釣行日:平成13年12月7日(金) 小潮 天候/くもり 

<釣り物> アマダイ
<釣 果> アマダイ1尾、キダイ3尾、トラギス2尾、その他数尾
<船 宿> 久比里 山下丸
<釣り場> 東京湾 剣崎沖
<タックル> 竿/RYOBI プロセクション関東シャクリ50-240、リール/Daiwa SEABORG500e(道糸:PE6号)、仕掛け/ヤマシタ 厳選アマダイ(ヘッドチヌ3号・ハリス&幹糸3号・枝25cm・全長2m)、テンビン/ヤマシタ 船テンビンK型遊動タイプ(太さ1.8mm・アーム長35cm)、オモリ/60号〜80号
<エ サ> オキアミ
<釣り座> 左舷胴の間
<同行者> 師匠
<どう食ったか> 刺身、塩焼き

<日 記> 今日は、久し振りに平日に有休をもらっての釣行。

 数日前に師匠が仕事の打ち合わせをしに私の会社がある五反田まで来てくれた。
 その時、会話の中でお互いに今度の週末は仕事が入っていることを知る。
 さらに偶然にも、双方とも平日釣行の計画があることも明るみに出た。

 そうなると話しは簡単である。
 「いつ」「なにを」釣ろうかが最大のテーマとなった。そう、すっかり仕事の話はどこかに飛んでいってしまった…。

 その席で私が提案した釣り物は「オニカサゴ」か「アマダイ(※1)」だった。
 どうしてその魚なのか!?その理由は奥が深すぎてこの限られたスペースでは書き切れないので割愛するが、どうしてもその内のどちらかをやりたかったのだ。

 そして結局、今週の金曜日に久比里から出る平日アマダイをやることに決定したのだった。

 昨日の木曜日、忘年会を兼ねてもう一人の釣り友である同僚の中村を交えて師匠を接待した。
 忘れてはならないのが師匠は、私が勤める会社の取引先の営業課長であるということだ。仮にも一応はお客さんなのである。
 だからたまには接待もやらなければならないのである(まあ、実状はいつも私の方が面倒を見てもらってるけど…)。
 しかし、接待といっても結局は会社が飲み代を出してくれるただの宴会であるのが事実…。

 その宴会では当然、釣り談義に花を咲かせたのだが、楽しすぎて結構遅くまで飲んでしまった…。
 翌日は二人とも早起きをしなけばならないのに…。

 そして今朝、お互いに4、5時間の睡眠をとっただけで朝を迎えた。
 早朝の空気は身を切り裂くように冷たい。そして、寝不足がたたって頭がボーッとしている。

 6時に師匠の車にピックアップされ、久比里に着いたのが午前7時。
 さすがに平日だけあって今回の船宿である山下丸さんの店先も閑散としている。
 受付で料金を支払い、早速船に乗り込む。

 船上には右舷オオドモに竿が一本挿さっているだけで他にお客さんがいる様子がない。
 こりゃ幸いと師匠が左舷オオドモ、私が同舷胴の間をキープする。

 出船までの間、コンビニで買った爆弾型巨大おにぎりを食べながら私は思った。
 「アマダイって一年前に一度やっただけだよな…」と。
 その時は知らずに上げた仕掛けにたまたまアマダイが付いた状態で、そのアタリも分からず、巻き上げの引きも楽しめず、出会いがしらの交通事故みたいな感じで1尾だけ得るといった、やや情けない釣りだった。

 だけどまあ、今回は釣り客も少なそうだし、分配される数も土日よりは多いだろうと楽観的な考えの私。
 最終的に乗船者は私たちを含めて4名。左舷2名の右舷2名。やっぱり平日釣行はいいなと単純に嬉しがる私。

 定刻の8時に出船。
 平作川から海に出ると強い北風の影響で波がやや高い。
 それから約45分の航程で到着したのは剣崎沖。思えば剣崎は久し振りである。

 船長の合図と共に仕掛けを下ろす。
 水深は約80m前後。
 オモリ着底後、糸フケを取り、1メートル巻き上げ、そこからゆっくりと誘い上げる。

 それにしても寒い!!
 今日の私は防寒用の肌着の上にさらにステテコ型肌着を身につけ、ニットのインナーに、フリース&ホカロン貼りまくりでゴアテックスの冬用ウェアまで着ているがそれでも寒い。寒いといったら寒い!!しかも、強い北風がさらに体感温度を下げる。

 「平日に休んでこんな寒い思いをするヤツってメデタイよな…」とつまらないことに感心する。
 「これでボウズだったら笑えないよな…」との懸念も湧き上がる。
 「いや、笑えないどころか泣いちゃうね、俺…」と洟をすする…。

 第一投目で小さいアタリがあり、巻き上げるとアカボラ系のピンクの魚。
 「クーラー空っぽよりはマシだもんね…」とすかさずキープする私。
 そして第二投目も同じ魚が上がる。
 「これでカミサンの分も釣ったからオカズの取り合いにならないで済むもんね…」と安心する(ってそんな貧しい家庭なのか、ウチは!?)。

 それからしばらくして横にいる師匠がゆっくりとリールを巻いていることに気付く。
 「なにをチンタラ巻いてるんだ!?」と思いながら見ているとそのご本人から「すいません、タモ用意してもらえます?」と懇願される。
 その後、海面に姿を現したのは紛れもない本命のアマダイ。しかもデカイ!!
 頭からタモ取りしてあげて無事本命をゲット。さすが私の師匠、船中第1号だ!!
 そのアマダイ、ラクに40cmを超える良型である。強い引きにすかさずドラグを緩めたのが効を奏したそうだ。

 それからも立て続けに彼は私の横で「カリカリカリカリ…」とリールを巻いている。取り込まれたのはイトヨリであるが外道とはいえこれまた良型で羨ましい限り。

 「よしよし、間違いなく魚はいるぞ!!」と確信した私は期待を込めて誘い続ける。
 すると、「ぐぐッ」といきなり50号負荷の私の愛竿が絞り込まれた!!
 「きっ、きた〜〜ッ!!」
 とばかりに手でリールを巻き始める。
 「ぐぐぐぐッ、ぐぐぐぐッ!!」
 さらにその魚信に重みが増し、魚が掛かったことを知らせた。緩めにしてあったドラグのためにリールのスプールが止まる。
 「こ、こりゃデカイぞ!!でもドラグ緩めすぎだ!!」
 と思い、少しだけ締めた瞬間、その指が巻き上げレバーに触れた…。いや、押し上げてしまった…。
 「ウイ〜〜〜ン!!」と鳴り出すリール、アセる私。
 すぐさまレバーを戻し、手で巻き始めるが先程までの魚からのシグナルは感じられなかった…。
 バレたらしい…。

 それからはバラしたショックと、睡眠不足に寒さが災いして釣りに集中出来ない。
 水深が頻繁に変わるのでマメに底ダチを取らないといけないのだが、それすらもメンド臭くなってくる。
 釣れないし、寒いしでヤケになってコンビニで買った燗機能の付いているフグひれ酒を飲んだりする私。寒気のためにあまり温まらないけどそれでもホッとする。

 「はぁ、ちょっとトイレでも行ってくるか…」
 と竿をキーパーに掛け、席を外したのが午前10時40分。
 用を済ませて戻ってきた瞬間、船長から移動を告げられる。

 今回、初めて使う新品のリールには「Hi SPEED」というボタンがついている。
 今まで押してなかったので、試しにプチッと押してみた。

 「ウイ〜〜〜ン!!」

 おお、いきなり最高速度で巻き上げ始めた!!こりゃ、いいや!!って喜んでいたアホな私。
 しかし、リールの様子を見るとどうも緩めに戻したドラグのせいなのかときどきスプールが止まることに気付いた。
 「ちぇ、これじゃ埒があかないぜ!!」とドラグを締める私。

 「ウイ〜〜〜ン!!」

 よしよしガンガン巻き始めたぞ!!パワーあるな、このリールは!!

 テンビンが見え始めた頃、自動的に巻き上げが止まった。
 「どれどれ、エサのチェックでもするか…」とテンビンを取ろうとした瞬間、海中になにかがいることに気付いた。
 「どこかで見たような魚だな…」と思ったらなんと本命のアマダイじゃありませんか!!
 私がトイレに行っていたときに置き竿に食っていたのでした。で、不注意な私は確認もせずにHi SPEEDで、ドラグぎちぎちで巻き上げたわけです。
 「よくぞ今回はバレずに上がってきたな!!」とアマダイに感謝しつつ、一気に抜きあげる。

 その様子を見て船長、「あら、魚が付いていたんだ!?」と一言。
 そうなんです。今回も一年前のとき同様、釣ったのではなく付いていたのです。やっぱり出会いがしらの事故みたいなものです。

 それからは師匠と私は本命に見放され、キダイやトラギスなどを連釣して午後3時、納竿。

 ただの幸運以外の何物でもない今回の釣果。
 寒くてやる気が出ず、お酒ばっかり飲んでおり、トイレに立った一瞬に食ったアマダイ。
 寒くなかったら釣れなかったのか、水分を控えていたら釣れなかったのか、やる気があったら釣れなかったのか、その答えを訊いてもアマダイはなにも教えてくれませんでした(チャンチャン…)。


※1【アマダイ(甘鯛)】正式にはアカアマダイ。水深100m前後の砂泥底に穴を掘り隠れ家とする。体長40cm。成長は遅く8年で30cm前後。寿命は10年弱。肉は白身で水っぽいので干物や味噌漬けにする。京都では「グジ」と呼ばれ多く用いられる。ことに懐石料理には欠かせない素材である。釣れないからってグジるのはやめましょう…。

アマダイ
「可哀想だから食ってやったのさ…」
<全体的にピンク色…>