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The Bank 感想
これはお客様もThe Bank本編を最後までご覧になった事を前提とした、ネタバレ感想文ですので、ご了承くださいませ。
原稿の元にしたDVDは、アメリカ版です。監督のオーディオコメンタリー(AC)では、何度もこのアメリカ版には入っていない特典映像の事が出てくるので、変だな〜と思っていたら、オーストラリア版は別の特典映像がいろいろ入っているんですね?あせってUS版を買ってしまった・・・オーストラリア版は下記の内容だそうです。(あまりDavid関係は無いみたいですが・・・インタビューも、プロデューサーのだし。コノリー監督に興味が出てしまったので、なんだか欲しい・・・でも神父様映画のオーストラリア版をゲットするに当たっては、すごくストレスがたまったので、迷います。どこかAmazonみたいなところ、オーストラリアにもないかな・・・)
Main Menu Audio & Animation, Audio Commentary, Deleted Scenes-2 +/-
director's comm +/- editor's comm + intro, Featurette-Original Concept;
Production Design; Sound Design, Featurette-Original Music; Computer Graphics,
Interviews-Crew-John Maynard (Producer), Theatrical Trailer, TV Spots-4,
Gallery-The Bank Book with intrduction, Notes-Reviews, Trailer-Soundtrack,
Featurette-AFI Awards - Best Original Screenplay, Featurette-IF Awards
- Best Editing, Featurette-Mr. Ikegami's Flight + introduction, Featurette-Rust
Bucket + introduction, Trailer-Shadow Of The Vampire; Mullet; La Spagnola;
Pi, Easter Egg-2
できる範囲でストーリーページを作ってみました。解らないところは「わからない」って書いてあるところもあるのですが、あまりにも多いので単に飛ばしてあったりもして・・・
でも、「あのシーンあの顔が・・・」って感想を書きたくて、やってしまいました。
→ストーリー ページへ
*プロローグ(チャプター1)・・・仮感想にも書きましたが、ウォンバットの貯金箱、いいな〜・・・さすが有袋類王国。オーストラリアではよくあるのでしょうか?行った事が無いのでわからないけど、いつか欲しい。
それと天才少年、本当に賢そうですね!暗算であんなややこしい計算をやってしまうなんて、羨ましいです。小学生なのに複利の式を見せられて「これわかる?」っていわれて、ちょっと考える時も、まるで精密な機械が動いている音がきりきり聞こえてくるみたいに意識を集中しているのが伝わってくる演技・・・演じている子、将来が楽しみ。こうしてますますオーストラリア俳優の層は厚くなってゆく・・・
ところで、Davidもこんな制服のある小学校で半ズボンはいてたんでしょうか。
*チャプター2ではDavid登場!!
おお、日本語。
いつか来日したら、きっと日本語でちょこっと挨拶してくれるような気がするのですが。日本近いよ〜、David!いつか絶対来てね!彼もキディーランドとかでお土産を買うのかな♪
このシーンで一緒に出ているムロヤマ カズヒロさんという(コノリー監督は卒業制作の短編映画でこの方に出演してもらったそうで“a
fantastic Japanese actor”とACで紹介してました)、SFもののミニドラマシリーズEscape From Jupiter(邦題「スペースキッズ/跳べイカルス号」)でDavidと共演していたようです(このドラマはオーストラリア国営局ABCとNHKの共同制作。・・・だったら、再放送の可能性ありかも?)。
そしてさすがに我らがジム君は知的な雰囲気・・・役の上でも30才を過ぎてるはずなのに、万年学生っぽくていいな〜!
プレゼンテーションが済んで、センタバンクから出るところで「テーブルクロスは、やりすぎだったかな?」って言うところが可愛いですね。(でも反省してる割には、あとでまたレストランでやってる・・・白いテーブルクロスを見ると、むらむらっと天才が発動してしまうのか。)ここの場面の理想家肌の、世間知らずの天才青年ぶり、なんだか弱肉強食オヤジたちの中で、あぶなっかしくて、良い・・・。
*私、いわゆる「男の友情」ものが好きなんで、ジムをいつも温かく見守っているヴィンセントが結構気に入ってしまいました。ジムのセンタバンクで仲良くなった人たちって、ミシェルとヴィンセントの二人なわけだけど、ヴィンセントとの友情に絞ってくれたほうが私としてはうれしかったなー・・・(全然一般性の無い少数意見)でもそうすると、色っぽいシーンが全然無い映画になってしまい、観客がっかりか・・・
別にミシェルが嫌いって訳じゃないんですが。
でもヴィンセントっていい奴だと思う。後から入ったジムが高級マンションに入れてもらって高級車で送迎してもらって、待遇がすごいのに、やきもちも焼かないでいつもにこにこしてるし・・・(他のサイモンの側近は、ジムが失敗しそうになった時、ニヤッて笑ってたりするのに。でも長く奉仕してきた自分も招待されていない、サイモンの主催パーティーに、ジムだけ招かれた時はさすがに寂しそうでかわいそうでした)それでいて法廷シーンの後のジムにはびしっと怒る。それでもその後でBTSEで大勝負する直前にはジムに「大丈夫?」って気づかったり、「ずっとこの時を待ってたんだろう。」なんてやっぱり優しい。(ヴィンセントが何も知らずに無邪気にこう言ってる所、脚本巧いなと思いました)
レビューでもこのひとを演じるグレッグ・ストーン(SeaChangeにも出たことがあるらしいです。)をほめてたり、「ヴィンセントとの関わりのほうが面白いのに」って言ってる人もいました。
*意外と発展が速いジム君。ミシェルとは会ったのたった2回目なのに、もう・・・というより、ミシェルが積極的なのね。
でも、「僕たちまず良く知り合うべきじゃないのかな。」と(一応)退路を残しておくのは、なかなかの紳士ではないでしょうか。(この状況で「そうね。・・・じゃ、あなた、血液型は?好きな食べ物は?」という展開になることは、あまり考えられないけれども。)
しかし、ミシェル・・・好奇心の強い人だなあ。それもあって、ジムは「ミシェルはサイモンのために自分を探っているのでは」という疑いが湧いてしまったのでしょうか。
*車酔い、じゃなかった心因性嘔吐・・・執政家兄弟好きな方は、この裁判所帰りのシーンで、ショーンのRONIN、思い出してしまいませんでしたか?
やっぱり『脱ぐときは気前良く脱ぐ(The Bankではあまり)』のと、『車に弱い』のはさすが兄弟。(ちが〜う)
*デイヴィス一家・・・このお父さんウェイン・デイヴィス役のスティーブ・ロジャースは、舞台でDavidやリチャード・ロクスボローと共演した事のある俳優さん(That Eye, The Sky公演)だそうです。大きな身体で、子煩悩で、温厚な・・・クライマックスでは、猛々しさと弱さの間を揺れ動くところを、とても巧く演じていたと思いました。
*サイモンを演じるアンソニー・ラパグリア。この人も出身がオーストラリアなんですね。
これまで名前は聞いていても、あまりなじみがなかったのですが、とてもいい俳優さんだと思いました。一本調子で悪役を演じるのではなく、奇妙に人を惹き付ける何かがあるような。Davidとの共演シーンも、あるシーンではサイモンが圧倒し、別の場面ではジムの力に引き込まれる・・・といった二人の力関係のゆらぎが、見ていて面白かったです。両方とも力のある俳優じゃないと出来ないと思いました。しかし、サイモンは言葉が悪いなあ・・・人も悪いけど。
*回想シーン・・・スクールバスを降りて、家に向かう少年の後姿のショット、それにかぶる音楽、両方ともとても好きです。その後の静かな悲しいシーン。もちろん、回想シーン前後のDavidの表情は、・・・最高ですよね!!
*クライマックスのパニック状態だったBTSE研究室が静まり返って、モニターに『∞』のマークが映っている所。特典映像の、プロローグ原案コンセプトでコノリー監督が言っていたのですが、最初プロローグとしてジムがお父さんに、車の運転を(もちろんお父さんもうしろからハンドルを握って)習うシーンを考えていたそうです。その車の走った跡が、地面に∞を描く・・・という導入部。もしその通り作っていたら、親子の絆を描いた導入部と、復讐の完成のシーンが同じ符号でリンクされるわけですよね。それもなかなか良かったかも。こちらのバージョンを捨てるの、コノリー監督かなり辛かったでしょうね。
*誰もいない研究室でひとりジムの残していった式の書いてあるテーブルクロスを見詰めるヴィンセント。可哀想じゃないか、ジム〜!
このひとは、絶対ジムの事を友達だと思っていたのに・・・『今度、ジムとチェスを一緒にさすんだ・・・♪』とか、『またバーに一緒に飲みにいくんだ・・・わくわく』なんて、楽しみにしてたんですよ、きっと。
それにしても、ヴィンセントやミシェルを始め、センタバンクの人たち全員、失業してしまったんですよね。サイモンはどこに行っても逞しく、しぶとく(たぶん奥さんと子供は、ほったらかしで逃亡してますね、この人の場合。)暗黒街でだってやって行けるでしょうが。そのへんの所が、釈然としないといえば、しませんでした。普通に真面目に仕事をしていた大多数の人たちも、わけが分からない内に勤務先が壊滅してしまったわけですし。
だけど、何度も見るうちに、あえてその面でジムをダークさを抱えたままで描きたかったのかも、と思うようになりました。
BTSEを開発しようとした動機は、最初のプレゼンテーションで言っている通りなのでしょう。BTSEを最終兵器として使うかどうかは、センタバンクに来た時点では決めていなかったのでは・・・。もしサイモンや取締役たちが、社会のほかの人たちに対する人間らしい心を持っていたら、センタバンクを壊滅させるところまでは行かなかったのではないかと思います。
BTSEは、試金石というか・・・それを利用する機会が出来た人間が利己心に凝り固まっているか、それとも他者に対して血の通った行動が取れるか、分かれ道に立たせて選択を迫るものなのではないかと思います。ジムはセンタバンクの中枢に飛び込んで、サイモンと身近で接するうちに結局この銀行を動かしているトップの人間たちが、前者である事を見極めてしまったわけですよね。(でも取締役会でひとりだけサイモンに反対する頑固なおじいさんが、とても良かったと思いました。こう言う人も、絶対に存在すると思う)
サイモンに接するうちに、ジム自身の中の破壊的な面が召喚されてしまったような気がします。
ミシェルに、迷子みたいに心もとなげな表情で「ただ離れずにいてくれないか。」っ言ったり、BTSEで社会の役に立ちたいって思ったジムも、一般の善良な従業員を犠牲にしてもセンタバンクに復讐せずにはいられなくなってしまうジムも、両方本当のジム。――あえて一種心の奥底で壊れてしまったところのある人間として描くことで、その悲劇性が表されているようにも感じます。
*父と子・・・完成バージョンではお父さんが痛ましい遺体のシルエットでしか出てきませんが、コノリー監督の最初のコンセプトでは、上のほうで書いたようにお父さんの膝に乗って、一緒に車の運転をしているシーンがプロローグとなっており、ハンドルの上で重なった親子の手が絆を表している・・・という場面を考えていたそうです。
完成版ではお父さんに対する気持ちって、はっきりとは描かれていないけれど、大好きなお父さんだったでしょうね。図書館のマイクロフィルムのなかにミシェルが見つける、お父さんの亡くなった事を報じた新聞記事では、(字が小さくて少ししか判読できなかったんですが)"one
of its (ジムの故郷のビューラの)favorite members"と書いてあるようなので、ジム(というかポール)の町の人たちにも好かれるいい人だったのではないでしょうか。
プロローグの最初のコンセプトでは、お父さんとお母さんが財政上の問題があって悩んでいる所を、子供が垣間見る・・・というシーンも考えていたようです。お母さんが泣いてたりして。
ということは、裁判での偽証では、おそらくデイヴィス一家に自分の家族を投影して見ながら、彼らの最後の願いを叩き潰し、銀行に味方することをやってのけなければならなかったのですよね。復讐を成功させるために、自分の家族と同じ苦しみ(生活の基盤を奪われ、家族の一員も失うと言う)をなめた人たちを陥れると言う皮肉。
それにしても、こんなに聡明で感受性も鋭そうな子供が、(しかも行っている小学校からすると、たぶん自分で生命を絶つことを厳禁するカトリックの家)自分の目でお父さんが自ら死を選んだ姿を見てしまうなんて・・・
そういう過去を全部背負った彼がコンピューターの画面を見詰めて、何も知らずに「この時をずっと待っていたんだろう」と言うヴィンセントに「そうだ。」と答える場面は、圧巻だと思いました。
本当に、一見無表情と見えるくらいなのに、それまでそのキャラクターが背負ってきた過去が伝わってくる微妙な表情・・・というのがDavidの真骨頂だといつも思います。
それから、BTSEのシミュレーション値から実際の値動きが反対に動き出して、ヴィンセントが真っ青になってジムの顔を見ると、画面を見詰めるその顔がうっすら微笑を浮かべてる・・・すごくきれいだけど、それでいて鳥肌が立つような何かがあって、これも凄かったです。
そして、そのあとで自分を信頼して慕ってくれたヴィンセントに「すまない。」っていうところの顔も・・・
この一連のコンピューター室での表情の動きが見られて、「あーDavidファンでいてよかった!」と思いました。
以上、The Bank感想を、とりとめも無く書いてみました。
水も漏らさぬ完璧な作品か、というと、正直言って判らないです。でもあからさまに全てを説明するのではなく、映像からも細部を読み取らせて、観客の心の中でジグソーパズルのように全体を構成させる・・・というコノリー監督の手法はとても好きです。(って台詞を全部聞き取れたわけではない私が言えることではないのですが・・・)
それからBTSEの開発が行き詰まったジムが、外の空気を吸いに出るシーン。銀行の影が濡れた歩道に伸びて、ジムを静かに追う・・・というショットが「あーこれ、いいな〜」と思って見ていたら、ACで監督が「このショットが一番気に入っています」と言っていて、うれしかったです♪
コノリー監督、台詞で「聖杯」(Holy Grail・・・この場合は究極の探索目標、というくらいの使いかたみたいです)なんて出てきたり、ACでサイモンとジムを、「王」と「錬金術師になぞらえたりして、ひょっとしたらファンタジーも嫌いじゃないんじゃないかな・・・なんて思ってしまいました。全然違う傾向の映画も見てみたい。David主演でコノリー監督のファンタジー系バディームービー(どんなだ)なんか、見たいです〜!!
あと、もうひとつだけ・・・エンド・クレジットで、たいがいお世話になった人たちに感謝を表す部分がありますよね?The Bankでは、Peter Wenhamという方に謝辞が捧げられていたのですが、これは・・・もしかしてWenham家長男のPeter?(わからないけれど。・・・親戚もきっとたくさんいるでしょうし、良くある名前だし)でも年の離れたお兄さんと仲良しだったら何だか嬉しくないですか?
しかし、Davidの家族といえば・・・以前David Wenham netのMiscellaniousギャラリーでお父さんとお母さんらしき優しそうな老夫婦と一緒に映った写真があったのに、もう見られないんですね。・・・ぐすん。
DWN、また、ぜひ復活して欲しいです。Davidファンみんなの願いですよね。
2003年8月末アップ・・・のつもりでしたが12時を過ぎたので九月アップになってしまいました・・・