DW主演神父様映画  シーン紹介  その2

Disclaimers

今回は、教会で患者たちに語りかける神父の言葉と、名優ピーター・オトゥールとの共演シーンです。

ピーター・オトゥールが演じているのは、ホノルルで看護士として医療に携わるうちに自分もハンセン病に感染してしまい、モロカイ島に隔離されてしまったイギリス人ウィリアムソンです。(この人物は神父とは宗派を異にするプロテスタントであり、神父に対する話し方もあまり丁寧ではないので、台詞を少しぞんざいな感じに訳しました。)

ウィリアムソンは、最初のうち皮肉な、すこし神父をからかうような態度なのですが、DWの神父に接するうち、徐々に心が和らいでゆきます。たぶん、このひとは病気に冒される前はとても一生懸命看護にあたっていたのではないでしょうか。それだけに、その自分がなぜ感染し、人間らしい暮らしも出来ないこの島に追いやられなければならなかったのか――こんな運命を与えられた事に対する、そんな思いが、皮肉な言葉や冷笑的な態度になってしまったのではないかと思います。
そのウィリアムソンが、徐々に神父に心を開いてゆく、そのきっかけになるのがこの教会での言葉を窓の外からそっと聞いて、心を動かされる場面です。私は信者ではないので迷ったのですが、このシーンに神父の信念が強く表れていると思うので、あえて取り上げさせていただきました。


その後、教会に来る事を拒んだままのウィリアムソンの元を神父が訪れ、小屋の修理をして少しでも快く暮らせるように手を貸し、食事の世話をします。
そこでの会話で、神父が聖職についた背景がわかるのですが、姉の事を話す神父の表情が本当に和やかです。見ていてつらいシーンがたくさんあるこの映画で、本当に安らかな雰囲気に包まれた場面だと思いました。


英語字幕つきDVDを見て訂正した部分があります。こちらへ
(教会に集まった患者たち。
プロテスタントで、カトリックの教会に来る事を拒むウィリアムソンも、足を引きずりながら教会の傍に来て、窓の外から神父の話を聞いている。)
Fr.D:  My brothers and sisters in Christ, my fellow lepers.
We are met here in the presence of God to seek his solace, to be reminded of His love for us.
キリストにおいて我が兄弟であり、姉妹である皆さん。我が同胞である癩病患者の皆さん。
我々は、ここに神のみまえに集いました。神の下さる慰めを求め、我々に対する愛を思い起こすためにです。
(中略)
I want to remind you that all men know loneliness, all men know isolation-- despair.
All men are afflicted in their hearts or in their bodies by sores and wounds which make them outcasts, outcasts to all ・・・but Him.
皆さんに、私は思い出して欲しいと思います。全ての人間が、孤独を知り、隔絶を、絶望を知るものだという事を。
全ての人間が、心や肉体において、爛れ、傷ついた部分に苦しみ、それゆえキリスト以外にとっては「放逐されたもの」であるという事を。

(中略)
In His life on earth, He healed the blind. He healed the lepers, not to tell us that men would not be blind, that men would not be lepers, but to tell us that in His eyes the blind people could see, the lepers were clean, and He loved them, as He loves all mankind.
この現世において、キリストは盲いた人々を癒しました。癩を患う人々を癒しました。しかしそれは、人が盲いたり、癩病を患う事が無くなると言う事を教えられたかったのではありません。私たちに教えようとなさったのは、キリストの目から見れば、盲いたものも見ることができ、癩病に苦しむものも清らかであるということ、そして全ての人間を愛するのと同様に、彼らを愛しているということを伝えたかったのです。

On that cross, then, as now, He shares all of our agonies. And by following in His light, He will show us all the way to peace.
その時も、今も、十字架上でキリストは我々の苦しみ全てを共にしておられます。そしてその光のなかで導きに従う事で、私たち皆に平安への道を示してくださるのです。

(神父の言葉に心を動かされ、その場に座り込むウィリアムソン。)


Fr.D:  (ウィリアムソンの粗末な小屋を直して)There, (it) should be more confortable.
さあ、これで少し過ごしやすくなるだろう。

Williamson (以下W.少しからかうような口調で):All this work for a Protestant?
You might go to hell.
プロテスタントの男のために、ご苦労なことだ。地獄行きになるかも知れんよ。
Fr.D:  I would rather that you took the sacraments but I don't like you sleeping like this within my sight.
秘蹟を受けてくれたらとは思っているが、でも、あなたが私の目の届くところでこんな風に(ひどい状況のまま)寝ているのは嫌なんだ。

W.:  I suppose it would be easier theologically if I just died.
私がただ死んでしまったのなら、神学的には簡単な話なんだろうがな。

Fr.D: Oh, you can't die until I convert you.
いや、私が改宗させるまでは死ねないよ。
W.: Do you honestly believe only Catholics go to heaven?
神父さんは天国にいけるのはカトリック教徒だけと本当に信じているのかね?

Fr.D: Not absolutely certain. ・・・But I know that Catholics can go to heaven.
さあどうだろう。・・・だがカトリック教徒が天国に行けるってことだけはわかっているよ。
(ウィリアムソンの食事を手伝う)
W.: You know you shouldn't touch lepers, much less eat with them.
癩病患者に触れてはいけないのは知っているだろう。ましてや食事を一緒にするのはもってのほかじゃないのか。

Fr.D:  I know a man who bandaged lepers' open wounds.
And he's going to teach me how.
患者の傷口に包帯をしていた男を知っていてね。彼にやり方を習うつもりだ。
W.: He's not in the greatest of health.
その男、病気になっただろうな。
Fr.D:  Oh, his spirits seem to be.・・・Yes, as for me I dread it. But I have put my health in the hands of God and the Blessed Virgin.
They will protect me as long as I'm needed.
精神状態は全く健康だよ。・・・そう、私も怖い。(←スピカ注:「病気になる事」が怖いという事だと思います)だが神と聖母の御手に、私の健康を委ねたからね。私が必要とされる間は護ってくださるだろう。
W.: What was it that made you a missionary?
なんで宣教師になったのだね?

Fr.D:  My sister. I was the youngest boy and my sister, she protected me until I could protect myself. (*1)
I loved her very much. And she became a nun, and died, taking care of the sick in the typhus epidemic.
姉だ。私は一番下の男の子で、姉は私が自分の身を護れるようになるまで私の事を護ってくれた。大好きだったよ。そして姉は尼僧になり、発疹チフスの流行の時、病人の世話をしていて斃れた。
W.: So you were born a missionary.
では生まれついての宣教師と言うわけだな。

Fr.D: No, not quite. I wasn't smart enough.
Yes,・・・I had to work very hard to pass Latin and theology.
いや、そうじゃない。私はそれほど利発ではなかった。そう、ラテン語と神学に及第するために、必死で勉強しなければならなかったよ。

W.: Oh, quite. Those are of course the most important things .
The Blessed Virgin may save you from leprosy. But are you sure she'll save you from influenza?

そうだな。ラテン語と神学は、(神父にとって)一番重要なものだから。聖母も神父さんを癩病にかからないようにして下さるかもしれないな。(*2)だがインフルエンザから護ってくれると信じているのかね?
Fr.D:  I'll take the chance.・・・Now, can't I move you into the church?
どうなるか、やってみよう。・・・教会に来てもらえないかね?
W.: No・・・no. When it comes, I want to die here. Out there at night, I see the world I've missed and all the friends and family who've forgotten I still breathe.
いや・・・やめておこう。時がきたら、私はここで死にたいんだ。夜になれば、向こうに私が恋しく思ってきた世界が見える。そして私が息をしていることも忘れてしまった、友人たちや家族が。
*1:以前2003年4月一杯の企画で載せていたMOLOKAIのあらすじの記事でこの部分をI was the youngest boy and she protected me like I protect myself と聞き取っていたのですが、likeではなくuntil I could と言っているようです。訳もそれに応じて訂正しました。
*2:上記の記事で、ここの訳を「聖母が、癩病からあなたを護ってくださるように。」としていましたが、祈願文のように訳してしまった誤りでした。mayの位置からも、それはありえないので訂正しました。お詫び申し上げます。





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