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 釣行日:平成14年7月6日(土) 若潮 天候/くもり時々晴れ 

<釣り物> アジ
<釣 果> アジ57尾
<船 宿> 横浜山下橋 広島屋

<釣り場> 東京湾 富岡沖〜中ノ瀬
<タックル> 竿/Daiwa LEADING-Xsasoi100-150、リール/Daiwa ミリオネアCV-Z250F(道糸:PE4号)、仕掛け/【A】ハヤブサ 竿頭アジビシ“追い喰い”(ハリムツ10号3本針・ハリス2号・幹糸2号・枝30cm・間60cm・全長2m)【B】ヤマシタ 一荷専用仕掛アジビシ(ハリ金ムツ10号3本針・ハリス1.5号・幹糸1.5号・枝25cm・全長2.1m)、テンビン/船テンビンK型(太さ2.0mm・アーム長40cm)、オモリ/アンドンビシ130号(手釣りのみ+20号)、手釣り糸/ミサキ ザ・タナトリ(タコイナダ用27号)
<エ サ> 【付けエサ】イカのアカタン【コマセ】イワシのミンチ
<釣り座> 左舷胴の間
<同行者> 師匠、高橋氏
<どう食ったか> 刺身、フライ、干物、なめろう

<日 記> 今日は久し振りの師匠&高橋氏との釣行。

 このメンバーでの釣りは今から2ヶ月前、外房までマダイ五目をやりに行って以来なのです。
 あのときは惨憺たる結果となりました…。いまだにそれで受けた心の傷は癒えてないような気がしてなりません…。私なんかわざわざ勝浦まで一泊二日の遠征をしてお土産が
キュウセンだったんですから…。
 母さん、マダイって本当にいるのでしょうか!?

 さて、本日の釣り物は師匠からの指令が下って、ビシアジに。
 ここ最近、アジにまでも見放された感のある私としては、そろそろ起死回生の豊漁、汚名返上の爆釣が大命題だと言わざるを得ません。

 「ビシアジはコマセ釣りの基本」と私に教えてくれた師匠。
 昨今、ビシアジ絶不調な私はここいらで師匠とビシアジ釣行をして、再度イチから基礎を勉強するのもスランプを脱出する一助となるのではと思った次第なのです。

 そう、師匠は私にとって大きな目標であり、偉大なる恩師なのであります。

 その偉大なる恩師が最近購入した新車
「ist」で今朝の6時過ぎにいつもの場所まで迎えにきてくれた。
 向かう先は師匠お気に入りの宿、広島屋さん。

 6時半頃には船宿に到着。
 店番をしていた親父さん夫婦と挨拶を交わし早速、船に乗り込む。するともう一人の相棒の高橋氏が左舷オオドモでニスキャップを肴にワンカップ飲みながらタックルの準備をしていた。

 彼も先日の外房遠征釣行の被害者の一人だ…。
 外房の荒波に揉まれ、釣り開始と共にいきなり胃液混じりのオリジナルコマセを3連発海面に噴射するという未曾有の記録を打ち立てた外房キラーである。

 8時の出船までの間、三人でビールを飲みながら他愛の無い会話を楽しむ。
 そのうちに師匠は女子高生が持っていそうな折りたたみ式の手鏡と日焼け止めクリームを取り出した。
 そしてその鏡を立てかけて自分の顔を見ながら日焼け止めクリームを大量に塗りだした…。

 「鏡見ないで塗るとムラになっちゃうんですよ」と言い訳めいたことをささやく…。

 顔面を真っ白にさせた師匠。
 何故か8年前に見た、自分の披露宴のときのカミサンの厚化粧を思い出した…。そう、桁外れの真っ白さなのだ…。

 今日は朝から風が少し強かった。
 しばらくしてフト、師匠の右頬を見ると白いクリームの上になにか黒っぽいものが付着しているのに気付く。
 それを最初は飛んできたゴミかと思ったが、よく見るとゴミではなく、風上にいる私が吸っていたタバコの灰のかたまりだった…。

 白地に映える黒い灰…。
 仮にも偉大なる師匠と崇拝する人がホッペタにタバコの灰付けて笑っている…。
 不肖な弟子は笑いをこらえるのに必死だ…。

 「やべ…。俺のラッキーストライクの灰が飛んで師匠の顔に付いちゃったよ…。でも『スミマセン、クリームの上に灰が乗っちゃいました』って言うのもなんか気まずいよな…。やっぱ、黙ってよう…」と判断した(結局、師匠は一日中顔にタバコの灰を付けてアジ釣ってました…。ハイ…)。

 あっ、こんなことばっかり書いてるといつまでたってもレポート終わらないので本題に入ります…。



 今日が広島屋さんではビシアジの初日。
 船長の話だと何度か試し釣りをしたそうで釣果もまずまずの様子。

 8時ジャスト、親父さん夫婦と船長の奥さん、そして三人の可愛いお子さんたちが手を振って見送ってくれる(ホントこの宿はアットホームなのだ!)。

 最初のポイントは近場の富岡沖。航程30分ほどで到着した。
 水深の浅い場所を攻めるだろうと思っていた私は手巻きで挑む。しかし、他の人たちはほとんど電動リールを持参。
 開始の合図と共に仕掛けを沈めると17m前後で着底した。

 ところがこのときトラブル発生。
 高橋氏の道糸が高切れしたのだ。コマセを振ったらいきなり切れたそうだ。
 そこで船長からビシとテンビンを借りて再度投入。
 しかし、なんとまたしてもコマセを振ったら「ピシッ」と音を立ててPEが切れた。

 師匠の見解ではタチウオ釣りのときにその鋭い歯で傷がついていたのではないかとのこと。

 船に積んである最後のビシ&テンビンを借りた高橋氏。これを無くしたら後がない…。

 しかし、その後はなんのトラブルもなくコマセが振れて全員ひと安心。
 ところがトラブルはなくなったがアタリもない…。

 船長は頻繁に小移動を繰り返すがアジからの魚信は皆無…。左舷ではまだ誰も型を見ていない…。

 約1時間粘ったこの富岡沖に見切りをつけた船長は中ノ瀬へ転戦することに決定。

 だが、中ノ瀬に到着しても船長は魚探を見つめ続けて停まる様子がない。
 丹念にアジの魚影を探すがどうも今イチの様子…。
 私は次第にヤな胸騒ぎがしてきた…。今日もまたアジに嫌われそうな予感がしたのだ…。

 ついこの間までは釣れて当たり前と思っていたアジ。
 「こんなにあっても食べきれないよ」と途中でやる気をなくしてしまっていたアジ。
 「釣果確実」「安全牌」「無難な釣り物」だと信じきっていたアジ。

 最近ではツ抜け出来れば御の字だと考えるようになっていた。きっと今までバカにしていたツケが回ってきたのだろう…。アジとの蜜月の時代は去ったのか?

 ようやく投入の合図が出されたが相変わらず手元にはなんのシグナルも伝わらない。
 タナは底から2〜2.5mとの指示が出ていた。
 1mでコマセを振り、さらに1m巻いて待つ。ひたすらそれを繰り返す。このとき一番怖かったのはコマセ撒いて一日が終わることだった…。

 するといきなり事態は好転した!!
 急に「クンクン、クンクン」と待望のアジのアタリが訪れたのだ。
 上がってきたのは旨そうな20cmほどの本命。嬉しかった。

 そしてそれからは怒涛の入れ食いタイムに突入。
 タナを2mで維持したままアタリがあっても1m巻き上げ、更なる追い食いを待つ。トリプルは無いにしてもダブルで頻繁に中アジが食ってくる。
 海面でのバラシも無く、ハリはしっかりと上アゴに刺さっている。底から2mが真ダナだ。

 船中、全員がさっきまでの静かさがウソのようにポンポンとアジを抜き上げている。
 私だってまたいつ食い渋るかも知れないのでここぞとばかり「アジ・マシーン」に変貌した。鬼のように釣り、足元のバケツはみるみるアジで一杯になった。

内心、電動リールを持ってこなかったことを後悔した管理人です…。
<面白かったけど…>
 気付くとアジはすでに20尾に達していた。
 ここで私は気持ちに余裕が出てきたので道糸からテンビンを外し、持参してきた手釣りの道具に付け替える。

 師匠からのアドバイス。
1)手釣り糸は太いのでビシを重くしないと他の人とオマツリする
2)手繰った糸はバケツなどに収めると手前マツリしない
3)混んでるときはやっちゃダメダメ

 この道具は先週、まつもとさんとのマダコ釣りで彼が持っていたのを見て早速自分も欲しくなり、購入した物だ。

 130号のビシに20号をプラスして仕掛けを降ろす。
 私の右隣りにいた常連のオジサンが、「おや。珍しいことをする人がいるね〜!!」と呆れている。
 確かにリールも手巻きだし、今度は手ビシにてアジを釣ろうとしているのだから時代に逆行している気がしなくもない…。

 「時代遅れな男」そんな言葉が今日の私には似合いそうだ。
 「自分は不器用ですから…」と気分は高倉健だ。

 ビシが底に着いてから目算で1m手繰り、コマセを振り、また1mほど手繰ってアタリを待つ。すると指先に伝わるダイレクトなアタリ。かなり面白い。
 「うんしょ、うんしょ!」と糸を回収するとバレることもなくしっかりとアジが姿を現す。

 この調子で10尾ほど釣った。
 時間はお昼近く。
 お腹が空いてきた。
 そろそろ祝杯のワンカップを飲んでもいい頃だった。
 灰が飛ばないように気をつけながらタバコも吸いたくなった。

 しかし、私の右手は完全にふさがっている…。
 サンドイッチを食べたくても包装紙を開けられず、ワンカップのフタも開封出来ず、タバコを吸うにも左手だけとなる…。

 私は早くも手釣りについてあることを開眼した。

「これって置き竿できないんぢゃん…」
 と…。

 置き竿愛好家を自認する私にとって手釣りはあまりにも前向き過ぎた。
 両手をフリーにして「ボヘ〜」っとする時間が決定的に無いことに気付いた。
 チビラークを使って「置き糸」にしてみたが竿と違ってアタリがあっても分からない。

 私はいつの間にかまた竿を握っていた…。

 持ってきたクーラーが満杯になったので午後2時45分、竿を畳んだ。
 船長は3時15分まで続けてくれたが竿を出しているのは常連さんのみとなった。
 結局、私の右隣りにいた方が107尾を釣って竿頭に。

 師匠は途中で釣りに飽きてキャビンで寝ていた。
 高橋氏はその性格どおりにマジメに釣って72尾。

 今までのアジの貧果がウソのような一日。
 これを爆釣と言わずしてなにを爆釣と言うのだろうか!?

 「アジくん、またしばらくはキミの顔を見たくないです…」
 クーラーにアジを入れながら私は今晩から始まるアジ地獄を想い、身震いするのでありました。アーメン。


釣れなくても釣れ過ぎてもツライです…。
<脂ノリノリ、中アジは美味!>