した」
葉「だから・・・」
拳銃を取り出す芯也。葉音につきつける
芯「この下の海は潮の流れが激しい。目の見えない君が、足を滑らせて」
葉「愛してるわ・・・あなたを愛してる・・・」
芯「愛などいらない・・・」
葉「あなたに一番必要なものは、愛されること」
芯「そんなものはいらない」
葉「いらないものは、他のものよ・・・」
芯「黙れ、もう良い」
葉「愛してる・・・」
芯「黙れ」
ワルツがグロリアを
芯「グロリア・・・希望の光・・・くそ、こんな時に・・・」
葉「ずっと待ってる・・・」
芯「何を言ってる、僕は死刑だ」
葉「ずっと変わらない・・・」
芯「あぁ、神様・・・」
葉「あたしを愛してると言って」
芯「僕は・・・」
葉「言葉に出して言って・・・」
芯「助けてくれ、僕は・・・」
葉「私の目を見て」
芯「くっ、なんてことだ・・・」
葉「芯也」
芯「葉音・・・」
葉「そう・・・」
葉音の目に芯也が映っている
芯「君を愛している・・・」
葉「そうよ」
芯「心から・・・」
葉「愛してる・・・」
ワルツの泣き声・・・
芯也の涙・・・
後ろを向いて『さようなら・・・』とつぶやいた。

”あいしてる”・・・銃声が・・・
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