4・8 アイヌ民族共有財産裁判緊急集会にご支援、緊急集会にご支援、参加ありがとうございました。

 緊急集会にもかかわらず多くの方々が参加してくださいました。

 その後の「速報」を別紙に示し状況把握に役立たせてください。共有財産返還を含めて「北海道旧土人保護法」の撤廃作業の不徹底さがもたらす問題はこれからも出て来るでしょう。

 今は、裁判が正常に行われるために支援して行きましょう。

  長谷川 修

(写真は右から 上村英明さん、青木悦子さん、小川隆吉さん、川村シンリツ・エオリパック・アイヌさん、大脇徳芳さん、長谷川修さん)


4・8「 アイヌ民族共有財産裁判」緊急集会報告

4・8「 アイヌ民族共有財産裁判」緊急集会報告                               加藤 登

 この集会は、4月8日の日曜日、午後4時ー7時、新宿区西早稲田にある日本キリスト教会館において、札幌、旭川から原告であるアイヌ民族を招き、裁判を支援する全国連絡会の事務局を交えて開かれた。

 主催者の予想を上まわる約70名の参加をもって、集会は開催された。

 主催者は4・8「 アイヌ民族共有財産裁判」緊急集会実行委員会。青木悦子さん、新井明さん、上村英明、浦川治造、佐藤タツエさん、長谷川修さん、そして首都圏のアイヌ民族4団体、関東ウタリ会、東京アイヌ協会、ペウレ・ウタリの会、レラの会によって呼びかけられた実行委員会だ。

 長谷川修さんの司会で集会は始まった。  発言は、上村英明(市民外交センター)、青木悦子(原告)、小川隆吉(原告)、川村シンリツ・エオリパック・アイヌ(原告)、大脇徳芳(アイヌ民族共有財産裁判を支援する全国連絡会事務局)の5人。

上村英明さん

 1996年6月の政府の国連に対する報告は、「差別法を撤廃します」というものだった。翌年の1997年7月1日、香港返還とちょうど重なり「アイヌ文化振興法」が施行され、同時に「旧土人保護法」が廃止された。

 政府は「旧土人保護法」に対して、「保護を目的とするもので差別を助長するものはない。民族の間に優劣を設けるものではない」といっていたが、1996年での時点では、差別法であると認めたわけだ。

 「旧土人保護法」では、アイヌ民族に1万5千坪の土地をやるといっているが、当時、和人には10万坪をやっていた。

 「旧土人保護法」の第8条を見てほしい。「第4条〜第7条に要する費用は北海道旧土人共有財産の収益を以ってこれに充てる」とある。これをみると「共有財産」が、「旧土人保護法」のコアであることがわかる。

 アイヌ民族の財産としてアイヌ民族に返還するというが以下の問題点がある。

1.「1年以内に請求すること」と期間を限定している。

2.共有財産の処理に関して、事前にアイヌ民族に対して報告、相談がなかった。

3.アイヌ民族の財産は、適正に管理されたか。途中で不明になっていないか。

4.価値の問題。1880年代の3000円というのは、当時の総理大臣の給料をはるかに超えている。それを今の額に当てはめることはできない。

5.不明になっていた分の損害に対してはどう保障するのか。これまで取り上げていた賠償の問題をどうするのかが不明である。

青木悦子さん

 和人は、アイヌ・モシリを「北海道」と名づけ、勝手に入ってきた。私たちアイヌの国を内国植民地として支配し、土地を奪った。

 わたしは、原告24人のうちの一人であり、北海道以外では唯一の人だ。北海道では、お姉さんと、お兄さんの嫁さんが原告になっており、24名のうち3名を私の兄弟が占めている。共有財産は、アイヌ民族全員のものであり、アイヌ民族の子孫全員にその権利がある。

 北海道は、全道の役場に周知することさえなく、官報での一片の公告だけで当事者への連絡を済ませてしまおうとした。アイヌ民族をないがしろにした道の非道なやり方に怒りを覚える。知ってからすぐ幕別町にいき、親戚をまわった。

小川隆吉さん

 この地上にこのようなことがあっていいのか?    日本の国家の成立過程をふり返れば、北海道は、植民地政策その実験であったことがわかる。5000円札の新渡戸稲造は、その重要な役割を果たした。 

 北海道大学医学部には、1004体の人骨がある。アイヌ民族は、動物実験室で実験に使われたのだ。北海道大学には、今もすべての建物に地下道があり、天災、人災に備えているといわれるが、「植民学」のなごりとみるべきだ。私たちを人間として扱わない植民地政策が実行されてきた。これを『過去のこと』として二十一世紀を迎えることはできない。

 北海道知事に資料を要求し、マイクロフィルムの一部が明らかになっている。いまもって共有財産に関する資料は公開されていない。情報公開といわれながら、こんなでたらめなことが行われている。

 旭川での「大倉組」(大成建設の元)の果たした犯罪的な行為を忘れることはできない。また、町村牧場が、道から多くの土地を払い下げている問題も忘れてはならない。今日財産についてはいまだ解明されていないところが多く、こういった問題を外側に広めよう。

 新しい法律(アイヌ文化振興法)が邪魔になっている。この不正利用をめぐって、さまざまな実態がマスコミにさらされている。

 貝沢ただしさん、萱野茂のやってきた「ニ風谷裁判」にも注目しておきたい。道庁も、この裁判にかかわっていた。

 「共有財産」の道庁の発表に申し出なさいといわれ、この発表にのるかのらないかを巡って攻防があった。

 当事者54名で、60数件であった。申し出のあったうち、許可されたのは、24名だ。道庁は、不当にも資格があるのは、長男長女に限定するといってきた。ウタリ協会は、組織としてはこの裁判にノータッチ。

 4月26日の判決で、勝つか負けるかは現時点でわからない。    被告の道は、原告のアイヌ民族に「訴えの利益がない」として門前払いをしようとしており、その可能性もある。

 東京では、交流センターができ、多くのアイヌ民族が、権利回復のために利用している。過去のエカシ・フチの思いを背中に背負って、この裁判を行っている。

川村シンリツ・エオリパック・アイヌさん

 「シンリツ・エオリパック・アイヌ」は「先祖を敬う人」という意味だ。おばの砂沢クラが命名したものだ。アイヌ民族は、鮭が主食だが、和人は、鮭を取ることを禁止し、アイヌ民族風習であったいれずみを禁止した。さらに、その家に死者が出れば、家を燃やしていたのだが、これも禁止。宗教言葉も禁止した。

 1985年、司祭者として旭川では28年ぶりにイオマンテ(熊送り)を行った。それ以降、神への感謝に根ざした儀式の復興にこだわりつづける。

 給与予定地は、1万5千坪あったが、いつのまにか3千にへらされた。

 1960年代半ばまで、戸籍を取りにいくと『給与予定地出身、旧土人』と書いて あった。今は書いてない。

 共有財産については、最初、官報見たけどわからなかった。ことの重要さについては後で学習会して教えてもらった。アイヌ施策推進室にいいたら、役人がボールペンをもってころころ転がして利息がつくよなどとふざけた態度をとっていた。

 弁護団は7人いるが、みんな手弁当でやってくれている。原告になるには長男・長女でなければならないと、道庁はいうがアイヌ民族にはそのような風習はなく、子供はみな平等に扱う。これからは、土地返還運動にとりくみたい。萱野茂さんに「楽しんでやりなさい」といわれたが、河野本道の裁判もあってつきに2回札幌に行かなければならず、とても楽しんでいられない。

 仮に勝利したらアイヌ文化振興法では実現できなかった子供のための教育資金や老人のための年金に使いたい。

大脇徳芳さん

 私のおじいさんは、屯田兵で、わたしはその子孫ということになる。戦中の軍国主義のなか、食べていくのは大変であった。そんななかで、アイヌ民族にであった。アイヌ民族の料理である芋団子をわけてもらったのだ。

 わたしの役割は、原告と弁護士を結ぶことである。    準備書面は、全部で128ページ。3部構成されている。

 第1部 先住民族に対する国際的潮流-保護・同化から共存へ-    第2部 北海道旧土人共有財産について

 第3部 各共有財産別の管理の経過

 憲法29条に規定された財産権の侵害、同31条の手続き違反を問題にしている。 共有財産裁判支援や、アイヌ文化振興法をめぐって、笹村理事長と喧嘩したことがある。そのとき、笹村理事長は、1年間に90億円の予算がついているといっていたがそんな問題ではない。

 共有財産どれだけあるかわからない 

 憲法13条や国際人権B規約に抵触している事も問題にしていかなければならない。アイヌ新法に関しては、1984年ウタリ協会案ができ、1988年に道知事、道議会道ウタリ協会が政府に新法制定を要求した。この原点にかえって運動をすすめるべきだ。小川隆吉さんが長老会議を提案しているが、この提起にこたえるべきだ。 

 当初、原告は、18件全部申請することを考えた。46名65件全部。行政の側は、「おまえ資格があるのか」などと制限を課し、最終的には24名で原告を形成した。そのうち、旭川が7〜8割をしめる。

 土地にかかわる告示や道の資料に基づいて道を追及した。「現金化したけど何を現金化したのか」などと。今でも道が隠し持っている情報を公開することを要求している。

質疑応答

 質疑応答では、ノンフィクション作家やフリージャーナリストが質問した。

 農地改革法での土地はどうなったのか?18件のほかにアイヌ側で持っている資料はあるのか? などの質問があった。    農地改革法の適用になったこと。アイヌ側も、指定された以外に財産8件あったことをおさえているとの回答があった。

 集会の最後に原告団の団長である小川隆吉さんのあいさつをもって、集会を終えた。




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